読書する日々と備忘録

主に読んだ本の紹介や出版関係のことなどについて書いています

11月に読んだ本 #読書メーターより

今月は全体で95冊、書籍のみでは61冊と忙しくて体調もずっと良くなかったことを考えるとまずまず読めました。例によってマンガまで含めると文字数オーバーとなるので今回も書籍のみの一覧です。新シリーズ・続刊含めてなかなか豊作の一ヶ月で、いつもこれくらい充実しているといいなとはしみじみと実感するところです。
 
11月の読書メーター
読んだ本の数:95
読んだページ数:23982
ナイス数:5937

この素晴らしい世界に祝福を!13 リッチーへの挑戦状 (角川スニーカー文庫)この素晴らしい世界に祝福を!13 リッチーへの挑戦状 (角川スニーカー文庫)感想
ストーカーに逃げ惑い朝帰りをかましたウィズがバニルやカズマに相談。どこか噛み合わないようにも見える話し合いの中で大いなる勘違いが始まる第十三弾。ダクネスがことあるごとにエロ担当&振られ役扱いでいじられたり、トドメをさすめぐみんだけさりげなくレベルが上がっている状況には苦笑いでしたけど、何よりストーカーとのどこか噛み合わないやりとりに周囲は首を傾げつつも、愛の告白と真摯に受け止めて戸惑うらしくないウィズは乙女な感じで可愛かったです(その分反動も凄かったですけどw)次はまた紅魔族ネタですか。どうなることやら。
読了日:11月30日 著者:暁 なつめ
絶対彼女作らせるガール! (MF文庫J)絶対彼女作らせるガール! (MF文庫J)感想
目立たず冴えない自称幽霊の大地は、憧れの生徒会長・獅子神玲花の雑務を手伝うために生徒会室に通う日々。ある日偶然必勝の女神・白星絵馬の秘密に触れ、絵馬が大地の恋愛を全力応援し始める青春ラブコメ。絵馬に巻き込まれた彼女の友人・猪熊みりあと鷹見エレナに指導を受けて始まる大地のモテ改革。天然で暴走気味の絵馬が抱える秘密と、知ってしまった玲花の想い。いかにもありそうな揺れる心情を繊細に描きつつ、テンポが良く進む展開はぐいぐい読ませるパワーもあって、なかなか面白いラブコメになってきたと思いました。これは続巻に期待。 
読了日:11月30日 著者:まほろ勇太
いつかのクリスマスの日、きみは時の果てに消えて (ファミ通文庫)いつかのクリスマスの日、きみは時の果てに消えて (ファミ通文庫)感想
五年前の大災害をきっかけに、不思議生物ニムエが体内に棲んでいる悠太。同じようにニムエを飼っていた同級生恵と出会い、二人で過去の大災厄回避と亡くなった恵の幼馴染・玖瑠美の救出を目指す物語。ニムエをきっかけに急速に距離を縮める二人の微笑ましい関係。ニムエを使い過去に戻る方法を発見して始まった計画の成果と思ってもみなかった大きな代償。それまでの展開を考えると悠太に突きつけられた運命の選択肢はあまりにも絶望的なものでしたけど、それでも諦めなかった彼らの機転と覚悟で乗り越え再構築されてゆく結末はとても良かったです。
読了日:11月29日 著者:瀬尾 つかさ
赫光の護法枢機卿2 (ファミ通文庫)赫光の護法枢機卿2 (ファミ通文庫)感想
アルゾラに与えられた極秘聖務はとある小国レンドシャールへの潜入捜査。キュリアロスとともに動き出すも潜入初日にいきなり兵士に捕まってしまう第二弾。レンドシャールが密かに進める禁忌の実験を潜入捜査で目の当たりにするアルゾラたち。出身地へ派遣された枢機卿・ウニカが母国に抱く複雑な想い。相変わらずに見える実力はあっても口が悪いキュリアロスとドジっ子なアルゾラの関係にも変化の兆しがあって、それぞれ背景を抱えるクールな枢機卿ヒロインたちはカッコ良くて、著者さんらしい展開や世界観がとても良かったですね。続巻にも期待。 
読了日:11月29日 著者:嬉野 秋彦
もってけ屋敷と僕の読書日記もってけ屋敷と僕の読書日記感想
尾道に暮らす中学2年の鈴川有季が、100円玉を投入すると老人・七曲が大量の本を押し付けてくる奇妙な自動販売機に遭遇して始まる友情と恋と家族の物語。本に埋もれた屋敷を終活整理するため本を手放そうとする七曲、小学校時代の同級生・翔矢、広島から引っ越してきた保育士・ひかり。紹介された本を絡めた4つのエピソードがあって、悩みや複雑な想いを抱えた彼らが本の自販機をきっかけにゆるく繋がるようになってゆく展開でしたけど、傷ついた時に自分のことを心配し奔走してくれる存在の大切さを改めて感じさせてくれた心温まる物語でした。
読了日:11月28日 著者:三川 みり
内通と破滅と僕の恋人 珈琲店ブラックスノウのサイバー事件簿 (集英社文庫 い 72-3)内通と破滅と僕の恋人 珈琲店ブラックスノウのサイバー事件簿 (集英社文庫 い 72-3)感想
同級生の不思議美少女・霧香と付き合い始めたばかりの大学生の凪が訪れた路地裏の珈琲店ブラックスノウ。店を手伝うことになった凪が霧香とともに様々なサイバー犯罪に触れてゆくサイバーサスペンス。凪たちが店に通う過程で明らかになってゆく実はサイバーセキュリティに精通しているマスターと、その彼を恨み大規模な犯罪を企む美青年・凌の因縁。最初に存在が示唆されてたびたび登場する凌と通じる内通者Aの正体が気になっていましたが、丁寧に展開を積み重ねていった末の少しばかりほろ苦い結末に、著者さんらしさがよく出ていたと思いました。
読了日:11月28日 著者:一田 和樹
小説家・裏雅の気ままな探偵稼業 (オレンジ文庫)小説家・裏雅の気ままな探偵稼業 (オレンジ文庫)感想
売れない小説家・裏雅がひそかに観察を続ける、彼を「雅兄様」と慕う春宮伯爵家令嬢茉莉子。彼女の周囲で起こる謎を雅が解決する浪漫ホラーミステリ。幽霊に取り憑かれて自殺した同級生、茉莉子に執着する幼馴染、引きこもってしまった少女が抱える秘密。大正浪漫的な雰囲気を舞台に、感情が欠落した少女と物書き探偵が遭遇する同級生たちの闇を描いた連作短編で、愛するものに対する歪んだ執着がもたらしたそれぞれの悲劇が描かれていますが、せっかくの設定を活かしきれていなかった感もあって、少しばかりもったいなかったかなという印象でした。
読了日:11月28日 著者:丸木文華
エプロン男子2nd 今晩、出張シェフがうかがいます (オレンジ文庫)エプロン男子2nd 今晩、出張シェフがうかがいます (オレンジ文庫)感想
それぞれの事情を持つ女たちから依頼が舞い込む出張シェフを派遣する「エデン」カッコイイ料理上手な男たちが彼女たちの家で心を込めて腕をふるう第二弾。自分の本当の気持ちが分からない千鶴、夢見がちで妄想に浸ったまま再就職ができずにいる芽衣子、才色兼備ないのに過去にとらわれたままの友加里、離ればなれになる娘と翔子の最後のごはん。彼女たちのオーダーに込めた思いを汲み取り最高のご飯を食べてもらう展開は、一方で苦しかった過去を乗り越える転機にも繋がっていて、また読んでみたいと思わせるものがありますね。続巻期待しています。
読了日:11月27日 著者:山本 瑤
銃皇無尽のファフニール15 アンリミテッド・シャイン (講談社ラノベ文庫)銃皇無尽のファフニール15 アンリミテッド・シャイン (講談社ラノベ文庫)感想
これまで彼らが倒してきた敵を取り込み、全ての生命を否定して他世界そのものを喰らう闇と化した怪物アンゴルモア。死の化身たる巨竜に悠や少女たちが挑む第十五弾。学園長シャルロットの鼓舞による全人類からの支えを受けて、ロキ少佐や少女たちとも力を合わせて挑んだ総力戦。最後の戦いに向けた展開は少女たちそれぞれにきちんと見せ場があって、激闘だったわりには最後ちょっとしたオチもついて、読み始めた頃は正直ここまで長くなるとは思いませんでしたけど、みんなが笑い合えるいい感じにまとまった結末でした。短編集にも期待しています。 
読了日:11月27日 著者:ツカサ
これは経費で落ちません!  3 ~経理部の森若さん~ (集英社オレンジ文庫)これは経費で落ちません! 3 ~経理部の森若さん~ (集英社オレンジ文庫)感想
イーブンが信条な経理部の沙名子さん。プライベートでは太陽の存在に落ち着かなくなり、仕事でも様々な相談が持ち込まれる第三弾。広報課の契約社員・千晶の相談。責任逃れに走りがちな馬垣の言い分。倒されたツリー事件の真相。総務の平松さんの意外な一面。最近調子がいろいろ狂いがちな沙名子さんが可愛いですけど、曲者ぞろいの会社の中でも彼女はやはり破格の存在ですね。最後の勇太郎さんはそういうことだったのかな...真夕視点も興味深かったですが、これまた一癖ありそうな新しい経理部員が入ってきてどうなるのか次巻が楽しみですね。 
読了日:11月26日 著者:青木 祐子
Just Because! (メディアワークス文庫)Just Because! (メディアワークス文庫)感想
高校三年の冬、残りわずかとなった高校生活。このまま何となく卒業していくのだと誰もが思っていた中、突然中学の頃に親の転勤で引っ越した瑛太が戻ってきて、少しずつ関係が変わってゆくTVアニメ原作小説。瑛太がかつて淡い恋心を抱いていた美緒、美緒が想いを寄せていた親友・陽斗との再会。陽斗の葉月への想いや、写真部存続のために奔走する恵那の思いも絡めて展開されてゆくこの青春群像劇は、止まったままだった過去の想いにきちんと向き合う物語でもあって、ひたむきで不器用なもどかしい想いを応援したくなるとても素敵な青春小説でした。
読了日:11月26日 著者:鴨志田 一
DOUBLES!!―ダブルス―Final Set (メディアワークス文庫)DOUBLES!!―ダブルス―Final Set (メディアワークス文庫)感想
二年の冬、腕に大怪我を負った駆。一度は退部を考えながらもやっぱりテニスがしたいという駆の想い。相棒の琢磨は自らのテニスを研ぎ澄ませながら、駆の復帰を信じて待つシリーズ第五弾。テニスがしたいという想いがどんどん強くなってゆく駆と、他の仲間のように会いにいかず駆を信じる琢磨。最初は自分のことばかりでぶつかりあってばかりいた二人が、お互いの成長に刺激を受けながら絆を育んでいったり、部長や先輩として周囲にも目を向けるようになってゆく姿、そして最後の都立戦の激闘は熱く心に響く青春小説でした。次回作も期待しています。
読了日:11月25日 著者:天沢 夏月
さよなら僕らのスツールハウスさよなら僕らのスツールハウス感想
シェアハウス「スツールハウス」同じ屋根の下で笑い、ときめき、時間を共有した人たちがやがて懐かしく思い出す連作短編集。弁護士の直之が元彼女だったあゆみの結婚式の動画用に送った写真の意味、シャワールームの亡霊、フラワーショップで働く白石がかつての同居人で既婚の花織に見せられた写真、主と呼ばれた鶴屋素子がそこを去った理由。一緒に住んでいた思い出は楽しいことばかりでもなく、容赦ない時の流れを感じさせましたけど、ほろ苦さ以外のものも少しだけ垣間見せてくれた結末に、切なくても大切な思い出は変わらないことを感じました。
読了日:11月25日 著者:岡崎 琢磨
このライトノベルがすごい! 2018このライトノベルがすごい! 2018感想
今年の総合では40/50冊、新作で18/22冊。読んでないのはほぼ自分はいいかなと思った作品で、全体として見たら順位は異論ある人もいそうだけど、個人的には概ね納得のラインナップ。この時期出ているこの類の他の本はほとんどが新作メインで、そろそろ人気投票ではなく続刊シリーズ抜きの新作を中心に据えてもいいのでは?とはちらりと。とはいえどちらの良い点も活かせないか、あれこれ試行錯誤しているとは感じました。これだけ刊行点数がある中でアンケート回収者の71%が年間50冊以下だと、なかなか難しい部分もあるんでしょうね。
読了日:11月24日 著者: 
竜宮輝夜記 時めきたるは、月の竜王 (角川ビーンズ文庫)竜宮輝夜記 時めきたるは、月の竜王 (角川ビーンズ文庫)感想
神竜が禍神から国を護る『右記ノ國』。人の姿ではこの上なく美しい神竜の過酷な世話係として召し上げられた紗良が彼らの悲しみや不器用な気遣いを知る和風ファンタジー。ふとしたきっかけから冷酷に思えていた神竜たちの優しい本心が分かるようになってしまい、その姿を微笑ましく思ったり、愛しく思うようになってゆく紗良。そんな彼女を密かに気遣うイケメン神竜たちがツンデレというか、むしろ下手したらほとんどデレ?な感まであって、そんなバレバレなのに気付いてない状況がいたたまれないというか、読んでいてとても新鮮な感じがしました。 
読了日:11月24日 著者:糸森 環
月の都 海の果て (講談社X文庫)月の都 海の果て (講談社X文庫)感想
正王后の立場にある自らの大伯母を頼って東国の越を訪れた飛牙。そこでは王子二人が跡目争いの真っ最中で、折悪しく「屍蛾」と呼ばれる暗魅の大発生が重なる第三弾。徐国や燕ともまた違った趣の越で再会した裏雲。大伯母との出会いと後継者争いに巻き込まれてゆく飛牙たち。飄々としているように見える飛牙にも譲れない大切なものがあって、それでいて危機には自ら奔走して結果的にまた国の立て直しに貢献してるあたりがまた彼らしいですよね(苦笑)大切なものを諦めないために最後の国へ向かうことになりそうですけど、最終巻が今から楽しみです。
読了日:11月24日 著者:中村 ふみ,六七質
ぼくたちのリメイク3 共通ルート終了のお知らせ (MF文庫J)ぼくたちのリメイク3 共通ルート終了のお知らせ (MF文庫J)感想
貫之を退学にさせないため同人ゲーム制作を目指すチームきたやま。貫之の婚約者さゆりの訪問もありも、ゲーム制作を進めていくうちに少しずつ彼らの関係も変わっていく第三弾。期間内にゲームを完成させることを目標とした恭也が悩むシノアキ・ナナコとの距離感。思うように進まない状況の中で各人が見出す違和感と、目標を優先すべく恭也が下した決断がもたらしたその代償。目的を考えればなかなか厳しい結末に感じましたけど、一方で鍵を握りそうないくつもの示唆もあったりで、むしろここからが物語としても本番なんですかね。続巻が楽しみです。
読了日:11月23日 著者:木緒 なち
14歳とイラストレーター4 (MF文庫J)14歳とイラストレーター4 (MF文庫J)感想
ナスさんの引っ越し手伝いの最中に意外な告白を聞いてしまった悠斗。一方マリィの新作のイラストレーターとして人気絵師・白砂が抜擢されるも、何度もボツにされて困惑する彼女がコミケで悠斗を訊ねてくる第四弾。現時点ではお互い恋愛感情に疎いナスさんと悠斗の関係。ダメ出しに悩む白砂と悠斗の邂逅と、友人との距離感に対する彼女の葛藤。今回は自分の立ち位置の変化をよく理解してなくて、ひたすら絵描きバカな悠斗らしい展開でしたけど、新キャラ・白砂の今後も気になるし、またマリィに振り回される展開になりそうですね(苦笑)続巻も期待。
読了日:11月23日 著者:むらさき ゆきや
魔弾の王と戦姫<ヴァナディース>18 (MF文庫J)魔弾の王と戦姫<ヴァナディース>18 (MF文庫J)感想
ガヌロンを討ち果たした代償として竜具の力を失ったエレンたち。ソフィーがヴァレンティナの凶刃の餌食となり、彼女と戦うべくティグルは残された戦姫たちと連合軍を結成する第十八弾。玉座にあと一歩というところに迫ったヴァレンティナの野望。苦しい状況でも立ち上がった戦姫たちとティグルの選択。これまでの展開から考えると、最後の戦いからの顛末はややあっけないものにも感じましたけど、辺境の小貴族だったティグルが魔弾の王となるまで、エレンとの出会いから全て始まったことを改めて実感する素敵な物語でした。次回作も期待しています。
読了日:11月22日 著者:川口 士
一華後宮料理帖 第五品 (角川ビーンズ文庫)一華後宮料理帖 第五品 (角川ビーンズ文庫)感想
朱西の秘密を知り、彼を守るため皇后となる道を選んだ理美。料理を作る余裕もないまま立后式に向け皇后教育が始まる中、その講師を朱西が務めることになる第五弾。和国人である理美の立后を快く思わない勢力による妨害とそれを覆すための秘策。朱西を心配する理美の窮地を救った丈鉄の負傷と明らかになるその生い立ち。理美の料理を介して祥飛と朱西の三人の絆を再確認できて良かったとか思っていたら、そこからのまさかの急展開には驚きました。朱西の真意が気になるところではありますが、正直なところ理美のことは半ば本気ですよね、これ...。
読了日:11月22日 著者:三川 みり
バビロン 3 ―終― (講談社タイガ)バビロン 3 ―終― (講談社タイガ)感想
日本の新域で発令された自死の権利を認める「自殺法」。世界で新法に追随する都市が次々に出現して自殺者が急増。揺れる米国で各国首脳が生と死について語り合うG7が開催される第三弾。深く思考し正しい答えを導き出してゆく米大統領アレックスの生い立ち。自殺法を話し合うG7と同時開催される自殺サミットの思惑。部下を死なせてしまった正崎の選択と覚悟。登場人物たちの言葉を通じて自殺について深く考察されてゆく展開でしたが、それも「最悪の女」曲世愛の強烈な存在感に全て吹き飛ばされてしまいました。続刊あるんですよね、これ...。
読了日:11月22日 著者:野崎 まど
ひみつの小説家の偽装結婚 恋の始まりは遺言状!? (コバルト文庫)ひみつの小説家の偽装結婚 恋の始まりは遺言状!? (コバルト文庫)感想
没落貴族の両親から逃れるため後見人の騎士ヒースと名目上の結婚をしていた覆面小説家セシリア。だがヒースが亡くなり部下クラウスと再婚を遺言される文学少女と堅物騎士のラブロマンス。次の小説大賞を獲らなければ契約を切られる危機のセシリアと持ち込まれる婚姻が煩わしいクラウスの契約結婚。二人を手のひらの上で転がすようなヒースの遺言を効果的に使いつつエピソードを積み重ねて不器用な二人の距離感の変化を繊細に描いていく展開は、ベタでしたけどなかなか良かったですね。ようやく本物の夫婦になった二人の今後をまた読んでみたいです。
読了日:11月21日 著者:仲村 つばき
その絆は対角線 (日曜は憧れの国) (創元推理文庫)その絆は対角線 (日曜は憧れの国) (創元推理文庫)感想
四谷のカルチャーセンターに通い始めた、性格も学校もばらばらな中学生の千鶴、桃、真紀、公子が講座絡みのささやかな謎に遭遇する第二弾。桃が密かに抱える悩み、マナー講師が激昂した理由、死の間際に骨董コレクターが取った不可解な行動、そして作者不明の原稿。それぞれが育った環境、考え方や感じ方も違う4人が、時には助け合ったりぶつかったりしながら一緒に過ごすことで得る刺激や成長はかけがえのないものですね。そんな中で今回キーマンだったエリカさんの意外な正体と、彼女に対する4人の印象の違いがなかなか効いていたと思いました。
読了日:11月21日 著者:円居 挽
誰が死んでも同じこと誰が死んでも同じこと感想
日本を代表する一大コンツェルンの中枢・河帝商事の創業者一族が相次いで殺された。警察庁から派遣されたキャリア捜査官・十常寺迅は、河帝商事の内部事情をよく知る秘書の灰原円に無理矢理協力させ一族の暗部に踏み込んでいくミステリ。動機は相続争いと思いきや被害者は一族の中で出来の悪い方。河帝にそれほど思い入れのない円を助手兼ツッコミ役として連続殺人事件の真相を追う展開でしたけど、謎ときそのものよりそれぞれが語る思いに重きが置かれていて、それが著者さんらしさといい感じにブレンドされてこれはこれでわりと面白く読めました。
読了日:11月20日 著者:円居 挽
櫻子さんの足下には死体が埋まっている わたしのおうちはどこですか (角川文庫)櫻子さんの足下には死体が埋まっている わたしのおうちはどこですか (角川文庫)感想
姿を消した幼子いいちゃんと百合子を追って櫻子さんと正太郎が辿り着いた先で、正太郎を絶句させた百合子が彼の絶対的な秘密を突きつける第十三弾。花房の影を匂わせつつ、それ以上に百合子の悲痛な叫びがあまりにも痛い。正太郎は鈍いし状況的には仕方ないけど、でも今居の存在で毎回思考停止してしまうのは正直そりゃないよな...とも思ってしまうわけですよ。もやもやとしてぎくしゃくとして、複雑な想いが消えたわけではないけれど、二人でいる姿は好きだけど、いつかその想いに気づいてもらえる日が来ることを祈らずにはいられませんでした。
読了日:11月20日 著者:太田 紫織
マスカレード・ナイトマスカレード・ナイト感想
若い女性が殺害された不可解な事件。警視庁に届いた「犯人はコルテシア東京のカウントダウンパーティに姿を現す」という一通の密告状から始まるマスカレードシリーズ第三弾。密告者の指示により再び始まったコルテシアでの潜入捜査。立場の違いから時には衝突しながらも、コンコルジェとしてお客様の難題を解決し、一方で鋭い視点からアプローチしてゆく展開は登場人物がいかにも怪しげな人ばかりで、どんどん複雑になっていった関係を解いてゆく解決編、そしてエピローグまでぐいぐいと読ませてゆく流れは流石ですね。これはロサンゼルス編も期待。
読了日:11月19日 著者:東野 圭吾
追伸 ソラゴトに微笑んだ君へ3 (ファンタジア文庫)追伸 ソラゴトに微笑んだ君へ3 (ファンタジア文庫)感想
街にクリスマスソングが響く季節。なぜか同じ学校にいるハルカはこれまでの記憶を失っていたことに戸惑い、解決の糸口を探すため驚くほど優しいハルカへの接近を試み、一緒にテスト勉強やクリスマスパーティーの準備をする第三弾。今までと態度が違うハルカに戸惑いつつ、それを乗り越え距離を縮めてゆくマサキが感じる彼女の暖かさと違和感。おばあちゃんの手術やおじいちゃんの過去を絡めつつな時間遡行は少しばかりややこしかったですが、改変の原因を突き詰めてゆく過程で明らかになる複雑な想いという構図は自分好みでした。次回作も期待です。
読了日:11月18日 著者:田辺 屋敷
契約結婚はじめました。 2 ~椿屋敷の偽夫婦~ (オレンジ文庫)契約結婚はじめました。 2 ~椿屋敷の偽夫婦~ (オレンジ文庫)感想
ワケあって結婚した「偽装夫婦」でもある十九歳の香澄と、若隠居と呼ばれる柊一。ある日の昼下がり、柊一の母・美幸が椿屋敷を訪ねてくる第二弾。たびたび椿屋敷を訪れるようになった美幸の思惑。黄色い椿の謎、亡き母が愛した椿をめぐる父娘ケンカ、ご近所に入った空き巣の正体といった謎も解決していく中で見せる偽夫婦の自覚なき仲良しぶりにニヤニヤしましたけど、柊一も渡さない宣言したりとお互いの中で育まれつつあるものがうまく繋がっていくといいなと思いました。柊一の弟・壇と絢さんをめぐるエピソードも素敵で続巻がとても楽しみです。
読了日:11月18日 著者:白川紺子
ロクでなし魔術講師と禁忌教典10 (ファンタジア文庫)ロクでなし魔術講師と禁忌教典10 (ファンタジア文庫)感想
現世の復活を果たした魔人アセロ・イエロによるフェジテ破壊を止めるべく力を結集するグレン陣営。ルミアは自分のせいで起きる悲劇に耐えきれず、己が身を犠牲に戦うことを決意する第十弾。学院・宮廷魔導士団の総力を結集しても倒せない魔人相手の絶望的な戦い。級友たちに出自と秘密が明かされたルミアの歪んだ願い。そして魔人を倒すべく血に染まった過去と向き合うグレン。危機的状況での熱い共闘も見どころでしたけど、自分に向き合って乗り越えたルミアとようやく自らの想いを自覚しつつあるシスティのライバル関係も楽しみになってきました。
読了日:11月17日 著者:羊太郎
ストライクフォール3 (ガガガ文庫) (ガガガ文庫 は)ストライクフォール3 (ガガガ文庫) (ガガガ文庫 は)感想
シーズンオフ。一軍強化キャンプ参加を許されるも既に慣性制御は普及し、自分以上の使い手がチーム内にもごろごろいる厳しい現実に直面する雄星。チームも慣性制御の扱いを巡ってアデーレが一軍リーダーケイトリンと対立する第三弾。慣性制御を何とかフォーメーションに取り込もうとするケイトリンとそれでいいのか疑問を感じるアデーレの熱いぶつかり合い。慣性制御の戦術も雄星を巡る環境も激変してゆく中で迎えた優勝候補との開幕戦は予想を超える展開の連続で圧巻でした。正妻感ある幼馴染・環とアデーレの水面下での駆け引きもこれからですね。
読了日:11月17日 著者:長谷 敏司
弱キャラ友崎くん Lv.5 (ガガガ文庫)弱キャラ友崎くん Lv.5 (ガガガ文庫)感想
紺野との関係が急速に悪化する中、まさかの師弟関係と相成った友崎とたまちゃん。師匠としてこれまでの努力とノウハウをたまちゃんに伝えて現状を打開しようと奮闘する第五弾。経験した通りにはいかなくても仲間たちと一緒に試行錯誤を続ける友崎の成長。一方たまちゃんが変わることをよしとしない葵に感じた違和感とらしくない行動。今回は友崎なりに考えて行動し、解決方法の違いからすれ違った二人でしたけど、それぞれのアプローチがあってこそなし得た成果だとも思いましたし、自分がどうしたいのかようやく自覚した友崎の今後が楽しみですね。
読了日:11月16日 著者:屋久 ユウキ
えほんのせかい こどものせかい (文春文庫 ま 40-1)えほんのせかい こどものせかい (文春文庫 ま 40-1)感想
長年児童文学の翻訳や研究をし、アメリカや日本の図書館や家庭文庫で子供を観察し続けてきた著者が、子どもの読書の楽しさを発見するために大人は何を手助けできるのか解説したロングセラーの文庫版。まだ文字をうまく読めない子供と一緒に読む読み聞かせがなぜ大切なのか、読み聞かせをしていく上でどういう部分がポイントなのか、子供の視点も踏まえて丁寧に解説してくれていて、改めて読んでみても参考になる部分が多かったです。巻末についている初めての読み聞かせ向きの絵本、幅広く楽しめる絵本が紹介されていてこれも参考になると思います。
読了日:11月16日 著者:松岡 享子
他に好きな人がいるから他に好きな人がいるから感想
寂れてゆく造船の田舎町。目立たないように鬱屈を抱えながら生きている高校生・坂井が、夜のマンション屋上で危険な自撮りを投稿し続ける白兎のマスクを被った少女と出会う青春恋愛ミステリ。苦い過去に縛られる少年と兎人間の秘密の共犯関係。クラスで浮いている少女・峰に巻き込まれてゆく学校生活と、彼女が意識する優等生の少女・鈴木。どこか危うさを感じさせる日々が続いた末に起きた事件とその真相は衝撃的で、いつまでも忘れられない坂井がこれからどうするのか、読み終わるとタイトルの意味がじわじわと効いてくる印象的な物語でした。 
読了日:11月16日 著者:白河三兎
外資系秘書ノブコの オタク帝国の逆襲 (祥伝社文庫)外資系秘書ノブコの オタク帝国の逆襲 (祥伝社文庫)感想
突然のオタ友の裏切りや職場のレイオフ旋風。受けたショックを乗り越えた外資系銀行秘書ノブコが、愛するアニメ『バイファロス』のスピンオフ映画化知り、スポンサー獲得交渉が難航の知らせを聞き立ち上がる第三弾。外資系企業特有の突然の急展開とか、職場でも大変な状況に放り込まれたノブコ。これだけの激務で仲がいいオタク友達との間にも難しい人間関係があって、それでも趣味を満喫しようとする彼女はホントタフですね(苦笑)周囲もいろいろ変わろうとしている時期の中、ノブコにも変化がありそうですかね。早めの続刊期待しています。 
読了日:11月15日 著者:泉ハナ
いつかのレクイエム case.1 少女陰陽師とサウル王の箱 (GA文庫)いつかのレクイエム case.1 少女陰陽師とサウル王の箱 (GA文庫)感想
西洋・東洋の魔術師たちが闇に潜みながら生きる現代。陰陽師だった父の後を継いで探偵事務所を経営する女子高生ひよりが、同居人の魔女術使いレイジや女性魔術師・史鳳とともに謎の箱探しと連続殺人件解決に動き出す物語。史鳳が謎の女性から引き受けた詳細が不明な謎の過去探し。ひよりたちが警察から依頼を受けた不審な連続殺人事件の解決。繋がってゆく二つの事件に実力者のレイジと現時点では未熟なひよりのコンビを軸に挑む構図はさすがの安定感で、主人公の成長とレイジとの関係が今後どう変化していくのか、次巻に期待というところですかね。
読了日:11月15日 著者:嬉野 秋彦
浅草鬼嫁日記 三 あやかし夫婦は、もう一度恋をする。 (富士見L文庫)浅草鬼嫁日記 三 あやかし夫婦は、もう一度恋をする。 (富士見L文庫)感想
真紀たち三人の前に宿敵・安倍晴明の生まれ変わりだという教師・叶冬夜が現れ、彼らがお互いに前世にまつわる3つの嘘をついていると暴き、その言葉に真紀と馨はギクシャクしたまま修学旅行で因縁の地・京都に向かう第三弾。現世で二人が幸せになるために嘘を否定しなかった真紀。気にはなるものの彼女にどんな嘘か聞けない馨。今回様々な懐かしい再会があって、京都ではあやかしが攫われる事件も起きていて。一時はどうなることかと思いましたけど、この二人ならきっと乗り越えられるはずと信じてましたよ。二人の関係が本当に大好きで続巻も期待。
読了日:11月14日 著者:友麻碧
おいしいベランダ。 午後4時の留守番フルーツティー (富士見L文庫)おいしいベランダ。 午後4時の留守番フルーツティー (富士見L文庫)感想
夏を前にベランダ菜園の失敗から散財したまもりはバイト先閉店も重なり大ピンチ。運良く古書店のバイトに採用されたと喜んでいたら同僚として昨年まもりを好きだと告白した佐倉井くんに再会する第四弾。相変わらず一緒に美味しそうに食べるご飯や、北斗たちも巻き込んでの海水浴イベントも交えつつ、ちょくちょく男に対して無防備なまもりに平静でいられない亜潟さんの姿や、転機に何が大切なのか考えたその結論に、何だかんだ言いながら大切な存在なんだなあと微笑ましい気持ちになりました。相変わらずなようで少しずつ進展する二人の今後に期待。
読了日:11月14日 著者:竹岡 葉月
かくりよの宿飯 七 あやかしお宿の勝負めし出します。 (富士見L文庫)かくりよの宿飯 七 あやかしお宿の勝負めし出します。 (富士見L文庫)感想
かくりよの妖都へ向かった大旦那様が行方不明に。天神屋史上最大の危機に動揺する葵は、お帳場長の白夜から密命を受けて妖都行きの宙船に屋台を出して出張営業することになる第七弾。天神屋を狙い八葉廃止に暗躍する雷獣によって正体を暴かれてしまった大旦那。自分にできることをしようと奮闘する葵が訳ありの過去を持つ八葉ザクロに出会ったことで生じた迷い。今回はいろいろな過去が明らかになって、葵の気持ちのありようにも少しずつ変化があって。まだまだ予断を許さない状況ですけど、次巻でまた二人やりとりが見れることを期待したいですね。
読了日:11月13日 著者:友麻碧
お世話になっております。陰陽課です4 (メディアワークス文庫)お世話になっております。陰陽課です4 (メディアワークス文庫)感想
冬の京都。忙しい春明に代わり祈理は陰陽課の公務を初めて一人で行うことになり、張り切って現場に向かうもそこで呪詛の封印が解け、絶体絶命のピンチに陥ることになってしまう第四弾。工事現場から出土した平安時代の遺物鑑定から広がってゆく数々の騒動。記憶喪失の霊や悪霊を退治してゆく過程で彼女を救った春明の先代の主・安倍晴明の提案。強力なラスボスに見せかけてマッチポンプ的な展開にはあれれ?と苦笑いでしたが、新米公務員として頑張ってきて成長した祈理を周囲も信頼してくれて、何より主任との主従関係の変化に心温まる結末でした。
読了日:11月13日 著者:峰守 ひろかず
落第騎士の英雄譚13 (GA文庫)落第騎士の英雄譚13 (GA文庫)感想
ヴァーミリオンの国家としての命運を懸けた戦争で、各々が信じるもの、護るべきもの、そして果たすべき使命のため、《傀儡王》オル=ゴール率いる最凶の魔人たちに再戦を挑む第十三弾。最初に不安を煽っておいて肝心の主人公一輝とステラの決戦がわりとあっさり決着してしまったのは正直拍子抜けでしたけど、ステラの姉ルナアイズの変わらぬ想いと、《不転凶手》多々良幽衣と《黒騎士》アイリスあたりの過去の因縁の決着あたりが前半のポイントでしたかね。ここから後編でどう決着をつけるのか、今回の分も合わせての盛り上がりを期待ということで。
読了日:11月13日 著者:海空 りく
裏世界ピクニック2 果ての浜辺のリゾートナイト(ハヤカワ文庫JA)裏世界ピクニック2 果ての浜辺のリゾートナイト(ハヤカワ文庫JA)感想
現実と隣合わせで裏世界で女子大生の紙越空魚と仁科鳥子がコンビを組んで、互いの仲を深めながら探検を続けるネットロア×異世界探検サバイバル第二弾。迷い込んだ米軍の救出作戦、沖縄リゾートの裏側にある果ての浜辺の夜、猫の忍者に狙われるカラテ使いの後輩女子、そして鳥子が追いかける大切な人・閏間冴月の謎。勢いのまま危ない場所へ次々に首を突っ込んでいる感もあった二人でしたけど、危うい鳥子が大切だから空魚も放っておけないんですよね。様々な謎もそうですけど、やはり面倒な二人の関係が今後どうなってゆくのかが気になりますね。 
読了日:11月13日 著者:宮澤 伊織
丸の内で就職したら、幽霊物件担当でした。 (角川文庫)丸の内で就職したら、幽霊物件担当でした。 (角川文庫)感想
本命の一流不動産会社の最終面接で大学生の澪が質問されたのは何と面接官の人数。質問した長崎次郎に霊が視えるその素質を買われ事故物件を扱う「第六物件管理部」で働くことになるオカルト仕事小説。これまで長崎一人だった「第六物件管理部」で働く澪が遭遇する数々の憑いている物件。ホラー展開が怖いわりに解決はわりとあっさりめでしたが、小心なのに暴走気味な澪に無愛想なイケメン・上司次郎、友人で霊障に敏感な爽やかイケメンの高木に霊犬・マメも相棒に加えテンポよく読めてシリーズ化もありそうですね。続巻出たらまた読んでみたいです。
読了日:11月12日 著者:竹村優希
剣と炎のディアスフェルドIII (電撃文庫)剣と炎のディアスフェルドIII (電撃文庫)感想
蛮夷皇ディロークの護衛として東方の国境紛争地へ赴くことになったディアスフェルドの騎士ルスタット。広大な領土を巡る長い旅路の途上で盗賊や悪徳太守、異端の狂信者達が次々と襲い来る第三弾。ディロークを仇として狙う亡国の王女と奴隷となっているその妹の救出。そして失われていたモルフェスの剣。これは巨大化したことで矛盾が渦巻く大国アルキランにおいて数々の伝説を打ち立てる一方で、古きアルキランの伝説もまた若き異国の騎士ルスタットとともに蘇る壮大で王道な英雄譚ですね。弟レオームの物語とどう絡んでいくのか続巻が楽しみです。
読了日:11月11日 著者:佐藤 ケイ
青春デバッガーと恋する妄想 #拡散中 (電撃文庫)青春デバッガーと恋する妄想 #拡散中 (電撃文庫)感想
ARの技術が進化したアキバ特区でオタクの歩夢が偶然出くわしたスクールカースト最上位の同級生衣更着アマタ。歩夢がアマタに近づいた時、特区のAR空間に重篤な異変が発生してしまう青春小説。特区のバグ解消のためもあってオタショップバイト仲間の腹黒ロリっ子瑠璃や金髪コスプレ女ノエルの悩みに一緒に向き合ってゆく歩夢に突きつけられた、アマタの意外な正体と自身の過去の苦い思い出。失敗を悔いていたからこそ今があって、特区や歩夢に救われた人たちがいて、悩める不器用な登場人物たちの成長とほのかな想いを応援したくなる物語でした。
読了日:11月10日 著者:旭 蓑雄
ストライク・ザ・ブラッド18 真説・ヴァルキュリアの王国 (電撃文庫)ストライク・ザ・ブラッド18 真説・ヴァルキュリアの王国 (電撃文庫)感想
夏音に同行する形で王女ラ・フォリアからアルディギア王国に招待された古城。雪菜や仲間たちとに向かったアルディギアで、戦王領域との平和条約締結記念式典を巡る戦王領域を巻きこんだ大規模テロ計画に巻き込まれる第18弾。ラ・フォリアが密かに画策する夏音復権と、古城にぶつけられる真摯な想い。娘バカな国王をやり込めるしたたかな王妃・王女には苦笑いでしたけど、矢瀬や浅葱も活躍するテロ計画阻止には古城を取り巻くヒロインたちのお互いを認め合う絆も感じられて良かったですね。でも早くも次巻も波乱の予感があって今から楽しみです。
読了日:11月10日 著者:三雲 岳斗
俺を好きなのはお前だけかよ(7) (電撃文庫)俺を好きなのはお前だけかよ(7) (電撃文庫)感想
サザンカとチェリーのストーカー騒動に巻き込まれたジョーロが、ダブル彼氏役を演じて問題解決に挑む第七弾。学校ではサザンカを助けるために彼氏役を演じ、放課後はコスモスとともに文化祭の準備を手伝いチェリーの彼氏を演じる日々。仕方ないとは思いつつもヒロインたちともなかなか会う機会が得られなくて、じわじわとストレスも溜まりそうな展開でしたけど、後半のテンポよく進む解決編はジョーロの面目躍如で、まさかの共闘でお互いを認め合っていたりうまくまとめあげる手腕に感心しました。まだまだいろいろありそうですが次巻も楽しみです。
読了日:11月10日 著者:駱駝
生きている理由 (講談社文庫)生きている理由 (講談社文庫)感想
滅び行く清の王女・愛新覚羅顯㺭として生まれて、日本に渡り父を助けた大陸浪人の川島浪速の養女となった川島芳子。国家を巡る思惑の間で翻弄された少女の数奇な運命と若き日の恋を描く激動の青春編。男装の麗人として波乱の人生を送った川島芳子を主人公に、滅びゆく清朝にあって身の危険を感じながらの日々と、日本に渡って人間関係や環境の大きな変化に直面した学生生活、そして恋と政略結婚に揺れる想いと、翻弄されながらも真っ直ぐに生きようとする多感な十代の芳子のありように、ぐいぐいと引き込まれてしまいました。続巻も楽しみですね。 
読了日:11月09日 著者:松岡 圭祐
応えろ生きてる星 (文春文庫)応えろ生きてる星 (文春文庫)感想
結婚直前の廉次の前に現れて突然のキスと謎の予言を残して消えた女。直後に婚約者に目の前で別の男と駆け落ちをされた廉次が、再会した女・朔と婚約者を取り戻すために奔走する物語。新婚旅行に行くはずだった二週間、謎多い朔と一緒に婚約者に見せつけるかのようにデートを満喫するフリをする廉次。彼女のことが気になり始めた頃にうっかり知ってしまうその背景。劇的な展開と爆発的な行動力が物語を動かし、因果応報をしっかり忘れないあたりに著者さんらしさがよく出ていましたが、ほろ苦くも未来を予感させる結末はとても良かったと思いました。
読了日:11月09日 著者:竹宮 ゆゆこ
今からあなたを脅迫します 白と黒の交差点 (講談社タイガ)今からあなたを脅迫します 白と黒の交差点 (講談社タイガ)感想
普通の女子大生のはずなのに、いつの間にか脅迫屋・千川たちの悪事を止めるために奔走しているお人よしお嬢様の澪。今回もまた千川たちの脅迫に首を突っ込んでゆく第三弾。結婚詐欺師の息子、脅迫したい同僚の真意、親友を脅迫してほしい脚本家、そして千川が追う組織へ繋がる男。仲間たちともすっかり仲良くなった澪が千川の邪魔をするせいで、千川も調子が狂うというか悪い人になりきれないというか(苦笑)脅迫依頼者たちの複雑な心境がなかなか興味深かったですけど、少しずつ物語の核心に近づきつつはあるんでしょうか。続巻も期待しています。
読了日:11月09日 著者:藤石 波矢
スープ屋しずくの謎解き朝ごはん 想いを伝えるシチュー (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)スープ屋しずくの謎解き朝ごはん 想いを伝えるシチュー (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
理恵の上司夫妻に持ち上がった疑惑、真っ黒に変色したジャガ芋の謎、入籍間近だったカップル客が結婚延期になった謎と鉄鍋の関係など、今回もお客が抱える様々な悩みや謎が舞い込んでくる第三弾。麻野の一番近い位置にいながら半年以上ほとんど進展がない二人の距離感。そんな状況で今回は夫婦や婚約者、長年連れ添った夫婦の関係に絡めたエピソードだったりで、相変わらず美味しそうなスープもいろいろ出てきますが、きちんと相手の想いに配慮できる理恵だから周囲に信頼されるんですよね。時間は必要でしょうけど着実に前進していると感じました。
読了日:11月08日 著者:友井 羊
ニセモノだけど恋だった (宝島社文庫)ニセモノだけど恋だった (宝島社文庫)感想
俳優だった夢を諦めてレンタル彼氏として働いているカオル。そんな彼が高額な料金にもかかわらず職業を偽って予約を入れ続けるエイコと出会う物語。エイコが職業を偽ってお金を払いデートをする理由。偶然エイコの似たような境遇を知り複雑な想いを抱くカオル。夢を追いかけ続けるべきか現実を思い求めるか、分岐点で心揺れる二人が疑似恋愛のデートを重ねるからこそ育まれ、複雑になってゆくそれぞれの想いにはもどかしくなりましたが、不器用な二人が出会ったことで切り開かれた未来に明るい予感をつい期待したくなる不毛で素敵な恋の物語でした。
読了日:11月07日 著者:齋藤 ゆうこ
恋虫 (角川文庫)恋虫 (角川文庫)感想
政府が結婚相手を決めて、恋をした人は「恋虫」に感染したとして他者の感染を防ぐために駆除される世界。念願の『恋虫駆除隊』に入隊した四ノ宮美季が、救世主と呼ばれる上官・冬野花火と出会う物語。同期の首席で誰よりも恋という病に熟知しているはずの四ノ宮が直面する駆除の現実と苦悩する想い。感染した花火の兄・雪尋と婚約者・千春、二人に関わった花火それぞれのエピソード。こんな時代に美しくも儚い恋に向き合った彼らの真っ直ぐな想いにはじわじわと来るものがあって、諦めない孤独な花火が四ノ宮と巡り会えた幸運に救われる思いでした。
読了日:11月07日 著者:白土 夏海
弁当屋さんのおもてなし 海薫るホッケフライと思い出ソース (角川文庫)弁当屋さんのおもてなし 海薫るホッケフライと思い出ソース (角川文庫)感想
『くま弁』の作り手・ユウの優しさに触れ、もっと彼に近づきたいと思いつつ客と店員の関係から一歩を踏み出せずにいた千春。そんな時に悩み相談で人気の占い師がくま弁を訪れる第二弾。人気占い師の「魔法のお弁当」を巡る二十年越しの想い、すれ違う常連のお客さん二人のキューピット役やお互いうまく言えない親子の料理の好き嫌い、千春の友人の次代に繋がってゆくお弁当。親の立場としては好き嫌いは言いづらいよなあ…と苦笑いしつつ、友人のお節介もあってわりと奥手な感もあった二人の仲もようやく進展してほっと一安心。続巻も楽しみですね。
読了日:11月06日 著者:喜多 みどり
螺旋の手術室 (新潮文庫)螺旋の手術室 (新潮文庫)感想
大学病院の教授選候補だった冴木真也准教授が手術中に不可解な死を遂げ、教授の座を争った医師も暴漢に襲われ殺害されるなど相次ぐ不可解な死。父・真也の死に疑惑を見つけた息子の裕也が同じ医師として調査を始める医療ミステリ。教授選が鍵と見据えその繋がりを調べる裕也。父の死がスキャンダルとなり婚約者の母に堕胎を迫られる妹の真奈美。真相を執拗に追う過程で明らかになる意外な真実。たったひとつの秘密を守るために起きた事件の真相は何とも切なくて、これから裕也が抱えながら生きてゆくものの重さについていろいろ考えてしまいました。
読了日:11月06日 著者:知念 実希人
夜明けのカノープス (実業之日本社文庫)夜明けのカノープス (実業之日本社文庫)感想
教師への夢をあきらめ、小さな出版社で契約社員として働く映子。何事もうまくいかないと感じている彼女が、仕事で長らく生き別れていた父と再会し物語。教師を諦めない友人のような粘り強さもなく、仕事にやりがいも見いだせず、憧れる先輩も遠い存在で何もかもが中途半端に感じる映子。そんな彼女が執筆依頼をきっかけに父と再会し「カノープス」という一等星を知ったことで少しずつ物語が動き出してゆく展開で、これまでの彼女の葛藤を思えばあっさりめな結末かなとも感じましたけど、これからの変化を予感させる読後感は悪くないとは思いました。
読了日:11月05日 著者:穂高 明
今夜、きみは火星にもどる (角川文庫)今夜、きみは火星にもどる (角川文庫)感想
自分が火星人だと語る佐伯さんが気になって仕方ない国吉。突如数学で0点を取って留年の危機に陥った彼と、行き場のない想いを抱えた友人たちの青春小説。国吉が夏休みの数学の補修で毎日見る彼女と火星の白昼夢をきっかけに、急速に距離を縮めてゆく二人。彼らが積み重ねてゆくどこか危うい関係性が行き着いた、切ない現実が仄めかされる結末にはほろ苦さも残りましたが、国吉に邪険にされながら関わり続けることを選んだ高見の変化や、面倒見のいい相談相手だった山口先生たちとのやりとりも印象的で、著者さんらしさがよく出ていると思いました。
読了日:11月04日 著者:小嶋 陽太郎
みさと町立図書館分館みさと町立図書館分館感想
田舎の小さな町のみさと町立図書館分館。33歳独身の実家暮らしの職員・遥の視点から、その図書館にある出来事とそこで働く3人のそれぞれのエピソードが綴られてゆく物語。母を亡くして試行錯誤が続いている父との関係。本の貸借トラブル&クレーム対処といった業務のあれこれや、徐々に明らかになってゆく同僚たちの実家事情など、日々移りゆく日常の中で変わってゆくもの変わらないもの、変えたくない大切なものは確かにあって、それぞれ悩みを抱えながらも生きていくありようの描写には、著者さんの優しい想いが詰まっているように思いました。
読了日:11月03日 著者:髙森 美由紀
双子喫茶と悪魔の料理書2 (講談社ラノベ文庫)双子喫茶と悪魔の料理書2 (講談社ラノベ文庫)感想
この世界から消えかけた水希を取り戻して約一ヵ月。今度は双子の姉・葉月の何気ない一言から『悪魔の料理書』の力が発動し、子供に戻りたいという彼女の願いを叶えてしまう第二弾。穏やかに二人のことを見守ってきた葉月。元に戻るため子供の頃のように楽しい日々を皆と過ごした彼女でしたけど、だからこそこれまでのように三人一緒に居続ける難しさを痛感してしまったんでしょうか。ようやく向き合った二人でしたけど、その思うところは相手にきちんと伝わったのか、複雑な想いが交錯する三角関係の行方がどうなるのか。続刊が早く読みたいですね。
読了日:11月02日 著者:望月 唯一
米澤穂信と古典部米澤穂信と古典部感想
書き下ろし新作短編「虎と蟹、あるいは折木奉太郎の殺人」の他、古典部メンバー四人の本棚、著者の仕事場や執筆資料も初公開の古典部シリーズファンブック。短編で中学時代の読書感想文とそこに込められた秘密をメンバーに暴露された奉太郎はこっ恥ずかしかっただろうなと苦笑いしつつ、北村薫さん、恩田陸さん、綾辻行人さん、大崎梢さんといった方たちとの対談や隠れネタ、著者さんのこれまでの歩みなど、紹介された作品も相当読み込んでいるのが伺えて、著者さんのミステリやこの作品に込めた思いとこだわりが随所に感じられて楽しかったですね。
読了日:11月02日 著者:米澤 穂信
なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか? 運命の剣 (MF文庫J)なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか? 運命の剣 (MF文庫J)感想
地上の覇権を争う五種族大戦が英雄シド率いる人類の勝利に終わった時代を生きていたはずの少年カイ。突如人間が五種族大戦に敗れた世界に飛ばされ謎の少女リンネと巡り合う物語。自分を知らない世界で友人や幼馴染たちと再会し、手に入れたシドの剣と囚われていた少女リンネとの出会い。劣勢の人間族の窮地にあえて強敵に挑む展開はテンポも良くて読みやすく、物語の方向性も今回できちんと提示されましたね。リンネや幼馴染との関係や謎めいた花琳さんとか、世界がどうなっているのかも含めて気になるところもいろいろあったりで続巻が楽しみです。
読了日:11月01日 著者:細音 啓
校舎五階の天才たち (講談社タイガ)校舎五階の天才たち (講談社タイガ)感想
「東高三人の天才」の一人篠崎から来光福音のもとへ届いた、僕を殺した犯人を見つけてほしいという手紙。福音は同じく手紙が届いた天才の一人加藤沙耶夏と事件を調べる学園ミステリ。遺書を残し電車に飛び込み自殺をした篠崎は誰かに本当に殺されたのか。天才であるということはどういうことか。傍若無人な加藤に振り回されつつ関係者たちから明かされる篠崎像から真相も掘り下げられてゆきましたが、深い苦悩を抱えていた彼のささやかな願いが、天才に憧れていた福音に伝わったのがこの物語の救いでしたかね。デビュー作ということで今後に期待。 
読了日:11月01日 著者:神宮司 いずみ
おやつカフェでひとやすみ 死に神とショコラタルト (集英社オレンジ文庫)おやつカフェでひとやすみ 死に神とショコラタルト (集英社オレンジ文庫)感想
「座敷わらしを見ると、幸せになれる」との噂がある江ノ島の三兄弟が営むカフェ。そこに三年前の事故で死んでいるはずだった三男の綾人を迎えに来たという死神が現れる第二弾。カフェを訪れる初恋の人を探しに来た老婦人、父を慕う引きこもりの少年、海難事故にあった息子を憂う母親。それぞれの印象的なお話でしたが、カフェを訪れるのを楽しみにしている死神と綾人のエピソードはうまく話と絡めてまとめてみせた感。時を超えて巡り合うことになった想い人の孫同士の今後が少しばかり気になりました。続刊あったらそのあたりも読んでみたいです。 
読了日:11月01日 著者:瀬王 みかる

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