今回は5月講談社ラノベ文庫・角川スニーカー文庫・HJ文庫・PASH!文庫・ドラゴンノベルスの新刊感想まとめです。内訳は講談社ラノベ文庫の新作2点、角川スニーカー文庫の新作1点・続巻4点、HJ文庫の続刊2点、新作2点、PASH!文庫の新作1点・ドラゴンノベルスの新作1点、続刊1点の計14点の紹介になります。気になる作品があったらこの機会にぜひ読んでみて下さい。
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魔王と女勇者が生まれ変わって、恋人になるまで (講談社ラノベ文庫)
【第18回講談社ラノベ文庫新人賞佳作】
二木弓 いうる/雪丸 ぬん 講談社 2025年05月02日頃
クリスマスに偶然再会した元魔王の真緒と元女勇者の鈴。前世の記憶を維持して転生し、平和に生きたい元魔王と、彼を殺したい元女勇者の転生ラブコメ。唯一残った相手の心を読む能力で、鈴が魔王の自分を殺そうとしていることを知る真緒。しかし逃がすまいとする彼女に告白され、その真意を知りつつもどこか期待して受け入れてしまう展開で、魔王を殺すことに執着して空回りする鈴のポンコツっぷりがなかなか可愛くて、一方で彼に向き合ううちに少しずつ変わっていく彼女の変化と、2人が迎える結末はなかなか良かったですね。真緒をパシリ扱いする元魔法使いのリズム先輩だったり、鈴に執着する元僧侶の奈々といった2人の周囲にいる元勇者メンバーもいい感じに効いていました。
カップケーキと恋の怪物 (講談社ラノベ文庫)
【第16回講談社ラノベ文庫新人賞優秀賞】
紛れ込んだ一軍グループに馴染めない高校一年生の高嶺彩菜。夏休み明けのある日、好意を持たれるのが怖いというクラスの平凡女子・平樹凡と関わることになってゆくガールズ小説。凡に密かに好意を抱いていた一軍リーダーの珠理が冷たくあしらわれ、引っ込みがつなかくなった彼女に本当に好きなのは高嶺だと引きずり出されてしまった状況。友人から始まった2人の関係が、体育祭のリレーや図書館での勉強、文化祭の演劇など、様々なことを一緒に経験していく中で少しずつ変わっていって、だからこ嘘の告白が心苦しくなってしまう高嶺という構図でしたけど、彼女の窮地から改めて想いを確かめあった2人が迎えた結末はなかなか良かったですね。
魔法×科学の最強マシンで、姫も異世界も俺が救う! (角川スニーカー文庫)
語部 マサユキ/ソエジー KADOKAWA 2025年05月01日
人型兵器ラマテラスとともに最終決戦で命を散らせたはずが、愛機とともに異世界にいたバサラ。偶然命を助けた王女ナディラからこの国の危機を知るロボット異世界無双ファンタジー。全く違う世界に迷い込んでしまい、戸惑いながらも生活のためにギルドに冒険者登録して、ラマテラスを駆ってモンスター討伐クエストをこなしていたバサラ。最初は王女身分のナディラに反発するものの、再会した彼女と交流していくうちに、その人柄や彼女の民を思う気付ちを知ってゆく展開で、ラマテラスは流石にオーバーテクノロジー感もありましたけど、いったんはナディラの依頼を断ったバサラが、王都に迫る魔族の悪意を知ってラマテラスで立ち向かうことを決意する熱い展開はなかなか良かったですね。
陽波 ゆうい/ゆか KADOKAWA 2025年05月01日
男女比1:20の貞操逆転世界に転生した市瀬郁人。ようやく親友の留衣が美少女だったと気づいた彼に、密かに郁人へ想いを寄せるいとこの玖乃がアピールを始める第2弾。相変わらず驚異の鈍感力で自分はモテないと勘違いしていて、けれど少数ゆえに勘違いしがちな男子の中で、女性に配慮できる彼の言動にポイントが高いと評価されるようになっていくのは必然で、不用意な行動からあちこちで女性の好感度を上げてしまう郁人。今回は彼と弟のような関係から脱却すべく、玖乃が一緒に七夕の演劇に参加する展開で、玖乃の背景も掘り下げながら、キャパが限界になっていく彼女がなかなか可愛かったですけど、ヒロインたちが動き出したことでますますラブコメ展開も加速していきそうですね。
カボチャマスク/へいろー KADOKAWA 2025年05月01日
夜会襲撃事件から数日後。国王にも功績を認められ実家への対応で寝不足の日々を送るアッシュを、フィーネが半ば強引に故郷の村へと向かう鉄道旅行に誘う第2弾。実家の動きも踏まえて、道中強盗やモンスターの襲撃を受ける騒動もある中で出会った親子。何とか無事到着したフィーネの故郷カガト村での思わぬ事態に立ち向かう一方で、因縁ある実家の事情にも向き合うしかなくなっていくアッシュ。本来ならフィーネの親友になるはずだったアニエスとの関係をフォローしたりもしながら、不穏な気配もあってなかなか大変な状況ではありますけど、お互いに絆を深めていってなかなかいい感じになってきたフィーネと一緒に頑張って乗り越えてほしいです。
菊池 快晴/桑島 黎音 KADOKAWA 2025年05月01日
ノブレス剣魔杯での優勝、厄災にともなう七禍罪の撃退、強制イベントを乗り切り、日常を取り戻したヴァイス。それから数か月後、修学旅行に向かう第3弾。魔獣使いのオリンと友達になったり、シンティアたちと過激でハードなビーチバレーをしたりとイベントを満喫する中、ミルク先生から「死の森」でリング争奪試験。ヴァイスが新たに得た使い魔と女神の過去。そして大満月に起きる転換点を阻止するための決戦は、これまでヴァイス自身が得た力だけでなく仲間たちの力も必要不可欠な、死力を尽くしたギリギリの総力戦でしたけど、ここで明らかにされていくヴァイスの思いが詰まった真相があって、それを乗り越えて最後まで諦めない熱い想いが手繰り寄せた結末には心揺さぶられるものがありました。
たかた/日向 あずり KADOKAWA 2025年05月01日
これまでの書店特典・フェア限定特典ショートストーリーを集めた短編集や、書き下ろし中編を3編収録した中短編集。周囲の友人や家族の視点から描かれてゆく、仲良くなっていったことで海や真樹が少しずつ変化していく様子だったり、特典の短編を読んでいると海はいつの間にか毎週末になると真樹にべったり甘えるようになっていたんだな…としみじみ思いましたけど、だからこそ突然真樹がバイトに出ることになって、彼女が暇を持て余してしまう様子はそりゃそうなるよなと微笑ましかったですし、夕と同い年の従姉妹モニカの友情や、明らかにされる夕の初恋の決着を間近で見ていた新奈の苦い過去もまた彼女たちのことを知る上でいい掘り下げだったと思いました。
南野海風/刀彼方 ホビージャパン 2025年05月01日
王国中を熱狂の渦に巻き込み、予選から大盛り上がりの武闘大会。武闘大会本選、ついに王国一の強者が決まる第8弾。ニアの弟子たち、勇星会の男女や剣鬼、敗者復活から舞い戻った挑戦者など、本選ではさらなる激戦が繰り広げられる中、武に関して妙に詳しいために王令で任命されたニアの解説を裏で賭博をするマフィアが参考にしていたり、そんな合間にウイングロードの放送も入ったりしてエますますニールお兄ちゃんがますます大人気になってしまいそうでしたが、弟子たちが本選で苦戦した相手が本気を出してもニアだと圧倒しちゃうんですよね(苦笑)青天の霹靂とも言える結末でしたが、これからどうなるのか続巻に期待。
昼行燈/福きつね ホビージャパン 2025年05月01日
ついにスーパーチャットが解放されたソラたち。海外最大手の配信事務所エルドラドから、超級呪物オークションのプロモーション依頼がソラに届く第4弾。スーパーチャットで早速投げられる見たこともない金額に、ソラがびびって卒倒してしまい大盛り上がりの視聴者。ダンジョン深層の奥で新しい超級呪物が発見されたというニュース。そして超級呪物の鑑定を依頼されてスーツを着て向かったソラたちを待ち受ける最悪の呪物と思っても見なかった形での再会。超級呪物を鑑定したらちょっと微妙な感じになってしまうのには苦笑いでしたが、ソラの過去の因縁にも繋がっているだけでなく、彼の周囲のキャラたちのそれぞれの葛藤も描かれていて、それを乗り越えていくエピソードもなかなか良かったですね。
青空あかな/赤井てら ホビージャパン 2025年05月01日
病死してかつて散々やり込んだRPGで処刑される悪役貴族ディアボロに転生した主人公が、処刑フラグを回避すべく努力し始める転生学園ファンタジー。処刑の運命を回避するに使用人たちにも優しく接するようになり、生き残るために必死に努力して闇魔術を磨いたディアボロ。身につけた回復魔法で病弱メイドのマロンや、かつて彼が傷つけた婚約者シエルを回復させ、共に学園に入学する展開で、ヤンデレ気味なヒロインたちには苦笑いでしたが、落命の呪いに囚われた王女やロリ師匠たちも絡めながら、立場を奪われて妬む本来の主人公を圧倒する展開自体は悪くなかっただけに、どうしてもテンプレになりがちなストーリーをこれからどう広げていくのか続刊に期待。
太陽ひかる/辰馬大助 ホビージャパン 2025年05月01日
死の神と契約をしながら何のスキルもないF級冒険者レッド。護衛依頼中に全滅してしまい、しかしその死に様を評価されて神からユニークスキルを授かる成り上がりファンタジー。いったんは死んでしまったものの神の祝福を受けて、共に散った2人の仲間の遺志とスキルを引き継いで復活したレッド。2人のユニークスキルを上手く組み合わせて最強コンボを生み出し、一撃必殺の英雄へと成り上がっていく展開で、護衛対象だったヒメリアや襲撃されたエルフの王女シルフィといった一本筋が通った魅力的なヒロインたちも絡めながら、死んだ者たちのスキルだけでなくその想いも引き継いで強くなっていくレッドが、強敵相手に繰り広げる熱い戦いとその結末はなかなか良かったですね。
北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし 1 (PASH!文庫)
不死の魔女は万の命を犠牲にしてもありきたりな願いを叶えたい。 (ドラゴンノベルス)
悪役令嬢の継母に転生したので娘を幸せにします、力尽くで。2 (ドラゴンノベルス)
江本 マシメサ/あかねこ 主婦と生活社 2025年05月02日頃
とある夜会で男装の女性軍人ジークリンデに一目惚れした極寒の雪国の領主リツハルド。2人が領地での一年間を共に過ごす「お試し婚」で一緒に暮らし始めるファンタジー。退役するジークリンデに契約結婚を持ちかけたリツハルドと一緒に体験する、狩りに伝統工芸品づくり、自給自足の北欧ご飯を満喫する雪深き地で送るなかなか大変だけれど心温まる日々。率直で飾らないジークと共に過ごす生活をかけがえのないものと思うリツと、自分のことをきちんと女の子扱いしてくれて対等に見てくれるリツの優しさを好ましく思うジーク。不器用な二人がお互いの様子を伺いながら少しずつ距離を縮めていく奥ゆかしさがとても良かったですし、2人を中心とした世界を掘り下げてくれる短編も充実していました。
春一/ituca KADOKAWA 2025年05月02日頃
不死の魔女リッチとして少女の姿で異世界転生したユーライ。ダンジョンで死んでいた王女を不憫に思い街まで運んだところ、逆に殺し弄んだとして囚われてしまうダークファンタジー。冤罪なのに話を聞いてもらえず、拷問を受ける中で闇落ちスキルを発動させてしまい、街にいた2万人の魂を喰らって魔王クラスの圧倒的な力を得たことで討伐対象となってしまうユーライ。死んだ元聖騎士クレアや無眼族リピアをアンデッドとし、盗賊も部下にしながら居場所として街の復興を進めるものの、アンデットとなった絶望を乗り越えた彼女たちとひっそりと平穏に過ごしたいだけなのに、人類にとって存在そのものが脅威という状況はなかなか厳しいですね…終わらない負の連鎖をいずれどこかで断ち切れることができるのか続刊に期待です。
牧野 麻也/春野 薫久 KADOKAWA 2025年05月02日頃
義理の娘アティを悪役令嬢にさせまいと育児に励むセレーネの前に、夫の母親である大奥様が現れ、可愛い愛娘のために異世界嫁姑バトル勃発する第2弾。男児を産め、嫁なら弁えろと口を出してくる姑と、姑の言いなりになっている問題の本質が分かっていない夫に激怒して真っ向から立ち向かうセレーネ。そんな中、子供たちと花見に訪れた辺境でアティの連れ去り事件が起きてしまう展開で、姑は嫁が憎いからといってそこまでやるかと思いましたけど、現代人の感覚からすると相容れない旧来の貴族的な考え方が当たり前の世界で、理不尽な物言いに一歩も引かずにしっかりとやり返しながら、少しずつでも周囲に影響を与えて、変化の兆しを見出してゆくセレーネの奮闘が圧巻でした。

