読書する日々と備忘録

主に読んだ本の紹介や出版関係のことなどについて書いています

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6月に読んだ本 #読書メーターより

6月はちょっといろいろ忙しかったり寝落ちしたりで読了数伸びず。。。orz

オススメはまた改めてということで。

 

2015年6月の読書メーター
読んだ本の数:50冊
読んだページ数:15493ページ
ナイス数:7202ナイス

成り上がり英雄譚 屑星皇子の戦詩 (HJ文庫)成り上がり英雄譚 屑星皇子の戦詩 (HJ文庫)感想
宝具を扱えない欠陥から帝国の屑星と見下される存在だった第五皇子ラウル。そんな彼が政略結婚の駒として小国の美しき姫君ルシアへ婿入りするのを機に始まる屑星の快進撃。亡き兄の志を受け継いで、愚鈍を装いつつ文武の才を磨いていたラウルが、政道を正そうと立ち上がるという王道展開。実は夢見る乙女だったルシアのツンデレっぷりとか、立ちはだかった異母兄のテンプレな悪役ぶりとか、ベタといえばベタなんですが、脇を固めるキャラたちもしっかりと存在感があって、ここからどう物語を展開していくのか今後が楽しみな作品でした。次巻に期待。
読了日:6月30日 著者:ハヤケン
青雲を駆ける 2 (ヒーロー文庫)青雲を駆ける 2 (ヒーロー文庫)感想
ナツィオーニの下から帰って村の開発に力を注ぎ始め、初めて迎える冬の対策を行っていたエイジが、訪れた青銅鍛冶職人レオに勝負を挑まれる第二弾。現代から青銅器くらいの時代にやってきたエイジも分かること分からないことがあって、創意工夫できることも、多少知っていてもどうにもならないこともある。こういう地に足ついた素朴さとか厳しさ、エイジとタニアたちの熱愛夫婦ぶりがこの作品の魅力ですね。口絵はどういう状況かと思ったら、着せてみたかったで作るその熱意に苦笑い。最後にまた難題が降りかかってきましたが、次巻にも期待です。
読了日:6月30日 著者:肥前文俊
踊れ、ココロ、ナツイチ。集英社文庫踊れ、ココロ、ナツイチ。集英社文庫感想
踊れ、ココロ、ナツイチ。集英社文庫 2015年は85冊中36冊既読。今回は今年1月創刊になったオレンジ文庫からも椹野道流さんの「時をかける眼鏡」と白川紺子さんの「下鴨アンティーク」がエントリ(どちらも読了済)。個人的なオススメとしては橋本長道さんの将棋もの「サラの柔らかな香車」と壁井ユカコさんの「2.43 清陰高校男子バレー部」ですかね。宮部みゆきさんの「R.P.G.」も懐かしいタイトルです。
読了日:6月29日 著者:集英社文庫
新潮文庫の100冊 2015 この感情は何だろう新潮文庫の100冊 2015 この感情は何だろう感想
新潮夏の100冊2015は110冊(?)中既読59冊。前からそうですけど、全体的にわりと手堅い古典的なラインナップという印象ですね。個人的なオススメは「夜のピクニック」(奥田陸)と懐かしい気持ちになったので「ふたり」(赤川次郎)で。赤川次郎さんは未だに現役で新刊出されてますけど、昔結構読んでましたね~。毎回思うけど新潮文庫の100冊は100冊超えてますねw
読了日:6月29日 著者:新潮社
カドフェス 2015 発見!角川文庫カドフェス 2015 発見!角川文庫感想
カドフェス2015の小冊子。ざっと調べてみたところ95冊中40冊既読。昔のは読んでるけど、最近のはあんまりですね。自分が読んだ時とカバーがかなり変わってる印象。掲載している中だと、個人的にはわりとメジャーなチョイスになっちゃいますけど「カブキブ!」(榎田ユウリ)とか「サマーウォーズ」(岩井恭平)あたりはオススメ。1冊買うとその場でもらえるブックカバーが全6種。ちょっと気になりますね。
読了日:6月29日 著者:角川書店
薬屋のひとりごと 3 (ヒーロー文庫)薬屋のひとりごと 3 (ヒーロー文庫)感想
玉葉妃の妊娠により後宮に戻ってきた猫猫。茸中毒で死んだ妃、後宮内の廟の秘密、先帝がかかった呪いと後宮での事件から見えてくる新たな真実。そして同行した避暑地で壬氏とともに命を狙われる第三弾。相変わらず鈍感で、壬氏にはつれない態度を取る猫猫ですが、薬師の知識と優れた洞察力を活かした推理は冴え渡っていて素晴らしい。ただいつの間にか壬氏の秘密に接近していたりで、猫猫を見る周囲の目も変わりつつある感。正体が判明した壬氏もどうにも不確かな立ち位置で、これからいろいろ巻き込まれていきそうな予感ですね。次巻も楽しみです。
読了日:6月29日 著者:日向夏
グラウスタンディア皇国物語6 (HJ文庫)グラウスタンディア皇国物語6 (HJ文庫)感想
アラティア陥落作戦で皇国陸軍が絶体絶命の窮地に陥り、クロムが敵陣に乗り込んで行う交渉と、ラトルグのスクルタビア連合国への侵攻が描かれる第六弾。物語は大きく動いてきていますが、群像劇的進行で頻繁に視点が切り替わるので、状況を整理するのが少し大変だった印象。また奇抜な策による衝撃的な結果が多く、それでいてその反響はわりと淡々としていたりで、もう少し手堅く進める部分とメリハリがあっても良かったのかなとは感じました。ただ物語が終盤に向かっているのは間違いなくて、このカオスな状況をどうまとめるのか次巻に期待ですね。
読了日:6月28日 著者:内堀優一
百錬の覇王と聖約の戦乙女8 (HJ文庫)百錬の覇王と聖約の戦乙女8 (HJ文庫)感想
美月とともにユグドラシルに帰還することを決意した勇斗。しかし豹の秘法使いシギュンの妨害によって美月だけが一人でユグドラシルに飛ばされてしまう第八弾。まさかの展開になりましたが、美月が勇斗の女性関係に器の大きさを見せ狼氏族の中で支持を得るようになっていく雰囲気が、まるでどこかの任侠世界みたいな感じで(苦笑)。美月も関わっての勇斗再召喚と、勇斗不在のまま豹・雷連合軍の侵攻をしのぐ戦いが並行しましたが、苦境を見事乗り切ったことでここから反撃開始となりそうですね。ユグドラシルの謎も明かされそうで次巻も楽しみです。
読了日:6月27日 著者:鷹山誠一
覇剣の皇姫アルティーナIX (ファミ通文庫)覇剣の皇姫アルティーナIX (ファミ通文庫)感想
帝都招聘に応じたレジスがラトレイユの軍師として、ハイブリタニア軍追撃戦で攻城戦に挑む一方、バスティアンもベルガリアへと戻り、国を変えるため立ち上がろうとする第九弾。レジスの方はラトレイユの人物を見極めようとすると同時に、環境を変えたことで目指すことを成し遂げるために大切なことを感じて、いい経験をしているのかなと。戻ってきたバスティアンの動きもまた何らかの形を成していきそうですが、今回は今後に向けて打たれた布石も多くて、この変化の兆しがこれからどう繫がっていくのか、次巻以降の展開が楽しみになってきました。
読了日:6月27日 著者:むらさきゆきや
下読み男子と投稿女子 -優しい空が見た、内気な海の話。 (ファミ通文庫)下読み男子と投稿女子 -優しい空が見た、内気な海の話。 (ファミ通文庫)感想
どんな作品も面白いと感じるラノベ新人賞の下読み高校生アルバイト・青と、厳しい祖母との生活や投稿作への酷評から自信をなくしかけていた同級生の美少女・氷ノ宮氷雪。本来出会うはずのない二人が出会い、二人で協力しながら投稿作品を作り上げていく二ヶ月間。周囲とうまく付き合うことのできなかった氷雪と、孤高の彼女に自分は釣り合わないと思う青。お互いに影響を受けて強く惹かれていきながらも、そこからあと一歩を踏み出す勇気を持てないもどかしい二人の迷いや、それを乗り越えようとする真摯な想いが心に響く素敵な青春創作物語でした。
読了日:6月26日 著者:野村美月
DOUBLES!! ―ダブルス― (メディアワークス文庫)DOUBLES!! ―ダブルス― (メディアワークス文庫)感想
力はあるものの誰とも協調することができない琢磨と、練習熱心だがトラウマから他人を信用できなくなった駆。そんな二人が高校の硬式テニスで出会いダブルスを組んで成長していく物語。可能性を感じた先輩に不本意ながら組まされ、最初はお互いに相手を信じられずに自分でどうにかしようと空回りばかりしていた凸凹コンビでしたが、こういう二人こそ力を合わせられるようになったら強いんですよね。ダブルスの楽しみを覚えた二人が苦しい状況を協力して乗り越え、それぞれが過去の因縁を抱える相手とのダブルス対決に挑むとても熱い青春小説でした。
読了日:6月26日 著者:天沢夏月
神様の御用人 (4) (メディアワークス文庫)神様の御用人 (4) (メディアワークス文庫)感想
毎夜夢に現れ「忘れるな」と告げる女性に恐れを抱く神様・天道根命からの御用は、その女性が誰なのか突き止めて欲しいという依頼。良彦と黄金のコンビが今度は古代紀国の謎に迫る第四弾。和歌山では良彦のかつての野球仲間で意外な過去を持つ達也にも再会。天道根命の依頼や達也の家が抱えていた問題が、忘れていた記憶を思い出していったことで全てひとつに繋がっていく展開がとても良かったですね。依頼解決したことが転機になった今回、ヒロインの帆乃香もなかなか存在感あって、今後二人の関係にも進展を期待できそうです。次巻も楽しみですね。
読了日:6月26日 著者:浅葉なつ
放課後アポカリプス2 (ダッシュエックス文庫)放課後アポカリプス2 (ダッシュエックス文庫)感想
強大な天使の襲撃を受け気を失った未咲と緋色が、チャイムが鳴って目が覚めるたびに二人きりで水曜日の朝を何度も繰り返す第二弾。未咲と緋色だけが記憶を留め、原因も分からないまま繰り返される日々。二人が自分たちだけで過ごす日々を許容し始める気持ちもわかるんですよね。そこで感じた気持ちは嘘ではないし、現実に戻って仲間たちと心を通わせて共に戦えるようになったこともまた真実。今回は殺伐とした前巻と違っていい雰囲気になることも多かっただけに、最後に気づいてしまった衝撃の事実がどういう展開をもたらすのか。次巻が楽しみです。
読了日:6月25日 著者:杉井光
Re:ゼロから始める異世界生活Ex 獅子王の見た夢 (MF文庫J)Re:ゼロから始める異世界生活Ex 獅子王の見た夢 (MF文庫J)感想
ルグニカ王国「王選」最有力候補と目されるクルシュとその騎士フェリス。二人が王選に臨むことを決意するまでが描かれたもう一つのゼロから始める物語、二人の生き方に大きな影響を与えた王国第四王子フーリエのお話でした。彼は幼き日に出会ったクルシュを想いながらヘタレで想いを告げられず、鈍感なクルシュや彼らを見守るフェリスとかけがえのない日々を過ごしていたんですね。三人をとてもいい関係だなあと思っていただけに、最後は読んでいてちょっとじわっと来てしまいました。そんな想いを受け継いで臨む王選、簡単には負けられないですね。
読了日:6月25日 著者:長月達平
結局、ニンジャとドラゴンはどっちが強いの? 2 (MF文庫J)結局、ニンジャとドラゴンはどっちが強いの? 2 (MF文庫J)感想
文字通り運命共同体となったサビトとメルが次の街ナトゥアを訪れ、ウェイトレスとなったメルがシノと呼ばれる先輩の少女と共に働き始める第二弾。謎めいた雰囲気を持つシノの正体は予想通りの人物でしたが、非情な雰囲気を漂わせていたのに純粋無垢なメルの影響を受けまくりで、いつの間にか彼女に懐柔されてましたね(苦笑)サビトにヤキモチ焼いたり甘えたり、幼馴染との関係をズルイとか思ってしまう優しい嫁のメルがとにかく可愛い。まさかの展開になりましたが、ややこしい関係ながら仲間も増えて道中楽しくなりそうです。次巻も楽しみですね。
読了日:6月24日 著者:伊達康
世界の終わりの世界録<アンコール>4 異端の覇王 (MF文庫J)世界の終わりの世界録<アンコール>4 異端の覇王 (MF文庫J)感想
聖女エリエスとの邂逅を経て、不穏な動きを見せる王立七十二階位特務騎士団の真意を測るべく覇都エルメキアを目指すことになる第四弾。今回は襲撃された証拠を見つけるのが先か、襲撃者として捕らわれるのが先かという展開の中で、物語の鍵を握る秘密もいくつか明かされていきましたが、ハイライトは英勇候補の中で最弱とされたレンが挑む世界最強の男・騎士王ゼルブライトとレンの一騎打ち。圧倒的な強さを誇る相手に苦戦しながらも、諦めずにその力量を認めさせる熱い展開は素晴らしかったですね。次の目的地ではどんな展開になるのか楽しみです。
読了日:6月24日 著者:細音啓
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。11 (ガガガ文庫)やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。11 (ガガガ文庫)感想
一色いろはの依頼を受け、バレンタインデーのイベントを手伝うことになった奉仕部。よく動くいろはたちとらしい地の文で、様々な思惑が交錯するイベントの様子を楽しめたんですが、一方で何か察しているような態度を見せる結衣、どうしたらいいか戸惑う雪乃、そんな日常に違和感を感じている八幡という構図には不安を煽られました。それが本物なのかと疑問を呈する陽乃の指摘からもやもやする状況でしたが、覚悟を決めた結衣が一歩踏み出したことで、物語も結末に向けて動き出しそうですね。雪乃が出す依頼、八幡の決断はいかに。次巻が楽しみです。
読了日:6月23日 著者:渡航
化学探偵Mr.キュリー3 (中公文庫)化学探偵Mr.キュリー3 (中公文庫)感想
呪いの藁人形、夜に作業するガスマスク男、奪われた抗癌剤、魅惑の毒鍋。Mr.キュリーこと沖野と舞衣の二人が大学内外の事件を解決する第三弾。舞衣の思わぬ特技が判明したり、沖野が前の大学研究所を辞した経緯が語られたりの今回は、化学の知識を活かして事件を解決する沖野が犯人を断罪して終わりではなく、どうするのが関係者にとって一番いいことなのか、きちんと配慮してよい方向に導こうとする姿勢が印象的でした。沖野の将来を示唆するようなセリフもありましたが、その時に二人の関係がどうなっているか気になりますね。続編に期待です。
読了日:6月23日 著者:喜多喜久
2.43 清陰高校男子バレー部 second season2.43 清陰高校男子バレー部 second season感想
部員八人しかいない清陰高校の前に立ちはだかる県内の常勝校・福蜂工業。それぞれの立場から描かれる春高バレー福井県代表の座を懸けた熱い戦いを描く第二弾。今回は強豪・福蜂工業の期待を一身に背負うエース三村やマネージャー越智らの視点で描かれる常勝チームの宿命も交えつつなお話。バレーに対して真っ直ぐ過ぎるチカと、彼に引っ張られてぐいぐい成長していく清陰高校が福蜂工業と激突する決勝は圧巻。みんなのバレーに賭ける思いがひしひしと感じられる描写がとても良かったです。新たな目標を見つけたチカたちの今後、是非続編に期待です。
読了日:6月22日 著者:壁井ユカコ
フォルセス公国戦記 (3) ‐黄金の剣姫と鋼の策士‐ (富士見ファンタジア文庫)フォルセス公国戦記 (3) ‐黄金の剣姫と鋼の策士‐ (富士見ファンタジア文庫)感想
フレンツェのクーデターで発生したチェザーレとの戦いを何とか凌いだフォルセス公国が、今度は逆に水面下で外交合戦に挑む第三弾。強引な手法で広大な版図を構築したチェザーレのように焦って目立つことをやると叩かれるとか、脅威となる存在が現れると周囲に合従連衡的な話が出てくるのは過去の歴史でもよくある話で、大国・小国の考え方、外交における攻略ポイントの見出し方といった話は興味深かったですが、力関係的に戦争で一気に決着をつけるのは大変そうですね(苦笑)次は相手の目のつけどころが面白いですがどうなるか。次巻も楽しみです。
読了日:6月21日 著者:至道流星
冴えない彼女の育てかた (8) (富士見ファンタジア文庫)冴えない彼女の育てかた (8) (富士見ファンタジア文庫)感想
英梨々や詩羽先輩との距離感の変化、出海を迎え新生blessing softwareを発足させた倫也たちが描かれる第八弾。今回いつにも増して発言が重かったり怒ると怖い認定されている恵は、その存在感が圧倒的過ぎて新メンバー加入や周囲のアピールも霞んでしまった感。あんな行動が容認されてしまう加藤家の状況はちょっと気になるw しかしそのままでは終わらないのが本作で、構図としてはどうしてもそうなっちゃいますかね。これまで積み重ねてきたものをうまく組み込んで作り上げられた第二部始動、素晴らしかったです。次巻にも期待。
読了日:6月20日 著者:丸戸史明
魔女は月曜日に嘘をつく2 (朝日エアロ文庫)魔女は月曜日に嘘をつく2 (朝日エアロ文庫)感想
収入を安定させようとする犬居とお金にこだわらない現状維持を良しとする杠葉が、小さなすれ違いを曖昧なままに積み重ねていってしまう第二弾。根本的なところで同じ方向を向いていない二人がきちんと話し合わなければ、いずれその二人の衝突は不可避でしたね。ただ行き詰まって東京に向かった犬居が昔の友人に会って、現状の打開策だったり思わぬ人と出会えたりするから人の縁は分からないというか。今回彼女が収入をあまり求めていない背景も明らかになりましたが、そんな彼女が否定しなかった犬居の提案がどんな未来に繋がるか次巻に期待ですね。
読了日:6月20日 著者:太田紫織
遙か凍土のカナン5 この国のかたち (星海社FICTIONS)遙か凍土のカナン5 この国のかたち (星海社FICTIONS)感想
サンクトペテルブルクで人と物を集めてシベリア鉄道で東方へ送り、ついに国家建設に向けて動き出す第五弾。良造には人を惹きつける魅力があって、足りないところは彼を慕って集まってきた人材が補う。最初は夢物語に思えていたシベリア凍土での国家建設ですけれど、ついに具体的に動き出して感慨深いものがありますね。すっかり夫婦らしくなった妻レナとのやりとりもなかなか微笑ましかったんですが、身重になった彼女がやつれてしまうほどの気鬱の原因はやはりあの嘘。良造が問題解決のために向かった先ではまた一騒動ありそう。次巻も楽しみです。
読了日:6月19日 著者:芝村裕吏,しずまよしのり
コップクラフト 5 (ガガガ文庫)コップクラフト 5 (ガガガ文庫)感想
過去にセマーニ世界の平和維持軍として従軍経験のあるマトバが、当時の同僚の怪死事件に遭遇。そこから次々と当時の仲間たちが殺され、事件を捜査していくうちにマトバたちも巻き込まれていく第五弾。事件はセマーニ人世界と地球側双方に関わりがあって、事件そのものは解決したものの、二人にはそれぞれ因縁ができてしまったようですね…。コンビを組む二人の息は合ってきていますが、相変わらず無神経なマトバの言動にいちいち面白い反応を見せるティラナがとても微笑ましい。二人の距離感が縮まるのは今後に期待ということで。次巻も楽しみです。
読了日:6月18日 著者:賀東招二
とある飛空士への誓約 8 (ガガガ文庫)とある飛空士への誓約 8 (ガガガ文庫)感想
天地領有に向け着々と地歩を固めるウラノスに対し、シルヴァニアやセントヴォルト、慧剣皇王国で停滞する状況の打開を図る仲間たちの奮闘が描かれる第八弾。地盤が固まらぬうちに動いて窮地に陥ったニナたち、現政権転覆を目論むかぐらが身を賭して動き出す一方、セシルの思わぬ逆襲により決別していた祖父と再会するバルタザール。熱く厳しい展開が続く中、ハイライトは休戦協定を締結するバルタザールとかぐらの邂逅でしたが。。。著者の愛ゆえか毎回厳しい試練に晒されるミオも今回転機でしたかね。着々とキャストも揃ってきて最終巻に期待です。
読了日:6月17日 著者:犬村小六
花酔いロジック  坂月蝶子の謎と酔理 (角川文庫)花酔いロジック 坂月蝶子の謎と酔理 (角川文庫)感想
戸山大学に入学し推理研究会に入るつもりだった坂月蝶子が、神酒島先輩に声をかけられ“スイ研”酔理研究会に入って遭遇する数々の酒と恋と、日常の謎。酒蔵の娘で父親に騙されて甲類焼酎をミネラルウォーター代わりに飲んでいた蝶子さんは酔えない体質ですが、作中スイ研の面々が気持よく飲んでいる描写だらけなので、読んでるだけで何となく自分も酔ったような錯覚に陥りますね(苦笑)ミステリとしてはライトな印象でしたけど、共に過ごすうちに神酒島先輩が気になっていくオチョコさんの心理描写が何とも微笑ましい青春小説でした。続編も期待。
読了日:6月17日 著者:森晶麿
乙女な王子と魔獣騎士 (電撃文庫)乙女な王子と魔獣騎士 (電撃文庫)感想
母を処刑した王に近づき復讐するため、騎士学校に通っている異端の種族スロカーヴの生き残りジュダが、転入してきた眉目秀麗な王子ラウディと出会う物語。密かに王を仇と狙うはずが、近くで過ごすようになった王子が実は女の子だったとか、自分の正体を知らないままラウディの存在がだんだん大きくなっていって、その父王という存在の狭間でジュダが葛藤する展開はベタベタなんですが、だがそれがいいんですよね(苦笑)様々な運命の巡り合わせの結果、王子の剣として共に歩むことになったジュダとラウディの今後がどうなるのか、次巻も楽しみです。
読了日:6月16日 著者:柊遊馬
一番線に謎が到着します 若き鉄道員・夏目壮太の日常 (幻冬舎文庫)一番線に謎が到着します 若き鉄道員・夏目壮太の日常 (幻冬舎文庫)感想
郊外を走る蛍川鉄道を舞台に、半人前だけれど冷静沈着な若き鉄道員・壮太が個性的な同僚たちと発生するトラブルを解決する鉄道ミステリ。何か駅名は東武伊勢崎線っぽい感じかな?とか思いましたが、雰囲気としては郊外の鉄道のような描写でしたかね。ミステリとしては軽めなものの、お客さんや周辺住民のトラブル解決に奔走する鉄道員というだけでなく、毎日時刻表通りに電車を走らせる大変さや、大雪になった時にどうしているのか、仕事に熱く取り組む姿勢が描かれていて良かったですね。就職活動に苦戦する俊平が感化されていったのも納得でした。
読了日:6月16日 著者:二宮敦人
コントロールゲーム 金融部の推理稟議書 (幻冬舎文庫)コントロールゲーム 金融部の推理稟議書 (幻冬舎文庫)感想
日本中から天才奇才を集めた幕乃宮学園で集団自殺事件が発生し、天才女子高生・後輩さんと銀行から潜入派遣されている陣条が事件解決に挑む物語。陣条と後輩さんのやりとりなどキャラ小説としてのポテンシャルは感じたんですが、天才科学者やCIAなど諸要素がてんこ盛りだったり、ミステリかと思ったらバトル要素が多めだったり、雑多な諸要素を強引に解決しようとした結果、肝心のこの作品で何を書きたかったのか、テーマがぼんやりとしてしまった印象ですね。取捨選択とかメリハリを意識すれば大分変わりそうな気もするので、次に期待ですかね。
読了日:6月15日 著者:郷里悟
聖剣使いの禁呪詠唱《ワールドブレイク》12 (GA文庫)聖剣使いの禁呪詠唱《ワールドブレイク》12 (GA文庫)感想
六翼会議が諸葉不在を狙って亜鐘学園を急襲する未曾有の危機。実働部隊が諸葉帰還を信じて絶望的な戦いを強いられる第十二弾。諸葉だけでなく戦力が分散しているところを攻め込まれた上に、敵に攻略ポイントを確実に押さえられてしまうというかつてない苦しい戦いでしたが、サツキやモモ先輩たちの限界突破的な奮闘が窮地を脱するターニングポイントでしたかね。危機を迎えてからの展開の盛り上げ方は流石でした。しかし新たないくつかの因縁も生まれた戦いの結果、これまでの方法では対処できない危機を迎えることになりそうで、次巻も期待です。
読了日:6月14日 著者:あわむら赤光
電想神界ラグナロク 2 (GA文庫)電想神界ラグナロク 2 (GA文庫)感想
世界エリアに進出した雄馬ら日本勢が戦争国を決める会談に参加。屈辱的な降伏勧告を跳ね除けてサントアリオ国の代表ピオレルカと接触する第二弾。彼女と行動を共に行動していく中で、彼女の生い立ちや世界の状況、サントアリオ国のこと、支配された国のことなど、世界観の説明を織り込みながらサントアリオ国と戦うまでの流れを構築していく描写は流石で、今後に期待できそうな予感はあっただけに、戦争決着後のエピローグでまさかの完結は残念。正直もったいないなとも思いましたが、元々上下巻構想だったようなので着手している次回作に期待です。
読了日:6月14日 著者:木野裕喜
横濱妖精探偵社 隣人さんは賑やかに踊る (富士見L文庫)横濱妖精探偵社 隣人さんは賑やかに踊る (富士見L文庫)感想
幼い頃妖精とともに育った少女・マニが、母を失ったことを機に祖父のいる横濱にやって来ることになって、妖精探偵社を営む金髪和服姿の青年で祖父の春比古と妖精絡みの事件を解決していく物語。著者さんらしい筆致でほのぼのテイストが展開されるストーリーは、妖精・パタパタさんと再会できたマニの何か曰くありげな生い立ちや、一応立場の説明はされたものの、まだまだ謎を抱えていそうな天然の春比古さんの秘密を探っていく物語になりそうですね。登場人物たちも個性的で、イラストも雰囲気とよくマッチしていました。次巻も楽しみにしています。
読了日:6月13日 著者:竹岡葉月
王女コクランと願いの悪魔 (2) (富士見L文庫)王女コクランと願いの悪魔 (2) (富士見L文庫)感想
運命から解き放たれた悪魔レクスと王女コクランは、夢から醒めると当然のように現実の問題に直面。離れ離れにならざるをえなかった二人が再会を目指す第二弾。状況的に何も解決していないと思った前巻からまさかの続巻が出てビックリ。いきなり結構シビアな状況に置かれた二人でしたが、世間知らずながら慣れるとわりと環境に馴染んでいったレクスに比べると、コクランは元一人ぼっちであったがゆえ相手の気持ちに配慮できず、やり方を間違えてしまった感が…いったんは再会したものの道のりは依然として前途多難かなあ。当然次巻も期待してますよ?
読了日:6月13日 著者:入江君人
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか8 (GA文庫)ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか8 (GA文庫)感想
軍神アレス率いる三万の王国軍が突然来襲して迷宮都市へ進撃するも、変わらず平穏なオラリアの日常が描かれる短編集。外伝が進行するアイズに加えて前巻で春姫が新ヒロインとして華々しく登場したこともあってか、全体の話を緩やかに進めつつ、今回はベルの周囲のヒロインたちやヴェルフの立ち位置の再確認と恋模様が描かれていく構成だった印象ですね。いくつかの話から見えてくる想いを寄せる神と子どもたちとの関係についてや、意外な人物の繋がりも明らかにされたりで、500ページ超とボリューム的にも大満足のなかなか興味深い短編集でした。
読了日:6月12日 著者:大森藤ノ
ガーリー・エアフォース (3) (電撃文庫)ガーリー・エアフォース (3) (電撃文庫)感想
今回は米軍所属で明るく気さく、だけどどこか謎めいた艦載機スーパーホーネットのアニマ・ライノが登場。彼女やマニアを模した無人戦闘機と共に上海奪還作戦が展開されることになる第三弾。日本とアメリカ、いろいろとマニアに対する考え方の差異なども描写されていましたが、そういった積み重ねの差や慧とグリペンという絆を感じさせる存在の有無が、不時着からの一連の出来事で明暗を分けてしまったんでしょうかね。マニアとザイの違いは示唆されましたが、わりとロマンティックな思いが状況を打開する鍵になったりするのかも。次巻も楽しみです。
読了日:6月11日 著者:夏海公司
D9―聖櫃の悪魔操者― (3) (電撃文庫)D9―聖櫃の悪魔操者― (3) (電撃文庫)感想
ファムと訪れた「箱船の守り人」のアジトは教会に壊滅させられ、世界の滅亡を予見し箱船が人々を救うとする教皇ディアドラの闇を暴くため、ソーマたちが聖都に向かう第三弾。なかなか続巻が出ず一年ぶりの刊行となりましたが、巻頭にてこれまでのあらすじを振り返ったのはいい配慮ですね。ロウたちも再登場して兄トーマとの再会、そして最終決戦とテンポの良いストーリー展開は健在で、ハイライトでの相棒メルヴィーユのヒロインぶりも絵になってました。完結するか心配でしたが、きちんと最後まで読めて良かったです。次回作にも期待しています。
読了日:6月11日 著者:上野遊
ストライク・ザ・ブラッド (13) タルタロスの薔薇 (電撃文庫)ストライク・ザ・ブラッド (13) タルタロスの薔薇 (電撃文庫)感想
多発する船舶と航空機の事故で輸送経路を閉ざされ孤立する絃神島。そんな中、破壊集団タルタロス・ラプスの攻撃でかつてない危機に陥る第十三弾。絃神島の立ち位置や存在の意味も改めてクローズアップされた今回、古城たちへの対処法を踏まえ挑んできたテロリストたちはなかなか強敵でしたが、前巻から引き続き登場の3人といいタイミングで登場して活躍するのに、ヒロイン役にはなれない安定の煌坂さん。矢瀬が身体を張って浅葱を守る展開もありましたけど、様々な謎も明らかになっていって、いよいよ終盤ですかね。安定の内容で次巻も楽しみです。
読了日:6月10日 著者:三雲岳斗
はたらく魔王さま! (13) (電撃文庫)はたらく魔王さま! (13) (電撃文庫)感想
喧嘩は落ち着いたものの、関係としては依然として修復されないままの恵美とライラ。そんな恵美を気にかける真奥にヤキモチを焼いてしまう千穂、梨香が芦屋とデートすることになる第十三弾。最近は恵美とその家族に関する話にテーマがフォーカスされていましたが、それに一定の方向性を与えるとともに千穂・梨香の二人の立ち位置を再確認しつつ、終盤に向け本筋の話へ軌道修正を行っていった巻だったのかなと。芦屋の真意もですが、何より真奥にとって生きる時間軸の違う千穂をどう位置づけているのか、改めて考えさせられました。次巻も楽しみです。
読了日:6月10日 著者:和ヶ原聡司
薬屋のひとりごと 2 (ヒーロー文庫)薬屋のひとりごと 2 (ヒーロー文庫)感想
事件に連座して後宮女官を解雇されて花街に戻った猫猫が、今度は美形の宦官壬氏のお付として、外廷に出仕することになる第二弾。立場が若干変わった猫猫ですが薬に対する執着ぶりは相変わらずで、彼女を気にかける壬氏のやきもきする様子や空回りっぷりが微笑ましかったですね。事件に関連して二人の生い立ちにも関与していくことになった今巻でしたが、猫猫の家族に対する複雑な思いが明かされた一方で、壬氏のポジションは気になるところ。猫猫の肩透かし発言に思わず頭突してしまった壬氏の行動は仕方ないと思いました(苦笑)次巻も楽しみです。
読了日:6月9日 著者:日向夏
薬屋のひとりごと (ヒーロー文庫)薬屋のひとりごと (ヒーロー文庫)感想
花街の薬師だったのをさらわれて後宮で下働き中の娘・猫猫が、薬師としての能力を美形の宦官・壬氏に見込まれ、後宮の事件や噂を解決する物語。中華風の後宮にいるものの特に出世を目指すわけでもない猫猫はわりとさっぱりとした性格で、周囲が色めき立つ美貌の壬氏にも醒めた視線を向けるわけですが、そんな猫猫を壬氏が何となく気にかけている構図が面白いですね。狭い世界で繰り広げられる事件に、薬と毒には並々ならぬ執着とこだわりを見せて謎解きに挑む猫猫、彼女を取り巻く登場人物たちも魅力的で、テンポの良いやりとりを楽しく読めました。
読了日:6月9日 著者:日向夏
優しい死神の飼い方優しい死神の飼い方感想
ゴールデンレトリバーの姿となって「我が主様」から地上に派遣された「死神」のレオが丘の上のホスピスに勤める看護師の菜穂に保護され、ホスピス内にいる未練を残す人々の問題を解決していく物語。すでに余命いくばくもないことを自覚する彼らに関わって、悔いが残らないように何だかんだ言いながら奔走するコミカルな死神のキャラがわりとツボでした。連作短編が最終的にひとつのお話に繋がって、みんなで力を合わせて危機を乗り切る構成も良かったです。切ないラストにはしんみりした気分になりましたが、それを乗り越えたレオの今後に期待です。
読了日:6月8日 著者:知念実希人
六花の勇者 5 (ダッシュエックス文庫)六花の勇者 5 (ダッシュエックス文庫)感想
「黒の徒花」の情報の取り扱いに逡巡するアドレット、神殿で出会った一輪の聖者。明らかになってきた「黒の徒花」とフレミーの告白にアドレットが究極の選択を迫られる第五弾。アドレットの奔走、テグネウの策略、そしてハンスとナッシェタニアも意図を持って行動して、状況が二転三転する展開でしたが、ついに明かされた7人目は言われてみればいろいろ伏線のあった人物でしたね。。。時間をかけて作り上げたテグネウえげつない策に振り回されっぱなしで、このままだと救いのない悲劇的結末しか見えないですが、ここからの逆転劇に期待してますよ。
読了日:6月7日 著者:山形石雄
六花の勇者  4 (スーパーダッシュ文庫)六花の勇者 4 (スーパーダッシュ文庫)感想
同盟したドズーたちの話から「黒の徒花」と呼ばれる聖具が七人目に関する重大な手掛かりであると知った六花の勇者たちが、聖具が作られた神殿に向かうことになる第四弾。屍兵と化した人々を救えないかと奔走するロロニアのこだわりからまた混迷に陥りますが、それが結果的に重要な出会い、情報に繋がるから分からないですね。黒の徒花が何かは判明したもののそれが七人目なのかも不明なままで、これはこれでさらなる迷走に繋がりそう。六花の勇者たちは必死にもがいてるけど、そんな内憂外患な状況を作り出しているテグネウは楽しんでますねえ。。。
読了日:6月6日 著者:山形石雄
六花の勇者〈3〉 (集英社スーパーダッシュ文庫)六花の勇者〈3〉 (集英社スーパーダッシュ文庫)感想
テグネウの脅威を排除できないままの六花の勇者たち。道中で突如「姫を助けに行く」とだけ告げ姿を消したゴルドフの奮闘が描かれる第三弾。チャモが罠にはまり、テグネウが六花の勇者たちに語った話、ドネーやナッシェタニアがゴルドフに告げた話、そしてテグネウがゴルドフに語った真実。情報が錯綜し敵味方が判然としない状況で、ナッシェタニアを人質に捕らわれたままその救出に奔走するゴルドフが愚直を貫いて成し遂げたのは見事。ただ状況は相変わらず混沌としていて苦しい状況が続きますが、ここからどういう展開になるのか次巻も楽しみです。
読了日:6月5日 著者:山形石雄
六花の勇者〈2〉 (集英社スーパーダッシュ文庫)六花の勇者〈2〉 (集英社スーパーダッシュ文庫)感想
ロロニアが現れて再び七人になってしまった六花の勇者たち。疑心暗鬼のまま進む先に突如凶魔を束ねる一人テグネウが現れる第二弾。今回は冒頭に悲劇的なシーンが提示され、必殺の武器が効かないテグネウの謎を探る一方で、とある人物が狡猾なテグネウとの密約を他の仲間たちに知らせぬまま履行を回避しようと焦燥を募らせていく頭脳戦、そしてまさかの逆転劇は一巻目とはまた違った切り口で楽しめました。しかし七人目は依然として不明で、なのに不信感の中にかすかな連帯感も醸成されてきている七人の今後がどうなっていくのか、次巻も楽しみです。
読了日:6月5日 著者:山形石雄
六花の勇者 (六花の勇者シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)六花の勇者 (六花の勇者シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)感想
魔神が目覚めるとき、運命の神は六人の勇者を選び出す。自称・地上最強の少年アドレットが『六花の勇者』に選ばれ、向かった先にはなぜか七人の勇者がいたところから始まる物語。一人偽物が紛れ込んでいるということで疑心暗鬼になる中、状況証拠的に嫌疑を掛けられ窮地に陥ったアドレットが疑いを晴らすべく奔走するわけですが、候補者それぞれに怪しい言動があったりで緊張感のある展開が続いたものの、そこまでの流れからあの結末はちょっと予想できなかったです。一難去ってまた一難、今後も疑惑の展開はまだまだ続きそうで、次巻も楽しみです。
読了日:6月4日 著者:山形石雄
異世界食堂 1 (ヒーロー文庫)異世界食堂 1 (ヒーロー文庫)感想
商店街の一角にある食堂「洋食のねこや」。一見普通の食堂「ねこや」が毎週土曜日の定休日、異世界と繋がって異世界の住人が訪れ、その料理に舌鼓を打ったり、エピソードが語られていく物語。様々な事情を抱えた人々・亜人・ドラゴンや吸血鬼までが、メンチカツ・エビフライ、さらに豆腐ステーキ・お好み焼き・パフェといった洋食でなさそうなものまで、一度訪れるとメニューの味が忘れられずに常連となっていく姿が綴られていますが、読んでいるとその描写にとにかくお腹が空いてきます(苦笑)そんな強烈に胃袋を刺激する物語、続編に期待ですね。
読了日:6月3日 著者:犬塚惇平
RELIC2 生命果実探求論 (講談社ラノベ文庫)RELIC2 生命果実探求論 (講談社ラノベ文庫)感想
天狗の末裔・大央と許嫁で最後の魔女・円が「遺存種」だけの競売会に出向き、そこで出会った仙人・界善の依頼で少女・美緑を預かることになる第二弾。ストーリーとしては預かった少女・美緑の秘密を巡って智天使の襲撃を受けたり、依頼主の界善ともバトルを繰り広げますが、主人公・大央のもっさり感は相変わらずで、若干ヤンデレ気味の許嫁・円とのラブラブ夫婦ぶりも健在。今回はさらに挙動の可愛い美緑がいつのまにか私たちの娘扱いになっていて、二人で娘を守るために頑張るみたいなノリに、なぜかつい読んでしまう不思議な味わいがありました。
読了日:6月3日 著者:曽我部浩人
遺跡発掘師は笑わない 出雲王のみささぎ (角川文庫)遺跡発掘師は笑わない 出雲王のみささぎ (角川文庫)感想
若き天才発掘師・西原無量と萌絵が神々の集う島根県出雲市に派遣され、対立するふたつの旧家、降矢家と八頭家を巡る因縁に巻き込まれる第二弾。発掘コーディネーターを目指す萌絵さんは、厄介な場所に研修として放り込まれるあたり、わりと面倒事に巻き込まれ気味な感もあるんですが、全体としては読み応えのある密度の濃いストーリーを展開しているのに、現場で再会した無量や忍と萌絵の微妙な三角関係がちょっと違うベクトルで気になります(苦笑)旧家の人間関係がちょっとややこしかったですが、忍もまだ何か謎がありそうで次巻も楽しみですね。
読了日:6月2日 著者:桑原水菜
生徒会探偵キリカ6 (講談社ラノベ文庫)生徒会探偵キリカ6 (講談社ラノベ文庫)感想
白樹台の生徒会選挙で狐徹に叛旗を翻したひかげが、対立候補の朱鷺子さんと手を組んで勝つ道を探り始める第六弾。狐徹を知る人物に会ってその弱点を探りながら、勝敗の鍵を握る副会長候補探しに奔走した末にひかげが出した結論はなかなか面白かったんですけどね。狐徹が予想以上に器のどデカい人物だったというか、真のキーマンを見誤っていたというか。決意して現状から一歩踏み出すことができたキリカに限らず、今回の件で皆一回り成長しましたね。これだけの密度の物語をこのページ数で展開させる著者さんの力量を改めて感じました。流石です。
読了日:6月1日 著者:杉井光

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