読書する日々と備忘録

主に読んだ本の紹介や出版関係のことなどについて書いています

2019年6月に読んだ新作おすすめ本

というわけで 19年6月に読んだ新作おすすめ本です。6月はラノベの注目新作が目白押しで、既刊シリーズとの兼ね合いに悩まされた一ヶ月でもありました。こんなに新作に手を出したのは久しぶりで、でもいずれもなかなかインパクトのある注目の作品としてオススメできますね。

 

個人的な注目としてはラノベだと電撃文庫幼なじみが絶対に負けないラブコメ」「スイレン・グラフティ」、ガガガ文庫リベンジャーズ・ハイ」、GA文庫お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件」、角川スニーカー文庫理系な彼女の誘惑がポンコツかわいい」、講談社ラノベ文庫の「未完結ラブコメと運命的な運命論」あたりですか。

 

ライト文芸ではオレンジ文庫の「ホテルクラシカル猫番館」、ややボリュームは薄めですがメディアワークス文庫逢う日、花咲く。」、一般文庫レーベルだと佐藤多佳子さんの新潮文庫明るい夜に出かけて」、単行本では宮西真冬さんの「友達未遂」、雪乃紗衣さんの近未来SFもの「エンド オブ スカイ」を挙げておきます。

 

幼なじみが絶対に負けないラブコメ (電撃文庫)

幼なじみが絶対に負けないラブコメ (電撃文庫)

 

脈アリと思っていた片思いの相手・白草に彼氏ができたと知った高校生・丸末晴。失意の彼に以前告白してきた幼馴染・黒羽が復讐を持ちかける青春ラブコメディ。美少女で芥見賞受賞の現役女子高生作家・白草と、陽キャでクラスの人気者、かつ中身は世話焼きお姉系の黒羽。偽恋人として白草を挑発したり、白草の恋人という先輩と勝負したり、だいぶ拗らせたそれぞれの恋愛模様にもう素直になれよ…と思いましたけど、甘酸っぱい青春の先には斜め上の結末が待ってました(苦笑)そんな彼らだからこその新展開もあって、今後に期待大の新シリーズですね。

千歳くんはラムネ瓶のなか (ガガガ文庫)

千歳くんはラムネ瓶のなか (ガガガ文庫)

 

クラス委員に指名されたトップカーストの千歳朔。担任から引きこもり生徒の更生を頼まれ、自信回復の手伝いをする青春小説。仲間の協力も得ながらあの手この手で引きこもりの健太を引っ張り出してみせた朔。そんな彼が魅力的な仲間やヒロインたちに信頼されるのも、周囲の期待に真摯に向き合い、大切なもののため誰かのために奔走することを惜しまないからで、テンプレートなリア充論を論破してみせる彼が、時折垣間見せる本音や葛藤がとても印象的でした。彼の恋愛模様やワケありの過去も気になりますし、続巻が楽しみな期待の新シリーズですね。 

リベンジャーズ・ハイ (ガガガ文庫)

リベンジャーズ・ハイ (ガガガ文庫)

 

塵禍で文明が一度滅び、砂塵を異能力に変換できる「砂塵能力者」が力を持つ近未来。因縁の復讐相手・スマイリーを追うチューミーが、利害の一致から一時的に粛清官に協力し、ワケありの粛清官・シルヴィとコンビを組む近未来SF復讐譚。特殊な事情を抱えていたシルヴィと出会い、最初は反発しながらも徐々に育まれていく相棒としての信頼感。テンポよく進む中でスマイリーと追う二人を巡る因縁も明らかになって、何度も葛藤と絶望に直面する異端のバディが待ち望んだ宿敵との対峙と決着、確かな絆が垣間見えた結末にはぐっと来るものがありました。

お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件 (GA文庫)

お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件 (GA文庫)

 

藤宮周が一人暮らしするマンションの隣室に住む学校で一番の美少女・椎名真昼。特に関わり合いのなかった彼女とふとしたきっかけから交流が始まる青春小説。雨の中ずぶ濡れの彼女に貸した傘をきかっけに、自堕落な一人暮らしを送る周を見かねて食事を作り部屋を掃除し、何かと世話を焼く真昼。自分だけが知るクールで毒舌な彼女と過ごす日々に少しずつ心境が変化してく周と、家の事情を抱えていそうな彼女との関係がどうなるのか。現時点ではまだまだこれからですけど、もどかしい甘酸っぱい展開を期待できそうで今後が楽しみな新シリーズですね。 

セレブの子息令嬢が通う私立瑛銘学院。外部編入ながら学院首席の久遠寺梓と、名家のお嬢様で数学の天才・弥勒院由槻が学院の特権を賭け相手に告白させる恋愛ゲームに挑む学園ラブコメディ。容姿端麗で数学の天才だけど生活力皆無で本末転倒な理論に陥るポンコツかわいい由槻。ちゃっかりした由槻の付き人・彩霞や常識人の楓音もゲームに巻き込まれて、真面目にやればやるほどどんどんズレていって、でも素直になれない由槻が時々見せるハッとするような破壊力が凄い(苦笑)いやもう二人のバカバカしい攻防をいつまでも眺めていたいと思いました。 

未完結ラブコメと運命的な運命論 (講談社ラノベ文庫)

未完結ラブコメと運命的な運命論 (講談社ラノベ文庫)

 

「もっと運命的な恋がしたいから」と彼女にフラれた高校生・砂川凍弥。そんな彼の前に謎の空飛ぶプリンが現れるラブコメディ。異なる世界線から来たラブコメのヒロインを攻略できなければ死ぬ?典型的なヒロイン・ミリカたちとベタな運命的出会いを果たし、ミッションに挑む中でヒロインたちと一緒に過ごし、その真摯な想い触れてゆく中で徐々に変わってゆく凍弥の心境。要所で登場するたびにその印象を変えてゆく元カノの存在も効いていて、突きつけられた究極のミッションに葛藤しながら向き合った結末には久しぶりにレーベルらしさを感じました。

恋愛カルテット リトルプリンセスの恋愛相談 (ファミ通文庫)

恋愛カルテット リトルプリンセスの恋愛相談 (ファミ通文庫)

 

母親との縁で隣に引っ越してきたリトルプリンセス・天城姫那。そんな彼女の恋を成就させるため、八神一冴は彼女が心を寄せているという柿内淳也のことを調べはじめる青春学園ブコメディ。自らの想いに真っ直ぐで応援したくなる姫那と彼女の想い人・淳也、淳也の幼馴染で一冴の想い人でもある凛々菜の4人を軸に、それぞれ事情を抱える彼らの恋模様が描かれる展開のようですね。今回は一途な姫那を軸としたストーリーがなかなか良かったですけど、謎めいた部分も多いもうひとりのヒロイン・凛々菜がもたらす急展開には期待せずにいられませんね。 

お隣さんな教え子と甘い○○ (講談社ラノベ文庫 も 2-7-1)

お隣さんな教え子と甘い○○ (講談社ラノベ文庫 も 2-7-1)

 

夢に挫折し高校の調理科でパティシエ講師を務める新見。四年前に印象的な出会いを果たし新入生として入学した理事長の孫娘である四宮蒼梨花が特別授業を求めて奮闘する年の差学園ラブコメディ。サラリーマン講師と化していた新見と、約束を胸に師事すべくひたすら努力してきた蒼梨花。お隣に引っ越してきた一人暮らしというベタな設定に、新見も一目置く天才妹弟子エイプリルを絡めたやりとりは楽しくて、力の差を痛感する強敵相手でも今持てる力で挑んでゆく、そんな真っ直ぐで熱い想いに周囲も心動かされる展開にはぐっと来るものがありました。 

スイレン・グラフティ わたしとあの娘のナイショの同居 (電撃文庫)

スイレン・グラフティ わたしとあの娘のナイショの同居 (電撃文庫)

 

母子家庭で働く母の代わりに双子の弟妹の面倒や家事に日々奮闘する女子高生・池野彗花。彼女が隣の席の不良として恐れられる庭上蓮のマンガ家になる夢を知り、一緒に住んで応援する青春小説。意外な一面を知って自分の家を密かに作業場として提供する彗花と、戸惑いつつも彗花の協力を受け入れるようになっていく蓮。双子を交えたやりとりは微笑ましくて、不器用で頑固な二人だからこそぶつかったりすれ違いもありましたけど、絶望に直面しても夢を諦めたくない蓮、彼女を信じて夢を応援したい彗花の真っ直ぐな想いがとても眩しい素敵な物語でした。

 

ホテルクラシカル猫番館 横浜山手のパン職人 (集英社オレンジ文庫)

ホテルクラシカル猫番館 横浜山手のパン職人 (集英社オレンジ文庫)

 

師匠が倒れ3年間勤めたパン屋さんをやむなく離職したパン職人の紗良。旧家の子女ゆえ祖父からお見合いを勧められるも、きっぱりと断って横浜・山手の「ホテル猫番館」で働き始める物語。紗良に仕事を紹介した叔父の誠、気難しいシェフの隼介や人なつっこいコンシェルジュの要に囲まれ、職場に溶け込んでゆく紗良。働く人たちそれぞれの事情や、彼らの意外な一面も明らかになっていって、師匠にその成長した姿を見せる展開にはぐっと来るものがありました。紗良たちのこれからを温かく見守りたい、続きが読みたいと思わせてくれる素敵な作品でした。

逢う日、花咲く。 (メディアワークス文庫)

逢う日、花咲く。 (メディアワークス文庫)

 

13歳で心臓移植を受けたホズミ。それから自分が女の子になる夢を見るようになった彼が、明るく快活で幸せそうな彼女に恋をする奇跡の物語。移植された心臓の持ち主・葵花の記憶を夢で見るようになったホズミが抱く決して出会うことのない報われない恋心。ふとしたきっかけから知る彼女の背景。心臓を介しての二人だけの交流は微笑ましくて、そんな積み重ねがあったからこそ感じた違和感があって。大切な人を救うために最後まで諦めなかった彼の奔走と、彼女の強い想いによって新たに紡がれてゆくこの物語の結末にはぐっと来るものがありました。 

ある怪事件と同時に消えた国家機密ファイル。事件当夜現場で目撃された大学生・戻橋トウヤと「特務捜査」部門CIRO-Sに配属された新米捜査官・雙ヶ岡珠子が二人で協力して事件とファイルの捜査にあたるサスペンスミステリ。示唆される特殊能力の存在と、自らを賭けることを厭わない危ういトウヤの狂気、彼を放っておけず一緒に捜査する珠子。特殊能力を持つ相手に大胆な駆け引きで勝負を挑み続けるトウヤと、正義感の強い珠子がなかなかいい感じのコンビで、彼らが挑むヒリヒリするような勝負の先にあった意外な結末がまた印象的な物語でした。

ごちそうは残業のあとで (富士見L文庫)

ごちそうは残業のあとで (富士見L文庫)

 

低迷が続く藤見屋百貨店吉祥寺店が再生をかけて食品フロアのリニューアルに乗り出し、食べるの大好きぽっちゃり女子・日向子が企画立案に立候補、高級志向のエリート上司・四ノ宮相手に挑むお仕事小説。B級グルメの企画をことごとく却下し本物の味を教えると言い出した四ノ宮。そんな対立の構図から境遇は違えど食に対する熱い想いで共感して、企画に邁進していく中でお互い助け合えるようないい関係に変わってゆく展開はいいですね。二人の距離感はまだまだこれからですけど相手を意識し始めてはいるようで、続きがあるならまた読んでみたいです。

 

 

明るい夜に出かけて (新潮文庫)

明るい夜に出かけて (新潮文庫)

 

あるトラブルがきっかけで大学を休学し、実家を離れて期間限定の自立を始めた富山。人に言えない葛藤や臆病な自分に自信喪失気味だった彼が、バイトするコンビニで印象的な人たちと出会う青春小説。バイトリーダーの鹿沢や同級生の氷川、同じラジオ番組のヘビーリスナーの女子高生・佐古田たちと出会い、繋がっていくことで少しずつ変わってゆくその心境。誰しも不器用な一面があって、上手くいくことばかりでもなくて、けれどそんな彼らとの関わりから生まれる様々な出来事が、前へ進むきっかけに繋がってゆく展開にはぐっと来るものがありました。

農ガール、農ライフ (祥伝社文庫)

農ガール、農ライフ (祥伝社文庫)

 

派遣切りに遭い、同棲相手からも突然別れを告げられ失意のどん底の水沢久美子、三十二歳の春。TV番組の「農業女子特集」を見て運命を感じ、一念発起田舎に引っ越し農業大学へ入学することを決意する物語。頼れる実家もない状況で同棲相手と別れると、こんな不安定な境遇になってしまうのかと痛感させられる展開でしたが、やはり地縁のないところで女ひとり就農するのも言うほど簡単ではないですよね…。知り合った友人たちのしたたかな行動力が印象的でしたけど、周囲の助けもあって久美子にもどうにか希望が見えてくる展開に救われる思いでした。

高校事変 (角川文庫)

高校事変 (角川文庫)

 

平成最大のテロ事件を起こし死刑になった男の次女・優莉結衣。彼女が転入した武蔵小杉高校を総理大臣が極秘訪問することになり、学校が突如武装勢力に占拠に巻き込まれてしまうエンタメ小説。こういう状況に遭遇するのは偶然でも、なにかあるたびにその関与を疑われてしまう境遇というのはなかなか厳しい…とはいえ武装勢力を相手に先生や他の生徒たちがパニックに陥る中、冷静に状況を見極めて判断し活路を見出してゆく結衣の行動力は際立っていました。そんな結衣がこれからも普通の女子高生でいられるのか、続巻が気になるところではあります。

猟犬の國 (角川文庫)

猟犬の國 (角川文庫)

 

便宜上「イトウ家」と呼ばれる日本の誇る情報機関。日本人でもないのに不本意ながら猟犬になった男が、情報と軽武装を頼りに、国内外の邪魔者を排除するスパイ小説。あの「イトウさん」は組織名だったの?とか思わなくもなかったですが、スパイとしての大阪での日常を過ごす偽日系人の経歴を持つ男が、警察庁から出向してきた新人・幸恵に情け容赦のない環境を「アウトロー!」とか散々に罵られながら、コンビを組んでスパイとして新人教育していくゆるい展開がなかなか面白かったです。もしかしてあの人なんですかね(苦笑)とりあえず続巻も期待。

黄昏出張所 歴史修復官は時を駆ける (角川文庫)

黄昏出張所 歴史修復官は時を駆ける (角川文庫)

 

ある日の黄昏時。不遇の青年・遠野ハジメの目の前に、時の蟲から歴史を守る蟲番だと名乗る眼鏡をかけた不思議な男が現れ、一攫千金を夢見てハジメが奮闘するダークファンタジー。主君に逆らい切腹待ちの武士、男と心中を遂げる予定の遊女、関東大震災での父の死の回避。蟲によって意識を喰われた歴史上の人物の行動を修復してゆく中で、葛藤しながらも自分のことより周りの大切な人たちのために奔走してしまうのがハジメで、小さな幸せを掴みかけていた彼の願った報酬はとてもらしくて切なくもなりましたけど、そんな物語の結末がまた印象的でした。

本屋のワラシさま (ハヤカワ文庫JA)

本屋のワラシさま (ハヤカワ文庫JA)

 

 過去のある事件がきっかけで本が読めなくなってしまった元書店員の啓。入院した伯父の代わりに書店で働くことになった彼が、店内で動き出す座敷童子人形に遭遇するマチナカ書店物語。突然動き出して書店繁盛の教育的指導を繰り返すワラシに振り回されたり、お花屋ののばらさんが気になりながら、伯父を慕って訪れるお客さんの本を巡る悩みをワラシと一緒に解き明かしてゆく展開で、不器用なりに取り組むその積み重ねが頑なだった啓の心境を少しずつ変えていって、苦い過去にも向き合って新たな一歩へと繋がってゆくとても優しくて素敵な物語でした。

 

 

友達未遂

友達未遂

 

伝統と格式のある全寮制女子高・星華高等学校。その寮で不審な事件が次々と起き、ルームメイト4人が巻き込まれていく青春小説。家に居場所がなかった茜、学校で伝説となっている母を持つ生徒会長の桜子、美工コースの憧れの先輩・千尋、周囲に迎合しない天才肌の真尋。複雑な家の事情や周囲の評価とのギャップに鬱屈を抱えていたりと、一人ひとり語られてゆくそれぞれの過去。けれど今まで見えていたものが全てではなくて、自分をきちんと見て気にかけてくれる人がいて、少しずつ変わってゆく彼女たちが迎えた結末にはぐっと来るものがありました。

エンド オブ スカイ

エンド オブ スカイ

 

ゲノム編集技術によって老いや病から緩やかに遠ざかりつつある23世紀。謎の突然死「霧の病」を研究する遺伝子工学の権威ヒナコ・神崎博士が海から現れた少年・ハルと出会う近未来SF。ゲノム編集が推奨された香港に現れたオリジナルゲノムを持つハルと、どこか不安定なヒナコの交流の日々。「霧の病」が急速に拡大してゆく中でその原因が見えてきて、何が正常で異常なのかわからなくなる皮肉な展開でしたけど、周囲の人たちに支えられながらハルと向き合ったかけがえのない日々と、いくつもの伏線が回収された先にある結末が印象的な物語でした。

めぐり逢いサンドイッチ

めぐり逢いサンドイッチ

 

大阪の靱公園そばにあるサンドイッチの専門店『ピクニック・バスケット』で働くおっとりした姉笹子としっかり者の笹子の姉妹。店を訪れる人達の迷える人々の心を、絶品サンドイッチが癒やす優しくも愛おしい物語。対照的な姉妹に、子供のころの記憶に苦しむOLや父の再婚に悩む少女、そして常連客の小野寺さんやパン職人の川端さんのエピソードも交えつつ、笹ちゃんが訪れた人たちの想いに寄り添うようなサンドイッチを作り上げてゆく展開で、関わる人たちの様々な想いに触れ、過去エピソードも絡めて絆を深めてゆく姉妹の関係がとても素敵でした。

マチのお気楽料理教室

マチのお気楽料理教室

 

ツアーコンダクターとして15年間国内外を旅してきて、義母の介護のために退職した常磐万智。旅先で料理について学んだ経験を生かし、義母の死去後自宅で料理教室を営むお料理小説。「どんどろけ飯」「トンテキ」「冷や汁」「ジンギスカン」「チキン南蛮」など、こじんまりとした料理教室で作られる郷土料理の数々と、参加する生徒たちの家族を絡めたエピソードがなかなか興味深かったですが、同時に物語の中で少しずつ明らかになってゆく常盤家の今に至るまでがなかなか複雑で、それを踏まえて物語を見返すと奥が深いな…と改めて唸らされました。

姑の遺品整理は、迷惑です

姑の遺品整理は、迷惑です

 

姑が亡くなり、住んでいたマンションを処分することになった嫁の望登子。業者に頼むと高くつくからと、自分で遺品整理をしようと奮闘する物語。生前あまり仲良くなかった記憶しかない姑の遺品整理。捨てられなくて溜まっていった膨大な遺品を孤軍奮闘で何とかしようとするのはさすがに厳しいものがありますよね…。でも整理を進める中で姑の意外な一面も明らかになっていって、比較対象だった母も他の人からみたらアレな一面もあって、直面したからこそわかったこともあったのかな。こういう時こそ人の繋がりが大事なのかなとしみじみと思いました。

御徒町カグヤナイツ

御徒町カグヤナイツ

 

仲間とともに青春を無防備に過ごしていた中学生・ヒロトの前に現れた一人の少女。特別な絆で結ばれたヒロトと3人のワケありな少年たちが月の王国の女王の娘を自称するノゾミを護るため「御徒町カグヤナイツ」を結成する青春小説。ヤクザの息子ケイゴ、中国人の頭脳派・ソン・器用なカトウといったワケありな仲間たちのままならない問題を一緒になって解決しつつ、仲間となって共感し羨望の眼差しを向けるノゾミとの甘酸っぱい恋と現実に直面する展開で、中学生の彼らができる精一杯で件名に向き合ったその真摯な姿にはぐっと来るものがありました。

星降る島のフットボーラー

星降る島のフットボーラー

 

実況の倉敷さんによる初小説。大西洋に浮かぶ七つの島による天の川リーグに加盟するエストレージャFC。世界に羽ばたく翼を目指すハルが一癖も二癖もある仲間たちとともに、列島リーグの未来を救うために立ち向かうフットボール小説。スコルピウスのオーナー・アルゴルによる八百長を使ったリーグの支配を阻止するため、真っ向勝負を挑むことになったエストレージャ。ダーティーなプレイで選手を削られたり脅されたりしながらも、強力な助っ人や熱い応援を得て、チーム一丸となって苦しい試合をひっくり返してみせる展開はなかなか面白かったです。