読書する日々と備忘録

主に読んだ本の紹介や出版関係のことなどについて書いています

2020年5月に読んだ本 #読書メーターより

先月に引き続いての非常事態宣言延長の影響でいろいろ生活リズムも変わり、どうにも波に乗り切れないような間隔はありましたが、前半は追いかけきれていなかった既刊を消化して、後半はできるだけ新刊を読もうと意識しつつ、そんな中でもできるだけ読もうとした結果、そこそこ読めたのかなという5月でした。

 

シリーズとしては「この素晴らしい世界に祝福を」 (角川スニーカー文庫)、「隣のキミであたまがいっぱい。」(MF文庫J)、「夢の上」(中公文庫)が完結。続巻では「竜と祭礼」(GA文庫)、「親王殿下のパティシエール」(ハルキ文庫)、「これは経費で落ちません!」(集英社オレンジ文庫)あたりがなかなか良かったですね。

 

5月の読書メーター
読んだ本の数:69
読んだページ数:20829
ナイス数:5489

宮廷のまじない師: 白妃、後宮の闇夜に舞う (ポプラ文庫ピュアフル)宮廷のまじない師: 白妃、後宮の闇夜に舞う (ポプラ文庫ピュアフル)感想
白髪に赤い瞳の容姿で親に捨てられ、街のまじない屋で見習いとして働いていた李珠華。そんな彼女の腕を見込んだ皇帝・白焔に、後宮で起こる怪異事件と女性に触ると蕁麻疹が出る呪いの解決を依頼される中華風ファンタジー。最高の待遇と報酬を約束され偽の妃として後宮入りを果たし式神を使って調査を始めた彼女と、新たなライバル登場に反応が対照的な白焔の妃たち。分かりやすい構図に思えた事件の真相は何となく予想した通りでしたけど、少しずつ変わっていった白焔との関係と、自ら道を切り開こうとする珠華の心意気がなかなか良かったですね。
読了日:05月01日 著者:顎木 あくみ
Re:ゼロから始める異世界生活Ex4 最優紀行 (MF文庫J)Re:ゼロから始める異世界生活Ex4 最優紀行 (MF文庫J)感想
ルグニカ王国の趨勢を決める『王選』が始まる前日譚。王家の断絶に揺れるルグニカ王国。国を守るべく奔走する近衛騎士たちが、ヴォラキア帝国の外交使節団に同行し、そこでの争乱に巻き込まれる外伝第四弾。強者の哲学が生きる帝国でユリウスとフェリス、ラインハルトの三人が九将の一人を殺したのではと疑われ、皇帝を連れながら逃走し追手の帝国の九将たちと戦う展開で、三人それぞれに見せ場がありましたけど、やはり多少ハンデがあったとしてもラインハルトの実力は圧巻でしたね…帝国一の実力者セシルスも快活なキャラでなかなか印象的でした。
読了日:05月01日 著者:長月 達平
社畜男はB人お姉さんに助けられて――(1) (モンスター文庫)社畜男はB人お姉さんに助けられて――(1) (モンスター文庫)感想
ブラック企業に勤める柳大樹が、終電間際の駅で階段で足を踏み外し落下してきた美人なお姉さん・如月玲華を助け、高級マンションの前で鞄の中身をバラけた彼女に再会したことから始まる社会人ラブコメ。過労で倒れた大樹を助けてくれたお礼として、玲華に料理を振る舞う元洋食屋の息子で社畜の大樹。会社ではできる女社長なのに、私生活ではポンコツな玲華のギャップが光っていましたが、作っている描写からして美味しそうな料理で胃袋を掴まれてしまった大樹とのお互い初々しい関係がまた微笑ましくて、これからの展開が楽しみな新シリーズですね。
読了日:05月02日 著者:櫻井 春輝
Re:ゼロから始める異世界生活22 (MF文庫J)Re:ゼロから始める異世界生活22 (MF文庫J)感想
数々の苦難を仲間との協力と、幾度もの死によって乗り越えた先にスバルたちを迎えた、スバルを師と呼び慕う『賢者』シャウラ。彼女から大図書館プレイアデスの『試験』を案内され挑み始める第二十二弾。伝承とあまりに違ってあっけらかんとしたシャウラの天然キャラっぷりには毒気を抜かれましたけど、仲間たちと挑んだ試験の中で出てきたレイドもまたなかなか強烈な存在でしたね。騎士としての矜持を完膚なきまでに叩き折られたユリウスにはいろいろキツイ展開が待っていましたけど、ここからどう活路を見出していくのか続巻に期待ということで。
読了日:05月02日 著者:長月 達平
彼女の知らない空 (小学館文庫)彼女の知らない空 (小学館文庫)感想
化粧品会社の新素材軍事転用を巡る社員夫婦の葛藤、自衛官の妻が知らない空で起こる無人軍用機の戦争、スキャンダルで潰れたプロジェクトを巡るあれこれ、過重労働で心身を蝕まれる会社員と老人の邂逅、徴兵制を巡る身もふたもない現実、大連のホテルを介して繋がる今と昔、宇宙飛行士を夢見た男が通した正義など、淡々と綴られてゆく組織の中で何かあった時に自らはどうあるべきか、家族との折り合いをどうつけるかというそれぞれの葛藤とその結末には心に響くものがありました。深田課長は格好良かったですし、最後の葉書がまた印象的でしたね。
読了日:05月03日 著者:早瀬 耕
かくりよ神獣紀 異世界で、神様のお医者さんはじめます。 (角川ビーンズ文庫)かくりよ神獣紀 異世界で、神様のお医者さんはじめます。 (角川ビーンズ文庫)感想
異世界転生後も前世の記憶が残るゆえに周囲に上手く溶け込めていなかった八重。近隣部族に集団で嫁入りする道中で化け物に襲われ、見捨てられたところを金虎・亜雷を解き放つファンタジー。和風な雰囲気に現代から流れ着いたアレコレが巨大化した「奇物」として存在し、そこで生活したりとなかなかシュールな世界観で、孤独で自信を持てなかった八重が亜雷・栖伊の兄弟と出会い、彼らに支えられながら自分の在り方を見出す展開はなかなか良かったですね。これから三人の諸国漫遊記になってゆくのか、謎多き世界や兄弟の正体も気になるところです。
読了日:05月04日 著者:糸森 環
魔神少女と孤独の騎士 1 (ヒーロー文庫)魔神少女と孤独の騎士 1 (ヒーロー文庫)感想
気が弱くクラスで孤立する女子中学生・篠原七子。秘密のノートをクラスで回し読みされ。ショックで逃げ込んだ図書館で異世界召喚されるファンタジー。召喚された直後に訳も分からぬまま血まみれの騎士・エリアスを眷属としてしまった七子。自分のことや置かれている現状に向き合えない後ろ向きな七子は読んでいてなかなかしんどいものがありましたが、容赦なく進む事態に彼女を認めてくれる存在も現れて、心境も変化しつつある今後に期待したいところ。対立しそうな陣営に保護された友人の優花が、今後どういう立ち位置になるのかも気になりますね。
読了日:05月04日 著者:三月 ふゆ
その一秒先を信じて シロの篇 (講談社タイガ)その一秒先を信じて シロの篇 (講談社タイガ)感想
小学校の頃、シロと仲違いしたまま引っ越してしまった親友のアカ。数年後、天才ボクサーとなった彼の姿を動画で目にしたシロが、その強さに憧れ自分もボクシングを始める青春小説。家庭崩壊、学校でのいじめで追い詰められていたシロと、ボクシングの基礎を教えたレンの邂逅。力を出し切れないシロを変えた元いじめの主犯・守屋の想い、そして圧倒的な強さを見せるアカとの対戦という目標があって、何度も挫折してくじけそうになりながらも、周囲に支えられそのたびに這い上がって立ち向かったシロが迎えたその結末にはぐっと来るものがありました。
読了日:05月05日 著者:秀島 迅
その一秒先を信じて アカの篇 (講談社タイガ)その一秒先を信じて アカの篇 (講談社タイガ)感想
難病に冒された弟の治療費を稼ぐため、ボクシングで勝つことを宿命づけられたアカこと暁。勝利を重ねるごとに孤独が苛む天才ボクサーとなっていった彼の前に、幼馴染の心優しかった少年・シロがライバルとして立ちはだかる青春小説。レンにその才能を見出され、天才少年ボクサーとして注目を集めるアカ。けれど彼には病弱の弟と一人で二人を養う母親の存在があって、大切な存在であるがゆえの葛藤もありましたけど、周囲に支えられるシロを羨む彼にも信じてくれる人たちがいて、苦難を乗り越えてて対戦したシロとの激闘とその結末は印象的でしたね。
読了日:05月05日 著者:秀島 迅
育ちざかりの教え子がやけにエモい (ガガガ文庫 す 6-1)育ちざかりの教え子がやけにエモい (ガガガ文庫 す 6-1)感想
二年目教師の小野寺達也が預かる生徒・椿屋ひなたは生まれる前から知っている昔からのお隣さん。とびぬけて発育がよく容姿にも恵まれ、生徒も教師も注目せずにはいられない彼女との関係が描かれるラブコメ。何かと噂のタネになりがちで、時折大人びた表情を見せるものの、見た目よりずっと幼い彼女の素顔を知る達也。だからこそ彼女に対して保護者然とした態度を取るわけですが、テンポ良く進む展開の中で起こる事象が様々な視点から語られ、明言されずともおそらくそうなんだろうな…と思わせる描写が上手いですね。中学生とはいえども侮れません。
読了日:05月06日 著者:鈴木 大輔
水使いの森 (創元推理文庫)水使いの森 (創元推理文庫)感想
それはこの世の全ての力を統べる水使い。水荒れ狂う森深くに棲む水蜘蛛族の女タータが、砂漠で少女・ミイアを拾い自らの弟子とするファンタジー。跡継ぎである妹を差し置き水の力を示し、国を乱すことを危惧された王女ミイア、その力を認められながら自覚が足りないと言われるタータ、そして家に馴染めず旅をする式要らずの風丹術士・ハマーヌ。三者三様の理由でどこか燻っていた状況で、運命に導かれるように出会った彼女たちが、危機に直面して自らが何をすべきかを自覚し、乗り越える中でそれぞれ成長していく展開はぐっと来るものがありました。
読了日:05月06日 著者:庵野 ゆき
贋札の世界史 (角川ソフィア文庫)贋札の世界史 (角川ソフィア文庫)感想
10世紀に紙幣が発明されて以来続く偽造犯との戦いの歴史を元大蔵省印刷局の専門家が明かした一冊。中国北宋時代の交子が最初といわれる紙幣はその時代から偽造紙幣が生まれていて、水彩による職人技を駆使した者、米国財務省をも出し抜いた「偽造者の王」、戦時中に謀略活動として行われたナポレオン軍による占領国の紙幣原版密輸、ナチスによる英ポンド券偽造作戦などの事件を挙げつつ、紙幣に肖像が使われる理由や最新の印刷・製紙技術まで紹介。定期的に新札が出る理由も分かりましたが、読んでいてこの戦いは終わらないなと苦笑いしました。
読了日:05月07日 著者:植村 峻
龍探 特命探偵事務所ドラゴン・リサーチ (角川文庫)龍探 特命探偵事務所ドラゴン・リサーチ (角川文庫)感想
川崎で探偵事務所「ドラゴン・リサーチ」を営むバツ3の元刑事・遊佐龍太。日々警察の手に余る事件や、訳アリの危険な依頼が持ち込まれる探偵ミステリ。借金でヤクザに追われる美人AV監督の護衛、かつての極左過激派の女神をつけ狙うストーカーの正体、拳銃盗難事件に絡む警察官夫婦の苦悩。警察時代の人脈を駆使したり、有能な3人の元妻などにサポートされながら依頼を解決してゆく展開で、できた周囲との対比で主人公のダメっぷりが際立っていましたが、なぜかそういう人はモテるんですよね(苦笑)関連作品を読んでいるとより楽しめそうです。
読了日:05月08日 著者:長沢 樹
就業規則に書いてあります! (メディアワークス文庫)就業規則に書いてあります! (メディアワークス文庫)感想
大手企業の労務管理にやりがいを感じていた平河東子。だが業績悪化でリストラされ、叔父の伝で下請けのアニメ制作会社に再就職するお仕事小説。問題だらけの会社で労務管理者になった東子が、「アニメの鬼」と呼ばれる演出担当・堂島蕎太たちと時には衝突しながら、退職希望者との面談、セクハラ相談、そして元請けからの過酷な取引要求との対峙など、試行錯誤しながら取り組んでいく展開で、過酷な環境と熱い想いに最初は戸惑いながらも、真摯に取り組む彼女が姿勢が少しずつ周囲を感化していって、認められてゆく結末はなかなか良かったですね。
読了日:05月08日 著者:桑野 一弘
坂下あたると、しじょうの宇宙坂下あたると、しじょうの宇宙感想
書く小説に多くのファンがいて、新人賞の最終候補にも残っている親友・あたるに感化され、詩を書き始めた高校生の毅。あたるに劣等感でいっぱいの関係が少しずつ変わってゆく青春小説。ある日、小説投稿サイトに作られたあたるの偽アカウント。偽アカウントの主はちょっと意外な正体でしたけど、模倣するように更新されてゆく作品をきっかけに少しずつあたるがらしさを失っていって、強烈な性格なあたるの彼女・さとかや、その友人・蕾に振り回されながら、それでもあたるのために想いを込めて詩を綴ってゆく姿と結末はまさに青春だなと思えました。
読了日:05月08日 著者:町屋 良平
86―エイティシックス―Ep.8 ―ガンスモーク・オン・ザ・ウォーター― (電撃文庫)86―エイティシックス―Ep.8 ―ガンスモーク・オン・ザ・ウォーター― (電撃文庫)感想
ついに見出したレギオン完全停止の可能性。終わらぬはずの戦争の終わり。戦いが終わった先、閉じていた未来への眼を向け始めた彼らのそれぞれが描かれる第八弾。戦争終結を意識し始めた彼らが派遣される海上要塞攻略。タイミングが悪いというか、周囲の方がやきもきしてそうなシンとレーナの関係には苦笑いでしたけど、合間に明かされてゆくそれぞれの描き始める未来や未だ先が見えない逡巡があって、初めての海戦が思ってもみなかった厳しい戦いになる中、ギリギリで手繰り寄せたその結末は何とも辛かったです。みんな最後まで生き抜いて欲しい。
読了日:05月09日 著者:安里 アサト
三角の距離は限りないゼロ5 (電撃文庫)三角の距離は限りないゼロ5 (電撃文庫)感想
秋玻と春珂の二人と「二人に同じだけ恋する」と約束を交わした矢野。二人との関係に溺れながらも果たしてこれでいいのかと逡巡する矢野が、進路選択の問題に直面する第五弾。秋玻・春珂との甘い日々と明かされる過去、そして周囲が目標を見据える中で一人だけ出遅れて焦燥を募らせてゆく矢野。お互い負けられない二人の積極性も目を引きましたが、何より失恋探偵コンビの関わりが心境の変化をもたらしてゆく進路問題のエピソードが良かったですね。二人との関係もまた転機を迎えそうで、続巻でどのように盛り上げてゆくのかこれからまた楽しみです。
読了日:05月09日 著者:岬 鷺宮
日和ちゃんのお願いは絶対 (電撃文庫)日和ちゃんのお願いは絶対 (電撃文庫)感想
どんな「お願い」でも叶えられる葉群日和。始まるはずじゃなかった彼女との恋が、頃橋深春の人生や世界全てを決定的に変えていく、終われないセカイの、もしかして最後の恋物語。告白を断るはずだったのに、うっかり知ってしまった日和の秘密。そんな彼女との過ごしてゆく初々しい日々は楽しくて、けれど垣間見える複雑な想いをたくさん抱えた彼女の日常は想像以上に過酷で、幸せを諦めてしまった少女との思い出を忘れても、改めて想いを育んでゆく彼らが取り戻してみせた未来にはぐっと来るものがありました。幼馴染の存在もまた効いていましたね。
読了日:05月09日 著者:岬 鷺宮
楽園ノイズ (電撃文庫)楽園ノイズ (電撃文庫)感想
女装して演奏動画をネットにアップし(男だけど)謎の女子高生ネットミュージシャンとして一躍有名になってしまった村瀬真琴。音楽教師・華園先生に正体を知られ、その弱みからこき使われる羽目に陥った彼が、三人の少女と巡り合うボーイ・ミーツ・ガールズ。不真面目な教師・華園を通じて巡り逢うひねた天才ピアニストの凛子、華道お姫様ドラマーの詩月、不登校座敷童ヴォーカリストの朱音。いかにも著者さんらしい主人公にヒロインたちがいて、そのテンポの良いやり取りは癖になって、熱く盛り上がってゆくストーリーは控えめに言って最高でした。
読了日:05月09日 著者:杉井 光
吸血鬼に天国はない(3) (電撃文庫)吸血鬼に天国はない(3) (電撃文庫)感想
運び屋を会社として運営し始めて早一月。シーモアのもとに捜査官から、ルーミーのもとに殺人株式会社から、脱獄した『死神』の捕獲・討伐に協力するようそれぞれ秘密裡に依頼が入る第三弾。ルーミーやバーズアイ姉妹たちとともに仕事を回す日々。シーモアとルーミーの少しずつ変わってゆく関係と、それぞれがアプローチする死神の真意。ルーミーはあくまで人外の存在で、シーモアもまた人並みの幸せを得るには少し壊れていて、けれどそんな二人の間で育まれてゆく「たしかなもの」が周囲の思惑なんて吹き飛ばしてしまう展開はなかなか良かったです。
読了日:05月10日 著者:周藤 蓮
#チャンネル登録してください (新潮文庫 ふ 55-3 nex)#チャンネル登録してください (新潮文庫 ふ 55-3 nex)感想
いつも失敗を恐れて自信が持てない七沢希紘をユーチューバーの仲間に誘ってくれた大学の同級生・環花。等身大の悩める大学生たちの恋と成長を描いた青春小説。ふとしたきっかけから交流が始まった環花との関係。彼女のグループに加わって始めた活動と、明らかになってゆく希紘の秘密と苦い過去、そして環花の意外なコンプレックス。知り合ったことでいい感じに化学反応を起こし、変わっていった二人には何とも皮肉な構図が待っていましたけど、それでもきちんと向き合うことから逃げなかった二人ならきっと乗り越えてくれると信じられる結末でした。
読了日:05月11日 著者:藤石波矢
王妃ベルタの肖像 (富士見L文庫)王妃ベルタの肖像 (富士見L文庫)感想
王妃と仲睦まじいと評判の国王のもとに、巡り合わせで第二妃として嫁いだ南部領主の娘ベルタ。王宮で無難に過ごそうと思っていたベルタが予想外の妊娠をしたことで、状況が変わってゆくファンタジー。数年したら実家に帰るつもりで後宮入りしたのに、まさかの懐妊がもたらしたベルタを巡る心境の変化。最初からボタンの掛け違えで始まった国王との関係はお互い掴み切れずにおっかなびっくりで、もっとお互いを知ろうと努力する必要を感じましたけど、ほろ苦い事件を乗り越えた二人が何だかんだでいい夫婦になりそうだなと思えた結末が印象的でした。
読了日:05月11日 著者:西野 向日葵
有閑貴族エリオットの幽雅な事件簿 (集英社オレンジ文庫)有閑貴族エリオットの幽雅な事件簿 (集英社オレンジ文庫)感想
ヴィクトリア朝の英国を舞台に、社交界で浮名を流し風雅と博物学を愛する有閑貴族エリオットが、オカルト事件に目がない幽霊男爵として美貌の助手コニーを従え、持ち込まれる幽霊絡みの依頼に挑む物語。沈黙の交霊会、ミイラの呪い、天井桟敷の天使といった事件に、周囲を振り回しながら喜々として挑むエリオット主従はなかなか楽しいキャラたちで、けれど向き合った事件の真相にはどこまで真摯で、そんな彼らがあるのも二人に壮絶な過去があったからなんですよね。でもいつかその過去を乗り越えて欲しいですし、また彼らの活躍を読んでみたいです。
読了日:05月12日 著者:栗原 ちひろ,カズアキ
紅い糸のその先で、 (角川文庫)紅い糸のその先で、 (角川文庫)感想
子供の頃から「運命の紅い糸」が見えてしまうゆえに辛い思いをしてきた高校生つむぎ。入学式でぶつかった架間先輩と風紀委員会で印象的な再会を果たす青春小説。先輩の小指に紅い糸が無いことに気づくつむぎ。最初はケンカばかりしていたのが共に過ごすうちに少しずつ変わり、お互いの友人の恋を応援する作戦を立てるようになる二人。そこからの苦い過去を繰り返すかのような急展開は、彼女にとってなかなか厳しい状況でしたけど、紅い糸を巡るひとつのエピソード、先輩からの告白も絡めて意外なところから覆ってゆく結末はなかなか良かったですね。
読了日:05月12日 著者:優衣羽
父親を名乗るおっさん2人と私が暮らした3ヶ月について (メディアワークス文庫)父親を名乗るおっさん2人と私が暮らした3ヶ月について (メディアワークス文庫)感想
たった一人の家族だった母親を病気で亡くした高校二年生の新田由奈。葬式の当日、由奈の前に金髪でチンピラ風の竜二と、眼鏡でエリート官僚風の秋生、父親を名乗るおっさん2人が現れる物語。今の家に住み続けたいという由奈に願いに、同じアパートへと引っ越してきた二人。最初はタイプも違う二人にイライラしっぱなしだった由奈も、いい加減にしか思えなかった母の真意を彼らの中に見出すうちに少しずつ変わっていって、状況が二転三転する中で彼らの優しさに気づき、育まれていったかけがえのない絆を見出してゆくとても素敵な家族の物語でした。
読了日:05月13日 著者:瀬那 和章
仲が悪すぎる幼馴染が、俺が5年以上ハマっているFPSゲームのフレンドだった件について。 (ブレイブ文庫)仲が悪すぎる幼馴染が、俺が5年以上ハマっているFPSゲームのフレンドだった件について。 (ブレイブ文庫)感想
FPSゲーム世界一位の雨川真太郎。そんな彼と相性抜群なフレンド「2N」の正体が、喧嘩別れした幼馴染・奈月だったことに気づく青春小説。辛い時に拒絶したのに、意外な形で真太郎を支え続けてくれた奈月。鈍い彼と素直になれない奈月の最強ケンカップルに、ゲームの全国大会優勝を目指すために真太郎に惚れた美青年・ジルと美少女配信者・ベル子を加え結成されたチームは、ちょっとベクトルが一極集中しすぎて苦笑いですが、それぞれのエピソードにえげつない合宿中のゲームプレイもあったりで、絆も深めた彼らの全国大会での活躍が楽しみです。
読了日:05月13日 著者:田中ドリル
竜と祭礼2 ―伝承する魔女― (GA文庫)竜と祭礼2 ―伝承する魔女― (GA文庫)感想
王都の護りの要「杖壁」が何者かに解かれ、魔法杖職人見習いイクスが姉弟子ラユマタに半ば押し付けられる形で犯人調査に臨むことになる第二弾。竜の杖を持つユーイとその同級生のノバを協力者に調査を進めていく中で浮上する魔女の住む村・ノーツウォルへの訪問。そして出会った不死の魔女と孤独な少女の存在。期せずして自分のルーツを知ることになったイクスは、複雑な立ち位置にいる中でも善い杖を持つにふさわしい存在であろうとするユーイに感化されつつあるんですかね。真相自体は意外でしたけど、動き始めたそれぞれの結末が印象的でした。
読了日:05月13日 著者:筑紫一明
家族なら、いっしょに住んでも問題ないよね? (GA文庫)家族なら、いっしょに住んでも問題ないよね? (GA文庫)感想
祖父を亡くし天涯孤独となった高校生・黒川真が、遠縁の四姉妹の元に引き取られ、そこで中学の卒業式に告白をお断りした後輩が三女・姫芽と再会し、誘惑も多い同居生活が始まるラブコメディ。小説家の長女・宙子、クールな高校生の次女・波月、しっかりものの三女・姫芽、元気いっぱいの四女・美星との暖かくドタバタな共同生活で彼女たちに振り回されながら、少しずつ不器用なりに向き合おうとするようになってゆく孤独だった真の変化は微笑ましくて、そんな彼と四姉妹の関係がこれからどうなってゆくのか、今後がとても楽しみな新シリーズですね。
読了日:05月14日 著者:高木幸一
花街の用心棒 花は凛と後宮を守り (富士見L文庫)花街の用心棒 花は凛と後宮を守り (富士見L文庫)感想
養父の借金のカタに花街に売られてしまい、完済を目標に腕利きの女用心棒として働く玄雪花。彼女に興味をもった美貌の若き皇帝の側近・紅志輝と出会い、運命が激変してゆく中華風ファンタジー。借金を勝手に清算する代わりとして、後宮で暗殺者に狙われる貴妃の護衛を依頼する志輝。養父との放浪や花街での生活で醒めている雪花と、そんな彼女に興味を持つようになってゆく志輝とのやりとりには苦笑いでしたけど、養父や雪花の過去はどうもワケありそうで、自身もまた秘密を抱える志輝との関係がどうなってゆくのか、今後が楽しみな新シリーズです。
読了日:05月14日 著者:深海 亮
傷心公爵令嬢レイラの逃避行 上 (DENGEKI)傷心公爵令嬢レイラの逃避行 上 (DENGEKI)感想
不慮の事故で2年間眠りについていた公爵令嬢レイラ。目覚めると婚約者であったはずの王太子ルイスが懐妊した妹ローゼと婚約を結び直していて、限界を迎え家を飛び出した彼女が伝説の魔術師リーンハルトに求婚されるファンタジー。いきなりこれまでの人生全否定な展開に絶望する不憫なレイラでしたけど、リーンハルトやその妹たちに支えられ癒されてゆく幻の王都での生活は微笑ましかっただけに、何とも複雑な運命を知ってしまい、彼女に執着するルイスとの再会もあって、周囲に病んだ人しかいない悲惨な状況ですけど、幸せを見出して欲しいですね。
読了日:05月14日 著者:染井 由乃
蒼空はるかな最果て図書館 光の勇者と愛した歌姫 (電撃文庫)蒼空はるかな最果て図書館 光の勇者と愛した歌姫 (電撃文庫)感想
休暇のため“最果て図書館”を訪れたルチアと穏やかな日々を送る館長のウォレス。そんな彼のもとに、テオドラからルチアが何者かに狙われているという報せが届く第三弾。暁の勇者と共に現れたさすらいの吟遊詩人トネリコ。密かに彼女と守るための動くウォレスと仲違いしたまま攫われてしまうルチア。今回はルチアをメインにそのルーツや歌声に隠された秘密に迫る展開でしたが、ルチアのためなら図書館すら手放そうとするウォレスはみんなに慕われてますね。変わりつつあるリィリ、主要キャラ総登場の先にあった心温まる結末はなかなか良かったです。
読了日:05月15日 著者:冬月いろり
異世界居酒屋「のぶ」六杯目 (宝島社文庫)異世界居酒屋「のぶ」六杯目 (宝島社文庫)感想
古都は大市も終わって秋が深まり冬が近づき、新たな運河を海まで通す計画が進む中、居酒屋のぶの周辺で起きた出来事が描かれる第六弾。街の景気が良くなりそうな気配があればいろいろ変わってゆくこともあるわけで、そんな変化の兆しだったりとか、ギルドマスターたちのあれこれ、ハンスたち成長する店員たち、姉に栗を贈りたい幼王と、仲睦まじい皇帝夫婦の様子もなかなか良かったですけど、何より侯爵家当主らしくなったアルヌが、略奪婚されそうになっていた許嫁を取り戻しにいった顛末は、姫もウルスラさんもとてもカッコよくて楽しかったです。
読了日:05月15日 著者:蝉川 夏哉
この素晴らしい世界に祝福を!17 この冒険者たちに祝福を! (角川スニーカー文庫)この素晴らしい世界に祝福を!17 この冒険者たちに祝福を! (角川スニーカー文庫)感想
家出して魔王討伐に向かったアクアを追い、めぐみんの爆裂魔法で魔王城の結界を破ったカズマ一行。アクア達とも合流した彼らが、まさかの魔王討伐に挑む第十七弾。いやさすがにめぐみんの爆裂魔法連発は反則じゃないのかなと苦笑いでしたけど、見え見えの罠に陥りながら姑息な手段で魔王討伐に挑む展開はこの物語らしさがあって楽しかったです。今回で本編としては一応完結みたいですけど、カズマもアクアもめぐみんも、ダクネスも最後まであんな感じで、腐れ縁の仲がいい彼らのその後を、外伝でもスピンオフでもいいのでまた読んでみたいですね。
読了日:05月16日 著者:暁 なつめ
ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? Lv.21 (電撃文庫)ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? Lv.21 (電撃文庫)感想
ついに訪れるレジェンダリー・エイジのサービス終了を控えた三月。うっかりホワイドデーのお返しを忘れていたルシアンがネトゲ部のみんなへプレゼントお返しツアーを敢行する第21弾。妹のアドバイスがあったとはいえ、ひとりひとりにお返しに行くなんて律儀だなーと思ったルシアンでしたけど、去年のやりとりも併記しつつ、各人の反応がなかなか楽しかったですね。妙にぐいぐい来るセッテさんのラスボス感もなかなかでしたけど、さりげなく我が家の時空に引き込もうとする重いアコは流石だなと思いました(苦笑)次でいったん一区切りなんですか。
読了日:05月16日 著者:聴猫 芝居
夢の上-夜を統べる王と六つの輝晶3 (中公文庫 た 85-5)夢の上-夜を統べる王と六つの輝晶3 (中公文庫 た 85-5)感想
太陽姫と崇められ人々の夢を担いながらも、父に認められたいという想いを捨てられなかったアライス。そんな彼女とツェドカの物語を描く第三弾。話の展開自体は視点が変わっただけで重複部分も多かったですが、それは物語としての掘り下げにも繋がっていて、真っすぐなアライスの行動は母の愛を疑い父に愛されたいという想いから、やや考え方が感情的で甘く早まった行動を取りがちな印象もありましたけど、複雑な想いを抱えていたツェドカ含めて多くの人々の積み重ねの上に立った彼女がこれからどのような王となるのか、ちょっと気になる結末でした。
読了日:05月17日 著者:多崎 礼
天命の巫女は翠花に捧ぐ 彩蓮景国記 (角川文庫)天命の巫女は翠花に捧ぐ 彩蓮景国記 (角川文庫)感想
大勢の民が都衞府の兵士に殺された事件を調べてもらうため、再び彩蓮とその婚約者・皇甫珪の前に現れた景国の新王・騎遼。現場である妓楼を調べていると、料理人の絞殺体が発見される第三弾。読んでいると騎遼の周囲に信頼できる味方が全然いなさそうな感がすごくて、これよく政権運営できるなと心配になりますが、元気な新キャラ・皇甫珪の弟・哲も加えて、改めて騎遼と並び立つことには一線を引きつつ、臣下として皇甫珪と一緒に着実に実績を積み重ねて騎遼を支えようとする彩蓮の姿勢が明確になって、ここから物語がどう動くのか続巻に期待です。
読了日:05月17日 著者:朝田小夏
親王殿下のパティシエール(2) 最強の皇女 (ハルキ文庫)親王殿下のパティシエール(2) 最強の皇女 (ハルキ文庫)感想
永璘お抱えのパティシエール見習いとして北京の彼の屋敷で働く仏華ハーフのマリー。彼の意向で増えることになった新しい厨師たちは女性が厨房にいることに懐疑的で、くすぶり続ける状況で事件が起きる第二弾。文化や価値観、ものの考え方がいろいろ違うフランスから清に連れてこられたら、マリーも分からないことは気づけないし、ようやく周囲の状況を知って、彼女の立ち位置も思っていた以上に危ういものだったことを痛感した今回の展開で、先々を考えるといい経験だったし、今気づけて良かったのかもしれないですね。いろいろ気になる続巻も期待。
読了日:05月18日 著者:篠原悠希
化学探偵Mr.キュリー9 (中公文庫 き 40-13)化学探偵Mr.キュリー9 (中公文庫 き 40-13)感想
四宮大学で舞衣が沖野と出会って三年。今年も舞衣の務める庶務課に奇妙な相談が寄せられる第九弾。マンションから寄せられた苦情の真相、学生が体調を崩し悪夢を見るようになった原因、人気俳優の美間坂が主演を務める沖野脚本監修のドラマで起きた思わぬ事件、沖野の教え子の体調不良の原因など、複合的な要素を絡めながら展開されてゆく事件は今回もなかなか興味深かったですが、沖野と舞衣の関係がだいぶ落ち着いてきているように見えるのは、舞衣の成長も大きいのですかね。偽学術論文や防水スプレーの危険性などは印象に残るエピソードでした。
読了日:05月18日 著者:喜多 喜久
破滅の刑死者3 特務捜査CIRO-S 死線の到達点 (メディアワークス文庫)破滅の刑死者3 特務捜査CIRO-S 死線の到達点 (メディアワークス文庫)感想
Cファイルの取引があるという豪華客船に潜入したトウヤと珠子。各国の闇組織が絡み敵味方も分からない船中。手探りな二人を嘲笑うかのように、惨殺死体が続々と発見される第三弾。誰が味方なのか敵なのか、信じていいのかいけないのか。緑眼の暗殺者の存在を意識しつつ、別行動を取るトウヤと珠子がそれぞれの戦いを繰り広げる今回は、能力を獲得した珠子が意外な活躍を見せる一方で、命を賭けた知能ゲームに挑むトウヤにも見せ場がある濃厚で華々しい展開でしたけど、本当の罠に直面した窮地もトウヤならきっと乗り越えてくれると信じています。
読了日:05月19日 著者:吹井 賢
後宮妖幻想奇譚-鳳凰の巫女は時を舞う (双葉文庫)後宮妖幻想奇譚-鳳凰の巫女は時を舞う (双葉文庫)感想
鳳凰の力で国を護る巫女に選ばれた、貧民街に住む少女・小鈴。巫女として勤勉…ではなく怠惰な生活を送る彼女のもとに、国を揺るがす事件の解決依頼が舞い込んでくる中華風ファンタジー。先代巫女・環雲に託された小鈴のもとに、宦官・申栄や皇太子・天暘から持ち込まれる国を滅ぼすかもしれない妖の事件。小鈴が依頼をさぼろうとしたり失敗すると何度でも時間が巻き戻る状況の中、たびたび巻き込まれる天暘と共に解決してゆくストーリーはどこかほのぼのとしていて、何だかんだでお互いに大切な存在となってゆく二人の関係がなかなか良かったです。
読了日:05月19日 著者:三萩 せんや
転生王女と天才令嬢の魔法革命2 (ファンタジア文庫)転生王女と天才令嬢の魔法革命2 (ファンタジア文庫)感想
天才令嬢・ユフィリアとともに、王国を襲うドラゴンを討伐したアニス。ユフィリアの婚約破棄の発端になった元平民の男爵令嬢・レイニと出会って真相を知り、対策を考える彼女たちの前に因縁の弟・アルガルドが立ちはだかる第二弾。真相を探ってゆくうちに明らかになっていった婚約破棄の原因。今回はアニスと敬遠の仲のティルティやレイニ自身も交えて対策を試行錯誤する展開でしたけど、弟のアルガルドはお互い言葉も足りなかったとはいえ、ちょっと拗らせ過ぎでしたかね…アニスの望まぬ方向へと話が進んでいる気がするのはたぶん気のせい(苦笑)
読了日:05月20日 著者:鴉 ぴえろ
これは経費で落ちません!7 ~ 経理部の森若さん ~ (集英社オレンジ文庫)これは経費で落ちません!7 ~ 経理部の森若さん ~ (集英社オレンジ文庫)感想
ふたつの会社と合併することになった天天コーポレーション。合併に向けて様々な調整業務が発生する中で、沙名子にも周囲にも変化が訪れる第七弾。自身の立場も変わってゆく中で、ゾンビ婚した由香利さん、美月の結婚、合併先の経理を担ってきた槙野、勇太郎と織子、社員になった千晶と優芽の関係と、フラットでいたいはずなのに周囲の変化に気づいてしまい、フォローする沙名子の存在感が効いてますね。鎌本の上から目線には改めてドン引きでしたけど、太陽との関係も変わりつつある中での転機でどうなるのか、いろいろ気になるところではあります。
読了日:05月20日 著者:青木 祐子,uki
京都伏見は水神さまのいたはるところ 花舞う離宮と風薫る青葉 (集英社オレンジ文庫)京都伏見は水神さまのいたはるところ 花舞う離宮と風薫る青葉 (集英社オレンジ文庫)感想
もうすぐ受験生となるひろ。京都の大学に進学して、祖母の神社を手伝いたいと思い始めていたが、母が猛反対している。そんな折、拓己が高校時代所属していた剣道部のマネージャー昴が拓己を訪ねてくる第五弾。拓己の元カノと亡くなった父との関係、忽然と消えてしまったひろの捜索、蔵を継ぐか外に出るかで葛藤する拓己。お互いかけがえのない存在なのに、相手を気に掛け過ぎて動けない不器用な二人がもどかしいですが、吹っ切れた拓己が将来を見定めたことでひろがどうするのか、二人の関係がどうなるのか、そろそろ少し動きが出てきそうですかね。
読了日:05月20日 著者:相川 真,白谷 ゆう
神招きの庭 (集英社オレンジ文庫)神招きの庭 (集英社オレンジ文庫)感想
豊穣と繁栄を招く反面、ひとたび荒ぶれば恐ろしい災厄を国にもたらす神々を招きもたらす兜坂国の斎庭。親友の謎の死を探るため、地方の郡領の娘・綾芽が上京する和風ファンタジー。偶然、荒ぶる女神を鎮めてみせ、王弟の二藍に斎庭の女官として取り立てられる綾芽。少しずつ育まれてゆく二藍との信頼関係と、明らかになってゆく親友・那緒の死の真相、そして国の存亡を揺るがす危機。誰を信じればいいのかどうすべきか、ギリギリの駆け引きの先にあった関係は何とも複雑でしたけど、あの二人ならきっと乗り越えて幸せを掴んでくれると信じています。
読了日:05月21日 著者:奥乃 桜子,宵 マチ
さようなら、君の贖罪 (集英社オレンジ文庫)さようなら、君の贖罪 (集英社オレンジ文庫)感想
佐久の部屋に突如現れたパジャマ姿の少女とアザラシ。意味が分からないまま目を覚ました少女たちが消えてしまい、そんな彼女・卯月が同じ高校の生徒だと知る青春小説。精神が不安定になるとテレポート能力で勝手に飛んでしまい、いろいろなものを持ってきてしまう卯月と、一度見たら忘れない記憶力を持つ佐久。佐久の友人蓮野との関係も絡めつつ、特別と過ちを抱えた不器用な二人が、一緒に持ってきたものを返してゆく過程で育まれてゆく想いとすれ違い、ぶつかり合って過去を乗り越えた先で再構築されてゆく新たな関係がなかなか素敵な物語でした。
読了日:05月21日 著者:半田 畔,細居 美恵子
高校事変 VII (角川文庫)高校事変 VII (角川文庫)感想
昨年の夏、母校の応援で甲子園にいた時に起きた事件。新型コロナウイルスが猛威をふるう中、一連の事件が半年余りの時を経て警察の捜査対象となり、新たな戦いへと導いてゆく第七弾。センバツ中止が決まった甲子園を舞台に、甲子園署による半年前の捜査から始まる陰謀との対峙。ネタに取り込む早さに苦笑いでしたが、半年前の謎も絡めつつつ今回もまた囚われた人を助けるため、自らも生き残るために戦う結衣のド派手なアクションは今回も健在で、追い詰められてゆく田代親子との決着も近そうですね。結衣も戸惑った周囲の変化も気になるところです。
読了日:05月22日 著者:松岡 圭祐
准教授・高槻彰良の推察4 そして異界の扉がひらく (角川文庫)准教授・高槻彰良の推察4 そして異界の扉がひらく (角川文庫)感想
春。無事に進級し大学2年生になった尚哉。高槻が運営するサイト「隣のハナシ」に、建築事務所で働く女性から怪事件の相談が寄せられる第四弾。事務所で起こった、「4」にまつわる不気味な事件の真相、江の島の海の人魚騒ぎにまつわるエピソードといった事件に対峙する中で、尚哉の苦しみを理解できる存在、英国紳士な高槻の叔父・渉も登場して、物語の核心に少しずつ近づき、また広がりを期待できそうな展開になってきましたね。高槻が英国にいた高校時代のエピソードもなかなか興味深かったですけど、渉さんにはまた登場を期待したいところです。
読了日:05月22日 著者:澤村 御影
丸の内で就職したら、幽霊物件担当でした。7 (角川文庫)丸の内で就職したら、幽霊物件担当でした。7 (角川文庫)感想
第六リサーチに本社勤務のイケメン先輩高木が持ち込んだ「本物の霊を売りにするホテル」調査。澪が次郎たちと候補物件に向かう第七弾。新キャラとして登場した、世界的ホテルチェーンの訳あり御曹司リアムもなかなか面白いキャラで、彼も交えつつ本物の霊を売りにするホテルの調査、廃園となった遊園地にいる少年の霊、運転に違和感のある高級車といった依頼に挑む展開でしたけど、今回は事件もこれまでと少し違ってましたかね。強力な守護霊がついている澪や次郎の天然っぷりもなかなかツボで、高木とリアムの出会いのエピソードも良かったです。
読了日:05月23日 著者:竹村優希
鬼恋綺譚 流浪の鬼と宿命の姫 (角川文庫)鬼恋綺譚 流浪の鬼と宿命の姫 (角川文庫)感想
青山領の民が突然変異し鬼となり、小寺領の民を襲い血を吸って殺すようになって30年。故郷から逃げ出し身を潜めて暮らす小寺の民の若き領主・菊が、勇敢な少年・元信に窮地を救われ、運命の出会いを果たす和風ファンタジー。民を救うために強くなりたいと願う菊に剣術を教える元信と、お互い惹かれ合ってゆく禁断の恋の行方。そして旅する薬師の文梧とその助手・主水が出会った少女・竜胆の決意。長らく続いた小寺と青山による因縁の真相と結末はほろ苦くやるせなかったですが、それでも二人で見事本懐を遂げてみせた結末はなかなか印象的でした。
読了日:05月23日 著者:沙川 りさ
山神よろず相談所 (角川文庫)山神よろず相談所 (角川文庫)感想
よろず屋を営む3人の兄たちに溺愛される高校一年生の山神結。天然で素直な彼女が不思議で個性的な父や兄たちと持ち込まれた依頼を解決してゆくハートフルストーリー。秋祭りで女装させられていたクラスメイトの佐藤千を巡る人探し、引きこもりの息子と家出娘の捜索、姉と自らの元婚約者の結婚を阻止したい妹といった依頼を調査するストーリーには不穏な展開もありましたけど、期せずして結と兄妹となってしまった千の複雑な想いや、苦境に陥りがちな悩める彼女のために奔走し、温かく見守る家族の想いがとても微笑ましくて素敵な家族の物語でした。
読了日:05月24日 著者:梨沙
できない男できない男感想
地方広告制作会社のデザイナー芳野荘介28歳。年齢=恋人いない歴で仕事も中途半端な自分に行き詰まる「できない男」が、憧れの超一流クリエイターのブランディングチームに地元デザイナー枠として突然放り込まれ、少しずつ変わってゆく青春小説。初っ端からやる気を見せてみても簡単には変わらない現実を突き付けられるキツイ展開から、覚悟出来ない男・河合や様々な人たちと出会い、感化されながら成長してゆく姿やそれぞれの選択は印象的でしたが、最後のあれは痛快だけれど、もう地元に帰れなくなるのでは…とちょっと心配になりました(苦笑)
読了日:05月24日 著者:額賀 澪
聖剣学院の魔剣使い4 (MF文庫J)聖剣学院の魔剣使い4 (MF文庫J)感想
第〇三戦術都市から帰還した第十八小隊。聖剣学院では第〇六戦術都市アレクサンドラを迎え大規模な学園祭が催される一方、永久凍土で発掘された〈魔王〉が運び込まれる第四弾。学園祭自体はわりとあっさりめで、密かにレオニスのためにお菓子作りを習うシャーリの健気さは目を引きましたけど、その裏で進行するエルフィーネ姉の暗躍や、封印から目覚めて暴走した竜の魔王との対決、リーセリアを付け狙う枢機卿の存在と、今後に向けた様々な思惑や布石も垣間見えて、物語としても盛り上がりそうですね。竜の魔王がここからどう絡んでくるのかも期待。
読了日:05月25日 著者:志瑞祐
隣のキミであたまがいっぱい。2 (MF文庫J)隣のキミであたまがいっぱい。2 (MF文庫J)感想
周囲の思考が聞こえてしまう那緒の煩わしい力を解決する方法「能力を阻害できる人間が、その能力を持った人間とキスをする」。なのに北斗は「他の方法を探そう」とか言い出す第二弾。一石二鳥の解決方法を知って那緒はむしろノリノリなのに、ヘタレで向き合えない北斗。あんな特殊なコミュニケーションを受け入れて、かけがえのない存在になりつつあるのに...とツッコミを入れたくなるもどかしさでしたけど、あの普通に重い那緒の想いをしっかり受け止める甲斐性はあるんですよね…(苦笑)幸せそうな二人のやりとりが微笑ましくなる結末でした。
読了日:05月25日 著者:城崎
そうだな、確かに可愛いな2 (MF文庫J)そうだな、確かに可愛いな2 (MF文庫J)感想
彼氏彼女としての交際が始まった直後の戒理と那乃。ますますパワーアップする戒理の無自覚デレに赤面しまくる那乃が、友人・幾乃原美々華に戒理を紹介する第二弾。那乃にベタぼれでどこかズレてる戒理と、それを受け止めて幸せいっぱいな彼女の甘い描写は前回よりもさらにパワーアップしていて、那乃の友人・幾乃原や戒理の自称友人・御堂筋先輩たちの視点を通して語られる二人の印象も良かったですね。とてもお似合いだけどやっぱり奥手な二人だなー、と油断していたら急展開にビックリしましたけど、次回彼らがどこまで頑張れるのか期待してます。
読了日:05月25日 著者:刈野ミカタ
探偵くんと鋭い山田さん 俺を挟んで両隣の双子姉妹が勝手に推理してくる (MF文庫J)探偵くんと鋭い山田さん 俺を挟んで両隣の双子姉妹が勝手に推理してくる (MF文庫J)感想
親の仕事が探偵だと自己紹介したせいで、クラスメイトから相談が持ち込まれるようになった戸村。彼が両隣の席にいる双子の山田姉妹とともに依頼解決に挑む学園ミステリラブコメ。彼氏の浮気相手の正体、絶版小説の犯人当て、美術部で振るわれたナイフの謎といった身近な事件に、対照的な気まぐれで天才肌な雨恵、ミステリ好きな優等生・雪音の二人と一緒に事件解決に挑むストーリーで、意外なアプローチからの事件解決や、お互いに刺激しあうことで少しずつ変わっていった三人の関係がなかなか面白かったですね。彼らの物語をまた読んでみたいです。
読了日:05月26日 著者:玩具堂
永遠の夏をあとに永遠の夏をあとに感想
田舎町に住む小学六年生の拓人は、幼い頃に神隠しに遭い、その間の記憶を失っている。そんな拓人の前に、以前拓人の母と三人で暮らしていたことがあるという弓月小夜子と名乗る年上の少女が現れるひと夏の物語。母親が入院して小学生最後の夏休みを小夜子と二人で過ごすことになった拓人。親友の彰や会えば喧嘩する数馬も交えて過ごす夏休みの日々と、なかなか思い出せないサヤと過ごした日々の記憶。時系列的に入り組んでいてやや状況が把握しづらいところもありましたけど、思い出した過去と、とても優しくてやるせない結末が印象的な物語でした。
読了日:05月26日 著者:雪乃 紗衣
さよなら世界の終わり (新潮文庫 さ 92-1 nex)さよなら世界の終わり (新潮文庫 さ 92-1 nex)感想
ふとしたきっかけから死にかけるたびに未来が見えるようになった高校生・真中。屋上のドアノブで首を吊ってナンバーズの数字を見ようとした昼休み、親友の天ヶ瀬が世界を壊す未来を見てしまう青春小説。彼と同じように死にかけるたびに幽霊が見えるようになる少女・青木、周囲を洗脳できる天ヶ瀬とのゆるく繋がった関係。彼らが抱える辛い過去や、現状や未来に希望を持てない諦めに似た苦悩にはなかなか来るものがありましたが、大切な友を取り戻すため、絶望の未来を覆すために奔走し、勇気を持ってぶつかろうとする結末はなかなか良かったですね。
読了日:05月27日 著者:佐野 徹夜
1ミリの後悔もない、はずがない (新潮文庫 い 136-1)1ミリの後悔もない、はずがない (新潮文庫 い 136-1)感想
由井が好きになったのは、背が高く喉仏の美しい桐原。ひりひりと肌を刺す恋の記憶。出口の見えない家族関係。人生の切実なひと筋の光を描く恋愛連作短編集。母子家庭で絶望的な日々を送る由井と桐原の恋。彼女の親友ミカが再会した高山に抱く複雑な想い、家族関係に鬱屈を抱える泉と高山の関係と別れ。それぞれが絶望の中に見出した鮮烈な想いとすれ違いが描かれる中で、少しずつ明らかになってゆく由井が紆余曲折の末に得た未来はわりと幸せそうで、だからこそ最後に描かれたエピソードと桐原の手紙が意味することをいろいろと考えてしまいました。
読了日:05月27日 著者:一木 けい
処女のまま死ぬやつなんていない、みんな世の中にやられちまうからな (新潮文庫 あ 99-1 nex)処女のまま死ぬやつなんていない、みんな世の中にやられちまうからな (新潮文庫 あ 99-1 nex)感想
留年して二回目の高校三年生となった佐藤晃に話しかけてきた同級生・白波瀬巳緒。それをきっかけに居場所がないと思っていた学校で周囲に輪ができて、かけがえのないものを取り戻してゆく喪失と再生の青春小説。留年の経緯で明らかになってゆく深い愛には驚かされましたが、あっけらかんとしたギャルの白波瀬巳緒、綺麗な声が耳に残る少女・御堂楓、そしてアニメ好きな和久井と出会い、大切な友人・藤田たちにも支えられながら、みんなで結成したバンドを通して熱い想いをぶつけ合い、未来に希望を見出してゆく結末にはぐっと来るものがありました。
読了日:05月27日 著者:葵 遼太
図書室のバシラドール図書室のバシラドール感想
将来を見据え司書資格を取るための勉強をはじめた詩織。図書委員が文化祭でビブリオバトルをやろうと盛り上がる一方で、詩織自身の雇用契約の期限が迫る第三弾。司書資格を得るための通信講座のスクーリングで講義を受講したり、図書館実習のあれこれを経験する一方で、常連の生徒が家出したらしいと相談を受けたり、チャーシュー論争の解決に講演会を企画したり、文化祭でビブリオバトルを開催したりと、判断に迷う自体に直面して悩みつつも、試行錯誤しながら取り組んでいく前向きな姿勢には好感。学校司書の待遇は今後も気になるところですね…。
読了日:05月28日 著者:竹内 真
<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 13.バトル・オブ・ヴォーパルバニー (HJ文庫)<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 13.バトル・オブ・ヴォーパルバニー (HJ文庫)感想
王国と皇国の間に講和会議が開かれることになり、レイは交渉が決裂した場合を考え護衛として参加するために、周りの超級を巻き込んで新クランを発足させることになる第十三弾。選択肢がなくなって仕方なく新クランを発生させたはずなのに、そのメンツがやたら豪華すぎるとかいう展開には、まあ彼の人徳よね…ということで笑ってしまいましたけど、王国のランカーたちをデスペナに追い込む暗躍する存在がいて、皇国側の思惑も明らかになっていって、今巻までがその前段で、続巻でまたいくつもの戦いが華々しく繰り広げられそうなので期待しています。
読了日:05月28日 著者:海道左近
夢見る男子は現実主義者 1 (HJ文庫)夢見る男子は現実主義者 1 (HJ文庫)感想
同じクラスの美少女・夏川愛華との両想いを夢見て、めげずにアプローチを続けていた佐城渉。しかしある日突然、現実を見て適切な距離を取ろうとする彼の急変に、愛華も逆に気になり始める青春ラブコメディ。周囲もカップルなのではと誤解するくらいの距離感だったのに、一転渉が邪魔をしないよう遠くから見守るようにしたことで、ウザかったはずが逆にその不在が落ち着かなくなってゆく愛華。とはいえ現時点では彼女も違和感にモヤモヤしているくらいで、想いを自覚するのはこれからなんですかね。そんな二人のこれからに期待したい新シリーズです。
読了日:05月28日 著者:おけまる
クラスで一番の彼女、実はボッチの俺の彼女です2 (角川スニーカー文庫)クラスで一番の彼女、実はボッチの俺の彼女です2 (角川スニーカー文庫)感想
隠れた恋人同士の琴音の窮地を救った誠司。付き合い出して初のGWは琴音にモデル仕事が入ってしまい、文芸部の後輩・姫島かぐやと一緒にカフェのバイトをする第二弾。周囲には依然として二人の関係を隠したままゆえに、バイトにテスト勉強にと一気に距離を縮めてくる人懐こくてラノベ好きのかぐや。そんな彼女の見栄から思わぬ急展開になりましたけど、そこは密かに心穏やかでいられなかった彼女の琴音が肝心なところは譲らなかったですね(苦笑)関係性こそ変わったかもしれないですけど、かぐやも自分の新たな居場所を見つけられて良かったです。
読了日:05月29日 著者:七星 蛍
陰に隠れてた俺が魔王軍に入って本当の幸せを掴むまで2 (角川スニーカー文庫)陰に隠れてた俺が魔王軍に入って本当の幸せを掴むまで2 (角川スニーカー文庫)感想
デュラハンたちの抱える問題を無事解決に導いたクロムウェルが、次に着手するのは美食の街改革。奇抜なアイデアと実力で、ゴブリンたちの信頼も集めて魔王軍食糧問題解決に挑む第二弾。食料を生産するゴブリンたち、畜産に従事するオークたち、そして漁師をするオーガたち相手に三者三様のやり方で挑むクロムウェルも楽しかったですけど、天真爛漫に魔法を披露するアルカや、彼に付き添って健気に支えたセリスが、打ち上げですっかり出来上がって素直になった姿はなかなか素敵でした(苦笑)雪辱を期す学園の仲間たちはこれから登場あるんですかね?
読了日:05月29日 著者:松尾 からすけ
異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術13 (講談社ラノベ文庫)異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術13 (講談社ラノベ文庫)感想
突如として宣戦布告してきたゲルメド帝国によって王は戦没し、王城は占領されてしまったリフェリア王国。攫われそうになっていたレムの救出には成功したものの、依然として劣勢が続く第十三弾。戦況を覆すため王城グランディオスに転移で乗り込むことを決意するディアヴロに、ファルトラ市からやってきた魔王クルム、王国から離反していた王宮騎士団ノアの真意。皇帝はなかなか強敵そうですが、ディアヴロ以外にも転生者がいたのにはビックリです。うまく補い合って仲間として機能できるかどうか、アリシアがどうなるのかも気になるところですね。
読了日:05月29日 著者:むらさき ゆきや
『ラブコメ文芸部』と美少女問題児たちとボッチな俺 (講談社ラノベ文庫)『ラブコメ文芸部』と美少女問題児たちとボッチな俺 (講談社ラノベ文庫)感想
密かに投稿サイトに自作の小説をアップする読書好きでボッチな少年・青枝春人。彼が投稿する作品の熱烈なファンである学園一の美少女・夏陽向美夏と出会い、彼女と一緒に『ラブコメ文芸部』を立ち上げる青春ラブコメディ。二人で立ち上げた部に加入してくる春人のストーカーな後輩・秋待月咲月、生徒会長を務めるお嬢様・冬橋空悠香先輩など、登場人物たちや設定はわりとベタでしたけど、彼女たちとの甘いデートごっこや、陥った窮地に彼らが協力して乗り越えて育まれる絆、そしてお互いに刺激し合える関係になってゆく結末はなかなか良かったです。
読了日:05月30日 著者:秋月 一歩
吸血鬼は僕のために姉になる (ダッシュエックス文庫)吸血鬼は僕のために姉になる (ダッシュエックス文庫)感想
唯一の肉親だった祖父を喪った波野日向が、丘の上の屋敷に住んでいる盲目の吸血鬼霧雨セナに引き取られ、未知の世界で新しい家族や人外の存在たちと絆を深めてゆくファンタジー。彼を大切に思うあまり甘やかしお姉ちゃんと化すセナには苦笑いでしたけど、共に過ごすうちに出会った一つ目の怪物や、犬の郵便屋といった人外の存在、疎遠だった幼馴染・心音、気の置けない親友・佐伯たちとのエピソードがあって、明らかになってゆく一族が果たしていた役割にきちんと向き合うようになった日向と、周囲の関係がこれからどうなるのか楽しみな作品ですね。
読了日:05月30日 著者:景 詠一,みきさい
52ヘルツのクジラたち (単行本)52ヘルツのクジラたち (単行本)感想
ワケありで大分にあった祖母の家に引っ越してきた貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた二人が出会う新たな魂の物語。引っ越し後も周辺住民に馴染めずにいた貴瑚を助けてくれた少年の事情。貴瑚が小さい頃から置かれていた環境や、抜け出せた後に辿った人生もなかなか過酷でしたが、少年を何とか助けたいという思いだけではどうしようもなくて、そんな彼女たちを支えて力になってくれた一度は自ら手放した貴瑚の親友だったり、距離を感じていた周囲の人の優しさ、温かさがとても心に響く物語でした。
読了日:05月31日 著者:町田 そのこ
うちの中学二年の弟が (集英社オレンジ文庫)うちの中学二年の弟が (集英社オレンジ文庫)感想
中等科二年生で女装が趣味の弟・六区に振り回される日々を送る私立鷺ノ院学園高等科一年生・鷺沼湖子。常識的で良識派を自負する湖子の日常が、奇想天外な弟の行動にかき乱されるドタバタコメディ。エキストラで参加したドラマ撮影の女優失踪騒動、チョコレートアンソロジーと先生の恋、姉弟によるハチャメチャ異世界騒動、コバルト編集部も巻き込んだなんて素敵にジャパネスクの演劇と先輩の恋には懐かしさもあったりで、湖子を振り回す六区が繰り広げられた騒動の真相を妄想で見事に解き明かし、それぞれの恋を実らせてゆく展開は面白かったです。
読了日:05月31日 著者:我鳥 彩子

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