読書する日々と備忘録

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20年1~2月の注目新作ライトノベル11選

2020年に入っても面白い作品がたくさん出てきていますが、何でこんなにたくさん出すのかというか、各レーベル刊行が集中していてどれを読むのか悩ましい状態が続きますね(苦笑)そこで今年刊行になった新作のうちおススメ11作品を紹介したいと思います。ラブコメに絞ればちょうど10作品でキリが良かったのですが、「竜と祭礼」もまた注目のファンタジー作品です。是非読んでみて下さい。

 

1.今はまだ「幼馴染の妹」ですけど。 (MF文庫J)

丘の上の七河公園で再会した幼馴染の妹・双原灯火。「流宮の氷点下男」と呼ばれる冬月伊織と、「自称・先輩を慕う美少女」の灯火の大切な人を取り戻そうと願う不器用な二人の物語。住む町に伝わる星の涙の都市伝説と、翌日からあざとく伊織に付きまとうようになった灯火の真意。幼馴染の妹とのあざといラブコメ展開はものの見事に裏切られて、伊織の苦い過去を絡めながら明らかになる不穏な状況があって、大切なものを諦められない灯火に真正面からぶつかってみせた伊織の想いと、二人で乗り越えた先に迎えた結末にはぐっと来るものがありました。今後に期待の新シリーズ。

2.俺の女友達が最高に可愛い。 (GA文庫)

俺の女友達が最高に可愛い。 (GA文庫)

俺の女友達が最高に可愛い。 (GA文庫)

 

高校入学時に知り合った趣味ピッタリ相性バッチリな中村カイと学年一の美少女・御屋川ジュン。ゲームに漫画トーク、アニソンカラオケ、楽しすぎていくらでも一緒に遊んでいられる二人の関係を描くピュアフレンド・ラブコメ。放課後はカイの家に入り浸って多趣味を全力で楽しむとか、傍から見たらイチャイチャしてるようにしか見えなくても、堂々と友達宣言しちゃう二人の強固な関係には誰も入り込めなくて、けれど何かあるとお互い真っ赤になってしまう二人の関係は一体何なのか?(苦笑)そんな盤石な二人に波紋を投げかけそうな最後の展開に期待。

3.声優ラジオのウラオモテ(電撃文庫)

声優ラジオのウラオモテ #01 夕陽とやすみは隠しきれない? (電撃文庫)

声優ラジオのウラオモテ #01 夕陽とやすみは隠しきれない? (電撃文庫)

  • 作者:二月 公
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2020/02/07
  • メディア: 文庫
 

高校のクラス内では相性最悪なギャルと根暗地味子。そんな二人が実は声優で、同じ高校に通う仲良し声優コンビとしてほんわかラジオ番組をスタートさせる青春小説。声以外の仕事は苦手でも意識は高い千佳と、なかなか芽が出ない境遇に自信喪失気味の由美子。お互い正体を知らないままコンビを組んだ、ないものねだりの複雑な二人の関係や距離感が絶妙で、けれど真摯に仕事に向き合う姿を知るからこそ、相手の逆境に奔走できるんですよね...熱い想いで危機的な炎上を乗り切ったからこそ、そんな彼女たちのこれからをまた読んでみたいと思いました。

4.小鳥遊さんはラブコメ勉強中! (LINE文庫エッジ)

小鳥遊さんはラブコメ勉強中! (LINE文庫エッジ)

小鳥遊さんはラブコメ勉強中! (LINE文庫エッジ)

  • 作者:高橋徹
  • 出版社/メーカー: LINE
  • 発売日: 2020/01/08
  • メディア: 文庫
 

普段は仕事ができるクールな小鳥遊璃子に意外な場所で出会った同期の鞘野直春が、流れで擬似恋人として一緒に恋愛を学ぶラブコメ。女子校育ちで実は恋愛に興味津々、天然で小動物っぽい可愛さ全開な璃子との彼氏彼女ごっこで繰り広げられる、名前呼びや猫カフェデート、大人の恋愛小説解説、手を繋ぐ、ハグ、看病...といったイベントの数々。着実に甘えんぼになってゆく璃子と直春の甘い距離感の破壊力には凄まじいものがありましたね。なのに分かり切った答えにいったん距離を置かないと気づかない彼女にはツッコミを入れたくなりました(苦笑)

5.痴漢されそうになっているS級美少女を助けたら隣の席の幼馴染だった (GA文庫)

満員電車で疎遠になっていた幼馴染の伏見姫奈を助けた高校二年生の高森諒。それをきっかけに学校ではすっかり人気者になっていた彼女と、少しずつ幼馴染としての関係を取り戻してゆく青春小説。ずっと同じクラスだったけど中高では疎遠になっていた二人の距離感。それがきっかけを得て、今までとはまた変わってゆくことに戸惑いを感じながらも、二人が絆を再び育んでいく展開はなかなか良かったですね。鳥越さんの存在も物語の構図として効いてましたけど、どこか詰めが甘い二人の関係がこれからどうなってゆくのか、今後が楽しみな新シリーズです。

6.クラスで一番の彼女、実はボッチの俺の彼女です (角川スニーカー文庫)

クラスで一番の彼女、実はボッチの俺の彼女です (角川スニーカー文庫)

クラスで一番の彼女、実はボッチの俺の彼女です (角川スニーカー文庫)

  • 作者:七星 蛍
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2020/02/01
  • メディア: 文庫
 

自称・選択ボッチの篠宮誠司と、学年トップの成績で現役モデルの高嶺の花・神崎琴音。教室の中では絶対に交わらない2人による内緒の甘酸っぱいドキドキ青春ラブコメディ。今はまだ周囲には秘密だけど意外に甘えたがりな神崎と、そんな彼女に戸惑いながらも何だかんだでベタぼれな篠宮。これまでどんな積み重ねがあったのかとても気になるところですが、秘密な関係ならではのもどかしい距離感がポイントで、お互い相手を想う気持ち自体は揺るぎないだけに、彼を慕う後輩や会長を絡めて物語をどう展開していくのか、今後に期待したい新シリーズです。

7.隣の席になった美少女が惚れさせようとからかってくるがいつの間にか返り討ちにしていた (モンスター文庫)

成戸悠己が席替えで隣になったのは、隣になった男子は告白して玉砕してしまうと噂される「隣の席キラー」鷹月唯李。しかし悠己のつれない対応に、むしろ唯李の方が気になりだす青春ラブコメディ。噂を信じて彼女に騙されないぞという態度を崩さない悠己と、いつもと勝手の違う展開で空回りするうちに実は不器用なその本性がどんどん露わになってゆく唯李に、やたらとテンションが高い悠己の妹たちも絡めて、勘違いやすれ違いが積み重なってドツボにはまるカオスな展開でしたけど、ここからどうやって軌道修正するのか、著者さんの手腕に期待です。

8.結婚が前提のラブコメ (ガガガ文庫)

結婚が前提のラブコメ (ガガガ文庫)

結婚が前提のラブコメ (ガガガ文庫)

 

母親から継いだ結婚相談所で婚活女子のサポートに奔走する「結婚できない人を結婚させる仲人」縁太郎。とある婚活パーティーで結衣と出会う婚活ラブコメ。エロ漫画家・牡丹、玉の輿を狙う元令嬢・カレン、究極のダメンズほいほいな保育士・まひるといった会員とも出会い、結婚に向き合えていなかったワケありな結衣も少しずつ変化してゆく展開で、単なる仲人と関係という関係にとどまらない、彼女たちのために奔走する縁太郎とヒロインたちの絆にはぐっと来るものがあって、縁太郎が応援する彼女たちの婚活の結末を最後まで見届けたいと思えました。

9.ヤンキーやめろ。メイドにしてやる (講談社ラノベ文庫)

ヤンキーやめろ。メイドにしてやる (講談社ラノベ文庫)

ヤンキーやめろ。メイドにしてやる (講談社ラノベ文庫)

  • 作者:秀章
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2020/02/03
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

代々執事の家系で日本有数の名家・鶴ヶ島家の次女麻白に仕える久世太一郎。麻白お嬢様から新たな専属メイドを探すよう申しつけを受けた彼が、買い出しに出かけた先で出会ったヤンキー少女ハナをメイドとして勧誘する物語。仕事をスマホで動画を撮って覚えるあたりがハナらしいですが、事あるごとに衝突するヤンキー気質のハナとお嬢様麻白の相性は最悪でも、テンポよく進むドタバタ展開の中でお互いいろいろ見えてくるものがあって、そんな二人が育んでゆく不器用な主従関係の結末には、またこの物語の続きを読んでみたいと思えるものがありました。

10.隣のキミであたまがいっぱい。 (MF文庫J)

隣のキミであたまがいっぱい。 (MF文庫J)

隣のキミであたまがいっぱい。 (MF文庫J)

  • 作者:城崎
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2020/01/24
  • メディア: 文庫
 

『他人の思考が読めてしまう』特殊能力を持つ美少女・如月那緒が、隣にいれば宇佐美北斗だけに限定されると気づき共に過ごすようになる青春ラブコメ。常に他人の考えていることが聞こえてしまう彼女がようやく見出した安住の居場所。そんな如月を忌避することもなく、思考がだだ洩れ前提の会話が当たり前になってゆく北斗は彼女にとってかけがえのない存在で、普段は感情が乏しそうに見える彼女が時折北斗にだけ見せる表情には凄まじい破壊力がありますね。今は無自覚でも日々の積み重ねでお互い唯一無二の存在と化してゆく二人の今後が楽しみです。

11.竜と祭礼 ―魔法杖職人の見地から― (GA文庫)

竜と祭礼 ―魔法杖職人の見地から― (GA文庫)

竜と祭礼 ―魔法杖職人の見地から― (GA文庫)

 

師の遺言により少女ユーイの杖を修理することになった、半人前の魔法杖職人・イクス。姉弟子たちの助けも借りてどうにか破損していた芯材を特定した彼が、1000年以上前に絶滅した竜の心臓を求めて旅する物語。夏の終わりまでを期限とした竜の伝承を求めての探索、ユーイが抱える過去と杖が壊れた理由、明らかになってゆく竜が絶滅した真相。戦えない二人が主人公であるがために、派手な展開とは無縁でインパクトには欠けますが、しっかりとした世界観の中で動く登場人物の描写は繊細で、明かされた真実とその結末は心に響くものがありました。今後に期待のシリーズ。