読書する日々と備忘録

主に読んだ本の紹介や出版関係のことなどについて書いています

2019年1月に読んだ本 #読書メーターより

1月はコミックを除くと63冊。前半は休みが増えるとむしろ読書時間が減ってペースが落ちるいつも通りな状況でしたが、後半は少し盛り返してだいたいいつも通りの数字に。新作もシリーズ続巻もなかなかいい感じの作品が多く満足度の高い一ヶ月でした。

 

1月の読書メーター
読んだ本の数:93
読んだページ数:23893
ナイス数:5989

榮国物語 春華とりかえ抄 三 (富士見L文庫)榮国物語 春華とりかえ抄 三 (富士見L文庫)感想
白水の企みを阻止したものの貴族の枢密院への反抗から国防が弱体化。隣国堯の猛攻を招く事態となっていた。そんな中、再び妃嬪候補となった春雷が堯の手に落ちてしまう第三弾。まさかの早さで失陥した防衛拠点。もたらされる「秋明は堯の密偵」という情報と敵の手に落ちた春雷がもたらした真実。秋明を信じたい春蘭と人が信じられなくなってゆく海宝でしたけど、それでも諦めない春蘭の奔走が窮地の打開に繋がりましたね。これは海宝が惚れ直しても仕方ない(苦笑)しかし秋明の妹のことやら堯側に春雷のことがバレたのは後に繋がるんですかね…。 
読了日:01月01日 著者:一石月下
榮国物語 春華とりかえ抄 四 (富士見L文庫)榮国物語 春華とりかえ抄 四 (富士見L文庫)感想
堯の侵攻を退け地方の士大夫や民衆に英雄視されるようになった海宝。しかし貴族からの評価は相変わらず、そんな状況のまま宰相が倒れて次期宰相選が行われることになってしまう第四弾。貴族を取り込む新案を通そうとする白水、支持基盤の士大夫は投票権を持たず、改革を前に大臣家との縁談を持ちかけられ悩む海宝。白水側の妨害もあって苦しくなる状況でしたけど、地道な積み重ねに加えてまたも奇策で局面を打開してしまう春蘭が凄まじいですね。二人の繋がりも明らかになって最後まで信念や想いを貫いた海宝との今後も気になるところではあります。
読了日:01月02日 著者:一石月下
魔法令嬢ともふもふの美少年 (コバルト文庫)魔法令嬢ともふもふの美少年 (コバルト文庫)感想
ほとんどの時間を狼の姿で過ごし、人の姿を維持する魔法を研究しているリヒカル。そんな彼と重度の魔法オタクっぷりがバレて王子に婚約破棄され屋敷にやってきた公爵令嬢マリーと出会う物語。前作のメレディスとレナルドの屋敷に同居する叔父のリヒカル。最初はリヒテルのことを飼犬と思っていたマリーと精霊と思われながらの積み重ねられたやりとりがあって、そんな彼の意外な姿も垣間見えたりして、二人が協力して魔法を完成させてゆくハッピーエンドは良かったですけど、だからこそ最後はもう少しじっくり書いても良かったかもしれないですね。 
読了日:01月03日 著者:江本 マシメサ
境内ではお静かに 縁結び神社の事件帖境内ではお静かに 縁結び神社の事件帖感想
とある事情から大学を中退して人生に迷う坂本壮馬が、兄が神職をつとめる横浜・元町の源神社で働くことになり、参拝者の前以外では笑わないどこか謎めいた美少女巫女の久遠雫と出会うミステリ。神社での心霊現象、子供まつり中止を求める脅迫状、神社移転を嫌がる理由、就職活動を邪魔する存在、そして雫が源神社で働く理由といった謎を解いていく連作短編集で、クールな雫を探偵役に誰かのために奔走する壮馬がいいフォロー役で、終盤はなかなか劇的な展開でしたけど、少しずつ変わってゆく二人の距離感がどうなるのか是非続きが読んでみたいです。
読了日:01月03日 著者:天祢 涼
そこにいるのにそこにいるのに感想
曲がってはいけないY字路、見てはいけないURL、剥がしてはいけないシールなど、13の恐怖と怪異の物語が綴られる連作短編集。垣間見てはいけない人の恐ろしい一面とか、都市伝説的なエピソード、怪異などいろいろ取り混ぜた最後にぞわりと来るような読後感の物語が取り上げられていて、ミステリ作品がメインの著者さんがこういうものも書けるのかと少しばかり新鮮な気持ちで読みました。個人的には六年前の少女殺人を取材した「六年前の日記」やエゴサーチの恐怖を描いた「痛い」、「なぜかそれはいけない」「昨日の雪」あたりが印象的でした。
読了日:01月04日 著者:似鳥 鶏
グアムの探偵 2 (角川文庫)グアムの探偵 2 (角川文庫)感想
日本では想像もできない事件が発生するグアムで、そんな謎の数々に日系人3世代探偵ゲンゾー、デニス、レイが挑む第二弾。消えたスキューバダイビングの真相、ガンビーチ・ロードでの盗難事件、5人の男女が監禁された地上100メートルに浮かぶ船、デニスが挑む意外な殺人事件、爆破事件の真相など、日本ではあまりなさそうな意外性のある事件や発想が展開は今回も印象的で、盗難事件に遭遇し悲しみのまま帰国しようとする女性のために奔走するレイと切なくなる結末など、三世代それぞれの良さが感じられる探偵劇にはぐっと来るものがありました。
読了日:01月04日 著者:松岡 圭祐
炎の姫と戦国の魔女 (講談社X文庫)炎の姫と戦国の魔女 (講談社X文庫)感想
豊臣秀吉の起こした戦で、異国生まれの母を亡くした赤髪の少女・千寿。母の仇を討つために京へ向かった彼女が、関白秀次に輿入れの最中に賊に襲われた熊谷成匡の末娘晴姫と出会う物語。天女のごとき姿を偽僧姿に変えて、鉄砲鍛冶の養父が造った唯一無二の鉄砲〈でうす〉を携える千寿。賊に襲われた晴姫一行を救い、護衛として共に京を目指す道中。ともに過ごすうちにで育まれてゆく千寿と晴姫の絆。明らかになる千寿の数奇な生い立ちと晴姫が巻き込まれた政変が複雑に絡み合って、動き出した運命がどのような展開をもたらすのか続巻が楽しみですね。
読了日:01月05日 著者:中村 ふみ,アオジ マイコ
終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか?#07 (角川スニーカー文庫)終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか?#07 (角川スニーカー文庫)感想
フェオドールが作り上げた舞台で英雄となった少女。獣に対抗できる黄金妖精の存在が明るみになる一方、38番浮遊島に侵食の足音が迫る第七弾。ヴィレムとは違うアプローチで彼女たちを救おうとしたフェオドールの策もまた完璧なものではなくて、けれどもその影響は様々なところに及んでいて。コロンと共に十一番目の獣に挑むパニバルのありようや覚悟が印象的な展開でしたけど、一方で妖精たちそれぞれの思いやもう一つの切ないエピソードがあって、物語の方向性も変わりつつあるんですかね。そんな状況で再会した彼が何をもたらすのか続巻に期待。
読了日:01月06日 著者:枯野 瑛
裏世界ピクニック3 ヤマノケハイ (ハヤカワ文庫JA)裏世界ピクニック3 ヤマノケハイ (ハヤカワ文庫JA)感想
コトリバコの呪いを辛くも退けた空魚と鳥子が裏世界探検の日々へと復帰する第三弾。農機を持ち込んで異界の草原を走ってみたり、カラテカの友人の悩み事を解決したり、突然空魚と小桜が宗教めいた集団に拉致られたりと、今回は裏世界よりもリアルな世界で起きた事件が印象深かったですが、この流れにはネットロアが関わっていて、常に怪異たちと閏間冴月の影の姿もあって、その存在の大きさを改めて感じる展開ではありましたが、空魚と鳥子の間にもこれまで積み重ねてきた絆があって、人間関係的に今回いろいろターニングポイントになりましたかね。
読了日:01月07日 著者:宮澤 伊織
居酒屋すずめ 迷い鳥たちの学校居酒屋すずめ 迷い鳥たちの学校感想
居酒屋が経営難に陥った友人・村瀬晴彦を救うため、親の遺産でその物件を購入した鈴村明也。晴彦に息子の不登校も相談され、居酒屋を開店していない昼間にそこでフリースクールを開く物語。晴彦の経営見直しをアドバイスしつつ、賢いがゆえに不登校になってしまった晴彦の息子・亮我、八十四歳で学び直したいハツネ、引きこもりだった佑都、フィギュアスケートに挫折した若菜、そして彼らを導く明也。すずめに集まった事情を抱えた彼らが抱える悔恨があって、そんな彼らが助け合いながら過去を乗り越え前に進むきっかけを得てゆく素敵な物語でした。
読了日:01月08日 著者:桜井美奈
1/2―デュアル― 死にすら値しない紅 (角川スニーカー文庫)1/2―デュアル― 死にすら値しない紅 (角川スニーカー文庫)感想
殺されヒトとしての一部分を失い、引き替えに特殊能力を得て生き返る偽生者。偽生者を殺し直すために生きる限夏が、不老不死な偽生者の少女・伴を相棒とする近未来SF。ぎこちない距離感から始まった二人が挑む、偽生者による国家統一を掲げたテロ事件発生と、首謀者と伴を巡る凄惨な因縁。そんな彼女に限夏がいかにして並び立つ存在になりうるのかが問われる展開でしたけど、絶妙のタイミングで複雑な過去や葛藤も絡めつつ、絶望する彼女が直面する最悪の状況にも最後まで諦めずに挑み、見事に伴の相棒たることを証明してみせた結末は見事でした。
読了日:01月08日 著者:森バジル
田沼スポーツ包丁部!田沼スポーツ包丁部!感想
厨房男子だった大地がスポーツメーカーの田沼スポーツに就職。アウトドアグッズの営業として奮闘する彼が、巻き込まれ体質が災いして田沼スポーツ包丁部を立ち上げることになるシリーズ第四弾。専務に目をつけられた清村課長を助けるための新商品アイデアを探す中で見出した包丁部設立と、野外飯を絡めた販促活動。そつない先輩の佐藤や豪快な勝村さんに振り回されつつも、食べたくなる野外飯などの美味しそうな料理描写の数々は健在で、友人の金森たちにも助けられながらイベントを成功に導く展開はなかなか良かったです。今後の成長と活躍に期待。
読了日:01月09日 著者:秋川 滝美
あの頃の想いと優しい夏休み-京都寺町三条のホームズ(11) (双葉文庫)あの頃の想いと優しい夏休み-京都寺町三条のホームズ(11) (双葉文庫)感想
葵が大学2年生となった夏。大丸京都店での修業を終えて、 次の修業までの短い夏休みを『蔵』で過ごしていた清貴の元に、会社を辞めた先輩が訪ねてくるほか短編集の第十一弾。様々な形で見えてくる積み重なっていった清貴の葵への想いが臆面もなくて本気なんだなあと微笑ましかったですが、円生の清貴や葵への複雑な想いや少しずつつ変わってゆく心境、利休との関係など今回は円生にだいぶ踏み込んだ一冊でしたけど、それもまたここから先の展開に向けての必要なプロセスでしたかね。葵との出会った時の清貴の心境も興味深かったです。続巻も期待。
読了日:01月09日 著者:望月 麻衣
エロマンガ先生(11) 妹たちのパジャマパーティ (電撃文庫)エロマンガ先生(11) 妹たちのパジャマパーティ (電撃文庫)感想
エルフの猛アプローチを誤解され、紗霧と喧嘩をしてしまったマサムネ。悩める兄妹は、それぞれ親しい人たちに恋愛相談を始める第十一弾。エルフも相変わらず懲りないなと苦笑いでしたけど、智恵やめぐみ、鈴音たちと恋バナをするマサムネ、一方で紗霧は女の子たちを集めてパジャマパーティーを開催という展開で、恥ずかしい話が飛び交う中で京香さんが意外に頑張ったというか空回りしていたというか。雨降って地固まる展開でしたけど、恋愛人生相談室の管理人さんはその後どうなってたんでしょうね。今回はあまり出番がなかったエルフの逆襲に期待?
読了日:01月10日 著者:伏見 つかさ
賭博師は祈らない(5) (電撃文庫)賭博師は祈らない(5) (電撃文庫)感想
フランセスに勝利したラザルスが、かつて帝都にいた友人たちが残したちっぽけな約束を守るためだけに、ロンドンの裏社会を牛耳るジョナサンと全面対決を掲げる第五弾。無事戻ってきたラザレスがリーラにわたした故郷へ帰る為の乗船券。戸惑いながらも自分が主人に対して抱いていた想いに気付かされるリーラ。そんな二人の複雑な想いがあって、ジョナサンの突き進む目標にはラザルスの容認できない結末があって、不器用に誰かのために勝負に挑み続けた彼らがたどり着いた結末は、ほんのりと切なくも彼ららしいと思えました。次回作も期待しています。
読了日:01月10日 著者:周藤 蓮
幼馴染の山吹さん2 文学少女は文の上をゆっくり歩く (電撃文庫)幼馴染の山吹さん2 文学少女は文の上をゆっくり歩く (電撃文庫)感想
春の呪いを解いた灯里と喜一郎に呪いの精霊・小春が告げた新たな青春ミッション。文学少女にしてたった一人の文芸部員・瀬尾美咲と理想の出会いを果たし、彼女の物語を完結させるために動き出す第二弾。世界一可愛い幼馴染がぐいぐい頑張ったなと感じた前半でしたけど、今回のメインだったのはたった一人の文芸部員・美咲。灯里と喜一郎が創研部との対決を助ける状況から、美咲と喜一郎の過去の交流も絡めた思わぬ展開に向かいましたけど、この宙ぶらりんな結末はこのまま終わりじゃないですよね?灯里も絡めた彼らの物語また是非読みたいです。 
読了日:01月10日 著者:道草よもぎ
七つの魔剣が支配するII (電撃文庫)七つの魔剣が支配するII (電撃文庫)感想
学園内の事件を解決し、一目置かれる存在となったナナオとオリバー。それは励む同級生たちの矜持と野心に火を点け、一年生内でのバトルロイヤルの開催に繋がってゆく第二弾。相変わらずなナナオと身体に変化が起き始めたピート、シェラとコーンウォリスの複雑な関係、そして不穏になりつつある迷宮内。仲間たちそれぞれの事情や心境の変化、覚悟なども明らかになってきて登場人物や物語にも奥行きが出てきていますが、そんな彼らの矜持を賭けた熱い戦いがある一方で学園や迷宮を巡る不穏な動きもあったりで、急展開を迎えた結末の今後が楽しみです。
読了日:01月11日 著者:宇野 朴人
錆喰いビスコ3 都市生命体「東京」 (電撃文庫)錆喰いビスコ3 都市生命体「東京」 (電撃文庫)感想
四国・キノコ守りの里で機械人形を操るアポロの襲撃を受けたビスコたち一行。全国各地で同時多発的に都市化現象が起こり、人類が力を併せて過去に挑む第三弾。身体に変調した赤チロルが身に宿したもの、都市化を阻止すべくパウーを盟主として東京に攻め込む連合軍。かつての敵が仲間となって、そんな仲間が切り開いた先でビスコがラスボスと対峙とかいうベタで王道な総力戦で、巧みにビスコの退路を断ったパウーがヤンデレ気味で苦笑いしましたが、パワフルなキャラがいきいきと動いて勢いで読ませてしまう熱い展開は今回も健在でした。新章も期待。
読了日:01月11日 著者:瘤久保 慎司
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア11 (GA文庫)ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア11 (GA文庫)感想
ベルと異端児たちの関係に自分のありようを見失いかけたアイズ。全てを自覚した上で少女はもう一度少年に会いに行き、ロキ・ファミリアが総力を結集し人造迷宮攻略作戦に挑む外伝第十一弾。攻略のために大きな決断をしたフィン、もう一度立ち上がるため無謀な存在に挑むアイズ、そして人造迷宮攻略に臨む神々や冒険者たちそれぞれの思い。アイズは再び立ち上がれましたけど、ベルたちの苦闘の裏で繰り広げられていたもう一つの激闘があって、いくつもの思惑が絡みあった先に情け容赦のない悲劇があって、これはこれでなかなか厳しい結末でしたね…。
読了日:01月11日 著者:大森 藤ノ
天才王子の赤字国家再生術3 ~ そうだ、売国しよう ~ (GA文庫)天才王子の赤字国家再生術3 ~ そうだ、売国しよう ~ (GA文庫)感想
帝国皇女との結婚話に端を発した騒動を切り抜けたウェイン。そんな彼の下に隣国カバリヌより使者が到着し、『聖霊祭』にウェインが招待される第三弾。道中遭遇したマーデン王国の残党軍、ウェインを選聖候に推挙するカバリヌ国王の思惑、性格が破綻している他の選聖候たちにも遭遇するウェイン。西側諸国の事情に巻き込まれた難しい状況を全てぶち壊しにする思わぬ急展開があって、そんな行き当たりばったりの展開を乗り切るウェインの才覚がまた際立っていて、二転三転した先の結末はもう自業自得だから仕方ないですね(苦笑)続巻も期待してます。
読了日:01月12日 著者:鳥羽 徹
我が驍勇にふるえよ天地9 ~アレクシス帝国興隆記~ (GA文庫)我が驍勇にふるえよ天地9 ~アレクシス帝国興隆記~ (GA文庫)感想
キルクス、カトルシヴァ両皇子との緒戦は引き分けるも、アドモフと組み着実に力をつけていくレオナート。それを危惧したパリディーダ帝国の魔女・シェヘラザードがキルクスにツァーラント、ガビロンの両帝国と同盟を結び同時に攻め込んでくる第九弾。三方向からの侵攻でまずは苛烈な騎士校アルフレッド公率いるツァーラントを迎え撃つアドモフ軍。消耗戦を強いられる展開でお互いの将軍たちの存在感は際立っていて、強敵相手でも変わらないレイヴァーンのしたたかさやその信念がよく出ていました。ガビロンを相手にするレオナートの戦いも期待です。
読了日:01月12日 著者:あわむら 赤光
剣と魔法と幻想典 (GA文庫)剣と魔法と幻想典 (GA文庫)感想
幻想獣に対抗しうる「叙情魔法」を使える「紡ぎ姫」。そんな番の紡ぎ姫なしで「騎士」を目指すエルトが、魔導学園で紡ぎ姫に強く憧れる留年生・シャルルと出会うファンタジー。紡ぎ姫をかばい騎士でいられなくなった英雄の父を持ち紡ぎ姫に否定的なエルトと、叙情魔法を使えないけれど懸命なシャルル。両極端の二人が番を組むうちにお互い心境が少しずつ変わっていって二人が窮地に陥るという王道展開でしたが、苦闘する中でエルトが真相を知った末にまさかあそこまで激変するとは思いませんでした(苦笑)まさにおとぎ話の物語らしい結末でしたね。
読了日:01月13日 著者:坂井 水城
閻魔堂沙羅の推理奇譚 点と線の推理ゲーム (講談社タイガ)閻魔堂沙羅の推理奇譚 点と線の推理ゲーム (講談社タイガ)感想
頑丈なのに虚弱体質の閻魔大王三浪中のダメな兄、沙羅以外には甘いカリスマ主婦でモデルの母。そんな家族に振り回されながら今日も閻魔大王の代わりに死者相手に霊界の推理ゲームを仕掛ける第四弾。閻魔家の事情も明らかになりましたが、お約束な展開は今回も健在で、妻に逃げられたダメ親父の娘・中学生の由芽、白血病を患った妻と娘のためにヤクザから足を洗った久保が巻き込まれるエピソードは家族の絆を感じさせてくれる結末でしたけど、以前生き返った人たちのその後は上手くいった人もそうでない人もいるんですね…としみじみ。続巻も期待。
読了日:01月14日 著者:木元 哉多
お迎えに上がりました。 3: 国土交通省国土政策局幽冥推進課 (集英社文庫)お迎えに上がりました。 3: 国土交通省国土政策局幽冥推進課 (集英社文庫)感想
正規職員を目指し幽冥推進課で地縛霊を説得して回る臨時職員の夕霞。相棒の火車先輩が妖怪としての力を失い、消滅の危機が迫る第三弾。限界自治体に一人老人が残り続ける理由、倒産会社時代の同期にとり憑いた恐ろしい死神との対決。不運続きだった元同期よりはマシでも臨時職員扱いで相変わらずな夕霞の極貧ぶりが涙を誘いますが、人のため火車先輩のために奔走する夕霞の頑張りにはもう少し報いてあげてほしいですね…。火車先輩の事はホッとしましたけど、課の存在自体が危ぶまれている状況ではなかなか難しいのかな。また続巻に期待しています。
読了日:01月14日 著者:竹林 七草
猫まみれの日々: 猫小説アンソロジー (集英社オレンジ文庫)猫まみれの日々: 猫小説アンソロジー (集英社オレンジ文庫)感想
かたやま和華さんの猫専用洋裁店を訪ねてくる猫たちの交流、水島忍さんのある小料理屋の『見えるひとにしか見えない』看板猫、毛利志生子さんのイケメンで有能同期から海外出張の間、猫の世話をしてほしいと頼まれたOL、秋杜フユさんの愛猫家の店長が営むカフェに通うお嬢様の初バイト挑戦、前田珠子さんの元捨て猫と、彼女にまつわる「ありがとう」の物語が収録されたアンソロジーでしたが、毛利志生子さんや秋杜フユさんのお話はその後も含めもう少し読んでみたかったですかね。短編で終わらせてしまうにはちょっともったいかなと感じました。 
読了日:01月15日 著者:秋杜 フユ,かたやま 和華,前田 珠子,水島 忍,毛利 志生子
機械式時計王子の休日 千駄木お忍びライフ (ハルキ文庫)機械式時計王子の休日 千駄木お忍びライフ (ハルキ文庫)感想
千駄木すずらん通りで四代続くトトキ時計店。三つ子を抱える妹・桜子を手伝う母に代わり店番をすることになった十刻藤子が、スイスから来た兄弟と出会う下町ミステリ。亡き父との苦い思い出に囚われて前に進めないでいた藤子と、上の階に入居した訳ありのジャンとアキオ。時計バカな二人と屋上の時計塔を二十年ぶりに動かそうと試みたり、身の回りの出来事を時計を絡めて解決したり、気のいい彼らとのやりとりを積み重ねてゆくことで、少しずつその過去も解きほぐされ変わっていった彼女のリスタートと彼らとのほどよい距離感がとても好みでした。 
読了日:01月15日 著者:柊サナカ
わたしの幸せな結婚 (富士見L文庫)わたしの幸せな結婚 (富士見L文庫)感想
名家に生まれたものの実母を早くに亡くし、継母と義母妹に虐げられて育った美世。そんな彼女が名門だけれど冷酷無慈悲と噂の若き軍人・清霞への嫁入りを命じられる物語。義妹のように異能も発現せず、使用人のように扱われていた美世に訪れた転機。我儘放題のお嬢様に辟易していた清霞と、自信なさげだった美世が少しずつ心を通わせてゆく積み重ねがとても良かったですね。因縁ある彼女の実家とはとりあえず決着が付きましたけど、彼女の生い立ちにまつわる謎もまだ残っていて二人のその後も見たいですし、是非シリーズ化に期待したい作品です。
読了日:01月16日 著者:顎木 あくみ
京都はんなりカフェ巡り (メゾン文庫)京都はんなりカフェ巡り (メゾン文庫)感想
幼い頃から病弱で内気だったまきが、高校卒業を機にネット上で意気投合した『kento』に会うため、一大決心をして彼の住む京都に向かう物語。趣味のカフェ巡りを手がかりに顔も知らないkentoを探すまきがカフェで知り合った青年・幸生。人探しのついでに二人で一緒に回る京都カフェ巡り。実在のカフェのメニューにあるスイーツがとても美味しそうで、不器用でお互い配慮がいろいろと空回りした二人のカフェ巡りでしたけど、それでも彼女にとって人生初めての旅は貴重な経験で、諦めかけていた夢を再び目指すまきを応援したくなりました。 
読了日:01月16日 著者:柏 てん
はたらく魔王さま!20 (電撃文庫)はたらく魔王さま!20 (電撃文庫)感想
アシエスに続き姉であるアラス・ラムスにも異常が発生。娘を救うため、頑なな恵美を説得し永福町の恵美の自宅に魔王が同居することになる第二十弾。アラス・ラムスのために始まった同居と、駆け巡った情報に対する各々の反応。自分の望みを叶えるため、思惑渦巻く諸勢力を相手にサミットを開催すべく奔走する千穂。それぞれの反応になるほどなあと思いながら読みましたけど、ほんと二人の関係はどんな感じに着地するんでしょうね。千穂は今回ほんと頑張りましたけど、個人的には最後の戦いよりも人間関係がどう決着するかの方が気になります(苦笑)
読了日:01月17日 著者:和ヶ原 聡司
時間屋 想いをつなぐ祇園の時計師 (双葉文庫)時間屋 想いをつなぐ祇園の時計師 (双葉文庫)感想
父親の転勤で京都の祖父母のもとに引っ越してきた高校生の江野崎菜奈。祇園白川通りにある時計屋で時計師を目指す大学生・幸也と出会う物語。街に不慣れな彼女を何かと気にかけてくれる幸也に会ううちに、彼の特殊な能力に気づく菜奈。助手として一緒に事故を防いだり、知り合いの過去の謎を解き明かしたり、菜奈の母と幸也の父の過去を知ることになったり。ここまで縁があるなら二人の関係にもう少し踏み込んでも良かったような気もしますが、一緒にタイムリープしながら過去の悔恨を解きほぐしてゆくいくつかのエピソードは悪くなかったですね。
読了日:01月17日 著者:広瀬 未衣
おすすめ文庫王国2019おすすめ文庫王国2019感想
基本的に自分が興味を持った本を読んでいる人なので、ランキングや流行で本を手に取ったりすることはあまりないですが、自分で本を探してチェックするのには限界がありますし、視界に入らない本は意外と見落としていたりもするので、書店員の座談会的なものを含めて読み物として期待して毎年読んでいる一冊です。好みのジャンルを中心に読んでみましたが熱い想いが感じられるオススメはいいですね。今回は自分がまだ読んでいない本で意外と気になった本があったのでいろいろチェックしました。常に読みたい本をチェックしておくのは大事なことです。
読了日:01月18日 著者: 
未来の図書館、はじめます未来の図書館、はじめます感想
多くの図書館の整備・運営の支援に携わりプロデュースしてきた著者が、自らの経験に基づいて今必要とされる図書館整備の手法を惜しみなく紹介した第二弾。人口減少の状況にある各自治たちの状況を踏まえた上で公共図書館の現状に触れ、いろいろな役割を期待されるようになってきた公共図書館をどう作り上げていくのか、図書館整備のあり方について従来方法と民間と協力する方法を冷静に比較しながら紹介しています。どちらかというと図書館行政の観点から書かれた本ですが、公共図書館のあり方に興味を持っている人にはいい一冊かもしれないですね。
読了日:01月18日 著者:岡本 真
revisions リヴィジョンズ 1 (ハヤカワ文庫JA)revisions リヴィジョンズ 1 (ハヤカワ文庫JA)感想
幼い頃、仲間たちとともに誘拐事件に巻き込まれた自分を救ってくれた謎の女性・ミロの言葉を信じて生きてきた大介。高校二年になって、突如渋谷の街ごと300年以上先の時代へ転送されるSFアニメのノベライズ。パンデミックで荒廃した300年以上先の未来が舞台で、人類を救うためにミロのいるアーヴとリヴィジョンズという組織が対立する中、翻弄される渋谷民たち。人型機動兵器に乗って戦う主人公・大介の英雄気取りの自意識過剰が痛いですが、仲間たちと一緒に戦う現実の中で少しは意識も変わりましたかね…続編も読んでみようと思います。 
読了日:01月18日 著者:木村航,原作=S・F・S
アサシンズプライド9 暗殺教師と真陽戴冠 (ファンタジア文庫)アサシンズプライド9 暗殺教師と真陽戴冠 (ファンタジア文庫)感想
ランカンスロープとの融和を目指す王爵セルジュの結婚式。崩壊寸前のフランドールを救うためにセルジュ暗殺を狙うクーファが、ヴァンパイアの姿でこの集いに紛れ込む第九弾。利害の一致でワーウルフ族のボス・マッド・ゴールドと手を組んだクーファ、サラシャ救出のため飛空挺に潜入したメリダ、街の人々を救うために戦うロゼッティとエリーゼ。明らかになってゆくいくつもの複雑な事情と想いの末に進む展開と、それぞれの戦いの決着にはほろ苦さもありましたが、メリダとその友人たちの成長をクーファと共にもう少し見守りたいと思えた結末でした。
読了日:01月19日 著者:天城ケイ
ロクでなし魔術講師と追想日誌4 (ファンタジア文庫)ロクでなし魔術講師と追想日誌4 (ファンタジア文庫)感想
リィエルの知られざる日常やグレンの隠し子騒動、病弱な医務室の女神セシリアさん、洞窟探索の授業を利用して丸儲けしようとするグレン、そしてアルベイトの過去が綴られる短編集四弾。コミカルな展開になるとより活きるリィエルに白猫とルミアが振り回されたり、グレンが生徒たちにかまけてセリカを放置すると拗ねてハイスペックを無駄に駆使し、とんでもないことをいろいろ企みだして楽しかったです。セシリアさんの母エピソードやアルベルトの過去エピソードも印象的でしたが、これが本編に繋がってこれからどうなるのかちょっと気になりました。
読了日:01月19日 著者:羊太郎
撃ち抜かれた戦場は、そこで消えていろ ―弾丸魔法とゴースト・プログラム― (ファンタジア文庫)撃ち抜かれた戦場は、そこで消えていろ ―弾丸魔法とゴースト・プログラム― (ファンタジア文庫)感想
機甲車と弾丸魔法による凄絶な戦争が続く世界。戦いの中で亡霊を名乗る少女・エアと出会い、被弾者の存在・功績を消滅させる悪魔の弾丸を入手した学生兵・レインが、戦争を終わらせようと立ち上がるミリタリックファンタジー。授けられた弾丸を使って世界を再編していくレイン、謎めいたエアの過去と亡霊を巡る因縁。レインの学生らしい生活と背中合わせの容赦ない戦争の凄惨さがうまく描かれていて、因縁の決着をつけるために戦う二人の間で育まれてゆく絆が印象的でしたが、最後の気になるエピソードが何をもたらすのか続巻に期待ということで。 
読了日:01月20日 著者:上川 景
食べないお嬢と魔術学園の料理番 (ファンタジア文庫)食べないお嬢と魔術学園の料理番 (ファンタジア文庫)感想
魔術よりも美味い食堂の料理が話題の王立魔術学園のスゴ腕料理番カイル。彼を敵視する生徒会長レクティアが魔術組織に襲われ、カイルが立ち上がる学園バトルファンジー。学園の状況を危惧するレクティアが抱える特殊事情と、美味しく食べてくれるみんなの笑顔のために奮闘するカイル。最初はツンデレチョロインとのグルメものかと思いましたが、ワケあり料理番が辛い過去を抱える少女の笑顔を取り戻すために包丁や魔術を組み合わせて敵と戦う王道展開で、いい感じに結末をまとめつつも続編あるならまた読んでみたくなるポテンシャルはありました。
読了日:01月20日 著者:駿河 ゲンゾウ
ヒトよ、最弱なる牙を以て世界を灯す剣となれ2 グラファリア叙事詩 (ファンタジア文庫)ヒトよ、最弱なる牙を以て世界を灯す剣となれ2 グラファリア叙事詩 (ファンタジア文庫)感想
痛みを伴う策でリンカーフォルを押さえたジノたち。フェザーミルの進軍を叩き潰すべく、偽大公・ワーテイスは要塞兵器『浮遊城』を起動。雌雄を賭けて対決する第二弾。新領地を加え増兵へ着々と手を打ちつつ、ワーテイスとの直接対決に向けて鍵を握るシルバーキープへ目を向けるジノ。相手の心理も読み切って着実に手を打っていくものの、要所で辺境姫・ヘネシーの存在が効いていて、でも内乱から戴冠までの展開はわりとあっさりめでしたかね。お互い惹かれながら緊張感も失わない二人の関係もいいけど魅力的なキャラも多いので続巻で活躍を期待。 
読了日:01月21日 著者:上総 朋大
カトリングガール: 虫好きな女子って変ですか? (光文社キャラ文庫)カトリングガール: 虫好きな女子って変ですか? (光文社キャラ文庫)感想
可愛いもの好きで虫嫌いの新人東京都職員の三好幸紀。出向することになった国立感染症研究所の研修で、見た目美少女なのに虫が大好きな昆虫学者・香取理緒の指導を受けることになる物語。人付き合いが苦手で虫大好きな理緒に戸惑いながらも、時折無防備な姿にドキドキしたり、研修で一緒に公園調査に行ったりする二人。正反対で一緒にいることにぎこちなかった二人が、殺傷力の高い鳥マラリアに脅かされるペンギンを救うために奔走するうちに、共感できる理解者を見つけたようなもう少し時間がかかりそうな、もどかしい距離感が微笑ましかったです。
読了日:01月21日 著者:餅月 望
世界で一番かわいそうな私たち 第一幕 (講談社タイガ)世界で一番かわいそうな私たち 第一幕 (講談社タイガ)感想
戦後最大の未解決事件「瀬戸内バスジャック事件」に巻き込まれたあの夏から声を失った三好詠葉。舞原杏が教壇に立つフリースクールで学ぶ彼女が教師・佐伯道成と出会う物語。事件に振り回され、居場所と声を失ってしまった詠葉が巡り合った一冊の小説とフリースクール。そこで教師として働くことになった佐伯。不器用で不確かな詠葉の想いと、生徒と真摯に向き合って何とかしようと奔走する佐伯。正解なんてない生徒と向き合うことの難しさを痛感する展開でしたけど、最後の急展開からどんな物語が紡がれてゆくのか、続巻に期待の新シリーズですね。
読了日:01月22日 著者:綾崎 隼
神様のスイッチ (講談社タイガ)神様のスイッチ (講談社タイガ)感想
同棲相手との未来に迷うフリーター、街を警らする女性警察官、親友の彼女に横恋慕する大学生小説家、駆け出しやくざ、八方美人の会社員。神様が押した偶然という名の奇跡のスイッチによって繋がってゆく一夜限りの物語。年齢も生い立ちも違う五人それぞれの視点から始まるストーリーで、最初は頻繁に視点が切り替わる展開に困惑しましたが、話が進んでゆくごとに明らかになってゆく登場人物たちの意外な接点があって、それらが交差するたびに起きる変化を巧みに活かしつつ、それぞれのエピソードにもたらされた結末には心地よい読後感がありました。
読了日:01月22日 著者:藤石 波矢
三ノ池植物園標本室 上 眠る草原 (ちくま文庫)三ノ池植物園標本室 上 眠る草原 (ちくま文庫)感想
職場で心身をすり減らし会社を辞めた風里。散策の途中で見つけた古い一軒家に住むことになった彼女が、近くの三ノ池植物園標本室でバイトを始める物語。導かれるように見つけた家と標本室での植物の標本作りの仕事、苫教授たちやイラストレーターの日下さん、編集者の並木さんたちとの出会い、おぼろげながらに見えてくる特技の刺繍を活かす道。しっくりと来る仕事とかけがえのない人たちに出会い、刺激を受け自分の居場所を得てゆく彼女と、書道家の娘・葉の揺れる想いが描かれるもうひとつの物語がどう絡んでゆくのか後編が気になる展開でした。 
読了日:01月23日 著者:ほしお さなえ
三ノ池植物園標本室 下 睡蓮の椅子 (ちくま文庫)三ノ池植物園標本室 下 睡蓮の椅子 (ちくま文庫)感想
風里が暮らす古い一軒家に眠る悲しい記憶。高名な書家・村上紀重とその娘・葉、葉と恋仲になる若き天才建築家・古澤響、過去の出来事が浮かびあがるうち風里にも新たな試練が訪れる下巻。父と娘であると同時に師弟関係でもあった紀重と葉の複雑な親子関係。紀重が倒れたことをきっかけに病んでいく葉とその恋人・響の関係。いろいろと過去が明らかになってゆく中で意外な繋がりがあることも見えてきて、転機を迎えて悩みながらも前向きに生きようとする決意する風里が、届かなかった想いを繋げて未来を切り開いてゆく結末はなかなか良かったですね。
読了日:01月23日 著者:ほしお さなえ
会社を綴る人会社を綴る人感想
何をやってもうまくできない紙屋が家族のコネを使って就職した老舗の製粉会社。仕事のできなさに何もしないでくれと言われる彼が唯一の特技・文を書くことを活かして自分にできることを探し始めるお仕事小説。インフルエンザ告知や提案資料、社内報コラムの代筆、議事録などに文章を書くことにはこだわりを持って取り込む紙屋と、そんな彼をライバル視してブログに書いたり、意地悪してくるお互い素直になれない榮倉さんとのやりとりにはじわじわと来るものがありましたが、急展開にも矜持は失わない彼のありようにはうるっと来るものがありました。
読了日:01月24日 著者:朱野 帰子
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員V」本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員V」感想
エーレンフェストの下町を美しい街へと生まれ変わらせたローゼマインは、他領への影響力を強めるためさらなる発展を目指す第四部第五弾。今回は領内で進める印刷業視察や染め物コンペの開催による職人の発掘、兄の結婚と領内の派閥にまわつわるあれこれと貴族院二年生に向けた準備回といったところですか。貴族の考え方の違いや領内の派閥争いに立場的な難しさを感じながらも、それでも精力的に道を切り開いていくローゼマインの姿が印象的でした。ほんと彼は鈍いなと苦笑いでしたけど、フィリーネが希望の光になることを願って止まないです(苦笑)
読了日:01月24日 著者:香月美夜
(P[ふ]5-1)世界の端から、歩き出す (ポプラ文庫ピュアフル)(P[ふ]5-1)世界の端から、歩き出す (ポプラ文庫ピュアフル)感想
就職も決まった短大二回生の秋。篠崎千晴は叔母からずっと存在を知らされていなかった叔父を紹介され、その出会いから人生が変わってゆく再生の物語。両親の不仲に振り回され実家にも帰らなくなっていた千晴が出会った叔父・シン。彼とその彼女・レイコと共に過ごすうちに癒やされてゆく千晴の心境の変化があって、彼女との出会いがシンにとってもありようを変えるきっかけとなって、どこか似た者同士だった二人がそれぞれ迎える転機と、そのかけがえのない絆を信じられるからこそお互いが前に進むきっかけへと繋がってゆくとても素敵な物語でした。
読了日:01月25日 著者:富良野 馨
七姫物語 東和国秘抄 ~四季姫語り、言紡ぎの空~ (メディアワークス文庫)七姫物語 東和国秘抄 ~四季姫語り、言紡ぎの空~ (メディアワークス文庫)感想
七つの都市が先王の隠し子と呼ばれる姫君を擁立し、国家統一を目指して割拠する大陸の片隅で、テン・フオウ将軍とその軍師トエル・タウに担ぎ出された少女カラスミが七宮カセンの姫として自らの運命に向き合うオリエンタルファンタジー。七宮の姫としてトエとテンの側にいられる幸せを噛みしめるカラスミと、そんな日々を脅かす三宮・四宮のカセン侵攻。七人の姫たちはそれぞれ背負うものがあって、困難に逃げずに向き合う12歳の少女・カラスミの成長と二人の絆、そして七宮を巡る情勢がこれからどうなってゆくのか、続巻に期待のシリーズですね。
読了日:01月25日 著者:高野 和
チョコレート・リジェネレーション (メディアワークス文庫)チョコレート・リジェネレーション (メディアワークス文庫)感想
美貌とスタイルを持ちながら刹那的な生き方をするOL恵里子。そんな彼女が頼りなくも一途に思ってくれるワンコ系オタク男子・小霞と出会う恋と再生の物語。今回は千紗の親友・恵里子が主人公で、素敵で優秀なのにクズな両親たちの呪縛で投げやりにしか生きられない彼女に切なくなりましたけど、もっと前向きに生きるよう叱咤激励してくれた恵里子を意識するようになって、オタクだけど真摯に向き合ってくれる小霞の心意気に、恵里子だけでなく自分も救われる思いでした。それにしても千紗たちは相変わらずというか、お似合いの二人ですよね(苦笑)
読了日:01月25日 著者:星奏 なつめ
ある日突然オタクの夫が亡くなったら? 身近な人が亡くなった時にやるべきこと、起こることある日突然オタクの夫が亡くなったら? 身近な人が亡くなった時にやるべきこと、起こること感想
40代のオタクな夫を突然死で亡くし、幼い2人の子を抱えて途方に暮れた著者が、直面する煩雑な手続きの数々や理不尽な実体験の出来事を綴った一冊。40代が年間に亡くなるのは1000人に2~3人程度なのだそうですが、身近な人が亡くなった時にすべき手続きがわかりやすく解説されていました。残された家族はほんと大変なんだなとしみじみ実感しましたが、うちもお金の管理やら契約などはほとんど自分がやっているのでいろいろ考えましたし、こういう実体験を読むとちゃんと規則正しい生活して健康に過ごさないといけないなと改めて感じます。
読了日:01月26日 著者:こさささこ
炎の姫と戦国の聖女 (講談社X文庫)炎の姫と戦国の聖女 (講談社X文庫)感想
晴姫のために最上の駒姫を救おうと実父・秀吉と対面を果たす千寿。何とも複雑な思いを抱える彼女が、実母・カテリナを利用する南蛮貿易商人・大野木双悦の陰謀に巻き込まれてゆく第二弾。仇として狙っていた実父秀吉に対する複雑な思いの変化と、運命に導かれるように生きていたカテリナと再会する千寿。大野木の陰謀が明らかになっていく中でカテリナから娘同然に扱われていたお紋と千寿とのらしい関係も絡めつつ、自分ではどうにもならない運命に翻弄されながら、自分の意思で生きようとする戦国の女たちのありようが読んでいて心地良かったです。
読了日:01月26日 著者:中村 ふみ,アオジ マイコ
まぁちんぐ! 吹部!#2まぁちんぐ! 吹部!#2感想
新学期を迎えさらなる飛躍を目指すはずの浅高吹部が、新副顧問・嘉門先生の介入で突如マーチングに挑戦することに。ミタセンとは対立して座奏組VSマーチング組の構図が生まれてしまう第二弾。強引にマーチング挑戦を進める嘉門先生と反感を抱くミタセンに振り回され、部員まで好き勝手しだして、調整役の部長・沙耶が奔走していたから今まで何とかなっていたのに、彼女が限界迎えて機能しなくなるまで気づかないのは流石に…最終的にマーチングに向け一体感も生まれて盛り上がったけど、座奏とか西大事との関係も中途半端で続巻あるんですかね? 
読了日:01月27日 著者:赤澤 竜也
異世界温泉郷 あやかし湯屋の嫁御寮 (集英社オレンジ文庫)異世界温泉郷 あやかし湯屋の嫁御寮 (集英社オレンジ文庫)感想
いつのまにか狗神と結婚させられてしまった天涯孤独の凛子が、元の世界に戻るには手切れ金を貯めて離縁しなければならないと言われ、夫である狗神・京之介が営む湯屋で下働きを始める異類婚姻譚。正直設定に既視感はありましたけど、状況に反発しつつ京之介と関係を構築していったり、持ち前の相手を想う優しい気持ちや現世で身につけた薬草の知識を活かして湯屋の中に居場所を見つけていくのかなと思えた展開に思えただけに今回の結末はやや意外でした。友人も今後関わってくるのか、まだまだ明かされていないことも多くてとりあえず続刊に期待で。
読了日:01月28日 著者:高山 ちあき
やがてはるか空をつなぐ (ファミ通文庫)やがてはるか空をつなぐ (ファミ通文庫)感想
高校の物理部でバルーン実験に勤しむロケットオタクの青桐七海、プログラマー山花俊、天真爛漫な後輩・町田佐奈。実験の当日、彼らが近くの高校に通う赤森遙と出会う青春小説。ロケットを打ち上げることに執着する七海が抱える悔恨、遙がロケットを打ち上げたい理由、そして後輩・佐奈や七海の予備校の友人・柊、そして俊のそれぞれの想い。それぞれに悔やみきれない苦い過去があって、ままならない複雑な事情も交錯する狂おしいまでの真摯な想いがあって。それでも彼らが勇気を出してぶつかりあった先にあった結末にはぐっと来るものがありました。
読了日:01月28日 著者:山之 臨
異世界居酒屋「のぶ」五杯目 (宝島社文庫)異世界居酒屋「のぶ」五杯目 (宝島社文庫)感想
秋の深まってきた古都。お疲れ気味の参事会議長、幼馴染みを連れてきた宿屋店員の青年、食には興味がないという衛兵、そしてスランプに陥っている〈四翼の獅子〉亭の副料理長と、今回も様々なお客が居酒屋「のぶ」を訪れる第五弾。今回は転機に悩む登場人物たちが、のぶで出された料理を食べて下した決断。成熟した経験豊富な大人でも上手くいかないことはあるし、これでいいのかと悩むこともある。それは大将ですらも例外ではなくて、でも真摯に向き合ったからこそその末に導き出された結論は尊いと思いました。料理は相変わらず美味しそうでしたw
読了日:01月28日 著者:蝉川 夏哉
たとえば、君という裏切り (祥伝社文庫)たとえば、君という裏切り (祥伝社文庫)感想
病に冒されたベストセラー作家に最期のインタビューをするしがないライター、アルバイト先の常連の女子大生に恋をする大学生、公園で出会ったお姉さんから遠い国のお話を聞くのを楽しみにする少女の複雑な思い。抱いていた憧憬が複雑に変化してゆく様子が描かれる中編三作品で構成される本作ですが、読んでいくとそれぞれのエピソードには示唆するような発見があって、そこにはいつも誰かを想うその人がいて、真相としてはこんな感じなのかなと思いかけたところに用意された結末で、自分が思ってもみなかった純愛と裏切りの意味に気付かされました。
読了日:01月29日 著者:佐藤青南
Unnamed Memory I 青き月の魔女と呪われし王 (DENGEKI)Unnamed Memory I 青き月の魔女と呪われし王 (DENGEKI)感想
幼い頃に受けた『子孫を残せない呪い』を解呪するため、強国ファルサスの王太子・オスカーが試練を乗り越えたものに望みのものを与える魔女・ティナーシャの塔に挑むファンタジー。解呪が容易でなく呪いに負けない女であればいい、という状況で目の前に好物件がいたことに気づき求婚するオスカー(苦笑)わりとシリアスな展開ですが繰り返される二人のやりとりが微笑ましくて、感化されつつも容易には頷きそうもない孤高の魔女・ティナーシャが、どんどん強くなってゆく諦めが悪そうなオスカー相手にどこまで頑張れるのか、続巻が今から楽しみです。
読了日:01月29日 著者:古宮 九時
今日は天気がいいので上司を撲殺しようと思います (集英社オレンジ文庫)今日は天気がいいので上司を撲殺しようと思います (集英社オレンジ文庫)感想
些細なきっかけから直属の上司の執拗な嫌がらせを受け疲弊してゆく玲美、上司の主任に不当に厳しく扱われる正社員を目指す契約社員2年目の麻里子、妊娠で異動した奈々が直面するコネをタテに傍若無人に振る舞う豚上司。癖のある上司に目をつけられてしまい、理不尽に追い詰められて余裕を失ってゆく彼女たちの心理描写がリアルで辛かったですが、そんな彼女たちが遭遇する不可思議な出来事と、横暴な上司たちが迎えた因果応報ともいえるどこかホラーじみた結末には薄ら寒さも感じたものの、それでも彼女たちが救いを感じられる結末で良かったです。
読了日:01月30日 著者:夕鷺 かのう,くろのくろ
マージナル・オペレーション改 06 (星海社FICTIONS)マージナル・オペレーション改 06 (星海社FICTIONS)感想
友人を殺し戦には勝ったものの、結果としてミャンマー政府の大幅な戦線縮小と広大な無法地帯の出現を招いてしまったアラタたち。突如出現した政治的空白地帯に諸国の思惑が複雑に絡み合う第六弾。日本の国益に折り合いをつけながらではあるものの、有能なイトウさんがすっかり参謀役に定着した感もありますが、各国の思惑が入り乱れる状況で情報を得て立ち回る難しさを感じさせつつ、ついに登場した新兵器・自動歩兵まめたんみたいな兵器は今後戦術的にどう活かされていくんでしょうかね。危機的状況ほど冴えわたるアラタの知略に期待ということで。
読了日:01月30日 著者:芝村 裕吏,しずま よしのり
子守り男子の日向くんは帰宅が早い。 (角川スニーカー文庫)子守り男子の日向くんは帰宅が早い。 (角川スニーカー文庫)感想
両親が共働きで5歳の妹・蕾のために日々を過ごす子守リ男子・新垣日向。そんな彼が偶然クラスメイトの芹沢悠里とスーパーで出会ったことをきっかけに、その高校生活が変わってゆく青春小説。蕾の可愛らしさに魅せられ、日向を意識するようになってゆく悠里。そんな二人を面白がる悠里の親友・唯やヒロインたちに振り回される日向の親友・雅も関わるようになって、疎遠になっていた後輩・日和との再会もあって。物語としてはまだまだこれからな感もありますが、変わり始めた日向の高校生活がどうなってゆくのか、今後に期待大の新シリーズですね。 
読了日:01月31日 著者:双葉三葉
ナイトメアはもう見ない 夢視捜査官と顔のない男 (集英社オレンジ文庫)ナイトメアはもう見ない 夢視捜査官と顔のない男 (集英社オレンジ文庫)感想
遺体に触れると死の瞬間を追体験できる「夢視者」の能力で事件を解決に導く特殊捜査官・笹川硝子。意味深な言葉を残して突如失踪した先輩捜査官の行方を追ううちに意外な事実が明らかになってゆく物語。失踪を追う中で明らかになってゆく、硝子が生まれ育った研究所の火災で人生が変わってしまった人々、夢視捜査の際に使用される薬品を巡る疑惑。捜査線上に硝子と親しい関係者が次々と浮上する難しい状況で、それでもきちんと向き合おうとした彼女が辿り着いた結末は何ともほろ苦かったですが、硝子に希望も垣間見える最後には救われる思いでした。
読了日:01月31日 著者:水守 糸子,星野 桂
ナヅルとハルヒヤ 花は煙る、鳥は鳴かない (集英社オレンジ文庫)ナヅルとハルヒヤ 花は煙る、鳥は鳴かない (集英社オレンジ文庫)感想
花煙師について街を出たナヅル。不在中に花煙師の出入りを禁止することが決まったマキヨノで、仕事も愛する女性も得て安定した生活を送るハルヒヤが花煙師になっていたナヅルが十年ぶりに再会する幻想抒情譚。少女・ヤヒナとともに街に戻ってきたナヅルの目的。恋人のアヤリとともに二人を世話しようとするハルヒヤ。お互い大切なのに言葉足らずで、なかなか上手く伝わらずすれ違う想いがもどかしかったですが、それぞれに譲れない生き方があって、複雑に絡んだ因縁に決着をつけるべく苑主の元に向かうナヅルのありようがとても印象的な物語でした。
読了日:01月31日 著者:乃村 波緒,あき
最強魔法師の隠遁計画 8 (HJ文庫)最強魔法師の隠遁計画 8 (HJ文庫)感想
最凶最悪「悪食」討伐を終え、ようやく学院での日常を取り戻したアルス。迎えた学園祭イベント「模擬試合」の場に恐るべき乱入者が現れる第八弾。今回は学園祭回で謎めいた入学希望者の美少女・ノワールの突然のアルス訪問だったり、隙間時間を使ってぐいぐい攻めるフェリネラが頑張ったりする中で突如現れた強敵・ミナリス。しかしもはや時間の問題だった感もあったとはいえこんな形で身バレするとは(苦笑)アルスに対する周囲の扱いが今後どう変わるのかは気になるところですが、今回登場した彼女がこれからどう関わってくるのかも続巻に期待。 
読了日:01月31日 著者:イズシロ

読書メーター