今回は23年1月GA文庫・富士見L文庫の新刊感想まとめです。 内訳はGA文庫の新作3点、続巻2点、富士見L文庫の続巻1点の計6点になります。どれもおすすめできる作品なので、気になる作品があったらぜひ読んでみて下さい。
※下記紹介作品のタイトルリンクは該当書籍のBookWalkerページに飛びます。
陽キャになった俺の青春至上主義 (GA文庫)
努力と根性で高校デビューし、陽キャに囲まれた学校生活を送る上田橋汰。そろそろギャルの彼女でも…と思っていた彼が、なぜか陰キャの七草遊々に好かれてしまう青春ラブコメ。橋汰が気のいいカエラや天然の徒然と構成する陽キャグループに、なぜか彼を慕って集うギャルになりたくてピンク髪でイメチェンした恋愛脳ストーカー遊々、イキリオタクの宇民、メスガキ男の娘・龍虎といった濃い陰キャたち。橋汰と仲良くなりたくて頑張る方向が斜め上の遊々はなかなか強烈でしたが、けれど彼らと過ごす日々は陽キャ陰キャ関係なく思いの外楽しくて、困っている仲間たちを放っておけるわけもなくて、何とか解決しようと協力して一緒に乗り越えてみせた橋汰と愉快な仲間たちの物語はとても面白くて、その続きを早く読みたくなりました。
見上げるには近すぎる、離れてくれない高瀬さん2 (GA文庫)
見上げるには近すぎる、離れてくれない高瀬さん2
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神田暁一郎/たけの このよう。 SBクリエイティブ 2023年01月16日頃
席替えで隣になったり一緒に登校したり、少しずつ距離を縮めてきた低身長の水希と高身長の高瀬菜央。身長差20cmの対照的な二人の関係に波紋が投げかけられる第二弾。距離を縮めようと球技大会の練習に付き合ってもらったりと菜央が頑張る一方で、初心者でサッカー部に加入した水希が、ふとしたきっかけから一緒に練習するようになった一つ年上の先輩女子・魚見。別の女の子との出会いやその関係性の変化によって、水希が改めて菜央との関係を意識してゆく展開で、魚見が垣間見せる意外な一面もなかなか興味深かったですけど、そんな状況を知って動揺しながらも、それでも自分なりに何とかしようと一生懸命な菜央をつい応援したくなりますよね。そんな二人の繊細な距離感をこれからも見守っていきたいです。
お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件8 (GA文庫)
お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件8
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佐伯さん/はねこと SBクリエイティブ 2023年01月16日頃
文化祭も終わり、真昼への思いを改めて言葉にして伝え、ともに将来を誓いあった周。さらにそれを形にしたものをプレゼントしたくて慣れないアルバイトを始める第八弾。どんどん距離を近くなる真昼に理由を秘めたまま、紹介されて始めたアルバイト。周の帰りを待つことになった真昼もまた、周への気持ちを伝えるべく密かに行動する展開で、二人の間に積み重ねてきた揺るぎない信頼関係があるからこそ、もっと一緒にいたくなるし、甘えたくなったり寂しくなるんですよね。ぐいぐい来る真昼にはなかなか破壊力がありますが、それを理性で何とか踏みとどまる周の大切に思う気持ちが眩しかったです。
ヴァンパイアハンターに優しいギャル (GA文庫)
気のいいギャル女子高生・琉花のクラスに復学生として現れた美少女・銀華。気になる彼女の秘密を偶然知って仲良くなってゆく光のギャルと闇の狩人が織り成すデコボコ学園(非)日常コメディ。銀髪銀眼、十字架アクセサリーに黒革手袋をしたヤベー奴と思っていた銀華が、実は吸血鬼を討伐していた狩人だと偶然知ってしまう琉花。でもそんな過去も気にせずぐいぐい距離を詰めて、女子高生らしさを知らない銀華にコスメやプリ、友人と一緒にカラオケをする楽しさを教えてゆく琉花が、眷属に襲われたり陰謀に巻き込まれてもJKギャルならではの発想で銀華に協力して一緒に乗り越えてしまう、パワフルで優しいとても素敵な友情の青春小説でした。
新婚貴族、純愛で最強です (GA文庫)
婚姻で授かるホーリーギフトが最重要な貴族社会。とんでもない双子姉たちのせいで婚約破棄された失意の没落貴族アルフォンスが、一目惚れした美少女フレーチカと身分差結婚する純愛ファンタジー。フレーチカとの結婚でアルフォンスが得たギフトは嫁を愛するほど全能力が向上する『愛の力』(重複可)。新婚生活でイチャイチャしながら、それによって得た人並み外れた力で伝説の魔物や女傑の姉たちを一蹴する一方、フレーチカに忍び寄る不穏な影と徐々に明らかになってゆく彼女が抱える秘密。重複可とかいう不穏なスキルでも彼はどこまでもフレーチカに一途で、何とも数奇な運命の彼女に立ちはだかる数々の障害を、二人で乗り越える愛の力として彼らのギフトがカギを握る展開もなかなか上手かったですね。
青薔薇アンティークの小公女2 (富士見L文庫)
絶望の淵から救ってくれたアルヴィンの骨董店で、従業員として彼を支えることになったローザ。ある日、彼女が貴族の青年をとっさの機転で助ける第二弾。家族に対する想いを語り合い、打ち解けた彼はアルヴィンの兄弟で、期せずして明らかになってゆくアルヴィンの不思議な過去。貴婦人が店に持ち込んだボタニカルアート、リャナンシーの正体を突き止めてほしいという画家の依頼。ローザも気にかけるすれ違う兄弟の関係はなかなか複雑でしたけど、巻き込まれた事件をきっかけにいい方向に変わろうとするその様々な兆しには救われる思いでしたし、今後の展開も改めて楽しみになってきました。