読書する日々と備忘録

主に読んだ本の紹介や出版関係のことなどについて書いています

「このライトノベルがすごい!2019」にこの作品を投票します!

今年も毎年恒例となっている「このライトノベルがすごい!2019」のアンケートが今週から始まりましたね。今回も対象期間に発売されたタイトルの中から、毎回5作品は少ないなあ…と悩みつつも何とかセレクトしました。各作品のコメントはまだ書けていないので、それ考えてから投票します(ぇ

今回の対象文庫シリーズをざっと眺めてみましたが、対象シリーズ694のうち自分が読めているのは226シリーズ、比率にして32.6%程度でした。発売月が被り過ぎて手を出せなかったタイトルも結構あったりするので、時々分散してくれればいいのにとか、もう少し読めればいいのになと感じることもありますが、これだけ点数が出ている状況を考えると予算・時間・場所といった現実的な制約もあるので、自分ができる範囲で読めているのかなとは思っています。

 

今回投票対象として選んだのは以下の5点です。好きなタイトルを上から選んでいくとまた違ったタイトルになるのかもしれませんが、こういったものは新作から選んでなんぼだと思っているので、該当期間中に刊行されて読んだ作品のうち、今後に期待したい新シリーズ・印象的なタイトル5作品を選びました。

彼女のL ~嘘つきたちの攻防戦~ (ファミ通文庫)

彼女のL ~嘘つきたちの攻防戦~ (ファミ通文庫)

 

 嘘がわかる特異体質を持つ遠藤正樹。そんな彼が気になる決して嘘をつかない川端小百合と常に振りまく学校のアイドル佐倉成美、死んだ共通の友人を巡る願いと嘘と恋が交錯する青春ミステリ。「彼女は殺された」という川端と「彼女を追い詰めたのは私」とうそぶく佐倉。ともに過ごす時間が増えてゆく中で正樹にだけ見せる彼女たちの素顔と、正樹と父親の関係。新事実が明らかになってゆくたびにガラリと変わってゆく構図。彼女たちがついた嘘は切なくも優しくて、真実に向き合ったからこそ見えたその想いとはっとするような結末はとても印象的でした。

三角の距離は限りないゼロ (電撃文庫)

三角の距離は限りないゼロ (電撃文庫)

 

 過去の苦い経験から「偽りの自分」を演じてしまう高校生・矢野四季が、印象的な出会いを果たした物静かな転校生・水瀬秋玻に惹かれ、彼女ともうひとりの人格・春珂を支えるようになってゆく不思議な恋物語。しっかりものの秋玻と対照的な危なっかしい印象の春珂。状況的に春珂をフォローすることが多い四季と二人を見つめる秋玻の繊細な距離感がまた絶妙で、大切な存在なのにすれ違ってしまうやるせなさだったり、ごまかさずにきちんと想いをぶつけてゆく彼らの青春がとても良かったですね。終盤は挿絵の使い方も効いていて続巻が今から楽しみです。

 古の魔王が再臨する絶望の未来を変えるため「アレンヘムの聖女」セシリアと婚約し、傭兵団「狂嗤の団」団長となる道を選んだカレル。聖女の加護を受け死の未来を回避する英雄として奮闘するファンタジー戦記。二年後の魔王再臨を限られた人しか知らない中で、代替わりした王国や戦争を仕掛けてきた自治領相手にどう立ち回るのか。腕が立って商才があり現実的な手段を積み重ねるカレルだけでなく、ヒロインのセシリアや仲間たち、王国の登場人物たちもまた魅力的なキャラが多くて、ここから物語がどう動くのか続巻がとても楽しみな新シリーズですね。

6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。 (角川スニーカー文庫)

6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。 (角川スニーカー文庫)

 

 人間関係に焦燥を募らせる優等生香衣。サッカー部のエースで香衣が気になる隆生。香衣に一目惚れした不良・龍輝。付かず離れずの距離で香衣の友人を演じるセリカ。それぞれの視点から綴られる出会いと別れの物語。中学時代一緒に勉強して同じ高校に合格したのに、いつの間にか距離ができてしまった香衣と隆生。その関係を起点に描かれてゆく読んでいる方がもどかしくなるような青春群像劇は、前作とはまたガラリと違う読みやすさと繊細さが感じられて、こういう作品も書けるのかとビックリしました。こういう王道の青春小説をまた読んでみたいです。

病床の国王に代わり摂政として弱小国家を背負うことになった若き王子ウェイン。文武に秀で臣下からの信頼も厚い彼が、絶望的な状況から密かに売国を志す弱小国家運営譚。状況を正しく認識して先を見通せるからこそ絶望を感じるウェイン。上手く終わらせるための手を打つのに、それがなぜか効果的な一手に繋がる皮肉な状況の変化や展開の連続でしたけど、ウェインが彼なりに最善へ真摯に取り組んだ結果だからこそ納得感がありました。補佐官のニニムに対する想いも気になる彼にいつか心境の変化はあるのか、どこまでやれるのか続巻が楽しみですね。

 

以上5点です。単行本も投票予定ですが、読んでいる冊数は文庫と比べるべくもないレベルなので今回省略しますが、一点だけ紹介しておきます。

インスタント・メサイアI (オーバーラップノベルス)

インスタント・メサイアI (オーバーラップノベルス)

 

 愛する家族や隣人を魔族に殺されたナイン。村が全滅する中で一人生き延びた彼が、十年の時を経て家族の仇であるはずの魔族の王に配下たることを跪いて乞い願い、密かに復讐の機会を伺うダークファンタジー。歪な笑顔で一部には危険視されながらも、因縁ある魔王クリステラやその妹、そして警戒する配下たちの関心を引きながら少しずつ籠絡し取り込んでいく展開は、一見卑屈で人として無害な存在と思わせつつ、実はかなり壊れていて狂気の愛に溢れるナインの存在感が光っていました。この先にあるのは愛か破滅か、続巻に期待したいシリーズですね。

 

ちなみにイラストレーターに関しては、今回イラストが作品に大きな影響を与えるだけの破壊力があったように感じた下の3点に入れました。

僕のカノジョ先生 (MF文庫J)

僕のカノジョ先生 (MF文庫J)

 
三角の距離は限りないゼロ (電撃文庫)

三角の距離は限りないゼロ (電撃文庫)

 

 正直著者買いするような作品はともかく、どうしようかなと思うような作品を選んでいく過程で、第一印象のインパクトを決めるイラストの影響は大きいですね…。

 

 

今回の「このライトノベルがすごい!2019」の締切は9月24日(日)です。

皆さんも是非自分が凄いと思ったタイトルはこれだ!という作品を投票しましょう。