読書する日々と備忘録

主に読んだ本の紹介や出版関係のことなどについて書いています

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2020年1月に読んだ本 #読書メーターより

正月休みとか連休もあってあんまり読めてないな…と個人的には思っていたのですが、終わってみればコミック除いても69冊読めていたので意外と読めていたみたいです。シリーズ続巻がたくさん被って消化には苦労しましたが、新作もなかなかおもしろい作品が多かったです。

 

1月の読書メーター
読んだ本の数:91
読んだページ数:24698
ナイス数:6254

高校事変 IV (角川文庫)高校事変 IV (角川文庫)感想
スキー場に向かう中学生たちを乗せたバスが新潟県の山中で起こした転落事故。そこで起きた弟の汚名をそそぐため、かつて父の組織と敵対していた半グレ集団「パグェ」のアジトに乗り込む第四弾。相変わらず話を聞いた中から導き出す結衣の洞察力が凄まじいことになっていますが、今回は父親が率いた半グレ集団の過去の因縁も絡めて、間抜けな公安の監視員も巻き込んだド派手な戦いでしたね…これあの二人はどうごまかしたんでしょうか(苦笑)一巻からの流れを踏まえた全体の構図も明らかになりましたが、この物語がどこに向かうのか気になるところ。
読了日:01月01日 著者:松岡 圭祐
データの世紀データの世紀感想
データが主導する新たな経済「データエコノミー」の最前線を追う日本経済新聞の大型連載「データの世紀」を同連載の取材班が加筆再構成して書籍化。就職活動に衝撃を与えた「リクナビ問題」の経緯、記者が身体を張って調査するGAFAを巡る利便性と収集される個人情報、個人情報の価値、最適な広告が表示されることの意味、デジタル貧困やレビュー社会の危うさ、共有される個人情報、遅れを取る日本社会や企業の現状などを取り上げつつ、利便性と引き換えに新たな支配が構築されつつある現状で自分がどうあるべきか、考えることも多い一冊でした。
読了日:01月02日 著者: 
思い出とひきかえに、君を (集英社オレンジ文庫)思い出とひきかえに、君を (集英社オレンジ文庫)感想
約束の場所に現れなかった片想い中の陸斗が事故に遭ったことを知った高1のひまり。思い出とひきかえに願いを1つ叶えてくれる不思議なお店に迷いこんだ彼女が、陸斗を助けるため彼との大切な思い出を手放してゆく物語。中学時代に知り合い、電車の中でたまに言葉を交わす中で少しずつ積み重ねてきた彼への想い。彼が直面する困難から救おうとしたことで、かえってすれ違ってしまう切ない展開でしたけど、そんな彼女の想いを神様も見守ってくれてたんでしょうかね。一緒に新たな思い出を紡いでいってほしいと二人を応援したくなるそんな物語でした。
読了日:01月02日 著者:柴野 理奈子
僕と彼女の嘘つきなアルバム (角川文庫)僕と彼女の嘘つきなアルバム (角川文庫)感想
田舎に息苦しさを感じて、大好きな写真家・渡引クロエが通っていた大学に入学し上京した可瀬理玖。クロエが立ち上げた創作サークルで、不思議な力を持つ女の子・渡引真白と出会う青春ミステリ。部室で消失した写真の謎を解いたことをきっかけに、真白のいなくなった父を探す協力をすることになった理玖と仲間たち。特異な存在の母・クロエとの複雑な関係を抱える真白を、かけがえのない彼らの存在が少しずつ変えていって、明らかになってゆく父のことから垣間見えた母の真意と、ようやく向き合えた先にあった苦笑いの結末がとても素敵な物語でした。
読了日:01月03日 著者:高木 敦史
弁当屋さんのおもてなし 夢に続くコロッケサンド (角川文庫)弁当屋さんのおもてなし 夢に続くコロッケサンド (角川文庫)感想
晴れてユウと結婚の約束をした千春は彼との未来について考え始め、一緒に働く未来への想いを伝えたものの、ユウからの予想外の反応に戸惑う第六弾。会社を辞めてユウと一緒に働きたいと思った千春と、「自分の人生に巻き込みたくない」というユウ。根が深いユウの複雑な想いがあって、千春もまたこれまでのキャリアとの兼ね合いを迷いながら、バイトの桂の想いや上司と息子のエピソード、ユウ不在の総力戦を乗り越えた先にようやくいろいろ吹っ切れましたかね。補い合えるいい夫婦になりそうな二人を予感させるエピローグがとても素敵な結末でした。
読了日:01月04日 著者:喜多 みどり
たとえば、謙虚に愚直なことを継続するという習慣たとえば、謙虚に愚直なことを継続するという習慣感想
不動産業界史上最年少で上場を果たした著者が経営破綻を経て、あえぎながらたどり着いた二度と失敗しないための18の行動指針を明かした1冊。どちらかというと経営者目線での語りが多い内容でしたが、日頃から倹約を心がければ経費削減など必要ない、分からない事を分かるふりをする事は最も愚行、人こそがもっとも大切な資産、最高と最悪を常に予測する、目的と目標を見誤らない、軸足はぶれないようにする、人と比べない見栄を張らない、恥ずべき行動を取らないなど、失敗を経験した著者の言葉はいろいろ考えさせられることが多かったですね。
読了日:01月05日 著者:杉本 宏之
これからの図書館: まちとひとが豊かになるしかけこれからの図書館: まちとひとが豊かになるしかけ感想
図書館司書として働き始め、図書館流通センターの会長のまま、神奈川県の真ん中に位置する人口10万人都市の中央図書館長に就任した著者が、図書館業務や過去と未来、その可能性について語った一冊。システム化が進んだ図書館が民間への業務委託や指定管理を転換期として、昔とは図書館の目指すべきところや司書の在り方もだいぶ変わってきているのは間違いなくて、それを踏まえてどうするのがいいのかいろいろ考えることがあるように感じました。遠隔地は行こうと思わないとなかなか行く機会がないですが、おすすめ図書館はいつか見てみたいです。
読了日:01月05日 著者:谷一 文子
活版印刷三日月堂 小さな折り紙 (ポプラ文庫)活版印刷三日月堂 小さな折り紙 (ポプラ文庫)感想
日月堂が軌道に乗り始めた一方、金子や柚原など関わった人たち…そして弓子達のその後、三日月堂の「未来」が描かれる番外編第二弾。前巻は三日月堂を巡る過去が描かれた短編集でしたが、今回は川越観光案内所のマドンナ・柚原の葛藤や、小枝と有伽たちが作った卒業文集、ファースト名刺を作った広太のその後、三日月堂を手伝う楓の進路、金子の将来に対する迷い、弓子のその後とそれぞれの未来へ向けたエピソードが綴られていて、三日月堂を拠り所として広がってゆく暖かな物語がとても素敵で、このシリーズを読んで本当に良かったと思えました。
読了日:01月06日 著者:ほしお さなえ
古くてあたらしい仕事古くてあたらしい仕事感想
吉祥寺でひとり出版社「夏葉社」をはじめて10年。作家志望だった著者が、従兄を事故死を機に転職活動をはじめるも50社連続不採用、33歳で夏葉社を起業し、手探りの本づくりの日々を綴ったノンフィクション。編集も未経験で営業も苦手という島田さんによる、大量消費以前のやり方をよみがえらせるこだわりの本づくりがなかなか印象的でしたが、ちいさくひとりで始めるとはいっても、ひとりで何でもやる出版活動を続けるのは誰にでも真似できることではないですね。大変なこともいろいろあろうかとは思いますが、これからも頑張って欲しいです。
読了日:01月06日 著者:島田 潤一郎
一華後宮料理帖 第十品 (角川ビーンズ文庫)一華後宮料理帖 第十品 (角川ビーンズ文庫)感想
ついに蜂起し皇帝・祥飛へ退位を迫る朱西。戦か退位か与えられた猶予は十日。禁軍すら敵に回る状況で祥飛が決断を迫られる第十弾。悩みながらも民を思い国のために戦う道を選ぶ祥飛。一方初秋の庭で聞いた珠ちゃんの言葉の意味を考える理美。できる手を打ってゆく祥飛もいろいろ考えているんだなとは思いましたけど、着々と追い詰めてゆく朱西の本意は見えないままでしたね…。五龍の真意はどこにあるのか、どちらが勝つのか、理美はどうなるのか、そして最終決戦の先にどんな結末が待っているのか、次巻が最終巻のようですので楽しみにしています。
読了日:01月07日 著者:三川 みり
アルバート家の令嬢は没落をご所望です 7 (角川ビーンズ文庫)アルバート家の令嬢は没落をご所望です 7 (角川ビーンズ文庫)感想
次期当主争いも落ち着き、おめでたも発覚したメアリたち。しかしアディと同じ髪色の女の子・アンナが現れ、アディのことを「お父さん」と呼び始める第七弾。ついにメアリもおめでたですか…と感慨深いものを覚えましたが、妊婦なのに仲間たちとアンナの親を探しに行くメアリ(苦笑)メアリ大好きなアリシアパルフェットは相変わらずだなあとも思いましたけど、お兄ちゃんたちも当主の座を争うどころかほんとサポート体制万全で、王女なのに乳母の座を狙うアリシアには思わず笑ってしまいました。二人の子供も気になるけど周囲もそろそろですかね。
読了日:01月07日 著者:さき
陰に隠れてた俺が魔王軍に入って本当の幸せを掴むまで (角川スニーカー文庫)陰に隠れてた俺が魔王軍に入って本当の幸せを掴むまで (角川スニーカー文庫)感想
完全無欠な主人公体質の親友に巻き込まれがちで、やる気ゼロのクロムウェル。ゆるく生きるつもりだったのに、魔王軍からの襲撃でその日常は一変。戦った魔王に指揮官としてスカウトされる物語。魔王のフェルによって魔王軍の司令官に任命されてからが本当のスタートで、秘書セリスといがみ合ったりサポートされながら、魔族の子供・アルカを助けたり、コミュ障なデュラハンたちの仕事環境を改善していく展開はなかなか面白かったです。それにしても彼が死んだと思っている親友やマリアあたりは救いがないので、それをどう救済するのか続巻に期待。
読了日:01月07日 著者:松尾 からすけ
マージナル・オペレーション改 08 (星海社FICTIONS)マージナル・オペレーション改 08 (星海社FICTIONS)感想
米中全面対決の様相を呈してきたミャンマー北東部をめぐる紛争。最大の後援者・米国は朝鮮半島情勢の対応に追われ、ミャンマー方面の制空権は徐々に中国に奪われて孤立してゆく新章第八弾。いや何というか...中国軍が愚直というか無謀というか、まめたん無双し過ぎというか、近未来の戦争って今後こういう風になってゆくのかなとか思いつつ、でも局地的にはこれだけ勝っている状況なのに、戦略的に劣勢に追い込まれてゆくあたりは難しい。相変わらずどこか胡散臭いけど、イトウさんの交渉力というか豪腕はもはや欠かせなくなりつつありますね…。
読了日:01月07日 著者:芝村 裕吏,しずま よしのり
どうも、好きな人に惚れ薬を依頼された魔女です。(1) (女性向けMノベルス)どうも、好きな人に惚れ薬を依頼された魔女です。(1) (女性向けMノベルス)感想
人間と離れてひっそりと暮らす湖の善き魔女・ロゼ。彼女が4年間秘かに片思いをしていた王宮騎士のハリージュから惚れ薬作成を依頼される物語。絶望的な依頼をきっかけに、これまで無自覚だった彼女の孤独な世界を広げ、かけがえのない存在となってゆくハリージュとの日々。彼の方も最初は放っておけない危なっかしいだけの存在だったはずが、いつの間にか自分だけが知っていると思っていた優越感を刺激され、臆病で優しい彼女を意識するようになってゆく姿がとても印象的で、そんな二人が紆余曲折の末に迎えた幸せな結末がとても素敵な物語でした。
読了日:01月08日 著者:六つ花 えいこ
PSYCHO‐PASSサイコパス3〈A〉 (集英社文庫)PSYCHO‐PASSサイコパス3〈A〉 (集英社文庫)感想
シビュラシステムが人々の治安を維持している近未来。難民輸送中のドローン墜落事故を調査する新人監視官・灼と炯が、捜査を進めるうちに事故の背後にある巧妙な犯罪の影を感知するTVアニメ3期のノベライズ第一弾。メンバーの大部分が刷新された訳ありな刑事課一係の監視官と執行官たち。彼らを統率する霜月課長を振り回しながら、その特異な能力を活かしてシステムの間隙を突くような犯罪の真相に迫る展開で、かつての懐かしい面々も登場して、立場こそ変わっても失われていない絆が感じられるやりとりに、これからの展開が楽しみになりました。
読了日:01月08日 著者:吉上 亮,サイコパス製作委員会
准教授・高槻彰良の推察3 呪いと祝いの語りごと (角川文庫)准教授・高槻彰良の推察3 呪いと祝いの語りごと (角川文庫)感想
尚哉の友人・難波の元に届いた不幸の手紙。時を同じくして、高槻と尚哉は「図書館のマリエさん」という聞き慣れない都市伝説を知る第三弾。メールで届いた不幸の手紙と学校に広まる「図書館のマリエさん」という聞き慣れない都市伝説、鬼神伝説が残る村に調査に出向いた一行が遭遇する思いがけない受難。確かに伝わっていくうちに都市伝説っていろいろ変容して派生していきますね…とか思いながら読んでましたけど、高槻と出会ったことで尚哉のありようは確実に変わってきているのを感じますね。高槻と佐々倉の幼い頃を描いた番外編も良かったです。
読了日:01月09日 著者:澤村 御影
ストライク・ザ・ブラッド21 十二眷獣と血の従者たち (電撃文庫)ストライク・ザ・ブラッド21 十二眷獣と血の従者たち (電撃文庫)感想
死闘の末に吸血王を倒すもシャフリヤル・レンの策謀によって、異境へと墜ちたアヴローラ。ただの人間に戻り救う手段のなくなった古城に、第一真祖キイが意外な取引きを持ちかける第二十一弾。キイより古城に与えられた新たな漆黒の眷獣と、制御するために必要な十二人の『血の伴侶』を集めるべく奔走する雪菜たち。今回は古城を慕う面倒くさいヒロインたちが大集合して、ツンデレだったり挑発したり覚悟を決めたりと彼女たちの魅力が満載の展開でしたが、やはり美味しいところを持っていくのは彼女でしたか(苦笑)舞台も整って次巻が楽しみですね。
読了日:01月10日 著者:三雲 岳斗
魔法科高校の劣等生 司波達也暗殺計画(3) (電撃文庫)魔法科高校の劣等生 司波達也暗殺計画(3) (電撃文庫)感想
黒羽文弥の直下で殺し屋を生業とする榛有希に舞い込んできた新たな依頼。用心深く警戒を重ねる標的の懐になんとか潜り込んだ有希が、謎の乱入者に標的の命を奪われてしまう第三弾。今回達也は名前のみの登場で、自らの手で国防軍への復讐を完遂すべく標的を付け狙い、立ちはだかる有希たちへも牙を向ける調整体『鉄シリーズ』の青年・若宮との遭遇。因縁の出会いから紆余曲折の末にチームとしてコンビを組むようになってゆく展開はなかなか良かったですが、若宮が特訓で別人のようになっていて苦笑いでした。ここからの新シリーズも期待しています。
読了日:01月10日 著者:佐島 勤
29とJK8 ~そして社畜は今日も働く~ (GA文庫)29とJK8 ~そして社畜は今日も働く~ (GA文庫)感想
尊敬していた編集者、御旗と訣別し、自社のサイトでお仕事小説の連載を発表した槍羽。執筆を担当の花恋は、取材のため変装してコールセンターの現場で働く第八弾。御旗の影響力で様々な妨害を受ける槍羽。思わぬ周囲の助けもあり準備を進めた先にあった意外な展開と、損害賠償を訴えた御旗と直接対決する鋭二。関係者の想いやいつからか変容してしまっていた御旗の真意を見事見抜いた槍羽は流石でしたけど、決着のあとに描かれたそれぞれのリスタートがまた印象的でした。ここが物語の終着点だったのはやや意外でしたが、次回作も期待しています。
読了日:01月10日 著者:裕時 悠示
竜と祭礼 ―魔法杖職人の見地から― (GA文庫)竜と祭礼 ―魔法杖職人の見地から― (GA文庫)感想
師の遺言により少女ユーイの杖を修理することになった、半人前の魔法杖職人・イクス。姉弟子たちの助けも借りてどうにか破損していた芯材を特定した彼が、1000年以上前に絶滅した竜の心臓を求めて旅する物語。夏の終わりまでを期限とした竜の伝承を求めての探索、ユーイが抱える過去と杖が壊れた理由、明らかになってゆく竜が絶滅した真相。戦えない二人が主人公であるがために、派手な展開とは無縁でインパクトには欠けますが、しっかりとした世界観の中で動く登場人物の描写は繊細で、明かされた真実とその結末は心に響くものがありました。
読了日:01月11日 著者:筑紫一明
つるぎのかなた(3) (電撃文庫)つるぎのかなた(3) (電撃文庫)感想
「辿り着きたい場所があるから」立ち塞がるのは『剣姫』吹雪を擁する強豪・桐桜学院。勝つためにはどうすべきか、それぞれ道を選んだ少女たちの百花繚乱の女子団体戦を描く第三弾。今回は秋水大付属戦の裏側にあった少女たちの熱い桐桜学院戦がそれぞれのエピソード付きで描かれていて、何とも複雑に絡まった想いや因縁もエピソードとして交えつつ、これまで積み上げてきたもの、抱えてきたものが語られた先にあるからこそ、今回のそれぞれの戦いの重みが感じられて、力を出し切った激闘の結末がまた美しかったです。続巻の決着もまた楽しみですね。
読了日:01月11日 著者:渋谷 瑞也
<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 11.栄光の選別者 (HJ文庫)<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 11.栄光の選別者 (HJ文庫)感想
かつてアルター王国を襲った災害【三極竜グローリア】。打つ手のない絶望的な相手に、そんな中、それぞれの闘う理由を胸にフィガロ、月夜、シュウの超級3人が立ち上がるアルター王国三巨頭誕生秘話。今回はレイが参戦する前にあった過去エピソードで、近づけば死があふれ、遠くからの攻撃は効かない強敵相手に立ち向かったフィガロのライバル・剣王のエピソードも絡めながら、3人それぞれが見せた熱い激闘にはぐっと来るものがあって、その裏にあったもうひとつの結末が今に繋がっていて、これまでの物語がまた少し違って見えるようになりました。
読了日:01月12日 著者:海道左近
【Amazon.co.jp 限定】JKハルは異世界で娼婦になったsummer (ハヤカワ文庫JA)【Amazon.co.jp 限定】JKハルは異世界で娼婦になったsummer (ハヤカワ文庫JA)感想
本編後も続くハルたちの異世界ライフを描くシリーズ短編集。転送前の出来事を千葉視点から綴った前日譚、娼館に現れた下着泥棒の正体、最強の冒険者の仲間イーゴとシスター・キヨリの物語、ハルのその後とルぺの選択など、千葉も基本的に悪いやつではないんだけど、感覚がズレてるというか言葉が足りないというか、残念な感じが拭えなかったですが、後に明かされた真相はちょっと意外でしたね(苦笑)ハルを含めた女性陣たちもまたそれぞれに複雑な思いを抱えていたりで、彼女たちのそうそううまくは行かない異世界での日常が印象的な短編集でした。
読了日:01月13日 著者:平鳥コウ
居酒屋ぼったくり〈8〉 (アルファポリス文庫)居酒屋ぼったくり〈8〉 (アルファポリス文庫)感想
ついに美音にプロポーズした要。しかしそのどうにもやり方がまずかったそのプロポーズがたまたま要の母の知るところとなり、思わぬ騒動に発展してゆく第八弾。うーん、知れば知るほど佐島家の男たちのプロポーズの歴史が残念すぎて、いやこれは怒りが再燃するのも分からなくはないんですが、そんな強権発動でもお兄ちゃんは意外と要に甘かったりするんですね(苦笑)介護とか家族内の因縁とか下が生まれた女児の複雑な想いとか、すれ違う家族関係がエピソードとして描かれましたけど、二人が結婚までたどり着くにはまだまだいろいろありそうですね。
読了日:01月14日 著者:秋川 滝美
魔眼の匣の殺人魔眼の匣の殺人感想
班目機関関係の人里離れた施設の孤独な主は予言者と恐れられる老女。彼女は葉村譲と剣崎比留子をはじめとする訪れた九人に「あと二日のうちに、この地で四人死ぬ」と告げ、外界と唯一繋がる橋が燃え落ちる第二弾。状況ができあがってゆくまでの過程はやや強引かな…という印象はありましたが、不気味な予言通りに次々と死者が増えてゆく中で、極限状態に置かれた人々の心理が今回の事件のポイントだったのかなと。そこで自らは葉村のホームズにはなれないという比留子の優先順位が、必ずしも事件解決に向いていなかった点はなかなか印象的でした。
読了日:01月14日 著者:今村 昌弘
あやかしに迷惑してますが、一緒に占いカフェやってます (集英社オレンジ文庫)あやかしに迷惑してますが、一緒に占いカフェやってます (集英社オレンジ文庫)感想
占い付きドリンク専門のキッチンカーを経営する五百城圭寿。五百城家を代々守護してきたあやかしの白蓮とともに霊絡みのお悩みを解決する物語。失踪した父を探す手がかりを得るためキッチンカーを始めた二人。公園に居続ける女子高生の霊や引っ越してきたアパートにいる戦前の子どもの霊、事故死した資産家の祖母の霊など、その心残りを解決して成仏へ導く中で、残された人たちの関係も改善に向かう展開はなかなか良かったです。スマホ大好きな白蓮との関係も微笑ましかったですが、肝心の父親探しはほんとんど進展なしで続き出るんでしょうかね…。
読了日:01月15日 著者:瀬王 みかる
Unnamed Memory IV 白紙よりもう一度 (DENGEKI)Unnamed Memory IV 白紙よりもう一度 (DENGEKI)感想
四百年前に彼女を救ったことで作り変えられた世界。呪いの打破を願い魔法大国トゥルダールを訪れたオスカーが、四百年ぶりに目覚めて呪いの解呪を申し出た少女・ティナーシャを連れ帰るもうひとつの物語。ようやく再会した彼女の感無量な想いにはぐっと来ましたけどそう簡単に行くわけもなくて、でも以前ともまた違う二人の距離感が新鮮でした。様々な構成が変わった世界でも変わらないものがあって、相変わらずお互い巻き込まれまくりで私人の前に公人という建前を崩せない前途多難な状況ですが、二人ならきっと乗り越えてくれると信じています。
読了日:01月15日 著者:古宮 九時
京都寺町三条のホームズ(13)-麗しの上海楼 (双葉文庫)京都寺町三条のホームズ(13)-麗しの上海楼 (双葉文庫)感想
ジウ・イーリンに請われ、美術展での鑑定のために円生、小松とともに上海を訪れた清貴。優雅な上海滞在のはずが、突然、因縁の相手・菊川史郎からニューヨークにいる葵の隠し撮り写真が送られてくる第十三弾。今回はセレブな環境でもさらっとスマートに対応する清貴のセクシーな描写もありましたけど(苦笑)相手のためを思う対応が取れて、葵の危機やオーナーの汚名を晴らすために立ち上がる彼のありようはカッコ良かったです。思わぬ形で新たな道が見えてきた円生の新たな縁もちょっと気になりましたが、二か月連続刊行の次はNY編が楽しみです。
読了日:01月15日 著者:望月 麻衣
神さま気どりの客はどこかでそっと死んでください (集英社オレンジ文庫)神さま気どりの客はどこかでそっと死んでください (集英社オレンジ文庫)感想
あなたの傍にもいるかもしれないモンスタークレーマーたち。主人公たちにまとわりついた彼らが辿る結末を描く縁切り神社シリーズ第二弾。まさかの続編刊行で、今回は結婚相談所に現れた独善的で粘着質な男性に悩まされる仲人の冴、クレーマーに悩まされるコールセンター勤務の久美子、そして深夜コンビニの業務妨害の迷惑客に怯えるバイトを続ける佳奈が主人公。前作に出てきた縁切り神社に祈ってしまった当事者からしたら、因果応報というにはぞっとするような締めくくりばかりで、いなくなったからといってスッキリしたとはならない結末ですよね。
読了日:01月16日 著者:夕鷺 かのう
結婚が前提のラブコメ (ガガガ文庫)結婚が前提のラブコメ (ガガガ文庫)感想
母親から継いだ結婚相談所で婚活女子のサポートに奔走する「結婚できない人を結婚させる仲人」縁太郎。とある婚活パーティーで結衣と出会う婚活ラブコメ。エロ漫画家・牡丹、玉の輿を狙う元令嬢・カレン、究極のダメンズほいほいな保育士・まひるといった会員とも出会い、結婚に向き合えていなかったワケありな結衣も少しずつ変化してゆく展開で、単なる仲人と関係という関係にとどまらない、彼女たちのために奔走する縁太郎とヒロインたちの絆にはぐっと来るものがあって、縁太郎が応援する彼女たちの婚活の結末を最後まで見届けたいと思えました。
読了日:01月16日 著者:栗ノ原 草介
ゆきうさぎのお品書き 風花舞う日にみぞれ鍋 (集英社オレンジ文庫)ゆきうさぎのお品書き 風花舞う日にみぞれ鍋 (集英社オレンジ文庫)感想
季節は冬。年末年始、それぞれの時間を過ごす「ゆきうさぎ」の常連客たち。一方、もうすぐ勤務先の学校研修が始まる碧は、大樹と一緒に彼の実家である箱根の温泉旅館・風花館を訪問する第九弾。彰三や八尾谷夫妻、花嶋、都築の想いの決着、すっかりカップルなミケさんや星花のその後といった登場人物たちの近況が丁寧に綴られていく展開はこの物語も終わりに近づいているのかなと感じて少し切なくなりましたけど、ついに訪れた大樹の実家エピソードもタマらしさが出ていて良かったです。でも彼女のゆきうさぎでのバイトももう終わりなんですね…。
読了日:01月16日 著者:小湊 悠貴,イシヤマアズサ
威風堂々惡女 3 (集英社オレンジ文庫)威風堂々惡女 3 (集英社オレンジ文庫)感想
皇帝・碧成との間に唯一子をなし、後宮で威勢を誇った寵姫・芙蓉に皇后暗殺の濡れ衣を着せ追い落とした雪媛。しかし芙蓉は自らを慕う潼雲を使い、雪媛を陥れようと画策し始める第三弾。未来を知るがゆえに、雪媛が潼雲を自らの護衛のひとりに任じたことに警戒を強める青嘉。不穏な事件が続く状況に、増長し始めた尹族も彼女の足を引っ張る展開で、そんな状況でも惑わずに苦境を見事打開してみせた雪媛が鮮烈でしたけど、一方で複雑な想いを抱える青嘉や潼雲のこれからも気になりますし、何より諦めが悪い芙蓉はこのままでは終わらなそうですね…。
読了日:01月17日 著者:白洲 梓,蔀 シャロン
流転の貴妃 或いは塞外の女王 (集英社オレンジ文庫)流転の貴妃 或いは塞外の女王 (集英社オレンジ文庫)感想
商人の娘として生まれ、後宮の貴妃になった柴紅玉。それが勢力を拡大しつつある北方の遊牧民族の盟主へと嫁がされることになり、さらにその途上で嫁ぎ先の敵対部族による襲撃で攫われてしまう中華風浪漫譚。帝の寵愛はなくとも後宮謳歌していた生活から、二転三転する運命に翻弄され激変する紅玉の人生は大変だなあと思わずにいられませんでしたが、族長の末子アマルの妻となった彼女があるべき姿を見定めて覚悟を決め、遊牧民族の妻としては型破りな、けれど自分らしいやり方でアマルを支えるようになってゆく姿にはぐっと来るものがありました。
読了日:01月17日 著者:喜咲 冬子,巖本 英利
ロクでなし魔術講師と禁忌教典16 (ファンタジア文庫)ロクでなし魔術講師と禁忌教典16 (ファンタジア文庫)感想
魔術祭典の準決勝へと駒を進めたアルザーノ帝国代表選手団。日輪の国のメイン・ウィザード、サクヤとの出会いにより、システィーナは魔術師としての在り方を問われ、グレンは禁忌教典の謎に至ろうとする第十六弾。急激な成長に覚悟が追い付かない白猫の葛藤はとても彼女らしいなと思いましたけど、アリシア三世の手記でグレンが追体験する過去でここまでのいろいろな断片が繋がってきましたね。重要な局面へのジャスティス介入に加えて、魔術祭典決勝でも異変が起きて次巻もまた波乱は必至。キーマンになりそうなグレンや彼女たちの活躍に期待です。
読了日:01月18日 著者:羊太郎
ラストラウンド・アーサーズ5 過去の王と未来の王 (ファンタジア文庫)ラストラウンド・アーサーズ5 過去の王と未来の王 (ファンタジア文庫)感想
聖杯探索から現界へ戻ってきた瑠奈たちを襲う世界の危機。蘇った伝説時代のアーサー王によって引き起こされる人理の崩壊にアーサー王候補者たちが圧倒的な力の差を見せつけられ絶望する中、諦めない瑠奈が仲間を叱咤して立ち向かう第五弾。最後に立ちはだかる蘇った伝説時代のアーサー王。凛太朗不在のまま、それぞれの負けられない想いを胸に繰り広げる熱い戦いの連続に、絶体絶命の局面に真打ちが登場してからの逆転劇と、最終巻はまさに王道展開でしたけど、その勢いのまま最後まで描き切ってみせた作品でした。ロクでなしも新作も期待してます。
読了日:01月19日 著者:羊太郎
スパイ教室01 《花園》のリリィ (ファンタジア文庫)スパイ教室01 《花園》のリリィ (ファンタジア文庫)感想
各国スパイが「影の戦争」を繰り広げる世界。落ちこぼれのメンバーばかり7人が集められ、凄腕スパイ・クラウスの指導の下、死亡率九割を超える『不可能任務』に挑むスパイファンタジー。凄腕だけど説明できない教えベタの教師役相手に、騙しあいで打ち勝つ実地訓練に挑む不器用な少女たち。チームとして挑んだ過酷なスパイ任務にも最後まで諦めない少女たちの想いに、ともに戦ったクラウスも少なからず感化されていって、普段の日常からスパイらしい仕掛けを感じさせる展開と、そんな絆を育んでいった彼らの物語をまた読んでみたいと思いました。
読了日:01月19日 著者:竹町
北鎌倉の嘉風堂 裏路地神社の扇子屋さん (宝島社文庫)北鎌倉の嘉風堂 裏路地神社の扇子屋さん (宝島社文庫)感想
北鎌倉の細い裏路地にあつ「嘉風神社」。そこの片隅で青年・嘉染葵燕が作る「神様の声を授ける扇子」が目立たないながら密かに評判を呼び、悩める参拝客が次々と訪れる物語。転職に迷う女性の真意、転校してゆく女の子との友情、父親が嫌いな女子高生の複雑な心情、恋人を亡くした青年が十五年後に知った彼女の想い、助手の充晴が手伝うようになった事情。二人で補い合いながら迷える参拝客の複雑な想いに寄り添い、前向きになれるようそっと手伝うエピソードはとても優しくて、心温まる読後感が良かったですね。続巻あるならまた読んでみたいです。
読了日:01月20日 著者:千早 朔
転生王女と天才令嬢の魔法革命 (ファンタジア文庫)転生王女と天才令嬢の魔法革命 (ファンタジア文庫)感想
幼い時に前世の記憶を取り戻してからは、魔法研究に邁進していた王女・アニス。そんな彼女が天才公爵令嬢・ユフィが次期王妃の座から外される場面に遭遇し、彼女をパートナーとしてスカウトするファンタジー。アニスの弟王子がユフィに突然突き付けた婚約破棄。そんな窮地に陥った彼女を颯爽と救ってみせたアニスは破格な存在で、その奇行や斜め上の発想に戸惑い振り回されながらも、彼女の示す道に新たな可能性を見出してゆくユフィは果たして幸せになれるんでしょうか(苦笑)けれど状況的に弟王子とは対立必至で、今後の展開が気になりますね。
読了日:01月20日 著者:鴉 ぴえろ
タテ社会と現代日本 (講談社現代新書)タテ社会と現代日本 (講談社現代新書)感想
「資格よりも場」「序列意識」「ウチとソト」など、日本社会独自の構造を鮮やかに解き明かした「タテ」の理論。現代日本の抱える問題を「タテ」の理論を使って読み解いた一冊。長時間労働をもたらす小集団の封鎖性や非正規・正規雇用問題、新参者へのいじめやタテ社会のなかの女性の社会進出といった現代日本の問題を、本質的なところでは変わらない日本固有の「タテ社会」の構図から解説ししつつ、それが世界のグローバル化の影響によって変容したことで様々な齟齬が生じ、問題が表面化するようになったという説には説得力があるように感じました。
読了日:01月20日 著者:中根 千枝,現代新書編集部
プルースト効果の実験と結果プルースト効果の実験と結果感想
痛々しい自意識過剰、空回る都会への憧れ、思い通りにいかない初恋。思春期の苦くて甘い心情を鮮やかに描き出す四篇の連作短編集。プルースト効果という言葉を教えてくれた男の子との初恋、仲良くなった文芸部の女の子との関係、仲良くなった友達と気になる彼のエピソード、そして帰省の新幹線で出会った彼との関係。大人になる過程の多感な少女たちが出会う友人たちとの関係や淡い恋模様の繊細な描写に心揺さぶられて、著者さんの書いた物語をまた読んでみたくなる印象的な一冊でした。個人的には「プルースト効果の実験と結果」が良かったですね。
読了日:01月21日 著者:佐々木 愛
熊本くんの本棚 ゲイ彼と私とカレーライス熊本くんの本棚 ゲイ彼と私とカレーライス感想
顔よし体よし性格よし。そのうえ読書家。なんだか現実味のないイケメン熊本くん。彼と何となくつるんでいる大学生のみのりが同級生から彼の意外な噂を聞く不器用な人々の物語。何となく居心地が良かった熊本くんの意外な秘密。明らかになってゆく絡み合う因縁と意外な繋がり、そして生々しく描写される突き付けられた呪いと閉塞感が強烈で、底なし沼に引きずり込まれるような感覚を覚えましたが、知りたいと思ったがゆえに失ってしまった居場所をいつまでも忘れられないみのりが、紆余曲折の末に巡り会った一冊の本がとても印象に残る結末でした。
読了日:01月21日 著者:キタハラ
錆喰いビスコ5 大海獣北海道、食陸す (電撃文庫)錆喰いビスコ5 大海獣北海道、食陸す (電撃文庫)感想
大地を呑み込まんとする生物兵器・北海道。その前に立ちはだかったのは目つきの悪い赤髪の子供姿の赤星ビスコ。そんな彼らの前にビスコを子供に変えた愛弟子、紅菱の王・シシが立ちはだかる第五弾。まさかの生物兵器・北海道という発想にはびっくりしましたが(苦笑)、現地で出会ったチャイカや北のキノコ守たちとも共闘しつつ、紅菱の王・シシたちの一党や立ちはだかった寒椿の野望を打ち砕く展開は勢いもあってなかなか良かったですね。ここまで強敵が続いた中で再登場したかつての敵はちょっと意外でしたけど、続巻の展開に期待ということで。
読了日:01月22日 著者:瘤久保 慎司
この声が、きみに届くなら (集英社オレンジ文庫)この声が、きみに届くなら (集英社オレンジ文庫)感想
中学のときから片想いしている本城先輩に、バスケ部で再会した高1のゆめ。過去にトラウマがあり、声のコンプレックスのせいでうまく話せなかった彼女が、先輩のピンチに頑張る青春小説。話すのが苦手でも地道にやるべきことを頑張る彼女の姿があって、友人の沙月や新田先輩のおかげもあって先輩との距離が少しずつ近くなっていった矢先の突然の急変。でも先輩に後悔だけはして欲しくないと、どうするのが一番いいのか、ゆめは生懸命に考えて頑張っていましたし、そんな彼女のことをきちんと見てくれていた先輩との関係を応援したくなる二人でした。
読了日:01月22日 著者:菊川 あすか
裏世界ピクニック4 裏世界夜行 (ハヤカワ文庫JA)裏世界ピクニック4 裏世界夜行 (ハヤカワ文庫JA)感想
季節は、やがて冬へ。閏間冴月を信仰する団体による襲撃ののち、拠点の山の牧場を調査する空魚と鳥子たち。探検のため準備を進めていく中で過去最も恐ろしい脅威が静かに迫る第四弾。前回の事後処理を進める中で出てきた小桜を含めた三人での温泉旅行と、探索のための準備や試行錯誤を続ける中で明らかになってゆく鳥子の心境の変化。これまでの経緯からしたら別に不思議でもなかったですけど、いくらかけがえのない相手でも突然距離感変わったら戸惑うのも無理はないというか。二人の関係がどういう感じに落ち着くのか気になるところではあります。
読了日:01月22日 著者:宮澤 伊織
ぼくたちは勉強ができない 未体験の時間割 (JUMP j BOOKS)ぼくたちは勉強ができない 未体験の時間割 (JUMP j BOOKS)感想
文乃・理珠・うるかがアイドルユニット結成したり、文乃が犬になったり、旅館に勉強合宿に行ったり、田舎で起こった難事件に成幸たちが推理で挑んだり、本編とはひと味違うエピソードをたっぷり収録した小説第二弾。今回もまたヒロインたちそれぞれの特徴を活かしたシチュエーションでエピソードを楽しむ展開でしたけど、三人組にあしゅみー先輩や真冬先生を絡めたキャラたちがとてもいきいきと動いていてこれはこれで楽しかったです。前巻に続いて今度は犬にさせられた文乃でしたけど、真冬先生と成幸のあの距離感を見たら気になっちゃいますよね。
読了日:01月22日 著者:筒井 大志,はむばね
異世界迷宮の最深部を目指そう 13 (オーバーラップ文庫)異世界迷宮の最深部を目指そう 13 (オーバーラップ文庫)感想
ラスティアラの密命を受け、魔石人間に流れる『ティアラ様の血』の回収に励むジークの騎士・ライナー。そんな彼の前にティアラを名乗る人物が現れ、『ティアラ様の血』を全て受け取って欲しいと言われる第十三弾。『ティアラ様の血』を巡る様々な思惑に巻き込まれてゆくライナー大変だな…と思いながら読んでましたけど、英雄のはずなのになぜか恥ずかしい過去の暴露大会じみた告白で打ちのめされるカナミには思わず笑ってしまいました。何というか千年前の行いがアレだったというか仕方ないような気もしましたけど、業が深いですね…これは(苦笑)
読了日:01月22日 著者:割内タリサ
イダジョ!研修医編 (ハルキ文庫 と)イダジョ!研修医編 (ハルキ文庫 と)感想
医大を卒業し栃木にある中堅総合病院・北関東相互病院に研修医として赴任した安月美南。大きな大学病院と違う環境に、忙しい日々の中でぶつかる女性としての壁。差別、出産、医師不足といった問題に直面する第二弾。奨学金の条件として三年間の研修医生活に入った美南でしたけど、大学病院と地方の総合病院だと日々の仕事で取り組むことも変わってくるし、女医だからこそのいろいろ難しいことってあるんでしょうね…日々の仕事に追われると結婚や出産のタイミングも悩ましいんだろうなと感じましたが、美南の勇気ある決断を応援したいと思いました。
読了日:01月23日 著者:史夏ゆみ
今はまだ「幼馴染の妹」ですけど。 せんぱい、ひとつお願いがあります (MF文庫J)今はまだ「幼馴染の妹」ですけど。 せんぱい、ひとつお願いがあります (MF文庫J)感想
丘の上の七河公園で再会した幼馴染の妹・双原灯火。「流宮の氷点下男」と呼ばれる冬月伊織と、「自称・先輩を慕う美少女」の灯火の大切な人を取り戻そうと願う不器用な二人の物語。住む町に伝わる星の涙の都市伝説と、翌日からあざとく伊織に付きまとうようになった灯火の真意。幼馴染の妹とのあざといラブコメ展開はものの見事に裏切られて、伊織の苦い過去を絡めながら明らかになる不穏な状況があって、大切なものを諦められない灯火に真正面からぶつかってみせた伊織の想いと、二人で乗り越えた先に迎えた結末にはぐっと来るものがありました。
読了日:01月23日 著者:涼暮 皐
隣のキミであたまがいっぱい。 (MF文庫J)隣のキミであたまがいっぱい。 (MF文庫J)感想
『他人の思考が読めてしまう』特殊能力を持つ美少女・如月那緒が、隣にいれば宇佐美北斗だけに限定されると気づき共に過ごすようになる青春ラブコメ。常に他人の考えていることが聞こえてしまう彼女がようやく見出した安住の居場所。そんな如月を忌避することもなく、思考がだだ洩れ前提の会話が当たり前になってゆく北斗は彼女にとってかけがえのない存在で、普段は感情が乏しそうに見える彼女が時折北斗にだけ見せる表情には凄まじい破壊力がありますね。今は無自覚でも日々の積み重ねでお互い唯一無二の存在と化してゆく二人の今後が楽しみです。
読了日:01月23日 著者:城崎
探偵はもう、死んでいる。2 (MF文庫J)探偵はもう、死んでいる。2 (MF文庫J)感想
シエスタを失い一年が経って夏凪や斎川と出会い、シャルと再会し、彼女たちとともにに誘拐された君塚。そこでシエスタの死の真相が語られる第二弾。前巻に引き続いて語られる超絶可愛い探偵・シエスタとコンビを組む助手・君塚で解決してゆく事件、ヒロインたちも嫉妬を隠せない仲睦まじい二人の阿吽の呼吸っぷりだけですでにおなか一杯な展開でしたけど、でも2巻が終わっても今いるヒロインたちとの物語としてはほとんど進んでないんですよね(苦笑)予想もしなかった流れにビックリしましたが、今度こそここからどう展開してゆくのか続巻に期待。
読了日:01月23日 著者:二語十
聖剣学院の魔剣使い3 (MF文庫J)聖剣学院の魔剣使い3 (MF文庫J)感想
吸血鬼の女王の力に目覚めつつあるリーセリアの活躍もあって、学院の合同演習でも頭角を現しはじめた第十八小隊。そんな中、六年前にヴォイド襲撃で壊滅したはずの第〇三戦術都市が出現し小隊がその調査に向かう第三弾。リーセリアの故郷でもある戦術都市の調査に赴いたレオニスの前に現れた女神・ロゼリアの転生体。そしてレオニスと同じく千年の眠りから目覚めた魔女殺しの少女・アルーレ。複雑な因縁も少しずつ明らかにしながら、花嫁のドレスを贈られたセリアも着実にパワーアップして、新ヒロインも増えて安心安定な今後の展開が楽しみです。
読了日:01月23日 著者:志瑞祐
丸の内で就職したら、幽霊物件担当でした。6 (角川文庫)丸の内で就職したら、幽霊物件担当でした。6 (角川文庫)感想
吉原不動産の子会社となった第六リサーチ。新会社の業績UPのため最近お金にうるさい次郎が、高額報酬目当てに怪しさ満点の男・伊原の依頼を引き受ける第六弾。心機一転始まった子会社勤務は吉原不動産の一部署でなくなった分、高木の依頼も断ることがあるし同行もないし、何ともあれな案件も引き受けることになるわけですね…保養施設に出る幽霊、マンションに出る怪しい霊たちとか、次郎さんやっぱり抜け目ないですね。生暖かく見守りたい二人の関係も少しだけ変化の兆し?腐れ縁になりそうな伊原は怪しいけど、妹さんの問題は解決してよかった。
読了日:01月24日 著者:竹村優希
ミスしても評価が高い人は、何をしているのか?ミスしても評価が高い人は、何をしているのか?感想
「ミス・失敗」はその扱い方を変えるだけで職場の分析力・計画力・学習力・伝達力が上がる。「やばい」「しまった」を最高のチャンスに変える仕組み。ミスをしたときにとっさにどう反応すべきか、効果的に対応するためにどうすべきか、それを将来に生かすためにどうすべきか。どうしてそれが起きたのか問題の本質の見極めと、不足や計画外への対処、組織として問題をどう捉えるのかという視点は確かに重要ですね。認識の擦り合わせや曖昧にしないコミュニケーションといったことはとても大切だけれど、実はそれが一番難しい…と痛感する今日この頃。
読了日:01月25日 著者:飯野 謙次
ネガレアリテの悪魔 黎明の夜想曲 (角川文庫)ネガレアリテの悪魔 黎明の夜想曲 (角川文庫)感想
サミュエルから別れを告げられたものの、女王の覚えもめでたく注目を集める中、エディスに持ち上がった婚約話。18歳年上の侯爵家三男で資産家のヘイズがサミュエルの秘密をネタに取引を持ち掛ける第二弾。婚約者ヘイズもまたネガ・レアリテを知る意外な繋がりを持った訳ありの存在で、若干胡散臭さはあるものの財力と教養も兼ね備えたそのデキる人っぷりは、いろいろ複雑な過去があって巻き込まれがちなエディスとサミュエルの不器用すぎる関係には欠かせない存在になりそうですね(苦笑)二人の物語はまだまだ続きそうで続巻も楽しみにしてます。
読了日:01月26日 著者:大塚 已愛
カカノムモノ3 :呪いを欲しがった者たち (新潮文庫nex)カカノムモノ3 :呪いを欲しがった者たち (新潮文庫nex)感想
生きることに前向きになり始めた碧。一方、相棒の桐島の元に不穏な影が迫り、その目的もわからないまま桐島は追い詰められていく第三弾。桐島からあえて遠ざけられた碧が、従兄の涼から告げられたカカノムモノを呪いから解放するための衝撃的な方法。どこか不穏で不可解な展開は物語の本質に迫るもので、多くの人との出会いからカカノムモノを向き合うようになった碧の決意には成長を感じましたね。それぞれのその後や水琴とのエピローグを読むと、もう少し未来の彼らを読みたかった気もしますが、この作品らしい雰囲気がよく出ていたと思いました。
読了日:01月26日 著者:浅葉 なつ
宝石商リチャード氏の謎鑑定公式ファンブック エトランジェの宝石箱宝石商リチャード氏の謎鑑定公式ファンブック エトランジェの宝石箱感想
「宝石商リチャード氏の謎鑑定」シリーズの文庫カバーイラストや雪広うたこ氏の描き下ろしピンナップ、リチャード&正義の初期設定画、シリーズ紹介、著者の辻村七子さん個人のブログ掲載SSや書店購入者特典SSを全て収録した公式ファンブック。シリーズ紹介は各巻のあらすじや印象的なシーンも掲載されていて振り返ることができましたし、特典SSはほとんど読めていなかったのでこのボリュームがあるならと満足しました。あえて言えばもう少し個々の人物紹介とか二人以外のイラストもあると良かったですけど、その辺はアニメ化に期待ですかね。
読了日:01月27日 著者:辻村 七子
櫻子さんの足下には死体が埋まっている わたしを殺したお人形 (角川文庫)櫻子さんの足下には死体が埋まっている わたしを殺したお人形 (角川文庫)感想
旭川の冬の川で無残な遺体を拾った正太郎と櫻子さん。そこに事件に遭遇しがちな彼らを怪しむ新聞記者の八鍬が現れ、「探偵ごっこを見せてほしい」と言い出す第十五弾。流れで医学部を目指すために鴻上と一緒に勉強することになったのはいいことなんだろうと思いますけど、彼女と正太郎が付き合っていると勘違いしたり、記者が同行していても相変わらず型破りだったり、エキセントリックな櫻子さんを久しぶりに思い出しました(苦笑)でもそんな危うい彼女がどこに向かっているのか、危惧する正太郎ともども今後の展開が気になるところではあります。
読了日:01月27日 著者:太田 紫織
宮廷神官物語 九 (角川文庫)宮廷神官物語 九 (角川文庫)感想
神官書生になるための試験に挑む天青と燕篤の出会い、櫻嵐に仕える紀希に関するあれこれだったり、御膳厨房の見習い女官・明民のこと、収穫祭の宮廷で、舞の競い合いに現れた謎の美姫など、本編の合間に起きていた様々なエピソードを描いた外伝集。本編では緊迫感のある展開が続きますが、今回はわりとのんびりした外伝六編で、天青や同期の神官書生たちが憧れる紀希の存在や、彼らの日常がどんな感じなのかが伺える内容で、身分制度に窮屈な思いをしながらもいかに生きていくのか希望を見出そうとする登場人物たちの姿が印象的なエピソードでした。
読了日:01月27日 著者:榎田 ユウリ
榮国物語 春華とりかえ抄 六 (富士見L文庫)榮国物語 春華とりかえ抄 六 (富士見L文庫)感想
謹慎が解かれ復帰した政敵・羅玄瑞。自分を陥れた海宝の裁定を求めるように動き、真っ当ではない方法で玄瑞を退けた海宝たちは窮地に立たされる第六弾。窮地を打開する方法に悩む春蘭に助言する、敵であるはずの子君の思惑。公主と春蘭の距離が変わったことに気づき思い悩む杏子。海宝と春雷の関係を眺めている李子君もそれだけ複雑な因縁があればいろいろ難儀だよなあ…と思いつつ、信じる気持ちでどうにか乗り越えた窮地からの急展開は時間の問題でしたかね。不器用な二人のもどかしい関係もようやくというべきか、進展に期待したいところですね。
読了日:01月28日 著者:一石月下
後宮妃の管理人 二 ~寵臣夫婦は悩まされる~ (富士見L文庫)後宮妃の管理人 二 ~寵臣夫婦は悩まされる~ (富士見L文庫)感想
健美省長官に就任早々に皇帝から秀女選抜の詔令を賜った優蘭。しかし珀家と犬猿の仲だという郭家の徳妃と秀女選抜を共催することになり、ことあるごとに対立する第二弾。提案にいちいち反対し、まったく話の通じない徳妃に振り回される優蘭。右丞相として女装女官麗月としても働く皓月は酷使され過ぎな感がある中で、優蘭とは何だかんだでお互いをかけがえのない存在と思えるいい夫婦になってきましたね。転んでもただでは起きない、旦那を侮辱されたらキレる優蘭がなかなか素敵でしたけど、抜け目ない恐妻家の郭将軍も面白い存在になりそうですね。
読了日:01月28日 著者:しきみ 彰
わたしの美しい庭わたしの美しい庭感想
マンションの屋上庭園の奥にある「縁切り神社」。そこを訪れる生きづらさを抱えた人たちと、統理とふたり暮らしの小学生の百音、同じマンションに住む路有たちの物語。元妻の血の繋がらない娘・百音と同居する統理、ゲイの路有や同じマンションに住む桃子、仕事でうつになってしまった基らの視点から、その生きづらさが語られるエピソードで構成されていて、失ってしまった人やものへのままならなさを抱えながらも、それを簡単に忘れられるものでもないし、抱えながら生きてゆくしかないことを受け入れる彼らのありようがとても印象的な物語でした。
読了日:01月29日 著者:凪良 ゆう
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員IX」本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員IX」感想
王命を受けたフェルディナンドの旅立ちが近づく中、側近達も交えた餞別の食事会を楽しんだり、贈り物を交換し合ったりして残り時間を過ごす中、謎の侵入者が神殿を襲撃する第四部第九弾。何だかんだで神殿に入ってからローゼマインを支えてくれたフェルディナンドとの別れ。刻一刻と別れが近づく状況にしんみりとしているローゼマインにうっかり感情移入してしまいましたが、エーレンフェストの不穏な状況に加えて、アーレンスバッハ行ってもフェルディナンドを巡る状況はなかなか大変そうですね。第五部でどうなるのか今後の展開が気になりました。
読了日:01月29日 著者:香月美夜
暁花薬殿物語 第三巻 (富士見L文庫)暁花薬殿物語 第三巻 (富士見L文庫)感想
薬師を志し帝との離縁を目指しているのに図らずとも正后となってしまった暁下姫・千古。自害した暁上姫に代わり新たな姫が入内し、女心に無頓着な帝から、妖・都鼠による火災の話を聞かされる第三弾。新しく入内し千古を慕う明子、あくまでしたたかな蛍火、そして孤立を深めてゆく星宿と鮮明になる構図と、少しずつでも確実に深まってゆく千古と帝の絆。そんな中で奔放な千古に振り回されがちな成子の視点やそのありようが印象的でしたけど、それにしても千古と典侍が普通に強すぎて苦笑い。不穏な展開は続きそうですけど、変化の兆しは見えたかな?
読了日:01月30日 著者:佐々木 禎子
<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 12.アイのカタチ (HJ文庫)<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 12.アイのカタチ (HJ文庫)感想
決闘都市ギデオンで街を挙げての大きな祭り「愛闘祭」が開かれることになり、様々な人々の恋模様が咲き乱れる中、最高のタイミングで監獄から出所してきた【狂王】ハンニャがついにフィガロと邂逅する第十二弾。不穏な状況も垣間見える中で、相変わらずファッションセンスゼロなレイの大穴狙いやいろいろな恋模様、駆け引きも描かれる中、やはり今回の焦点は結婚したい最強ヤンデレ・ハンニャと、決闘したいフィガロの邂逅。演出された二人の激突と決着は熱かったですが、向き合った二人が迎えた結末の先はまた不穏な展開になりそうな予感ですね。
読了日:01月30日 著者:海道左近
百錬の覇王と聖約の戦乙女20百錬の覇王と聖約の戦乙女20感想
神都を舞台にした緒戦で、見事《炎》のヴァッサーファルを撃退した勇斗たち。しかしその喜びもつかの間、神算鬼謀の信長による新たな戦術が神都に襲い掛かる第二十弾。シバと決着をつけたルーネも未だ帰還せず、大陸脱出するための時間を稼がなければいけない状況で、現状を打開する最適解を突きつける信長の難敵っぷりが今回も際立っていましたけど、だからこそフヴェズルングの知略や、ここまで培ってきた阿吽の呼吸っぷりが光る展開でしたね。とはいえ苛烈なる復讐鬼と化した厄介な信長相手に予定通り次巻決着となるか、著者さんの奮闘に期待。
読了日:01月30日 著者:鷹山 誠一
魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんんだが、どう愛でればいい? 10 (HJ文庫)魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんんだが、どう愛でればいい? 10 (HJ文庫)感想
大きいお風呂が欲しいというリリスからの訴えを受け、部下の慰労やネフィのために城に大浴場を建設することにしたザガン。一方で暗躍するビフロンスの魔の手は忍び寄り、アルシエラが存在をひた隠しにしていたアザゼルがその姿を現す第十弾。大浴場建設だったり、それぞれの不器用な微笑ましい恋模様にほのぼのする一方で忍び寄る魔の手。バルバロスやシャックスはもう少し頑張れ…と言いたくなる展開の中、重要なところで男を見せてくれたシャックスが良かったです。サガンの過去もポイントになりそうですが、不穏な展開はまだまだ続きそうですね。
読了日:01月31日 著者:手島史詞
最強魔法師の隠遁計画 10最強魔法師の隠遁計画 10感想
何者かの手により凍てつく大地に変貌してしまったバナリス。魔力を遮る異常な雪と想定外の新種の魔物が、アルス達を翻弄する第十弾。レティの送り込んだ先遣部隊の行方も分からないまま、強力な魔物同士が連携するという未曾有の事態に直面するアルスたち。今回は想像以上の難敵相手に、ギリギリの戦いを強いられるアルスやレティがド派手な魔法で立ち向かう展開でしたけど、ロキにもまた違った形で見せ場がありましたね。いろいろ気になった結末でしたけど、レティが可能性のひとつを提示したからこそ気づいたアルスの想いもまた印象的でした。
読了日:01月31日 著者:イズシロ
クラスで一番の彼女、実はボッチの俺の彼女です (角川スニーカー文庫)クラスで一番の彼女、実はボッチの俺の彼女です (角川スニーカー文庫)感想
自称・選択ボッチの篠宮誠司と、学年トップの成績で現役モデルの高嶺の花・神崎琴音。教室の中では絶対に交わらない2人による内緒の甘酸っぱいドキドキ青春ラブコメディ。今はまだ周囲には秘密だけど意外に甘えたがりな神崎と、そんな彼女に戸惑いながらも何だかんだでベタぼれな篠宮。これまでどんな積み重ねがあったのかとても気になるところですが、秘密な関係ならではのもどかしい距離感がポイントで、お互い相手を想う気持ち自体は揺るぎないだけに、彼を慕う後輩や会長を絡めて物語をどう展開していくのか、今後に期待したい新シリーズです。
読了日:01月31日 著者:七星 蛍
ヤンキーやめろ。メイドにしてやる (講談社ラノベ文庫)ヤンキーやめろ。メイドにしてやる (講談社ラノベ文庫)感想
代々執事の家系で日本有数の名家・鶴ヶ島家の次女麻白に仕える久世太一郎。麻白お嬢様から新たな専属メイドを探すよう申しつけを受けた彼が、買い出しに出かけた先で出会ったヤンキー少女ハナをメイドとして勧誘する物語。仕事をスマホで動画を撮って覚えるあたりがハナらしいですが、事あるごとに衝突するヤンキー気質のハナとお嬢様麻白の相性は最悪でも、テンポよく進むドタバタ展開の中でお互いいろいろ見えてくるものがあって、そんな二人が育んでゆく不器用な主従関係の結末には、またこの物語の続きを読んでみたいと思えるものがありました。
読了日:01月31日 著者:秀章

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