読書する日々と備忘録

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一般文庫・ライト文芸のおすすめ部活小説25選

以前、お仕事小説企画ということでライト文芸編・一般文庫編を紹介しましたが、部活小説についても近年たくさん刊行されるようになってきています。そこで今回は一般文庫・ライト文芸で読んだ本の中から部活小説を25作品紹介したいと思います。セレクトしてみたら体育会系の部活の方が少し多かったですね。もし気になる本があったら是非手にとって読んでみてください。

 

1.雲は湧き、光あふれて (集英社オレンジ文庫)

最後の甲子園を前に故障した屈指のスラッガー専用代走に指名される話/新人スポーツ記者と強豪校と対戦する弱小校のピッチャーの出会い/戦火が拡大する中で甲子園を目指す少年たちの話と、高校野球を題材とする中編三編。今の自分に自信を持てない主人公たちが野球への熱い想いに感化され、今やるべきことに奮闘する姿には心を動かさずにはいられません。いずれも良かったですが、個人的には新人新聞記者と弱小校ピッチャーの出会いを描いた「甲子園への道」が特に好きでした。読むと高校野球につい思いを馳せてしまう是非オススメしたい一冊です。現在3巻まで刊行。
2.夏の祈りは (新潮文庫)

夏の祈りは (新潮文庫)

夏の祈りは (新潮文庫)

 

県立北園高校を舞台に長年の悲願である甲子園出場に向けて、先輩から後輩へ託されてきた夢と、それぞれの熱い夏が描かれる青春小説。過去の伝統の呪縛に苛まれ力を発揮しきれなかったチーム、二人のエースで戦った夏、女子マネたちの存在が光った世代、そして谷間として期待されていなかったハズレ世代の奮闘。それぞれが精一杯戦って最初は否定的だった引き継がれる思いの意味を知り、それをまた後の世代に伝えてゆく。戦ったメンバーたちが卒業後も様々な形でチームを支えて、積み重ねてきた重みの先にあった結末にはぐっと来るものがありました。
3.DOUBLES!! ―ダブルス― (メディアワークス文庫)

力はあるものの誰とも協調することができない琢磨と、練習熱心だがトラウマから他人を信用できなくなった駆。そんな二人が高校の硬式テニスで出会いダブルスを組んで成長していく物語。可能性を感じた先輩に不本意ながら組まされ、最初はお互いに相手を信じられずに自分でどうにかしようと空回りばかりしていた凸凹コンビでしたが、こういう二人こそ力を合わせられるようになったら強いんですよね。ダブルスの楽しみを覚えた二人が苦しい状況を協力して乗り越え、それぞれが過去の因縁を抱える相手とのダブルス対決に挑むとても熱い青春小説ですね。全5巻。
4.君と漕ぐ: ながとろ高校カヌー部 (新潮文庫nex)

君と漕ぐ: ながとろ高校カヌー部 (新潮文庫)

君と漕ぐ: ながとろ高校カヌー部 (新潮文庫)

 

両親の離婚で引っ越してきた高校一年生の舞奈。地元の川でカヌーを操る少女・恵梨香に出会った彼女が、一緒にながとろ高校カヌー部に入部する青春部活小説。長年コンビを組むも少しずつ想いがすれ違ってきた先輩の希衣と千帆。実力者恵梨香の出現による希衣の決意。初心者の舞奈は今後に期待ですけど、過去に執着していたり今の自分を見て欲しいと願う、それぞれの繊細で複雑な心情を巧みに描きつつ、ずっともやもやしていた思いをぶつけ合って、前に進む力に昇華させてゆく展開にはぐっと来るものがありますね。これは続巻に期待の新シリーズです。
5.逆転ホームランの数式 (メディアワークス文庫)

仕事にのめり込んで家族に愛想を尽かされた元エリート社員の八雲。野球少年の息子と元妻に再び認めてもらうため、野球経験なしの身から初戦敗退の秋上高校野球部の監督に就任し、転落の元エリートと弱小野球部が奇跡を起こす物語。最初は気持ちも分からず最悪だった部員たちとの出会い。そこから彼らと向き合いながら進めていった、データに基づく合理的な練習と意識改革。興味深い練習に八雲や部員たちの葛藤やそれぞれの想いもあったりで、八雲の息子もいる横道学院との練習試合で果たしたひとつの決着にはなかなかぐっと来るものがありました。
6.バスケの神様  (集英社オレンジ文庫)

バスケの神様 揉めない部活のはじめ方 (集英社オレンジ文庫)

バスケの神様 揉めない部活のはじめ方 (集英社オレンジ文庫)

 

中学のバスケ部で一生懸命だったがゆえに空回りし、孤立した苦い過去を持つ郁。バスケは続けないつもりで知り合いのいない高校に進学した彼が、中学時代の彼を知るバスケ部の部長に勧誘される物語。これまでなかった期待に戸惑いながらも、少しずつバスケ部に居場所を見出してゆく郁。因縁を抱えた以前の仲間との対戦があったり、バスケが大好きで熱血だと思っていた部長がバスケ部を立ち上げた理由が思わぬものだったりで、周囲を信じ切れずに心が揺れるものの、それを乗り越えて一丸となってゆく展開はベタながら清々しい青春小説だと思いました。
7.レッドスワンの絶命 赤羽高校サッカー部 (メディアワークス文庫)

廃部寸前にまで追い込まれたかつての新潟屈指の名門・赤羽高校サッカー部『レッドスワン』。監督も退任してどん底状態にあるチームに新指揮官として舞原世怜奈が就任し、チームを根本から変えてゆく青春サッカー小説。旧弊ばかりが目立っていたチームに、あの手この手を使って新しい風を吹き込んでゆく世怜奈。とはいえ順風満帆でなかったどころか、波乱続きで因縁めいた対決も続く中、チームの基盤づくりを何とか乗り切ってみせた顛末はなかなか面白かったです。かつてのエースだった優雅がこれからどうするのかという点も注目のシリーズです。現在4巻まで刊行。
8.ひっぱたけ! ~茨城県立利根南高校ソフトテニス部~ (集英社オレンジ文庫)

ひっぱたけ! ~茨城県立利根南高校ソフトテニス部~ (集英社オレンジ文庫)

ひっぱたけ! ~茨城県立利根南高校ソフトテニス部~ (集英社オレンジ文庫)

 

部活漬けだったソフトテニスの強豪中学から、テニス部がない利根南高に進学した夏希と花綾。彼女たちが密かに存在する部員二人だけの女子ソフトテニス部と巡り合う青春小説。事情あってテニスを辞めた二人が、二人だけの部活を続けてきた先輩たちの想いを知り、新たなアプローチから再びテニスに向き合うようになってゆく物語で、よくあるテニスにガチで取り組むような展開ではなかったですが、人間関係の機微が丁寧に描かれていたり、ソフトテニス独特の制約も描かれていて意外と新鮮な気持ちで楽しめました。
9.スマッシュエース! (メディアワークス文庫)

スマッシュエース! (メディアワークス文庫)
 

将来を嘱望されながら致命的な怪我を負い、それでも諦めずにバトミントン部に入部した高校生・翼が、ふとしたきっかけで凄まじいスマッシュを持つ不器用な少年・千波矢と出会い、ダブルスを組んで再び走りだす物語。ハンデを負いながらも再び這い上がってきた翼が出会った、何を考えているのかよく分からないスマッシュだけの千波矢。最初一方的な関係だった二人がそれぞれの葛藤を知って対等になり、熱かったライバルたちとの戦いの中で喜びを分かち合うようになってゆく姿にとても心を揺さぶられました。
10.なぎなた男子!! (メディアワークス文庫)

部員が問題を起こし廃部となった元剣道部員の男子4人が、新任教師草薙に誘われ新設の男子なぎなた部に参加するお話。最初は男子の競技人口も少なく、なぎなたは女のやるものだと乗り気でなかった彼らでしたが、それぞれの想いから一人、また一人と参加するようになり、葛藤やぶつかり合いを通じて各々が成長していく過程や、廃部危機を乗り越えるため文化祭の演舞を成功させるべくみんながひとつになっていくところがとても良かったです。恋愛模様はほんのりテイスト。でもそんなくらいがほどよいバランスの、読後感の良い爽やかな物語でした。
11.流鏑馬ガール! 青森県立一本杉高校、一射必中! (ポプラ文庫ピュアフル)

流鏑馬がさかんな青森県十和田市に住む弓道部の舞衣子が、東京から転校してきた元・弓道で国体選手だった美鶴と出会い、かつて一度は諦めた流鏑馬に共に挑む青春小説。弓道部入部を断って流鏑馬に挑む美鶴と、最初は過去のトラウマに逡巡しつつも弓道部と掛け持ちで再び関わるようになってゆく舞衣子。真摯に取り組む美鶴に感化されて、複雑だった流鏑馬への想いが変わってゆく舞衣子は、ぶつかり合いながらもお互い刺激しあえる良いライバル関係で、そんな二人が葛藤を抱えながらも流鏑馬に向き合い挑んでいく展開にはぐっと来るものがありました。
12.あざみ野高校女子送球部! (ポプラ文庫ピュアフル)

(P[こ]4-6)あざみ野高校女子送球部! (ポプラ文庫ピュアフル)

(P[こ]4-6)あざみ野高校女子送球部! (ポプラ文庫ピュアフル)

 

中学時代バスケ部での苦い経験から、もう二度とチーム競技はやらないと心に誓っていた端野凛。つい本気で臨んだ体力測定の記録からハンドボール部顧問成瀬にスカウトされる青春スポーツ小説。典型的なストイックアスリートの凛と凄まじいポテンシャルを持ちながら運動素人の智里。どんなにやられても凹まない絶望しない凛には苦笑いでしたが、好対照な二人を軸として、勝つために自らを追い込んでゆくハンドボール部のメンバーたちそれぞれの想いや葛藤も熱くて、スポーツ小説としてなかなか読み応えがありました。続編あるなら是非読みたいですね。
13.サマー・ランサー (メディアワークス文庫)

サマー・ランサー (メディアワークス文庫)
 

転校の多さや人付き合いの下手さから孤立し、師である祖父の死もあって、剣道へ向かおうとする思いに迷いが生じていた天智が、槍道という武道や羽山を始めとする槍道部のメンバーに出会って、まっすぐな気持ちを取り戻していくお話。槍道部のメンバーを始めとする登場人物もさっぱりとした性格で、全体的に読みやすかったです。天智は作中を通して葛藤することが多く、羽山を怪我をさせてしまったりもしましたが、こういう仲間に囲まれていれば、もっといろんなものが見えるようになるし、きっと立ち直れるのではないかと思える、そんな作品でした。
14.スピンガール! 海浜千葉高校競技ポールダンス部 (メディアワークス文庫)

中学時代の苦い経験から人と関わることが苦手な女子高生・舞。競技ポールダンス部設立を目指す舞が周囲に猛反対され、部設立を認可する条件として大会入賞を言い渡されてしまう青春小説。マネージャー役を買って出た友人と一緒に立ち上げたポールダンスに加わることになる、わけありで廃部した元競技ダンス部の郁斗先輩と白谷先輩。周囲とのやりとりが拙く空回り気味だった主人公でしたが、友人や先輩たちもまた苦い過去を抱えていて、ぶつかり合いながら競技に挑んで喜びを見出してゆく様子は、展開的にベタではありましたがなかなか良かったです。
15.カブキブ! (角川文庫)

カブキブ!  1 (角川文庫)

カブキブ! 1 (角川文庫)

 

祖父の影響で歌舞伎大好き高校1年の来栖黒悟ことクロが、親友トンボとともにカブキブ設立に向け動き出す物語。とりあえず同好会設立に向けて5人の部員集めに奔走するところからのスタートでしたが、目星をつけた候補者のつれない反応にもめげず、粘り強く勧誘に向けて奮闘するクロはどこか応援したくなるキャラでした。そんなクロの熱意にほだされて個性的な部員も徐々に集まってきて、お話としてはこれからという感じですね。あまり知らない歌舞伎の世界もうまく説明してくれていて興味深く読めました。全7巻。
16.響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ (宝島社文庫)

弱小校になりつつあった北宇治高校吹奏楽部に流されるまま入部した久美子が、熱心に指導する滝先生の顧問就任によって変わっていく吹奏楽部で仲間とともに全国大会を目指す物語。ぬるま湯体質だった吹奏楽部が厳しい練習をするようになり、実力主義も採用されたりで、急激な変化による人間関係のギスギスっぷりが生々しいですね(苦笑)あるあるは語られるけどそれほどテクニカルでもなく、経験者も未経験者それぞれの視点があって人間関係も含めてなかなか楽しめる物語です。現在11巻刊行。
17.屋上のウインドノーツ (文春文庫)

屋上のウインドノーツ (文春文庫)

屋上のウインドノーツ (文春文庫)

 

中学まで人生に何も期待せずに生きてきた志音。そんな彼女が屋上で吹奏楽部部長・大志と出会い、人と共に演奏する喜びを知ってゆく青春小説。人気者の幼馴染から逃げるように別の高校を受験した志音が屋上で出会った先輩とドラム。そして不器用な志音を見守ってくれる仲間たち。登場人物たちそれぞれが立場は違えど抱えている葛藤があって、頑張ったからといって必ずしも目指しているものに手が届くわけではないあたりがわりとほろ苦かったりもしますが、それを踏み越えてチャレンジしたり、関係を再構築してゆく姿はとても素敵なものに思えました。
18.ぱらっぱフーガ (双葉文庫)

ぱらっぱフーガ (双葉文庫)

ぱらっぱフーガ (双葉文庫)

 

中学の吹奏楽部でアルトサックスを吹く恋人同士だった有人と風香。名門・旺華高校を揃って受験も有人がまさかの不合格、吹奏楽部がない羽修館学園に進学する羽目に陥る青春小説。名門の洗礼を入学早々に浴びながらもメキメキと力をつけていく風香と、ゼロから吹奏楽同好会を立ち上げるべく奮闘する有人。何が大切なことなのか、環境の違いから立ち位置も向き合い方も変わってゆくそれぞれの奮闘とやりとりには、時折葛藤や意識のズレも生まれましたけど、それでもきちんと相手に向き合い、乗り越えてゆく二人の姿にはぐっと来るものがありました。
19.ブタカン!: 〜池谷美咲の演劇部日誌〜 (新潮文庫nex)

ブタカン!: 〜池谷美咲の演劇部日誌〜 (新潮文庫nex)
 

親の借金で青春と縁遠い生活をしていた女子高生・美咲が、借金問題の解決とともに幼馴染で親友のナナコに誘われて演劇部に入部し、新米舞台監督(ブタカン)として奮闘する物語。仲間とともに日常的に謎を解いていく面もありますが、全体としては変わり者揃いの演劇部のメンバーと時には衝突し、絆を深め合って問題を解決しながら、入院してしまったナナコの助けも得て舞台監督として成長していく部分がメインですね。読みやすくてテンポもよく、面白かったです。全3巻。
20.吹部! (角川文庫)

吹部! (角川文庫)

吹部! (角川文庫)

 

三年も早期引退してしまい、幽霊部員も多い崩壊寸前の弱小吹奏楽部にやってきた正体不明の顧問・ミタセン。その奇人変人っぷりに振り回されながら、全国コンクールで金賞!を目標に奮闘する青春小説。あの手この手で部員を集めて指導していく変人顧問・ミタセンに、いきなり部長に指名されてしまった沙耶、西大寺ら集められた吹部のメンバーたち。ミタセンのキャラには首を傾げる部分もありましたが、それぞれ抱えている事情や様々な経験を乗り越えて成長しながら、コンクールに向けてひとつにまとまってゆく展開にはさわやかな読後感がありました。
21.群青ロードショー (集英社オレンジ文庫)

群青ロードショー (集英社オレンジ文庫)

群青ロードショー (集英社オレンジ文庫)

 

引っ越しや進学などで三年ごとに友達が入れ替わってきた三年周期の呪い。高校で映画好きの仲間を得た朝宮陽が、卒業しても友人三人との縁が切れないように、仲間たちで自分たちの映画を撮ろうと思い立つ青春小説。一念発起で仲間に提案した陽に、密かに声優を目指すお嬢様ミーコ、活動的で型破りなナツ、脚本を書くいおり。映画好きという共通項以外は性格も映画の好みもバラバラな少女たち四人が、映画製作に取り組んでいく中で葛藤したり衝突しながら、成長して絆を深めてゆく展開はなかなか良かったですね。結末もまた痛快で素敵な物語でした。※視聴覚文化歴史資料研究同好会
22.春や春 (光文社文庫)

春や春 (光文社文庫)

春や春 (光文社文庫)

 

俳句雑誌で昔知っていた男の子の名前を発見し、俳句の価値を主張して国語教師と対立した茜。友人の東子にそんな顛末を話すうち俳句甲子園出場を目指すことになってゆく青春小説。個性的な初心者の新入生三人も加えつつ立ち上げた俳句同好会。顧問などの協力を得ながら俳句の基本に取り組んだり、抽象的な俳句を数値化する俳句甲子園の独特なルールに向き合ったり気になる人間関係も織り交ぜつつ、豊かな言葉を駆使しながらチームとして戦う展開はなかなか新鮮でした。有望な新入生も入学するということは続巻出るということですよね?期待してます。
23.火曜新聞クラブ―泉杜毬見台の探偵― (ハヤカワ文庫JA)

火曜新聞クラブ―泉杜毬見台の探偵― (ハヤカワ文庫JA)

火曜新聞クラブ―泉杜毬見台の探偵― (ハヤカワ文庫JA)

 

新聞クラブを立ち上げた高1の植里礼菜と幡東美鳥。創刊1面トップに「2階建て駐輪場が着工する」を据えたものの計画が頓挫し、記事の差し替えを迫られる状況で、遭遇した殺人事件を銀髪の男子高生・御簾真冬とともに解決するミステリ。ミス・マープルを意識した舞台設定になっているようで、まず動機ありきの推理はもう少し人の動かし方に妥当性が欲しかった箇所がありましたけど、校内で起きた数学講師殺人事件に挑むミステリアスな探偵役・御簾真冬にはなかなか存在感があって、新聞クラブと御簾の探偵ミステリをまた読んでみたいと思いました。
24.歩のおそはや ふたりぼっちの将棋同好会 (集英社オレンジ文庫)

歩のおそはや ふたりぼっちの将棋同好会 (集英社オレンジ文庫)

歩のおそはや ふたりぼっちの将棋同好会 (集英社オレンジ文庫)

 

将棋を辞めて無気力な日々を送っていた元天才少女の歩が、将棋同好会を立ち上げたど素人の先輩・涼に感化され、将棋への情熱を取り戻していくガール・ミーツ・ガール。最初は真っ直ぐに自分のやりたいことに突き進もうとする涼に巻き込まれた形でしたが、将棋から離れると劣等感しかなかった歩にしてみれば、自分にとって大切なことを色々と思い出し、向き合うきっかけをくれた大きな出会いだったんですよね。登場人物たちのひたむきに将棋に取り組む姿勢がとても好ましくて、不器用なりに前に一歩踏み出そうと決意した歩の今後の頑張りに期待です。
25.お人好しの放課後 (御出学園帰宅部の冒険) (創元推理文庫)

部活必須の御出学園で通学地域で社会奉仕を義務付けられた独特の帰宅部。そこに所属する佐々木幸弘が地域で起こる謎や事件を仲間とともに解いていく青春ミステリ。夜な夜な動くという噂のベニヤ製の人形の謎やたたかうにんじん、双子を巡る複雑な想い、商店街文化祭のお姫様コンテストにまつわるあれこれ。やや若干登場人物が多いかなという印象はありましたけど、繊細な人間関係の機微にも配慮しながら解き明かしてゆく謎解きは主人公らしくて、彼がようやく意識し始めた幼馴染との関係が今後どうなってゆくのか、続巻に期待のシリーズです。現在2巻まで刊行。