読書する日々と備忘録

主に読んだ本の紹介や出版関係のことなどについて書いています

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2015年4月のおすすめライトノベル

4月は荒削りながら高いポテンシャルを感じる続きが楽しみなシリーズが多くて、ほんとは10点くらい選ぼうかとも思ったんですが、とりあえず新作で5点+言及したかった1点ということで選んでみました。※なお今回は5月の購入点数多そうなので、GW前までに読んだ本を対象にしています。

 

 「第2回なろうコン大賞」からの書籍決定作品。

今回何となく書影が気になって買ってみたら面白かった一冊。

店主スプートニクと宝石吐きの少女・クリューが二人で営む宝石店を舞台に、特異な体質を持つ彼女が誘拐されたり、魔法使いの予告犯罪に巻き込まれていく物語。

クリューは奴隷のような毎日から自分を助けだしてくれたスプートニクを慕うものの、子供扱いされたり意地悪だったり、不用意な言動も多くてぷりぷりする毎日。でもそんな彼女は持っている性質上トラブルに巻き込まれがちで、そんな彼女が危機になると、スプートニクは何を置いても最優先で奔走するんですよね。ちょっとしたやりとりに幸せを感じるクリューがとても可愛くて、恋人でも保護者でもないそんな二人のお互いを大切に思うほんわかした距離感や、物語の雰囲気がとてもいいと思いました。Web上では続きも連載されているようで、続巻に是非期待したいところ。

 

 ぼくらの学校には吸血姫がいる。書くことを止めた高校生作家・常盤桃香、学校に住む風変わりな吸血鬼、正義のために戦う風吹、いじめっ子を装いつつ風吹を気にかける真光寺、それぞれの視点から紡がれる物語。

最初は切ない雰囲気のストーリーと感じていましたが、視点が切り替わるたびに登場人物たちの印象や行動の意味合いもどんどん変わっていってビックリしました(苦笑)著者さんらしいテイストで描かれる不器用な彼女たちの交流はとても暖かいのに、それらが噛み合わずすれ違う哀しい展開。どこかやるせなさを感じずにはいられない物語はさすがさがら総と改めて思わずにはいられない一冊ですね。

 

 タイトルはもう少し何とかならなかったんですかね?(苦笑)

竜人に人類が追い詰められている世界で、とある村を守る剣聖女・メルシオーネと出会い主従契約を結んだシノビ・サビトが二人でドラゴンと戦うバトルファンタジー。

特殊な存在であることを隠しながらわりと天然で無防備なメルと、実力はあるけど朴念仁なサビトの二人が出会って、相性の良さを感じさせる会話を積み重ねて少しずつ距離感が変わったり、悲壮な決意を抱えがちなメルをサビトがしっかりと支える構図がとても良かったです。激闘を二人で乗り越えて共に歩むことを選択した二人がこれからどうなっていくのか、終盤不気味な存在感を見せたサビトの幼馴染アトリもいたりで、これからがとても楽しみなシリーズですね。

 

 厄襲に巻き込まれ幼馴染を失った高校生・秋月蓮次と、弟を失ったアイドルの弓家叶方。そんな二人がコンビを組んで、行方不明の大切な人を取り戻すべく人類の敵EOMが跋扈する禁止区域・東京に侵入を繰り返す物語。

政府機関「救務庁」とも相容れないギリギリの状況の中で抱き続けてきた、取り戻したい大切な人を渇望する気持ちと、共に戦ってきた二人の絆。そんな絆を大きく揺るがす幼馴染にそっくりな少女。様々な思惑が交錯する緊迫感のある展開はテンポも良く、一見厚みがあるように思えますが気になりません。さすがベテランな著者さんならではの安定ぶりで、どれくらいで次巻を刊行してくれるのかは気になりますが、続きに期待したいシリーズです。

 

ポーション、わが身を助ける 1 (ヒーロー文庫)

ポーション、わが身を助ける 1 (ヒーロー文庫)

 

 異世界転生した普通の女子高生カエデが、ポーションを作る能力を生活の糧にして不安を抱えながらも生き抜いていく物語。

勇ましく冒険に向かうわけでもなく、死なないように無理せずポーションを売って生計を立て暮らしていくストーリーは新鮮で珍しかったですが、実際に普通の女の子が異世界にいきなり転生したらこんな感じかなのかもとなかなか興味深かったです。

慎重に見えてどこかうかつだったりで、大丈夫かなあとハラハラしながら見守る気持ちで読んでしまいましたが、ドラゴンと戦ったり、縁あって王都に行って家を買ったり、妖精さんと出会ったりカルデノを雇ったり、知り合った周囲にも助けられつつ、主従で堅実に生活基盤を築いていくカエデの今後に期待ですね。


最後に一言。

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 7 (GA文庫)

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 7 (GA文庫)

 

 アニメ化などいろいろ話題になって注目されていた中で刊行された今巻でしたが、ベルの決意と奮闘には凄まじいまでの疾走感と熱量があって、いつもより厚めな分量も気になりませんでしたね。物語としてもシリーズとしての勢いもここからどこまで一気に駆け上がっていくのか。そんな期待を抱かずにはいられない今後の展開が楽しみです。

 

ではまた。