読書する日々と備忘録

主に読んだ本の紹介や出版関係のことなどについて書いています

2018年上半期注目のオススメ新作ライトノベルファンタジー15選

 上半期も終わって毎回更新しているオススメ企画の時期になりました。とりあえず今回もラノベファンタジー、恋愛・青春小説、ライト文芸、一般文庫・単行本編の5回に分け、更新の予定です。今回は第一弾ということで新作ライトノベルファンタジーを紹介します。

 

ファイフステル・サーガ 再臨の魔王と聖女の傭兵団 (ファンタジア文庫)

ファイフステル・サーガ 再臨の魔王と聖女の傭兵団 (ファンタジア文庫)

 

 古の魔王が再臨する絶望の未来を変えるため「アレンヘムの聖女」セシリアと婚約し、傭兵団「狂嗤の団」団長となる道を選んだカレル。聖女の加護を受け死の未来を回避する英雄として奮闘するファンタジー戦記。二年後の魔王再臨を限られた人しか知らない中で、代替わりした王国や戦争を仕掛けてきた自治領相手にどう立ち回るのか。腕が立って商才があり現実的な手段を積み重ねるカレルだけでなく、ヒロインのセシリアや仲間たち、王国の登場人物たちもまた魅力的なキャラが多くて、ここから物語がどう動くのか続巻がとても楽しみな新シリーズですね。 

常敗将軍、また敗れる (HJ文庫)

常敗将軍、また敗れる (HJ文庫)

 

 大国ザルツボルクの侵攻を受けたヘイミナル王国が存亡の危機を救う切り札として起用された傭兵・『常敗将軍』のドゥ・ダーカス。王弟や王の娘など様々な思惑が入り乱れる中、圧倒的不利な状況に立ち向かうファンタジー戦記。全幅の信頼を得られず思うように動けない中、要所要所の危機で最悪の状況を回避すべく動くダーカスの奮闘ぶりと、彼が見出そうとした決着の落とし所とその結末。テンポ良い展開に彼を見極めようとするティナや姫将軍・シャルナといった魅力的なキャラクターたちもよく動いて、これは続巻が楽しみな期待大の新シリーズです。

天才王子の赤字国家再生術~そうだ、売国しよう~ (GA文庫)

天才王子の赤字国家再生術~そうだ、売国しよう~ (GA文庫)

 

 病床の国王に代わり摂政として弱小国家を背負うことになった若き王子ウェイン。文武に秀で臣下からの信頼も厚い彼が、絶望的な状況から密かに売国を志す弱小国家運営譚。状況を正しく認識して先を見通せるからこそ絶望を感じるウェイン。上手く終わらせるための手を打つのに、それがなぜか効果的な一手に繋がる皮肉な状況の変化や展開の連続でしたけど、ウェインが彼なりに最善へ真摯に取り組んだ結果だからこそ納得感がありました。補佐官のニニムに対する想いも気になる彼にいつか心境の変化はあるのか、どこまでやれるのか続巻が楽しみですね。

僕は何度も生まれ変わる (角川スニーカー文庫)

僕は何度も生まれ変わる (角川スニーカー文庫)

 

 29歳で死んだ社畜が生まれ変わるたびに、18歳で漆黒の髪・赤い眼の帝国皇女に殺される運命。5回目の人生で傭兵暮らしをしていたロワが魔王の隠し子とされ、急転する運命に巻き込まれてゆく物語。容赦なく蹂躙し続ける帝国への対抗で送り込まれた先での王女との結婚と母国滅亡。またもや対峙することになるあの女に、醒めていたロワが大切の人たちを守るため泥臭く奔走するようになり、キーマンとなっていったロワと負けられない皇女・リンゼンカが再び対峙する濃厚な展開とその結末は著者さんらしさに溢れていて、ぐっと来るものがありました。

君と僕との世界再変 (角川スニーカー文庫)

君と僕との世界再変 (角川スニーカー文庫)

 

 人の価値が数値化された2184年のディストピア的な世界。働かずとも衣食住が保障された「庭国」で私掠官として働く数値が0の少年・アオが、負傷していた謎の少女・モアと出会い日常が激変していく近未来SF。数値化された価値が全ての世界で特殊な立ち位置にいるアオと、庭国崩壊阻止のために20年後の未来からやってきたモア。二人が出会い共闘することで加速していく展開の中、始まってしまう庭国崩壊とその鍵を握るアオの秘密。自称恋人のレイを加えた三角関係もあったりで、ここからどうなるのか楽しみな続巻に期待の新シリーズですね。

復讐の聖女 (角川スニーカー文庫)

復讐の聖女 (角川スニーカー文庫)

 

 自分を陥れた者たちに復讐するため蘇ったジャンヌ・ダルク。そんな彼女に【真実を語らせる力】を見込まれた書記官のギョームが一緒に敗北へ導いた裏切り者を探す旅に出るダークファンタジー。不死身な一方でどこか抜けている食いしん坊なジャンヌと、従者オーヴィエットを交えた三人で旅する中で彼女を見極めようとするギョーム、明らかになってゆく復讐を誓うジャンヌの真の目的。恩人へ冷徹になりきれず苦境に陥る展開に彼女の複雑な心情が垣間見えますが、彼女を導いたものの正体も気になりますし、この旅の行方を最後まで読みたいと思いました。

拝啓、最果ての勇者様へ ~竜王の姫とめぐる旅~ (角川スニーカー文庫)

拝啓、最果ての勇者様へ ~竜王の姫とめぐる旅~ (角川スニーカー文庫)

 

 人と魔族の戦争が終結し四年。勇者になりそこなったポストマンのアルノスと人里で傷ついた竜王の娘エリヤが出会い、共に旅するトラベルファンタジー。くすぶった想いを抱えている最期の勇者候補と平和を夢見る魔族の少女。配達の旅で出会う魔族の孤児院を営む元勇者、エルフの騎士とオークの恋路といった様々な出会いと、絆を深めてお互いの存在が大きくなってゆく二人。人の魔族の融和という理想にすぐには変わらない現実がある一方で、これからの変化を信じたいと思う希望もあって、誰かのために奔走する二人の結末が印象に残る素敵な物語でした。

百神百年大戦 (GA文庫)

百神百年大戦 (GA文庫)

 

 数多の神々が互いの覇を争い《龍脈》を巡って果てなき大戦を続ける世界・タイクーン。そんな中自堕落に暮らしていた最古の剣神・リクドーが雌伏の時に別れを告げるバトルファンタジー。龍脈の力を引き出すのに必要な巫女に去られ、代わりの巫女として王女・ミリアに白羽の矢を立てたリクドー。最初は自堕落なリクドーに否定的だったミリアが目にしてゆくリクドーの真摯な一面。突きつけられた容赦のない現実に、真の力と想いを秘めるリクドーとツンデレなミリアが立ち向かう展開は流石の安定感で、覚悟を決めた二人の今後が楽しみなシリーズですね。

魔人の少女を救うもの Goodbye to Fate (GA文庫)

魔人の少女を救うもの Goodbye to Fate (GA文庫)

 

 英雄に選ばれなかった少年・ウィズと運命に振り回される少女・アローン。そんな二人が出会いアローンの護衛役として遠い彼女の故郷を目指すファンタジー。神から英雄として選ばれた幼馴染に力不足でついていけず離脱せざるをえなかったウィズと、秘密を抱え家族のもとに帰ろうとするアローン。お互いへの共感と自分が一緒にいることへのためらいでせめぎ合う不器用な二人が、それぞれ過酷な運命に直面しつつも逃げずに懸命に向き合う姿にはぐっと来るものがありました。覚悟を決めた英雄の裏で二人がどういう物語が紡いでゆくのか期待ですね。現在二巻まで刊行。 

ハル遠カラジ (ガガガ文庫)

ハル遠カラジ (ガガガ文庫)

 

 人がほとんどいなくなってしまった近未来。人工知能の機能障害を発症した軍事用ロボットのテスタと、彼女の障害を治すために共に旅する少女・ハルの旅先での様々な出会いを描く機械と人と命の物語。医工師を探し求める旅で出会ったイリアたち、少しずつ変わってゆくハルとの関係をどうすべきか葛藤し続けるテスタと、目的地で明かされる障害の真実。ハルを拾って試行錯誤しながら育ててきた二人の関係と、彼女たちを支えたロボットたちの存在があって、二人がこれまで育んできた絆に向き合い危機を乗り越える展開にはぐっと来るものがありました。

滅びの季節に《花》と《獣》は  〈上〉 (電撃文庫)

滅びの季節に《花》と《獣》は 〈上〉 (電撃文庫)

 

 滅びの危機に瀕する花の街スラガヤ。奇蹟の操り手「大獣」に仕えることが定められた奴隷の一人・クロアと、郊外の廃墟に居を構える美しき大獣「貪食の君」が一つ屋根の下でぎこちない愛を育んでいく物語。奴隷市場で売れ残ったクロアと、彼女の成長を人の姿で見守ってきた「貪食の君」。慕われていた人の姿を隠したまま同居を始めた二人の何とも不器用な距離感や大切な人たちとの関係がもどかしくも心に響くものがあって、今に幸せを感じながらも街を守るため立ち上がるクロアたちの奮闘と二人の結末から目を離せない物語です。上下巻。

錆喰いビスコ (電撃文庫)

錆喰いビスコ (電撃文庫)

 

【第24回電撃小説大賞<金賞>】

全てを錆つかせる「錆び風」人類を死の脅威に陥れる世界。師匠を救うため霊薬キノコ「錆喰い」を求め旅をする「キノコ守り」赤星ビスコが少年医師・ミロを相棒に、波乱の冒険へ飛び出す冒険ファンタジー。最初世界観に馴染むのに少し時間が必要でしたが、ミロを相棒に旅に出る少年マンガっぽい展開にはワクワクさせるものがあって、黒革という分かりやすい悪役の存在だったり、師匠のジャビや、パウー、チロルといったキャラたちもよく効いていて、王道の最後まで諦めない痛快な物語は読んでいて楽しかったです。続巻出るようなので期待しています。

悪魔の孤独と水銀糖の少女 (電撃文庫)

悪魔の孤独と水銀糖の少女 (電撃文庫)

 

 黒い海を越え呪われた悪魔の島にやってきた死霊術師の孫・シュガーリア。そんな彼女が大罪人の男・ヨクサルと出会う愛など知らない男と愛しか知らない少女の物語。可愛がってくれた大切な人たちを失い復讐を志すシュガーリアと、無数の罪をその身に刻み『孤独を力にかえる』悪魔を背負うヨクサル。最初は滅びの運命に囚われ絶望しかなかった二人が、不器用なやり取りを積み重ねていくうちに育んでいった想い、そして相手の危機に命を賭けて飛び込んでいく勇気がもたらした結末には確かな救いがあって、著者さんらしい世界観を存分に堪能できました。

ゼロの戦術師 (電撃文庫)

ゼロの戦術師 (電撃文庫)

 

 突然人類に発現した刻印によって才能の優劣が決まる世界。特級戦術師の父の血を引きながら刻印を持たない軍学校の落ちこぼれ・エルヴィンが優秀な幼馴染・アーデルハイトと共に極秘任務に就くファンタジー。輝く白い髪の不思議な力を持つ少女ネージュとの運命的な出会いと、同じく彼女を求めるヴァルハラ帝国の思惑。様々な出会いと想いが交錯する中、追跡から逃れようとする三人の逃避行でエルヴィンの計略が冴え渡って、王都を守るため三人がそれぞれの形で奮闘する展開とその結末はなかなか良かったです。新展開になりそうな続巻にも期待ですね。

司書と王女の世界大戦 アイリス王国再興記 (Novel 0)

司書と王女の世界大戦 アイリス王国再興記 (Novel 0)

 

 かつて神器を操る七人の英雄が、大陸全土を支配せんとした巨大帝国征伐に多大な貢献をした「英雄戦争」。その裏で存在を消され全てを失った八人目の英雄・セナが、その智謀で歴史を塗り替えるファンタジー。小国の王女メアが拾ってきたぐうたら司書セナに振り回され、なぜか異例の出世を果たしてゆくメアの護衛女騎士クローネ。隣国・グイネットの侵攻から始まった全てを取り戻すための逆襲劇にはスピード感があって、ようやくスタートラインに立ったここからどう展開していくのか、ヒロインたちとの今後を含めて続巻に期待したい新シリーズです。

 

だいたいのセレクト自体は終わっているので、準備が出来次第ほかも順次更新いこうと思います。よろしくお願いします。