読書する日々と備忘録

主に読んだ本の紹介や出版関係のことなどについて書いています

9月に読んだ本 #読書メーターより

9月はちょうど100冊(うちマンガが40冊ですが)。ようやくの俺ガイル12巻が刊行したり、マツリカシリーズ待望の続巻が出たり、シリーズものも楽しみな作品が多かった一方で新作も好みの青春小説多めで、積むスピードに読むスピードが追いついていないのが気がかりではありますけど、なかなか楽しい読書ができました。

 

9月の読書メーター
読んだ本の数:100
読んだページ数:25494
ナイス数:6104

ワキヤくんの主役理論 (MF文庫J)ワキヤくんの主役理論 (MF文庫J)感想
高校入学を機に「主役理論」を掲げ夢の一人暮らしを勝ち取った我喜屋未那。彼が隣に住むクラスメイトで、バイト先も趣味嗜好も同じなのに真逆の「脇役哲学」を掲げる少女・友利叶と遭遇する青春小説。運命的出会いなのに相容れない天敵な二人が部屋の壁を壊してしまったことで始まる疑似同棲生活。脇役哲学がややしっくり来なかった感はありますけど、暑苦しくてやる気が空回る未那とやる気がないデキる女なのに振り回される叶が繰り広げる、いがみ合いながらも息の合ったやり取りが楽しかったです。接続章がどう今後に繋がるのか気になりますね。 
読了日:09月30日 著者:涼暮 皐
<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム-  5.可能性を繋ぐ者達 (HJ文庫)<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 5.可能性を繋ぐ者達 (HJ文庫)感想
レイたちの活躍によって鎮静化しつつあった王国へ仕掛けられたテロ。しかし勝つためには手段をえらばないフランクリンによる最後の切り札が発動し、大量のモンスターが王国へと進撃を開始する第五弾。絶望的な状況に陥る中、ネタキャラめいたお兄ちゃんの真の力がついに明らかになった巻でしたけど、第一部完となった後半の後日談ほかが意外と面白くて、レイはやはりどこか抜けているというか地味にダメ人間というか(苦笑)リアルではごく近いところに意外な人が生息していたりで、何か関わりが出てくるのかちょっと気になりました。第二部も期待。
読了日:09月30日 著者:海道左近
さくらとともに舞う (講談社ラノベ文庫)さくらとともに舞う (講談社ラノベ文庫)感想
人々を殺め苦しめる荒人魂が出没する世界。荒人魂に母を殺された明石めぐるが剪定士をめざして鸞鳳学院に入学し、舞姫候補の桜みらいと10年振りの再会を果たす物語。舞姫が放つ「花力」を借りて荒人魂と戦う剪定士。学院で出会うやちよやゆらといった仲間たち、さくらと因縁がある吉野ととわこ。秘密を抱えるさくらのめぐる大好きっぷりが微笑ましかったですが、それぞれ舞姫や剪定士を目指す背景があり、騒動の元凶・黒胡蝶にも理由があって、そういう心情を丁寧に描きつつ苦しい戦いを力を合わせて乗り越えてゆく姿は心に響くものがありました。
読了日:09月29日 著者:ひなた 華月
真面目系クズくんと、真面目にクズやってるクズちゃん #クズ活 (講談社ラノベ文庫)真面目系クズくんと、真面目にクズやってるクズちゃん #クズ活 (講談社ラノベ文庫)感想
クラスの立ち位置を気にする真面目系クズの八卜が、性格の悪い黒内に絶対見られたくない場面を見られ、それをネタに八卜の潜在的クズを開花させるべく一緒にクズ活することを強要される青春小説。二人がクズ活を続ける過程で関わってゆく聖人君子のような白庭さんと、幼馴染なのに学校では交流が断絶しているトップカーストの鈴堂。黒内によって次々と本性が暴かれてゆく一方、相反する複雑な想いや距離感に戸惑う心理描写は繊細で、らしさを自覚してゆく八卜と彼女たちの関係が描かれた今回も期待を裏切らない著者さんらしい怪作でした(褒め言葉)
読了日:09月29日 著者:持崎 湯葉
ナイツ&マジック 8 (ヒーロー文庫)ナイツ&マジック 8 (ヒーロー文庫)感想
飛空船団を再編成し森海に墜ちたエルとアデルを探しに来た銀鳳騎士団。一方、巨人族の最大氏族であるルーベル氏族が動き出し、エルたちは各氏族を糾合し諸氏族連合軍の立ち上げ立ち向かう第八弾。穢れの獣を頼みに動き出したルーベル氏族と、対抗するために各氏族を糾合して連合を立ち上げ銀鳳騎士団と合流したエルたち。穢れの獣を抑える鍵を握る小鬼族の思惑。仲間と合流したことで思わぬ合体技まで出てエルが大活躍するある意味いつも通りの展開でしたが、始まった巨人族との交流や逃れた小王の行方が今後にどう影響するのか、次巻が楽しみです。
読了日:09月28日 著者:天酒之瓢
語り部は悪魔と本を編む (ファミ通文庫)語り部は悪魔と本を編む (ファミ通文庫)感想
バイト先で素敵な女性絵美瑠と運命的に出会い交際することになった拾い上げ作家の中村雄一。しかも彼女が新担当編集であることが発覚、デビューを目指す二人の前に悪魔のような編集長が立ちはだかる恋と戦いの物語。作家と担当という立場の違いが生まれ、複雑になってゆく二人の関係。お互い乗り越えるべき課題を抱え、編集長に厳しい指摘を突きつけられ選択に苦悩する想像以上にビターな展開でしたが、だからこそすれ違いかけた二人が向き合いぶつかりあったことで見えてきた光明と、初々しさの残る二人の恋の行方にはぐっと来るものがありました。
読了日:09月28日 著者:川添枯美
捕食 (創元推理文庫)捕食 (創元推理文庫)感想
つらい過去があり男性が苦手な真尋と、彼女と知り合い急速に距離を縮めるいづみ。彼女と一緒なら自分は変われると信じていたはずの真尋に不審が芽生え、いづみの謎多き過去を追うサスペンスミステリ。過去を追う過程で明らかになってゆく、似た境遇だった彼女の選択とその周囲で姿を消してしまった人たち。何かあるたびにハナカマキリのように脱皮を繰り返してきた彼女がなり得たものは何だったのか。やや詰め込み過ぎた感もありましたが、ぐいぐい読ませる展開の末に迎えるいろいろ想像できてしまうエピローグは、この物語らしい結末に思えました。
読了日:09月28日 著者:美輪 和音
歯科女探偵 (実業之日本社文庫)歯科女探偵 (実業之日本社文庫)感想
スタッフ全員が女性の錦織デンタルオフィス。もの静かな美人歯科医・月城この葉が歯科衛生士の高橋彩女とともに周囲で起こる日常の謎や連続殺人事件に挑む歯科医療ミステリ。文中で歯科医療絡みの描写がやたら詳しいと思ったら、そういえば著者さん歯科医でしたよね。法歯科医だった父を持つこの葉が探偵役で彩女が助手、登場するキャラたちや舞台装置はわかりやすくて、発生する事件に奇想天外さはなかったですが、一見関係なさそうに見えるエピソードの数々が、最終的にはこの葉が追っていた過去の事件に繋がっていく展開は上手いなと思いました。
読了日:09月27日 著者:七尾 与史
オークブリッジ邸の笑わない貴婦人3: 奥様と最後のダンス (新潮文庫nex)オークブリッジ邸の笑わない貴婦人3: 奥様と最後のダンス (新潮文庫nex)感想
十九世紀英国式の生活。この特別な毎日にも終わりが近づく中、メイドのアイリーンが奥様が望む舞踏会の実現に奔走する第三弾。東川町の住人たちとも協力しながら準備が進む舞踏会。その最中にアイリーンがほのかに抱く想いの顛末、そして体調が思わしくない奥様のために皆で作り上げてゆく最後の本物の時間。切ない想いを抱えつつ奥様のためにそれぞれのやり方で奔走する人々たちの思いはとても真摯で、心揺れるアイリーンの複雑な想いの行方は一体どうなることかと思いましたが、いろいろあったけれど最後は良かったなと思えた素敵な物語でした。 
読了日:09月27日 著者:太田 紫織
キネマ探偵カレイドミステリー ~再演奇縁のアンコール~ (メディアワークス文庫)キネマ探偵カレイドミステリー ~再演奇縁のアンコール~ (メディアワークス文庫)感想
火事で家が燃え嗄井戸が住む銀塩荘の一階に引っ越し、嗄井戸の部屋に入り浸る日々を過ごしていた奈緒崎。引きこもりの秀才・嗄井戸が圧倒的な映画知識で不可解な事件を解決してみせる第二弾。同級生にかけられた窃盗容疑、実力派女優の家に残されたピンク色の足跡、中古ビデオ屋の査定リストに潜む謎など、絶対家からは出ないけど何だかんだで謎を解き明かしてみせる嗄井戸と奈緒崎の相変わらずに見えて少しずつ変わってゆく距離感がなかなか良かったですね。線引はキッチリに見えて意外といい子な女子高生・束ちゃんもいい感じに効いていました。 
読了日:09月26日 著者:斜線堂 有紀
今日も君は、約束の旅に出る今日も君は、約束の旅に出る感想
女優を志し上京して10年。全てを賭けて臨んだオーディションでも落選し夢を諦めかけた国木アオ。一人自室で呆然とする中で突如地震が発生、目の前にかつての思い人・森久太郎が現れる物語。16年前に交わした久太郎とアオの約束。絶対に約束を破ることができない体質になり、約束を果たすべき時間が来るとその場所にワープしてしまう久太郎。出会いからアオと久太郎が再び積み重ねてゆく約束や、交わした約束を果たしてゆく久太郎の姿に人と人が繋がる大切さを実感する展開でしたが、約束があったからこそ迎えられた結末はとても心に響きました。
読了日:09月26日 著者:瀬那 和章
後宮香妃物語 二人の皇太子と真実の想い (角川ビーンズ文庫)後宮香妃物語 二人の皇太子と真実の想い (角川ビーンズ文庫)感想
皇太子煌翔の麗華宮で開かれる美人会で四妃入りを目指す凛莉。そんなタイミングで隣国皇太子・聖雷が麗華宮を訪れ近づいてくる第二弾。凛莉に突きつけられる苦手な舞踏の課題。密かに狙われる凛莉の護衛に我嵐を付けつつ彼女を守るためあえてそっけない態度を取る煌翔。凛莉に近づく聖雷の思惑。後宮の守備がザルで凛莉のために取った煌翔の行動もことごとく裏目に出た感がありましたけど、凛莉の機転を効かせてうまく立ち回ったことでいい感じにまとまりましたかね。進むべき道が見えた凛莉はモテモテでも取り巻く状況は依然として不穏で心配です。
読了日:09月25日 著者:伊藤 たつき
花野に眠る (秋葉図書館の四季) (創元推理文庫)花野に眠る (秋葉図書館の四季) (創元推理文庫)感想
秋葉図書館でようやく仕事に慣れてきた新人司書の文子が任された保育園でのブックトーク。図書館を訪れる人たちは悩みを抱えていて、そんな謎を先輩司書たちの助けも借りて解決してゆく第二弾。両親がゴタゴタしている少年が昔読んだ本の話、小屋で見つかった白骨死体など一見関係なさそうに見えるひとつひとつのお話ですけど、それを繋げてゆくと意外な繋がりや思わぬ真実が見えてくる構成がうまいですね。同タイトルの訳者や挿絵違いなどは確かにあるあるで、切ないけれど人と人の繋がりを感じさせる結末は、著者さんらしくていいなと思えました。
読了日:09月25日 著者:森谷 明子
DOUBLES!! ―ダブルス―4th Set (メディアワークス文庫)DOUBLES!! ―ダブルス―4th Set (メディアワークス文庫)感想
先輩たちの引退試合となる都立戦での重い敗北を引きずったまま、夏を終えて代替わりした藤ヶ丘高校テニス部。下級生を引っ張る立場になった駆たちの苦悩が描かれる第四弾。部長の立場に悩む駆、エースとして勝つことにこだわる琢磨、自身の無力をかみしめる直也、空回りする三人にうまく言葉をかけられない涼。自分がどうにかしようとして空回りする苦悩を乗り越えるきっかけは、意外と些細なことだったりするんですよね。どうにか次の夏に向けていい兆しが見えかけてきていただけに、気になる最後の急展開がどうなったのか次巻が早く読みたいです。
読了日:09月24日 著者:天沢 夏月
……なんでそんな、ばかなこと聞くの? (角川文庫)……なんでそんな、ばかなこと聞くの? (角川文庫)感想
郡上踊りが終わるまでの死と生が入り混じる場所。なぜ死んだのかも忘れた高校生大和と、彼を生き返らせようとする幼馴染凛虎の不器用で真っ直ぐで凛としたひと夏の物語。二年前に死んだ凛虎の兄で親友の雪夜と、雪夜と凛虎の師匠である魔女の存在。理由を明かさないまま愚直に大和を生き返らせると告げる凛虎。終わりに向かう夏を二人で過ごす中で明らかになる事情は過去の謎に繋がっていて、譲らない頑固者の二人が散々ぶつかり合って出した諦めの悪い選択には、よくある切ない終わりの物語とはひと味違う彼ららしい後悔のない充足感がありました。
読了日:09月23日 著者:鈴木 大輔
わが家は祇園の拝み屋さん6 花の知らせと小鈴の落雁 (角川文庫)わが家は祇園の拝み屋さん6 花の知らせと小鈴の落雁 (角川文庫)感想
高校2年生に進級して小春を取り巻く環境が少しずつ変化する中、京都では不穏な事件が続発。澪人が小春や朔也たちと対策チームを結成しかつて京都に張りめぐらされた護りの結界を補修しようと動く第六弾。ドキッとするような過去も判明しつつ過去のいろいろを乗り越えて結成された対策チーム。自らの前世にきちんと向き合った小春、ようやく本音でぶつかりあった澪人と和人の兄弟と停滞する状況からの変化があって、迷わなかった最後の彼女の返事が気になりますね(苦笑)いろいろいい方向に向かうといいなと思える展開に続巻が楽しみになりました。
読了日:09月23日 著者:望月 麻衣
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女V」本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女V」感想
リュエルの実を採集することに成功し神官長と共に薬作りに励むローゼマインは、製紙業や口伝集め、神殿長として収穫祭の直轄地を回り、さらには初めての妹のために大奮闘する第十一弾。健康な女の子になれるということで大張り切りのマインでしたけど、彼女が張り切りすぎると何かあるのはいつも通りで、マイン不在となった二年間は周囲の人たちにとっても大変でしたけど、成長の時間だったりしたのですかね。悲喜こもごもだったいくつかの結婚絡みのエピソードはうーん...ままならないというかこれもまた仕方ないというか。第四部も楽しみです。
読了日:09月22日 著者:香月美夜
君との恋は、画面の中で (オーバーラップ文庫)君との恋は、画面の中で (オーバーラップ文庫)感想
過去のトラウマを抱える高校生・優弥がSNSだけで繋がりを持つ自称JKタカネさん。彼女とのやり取りを楽しみに日々生きていた優弥が、まさかのリアルで彼女と遭遇してしまう青春小説。コミュ障な優弥が友人の紹介で出会った可愛い高宮さん。タカネさんとリアルな高宮さんを同一視できず大混乱する優弥と、そんな彼相手に粘り強く頑張る高宮さんの間で育まれてゆく何とも複雑な関係。健気な高宮さんのエピソードが明らかになってゆくたびにもどかしさが募る展開でしたけど、遠回りしながらもあるべきところに落ち着いた結末にはホッとしました。 
読了日:09月22日 著者:半透めい
異世界迷宮の最深部を目指そう 9 (オーバーラップ文庫)異世界迷宮の最深部を目指そう 9 (オーバーラップ文庫)感想
ついにパリンクロンを倒したカナミが目覚めたのは迷宮・六十六層の裏。そこで守護者ロードと出会った彼がともに落ちたライナーと迷宮を脱出するべく地上を目指す第九弾。ロードによって語られる千年前の過去、そして地上を目指す過程で出会ったもう一人の守護者・ノスフィー。未練を残す二人の守護者と一刻も地上に戻りたい思いで揺れるカナミでしたけど、そんな優柔不断ぶりを見せたりしたら病んでるヒロインしか出てこないこの物語では当然泥沼まっしぐらですね・・・(苦笑)いやほんとにモテモテで困ってしまうカナミがどうするのか続巻に期待。
読了日:09月22日 著者:割内タリサ
最果てのパラディンIV 灯火の港の群像 (オーバーラップ文庫)最果てのパラディンIV 灯火の港の群像 (オーバーラップ文庫)感想
鉄錆山脈での死闘後のありふれた日常の日々。頼れる戦友・レイストフとの友誼と決闘や吟遊詩人ビィとの雪積もる魔法の森での冒険、無敵の巨人との戦いなどが描かれる第四弾。これまでの冒険と死闘の日々から一転して日常回となった今回、レイストフやビィといったウィルを取り巻く人物たちを絡めたエピソードでは彼らの背景も掘り下げられていて、巨人との対決もまたこの物語らしかったですが、うっかり?吐露されたウィル心の叫びには、ある意味彼らしいと思いつつもそっちか…と生温かい目で見守りたくなりました(遠い目)続巻も期待しています。
読了日:09月21日 著者:柳野かなた
七星のスバル 6 (ガガガ文庫 た 6-6)七星のスバル 6 (ガガガ文庫 た 6-6)感想
グノーシスによって連れ去られた旭姫。セトの圧倒的な力の前に為す術なく失意に沈む陽翔たちが、裏切った過去を乗り越えた希の決意の言葉をきっかけに再び立ち上がる第六弾。語られる謎の少女・エリシアの来歴と明らかになるセトの目的。ただ一人覚醒をなしえていないクライヴが目指したとある場所。最終決戦に向けた準備とさらなる力を求める彼らが出会った強敵の存在。今回は失われていたもの取り戻し、足りなかったピースを埋めてゆく準備回でしたけど、全体の構図も見えてきて最終決戦に近づいてきているのを感じました。次巻も期待しています。
読了日:09月21日 著者:田尾 典丈
セブンキャストのひきこもり魔術王5 (ファンタジア文庫)セブンキャストのひきこもり魔術王5 (ファンタジア文庫)感想
次期生徒会長候補にブランとアンジェが急浮上。スティーヴンによって意外な過去が明かされ、七十年前の大異変の全魔力を分身へと封じ込めるためブランが取り組んだ儀式が思わぬ事態に繋がってゆく第五弾。スティーブンによって語られるブランの父の過去や意外な繋がり。そして儀式によって生み出された最後の敵ワールド・エンド。最終決戦らしく主要キャラが勢揃いで戦っても苦戦する相手でしたけど、副会長も意外な活躍を見せたりでギリギリの中に活路を見出した決着と、それぞれが迎えた七詠唱らしい結末が印象的でした。次回作も期待しています。
読了日:09月21日 著者:岬 かつみ
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。12 (ガガガ文庫)やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。12 (ガガガ文庫)感想
ついに雪乃の口から語られた彼女が抱える悔恨。これまでのねじれにねじれていた状況に向き合い、踏み出したことで再構築されてゆく彼らのありようは少しずつでも確実に変わったことがあって、かといってそんな簡単に全てが変われるものでもなくて。その過程で形を変えて繰り返し描写される問題の本質と対照的な選択。再び大きな依頼を受けて試行錯誤しながら進めた先で突きつけられたのは今まさに直面している問題の縮図で、うまい形に落とし込んだなと思いました。行き詰った不器用な彼らがここでどんな解を見出そうとするのか、続巻に期待ですね。
読了日:09月20日 著者:渡 航
放課後、君はさくらのなかで (オレンジ文庫)放課後、君はさくらのなかで (オレンジ文庫)感想
通勤途中で事故に遭った市ノ瀬桜。目覚めると女子高生・円城咲良として生活する羽目になった桜は、担任の鹿山に事情を打ち明けて咲良の魂を探す青春小説。あまり報われない人生を送っていたはずの桜が直面するまさかの状況。そんな彼女が遭遇するかつての同級生で因縁もある鹿山の存在。難しい立場を自覚しつつも咲良のためにと一念発起して状況を変えてゆく彼女が、これまで知らなかった真実に直面して切なくもなりましたが、そんな彼女へ提示された少なからず複雑な想いも交じる未来は、やや意外でしたけど頑張って欲しいと応援したくなりました。
読了日:09月20日 著者:竹岡 葉月
ゲーマーズ! DLC (ファンタジア文庫)ゲーマーズ! DLC (ファンタジア文庫)感想
動画再生数の伸び悩み解決のため、自分に足りない『可愛げ』を持った相方を捜す大学生ゲーム実況者・霧夜歩。下手の横好き高校生―雨野景太に遭遇した彼女が、バレないよう収録を繰り返すシリーズ外伝。本編と同じ時系列で進む(本人はそれと知らされないまま)密かに続けられたジライヤこと景太と歩のゲーム実況。彼との実況は楽しいけど何かがこぼれ落ちるたびに嘘を重ねる歩の後ろめたさは、バレたらいろいろどうなるかという緊張感にも繋がっていて、期せずして邂逅した彼女との出会いが何をもたらすのか、これはこれで続刊に期待の展開ですね。
読了日:09月20日 著者:葵 せきな
妹さえいればいい。 8 (ガガガ文庫)妹さえいればいい。 8 (ガガガ文庫)感想
年明けアニメ化発表が近づく中判明した事件。伊月や土岐がアニメに翻弄される一方で、春斗や京、新人作家たちにも大きな変化が訪れる第八弾。お漏らし事件は業界側にはいろいろダメージのある話なんだなと思いつつ、お約束の初詣や新人作家の初発売日イベントだったり、意外な組み合わせになった同居話を支援する編集部の思惑に苦笑いしたり、今回は春斗がいろいろ絡んでた感もありましたけど、各人の思惑が滲み出る恒例のゲームイベントもあって今回も楽しかったです。心境が変化しつつある千尋はそろそろ動きがありそうですね。次巻が楽しみです。
読了日:09月20日 著者:平坂 読
やがて恋するヴィヴィ・レイン 4 (ガガガ文庫)やがて恋するヴィヴィ・レイン 4 (ガガガ文庫)感想
王女ファニアとの約束を果たすため王国に戻ったルカ。一方の王政に身を捧げる覚悟を決め、彼に蜂起を思いとどまらせようとするファニアとはすれ違ったまま、王国はついに革命のときを迎える第四弾。立場を違えていてもお互い胸に秘める約束への想いと、燃え上がってゆく革命への流れ。かなり厳しい状況を乗り越えついに果たした五年ぶりの束の間の邂逅にはぐっと来ましたが、そうそう上手くは行かないですね。ミズキもアステルがそれぞれ思うところも気になる中、相変わらず厳しい立場のファニアですけど著者さんの言葉を信じてますよ?続巻も期待。
読了日:09月20日 著者:犬村 小六
八月十五日に吹く風 (講談社文庫)八月十五日に吹く風 (講談社文庫)感想
1943年、北の最果て・キスカ島であった忘れられた救出劇。多忙の外務省担当官に上司から渡された太平洋戦争時のアメリカの公文書から、戦後の占領政策を変える鍵となった報告の存在が明らかになってゆく物語。劣勢に陥りつつあった第二世界大戦末期、北の最果てにあるアメリカから奪った日本の占領地。アッツ島が玉成したことでアメリカ軍に包囲され取り残されたキスカ島の軍人五千人。そんな絶望的ともいえる難しい状況の中で知恵を振り絞ってその救出に向かい、見事それを成し遂げた木村少将たちのありようはとても心に響くものがありました。
読了日:09月19日 著者:松岡 圭祐
君を一人にしないための歌 (だいわ文庫 I)君を一人にしないための歌 (だいわ文庫 I)感想
中3の夏、吹奏楽コンクールの大失敗をきっかけにドラムをやめたモリソンが、高校入学後七海に強引に誘われ凛も加わりバンドを結成する青春ミステリ。ドラムはもうやらないはずがいつの間にか巻き込まれたモリソン。ただ最後のメンバーとして募集したギタリストが訳ありだらけで、なかなか演奏までいかずにもどかしかったですが、普段はおどおどしがちなモリソンが見せる意外な鋭さのギャップ、一方で過去に苦しい出来事があったのは彼だけでなく、彼女たちのヒミツが明らかになるたびに印象も変わり、絆が育まれてゆく展開は上手いなと思いました。
読了日:09月19日 著者:佐藤 青南
金曜日の本屋さん 秋とポタージュ (ハルキ文庫)金曜日の本屋さん 秋とポタージュ (ハルキ文庫)感想
ある日、倉井に大学内で話しかけてきて一日だけ金曜堂を手伝うことになった二人の女子大生の微妙な距離感。倉井父と二茅さんのエピソード、すれちがっていた親子たちの本を巡る物語第三弾。これまですれ違ったままだった人たちが、本を通じてこれまで伝わらなかった想いを知り、再び心を通わせるようになってゆくお話が多かったですが、きちんと思いを相手に伝えるって大事ですよね。そんなエピソードの数々は倉井が家族を考えることにも繋がっていて、それがすぐにではないにしても、これから先彼がどんな決断をするのか少しばかり気になりました。
読了日:09月18日 著者:名取佐和子
人魚に嘘はつけない人魚に嘘はつけない感想
漁師の親父が溺れている「何か」を助けて行方不明になったあの日、浜辺に打ち上げられ海に帰れなくなった人魚・ユーユ。彼女との出会いが海町に住む高校二年生のアサたちを変えてゆく青春小説。行方不明になった父に反発していたアサ、走れない陸上部の幼馴染・シオ、波にのれないサーファーの親友・ウミ。そして陸上での生活を満喫してはいるけれど、海に帰りたいと願うユーユ。彼女との出会いをきっかけに彼らが自らの悩みに向き合い答えを見出してゆく連作短編的な構成で、それぞれが選んだ未来でも彼らの確かな絆を感じられる素敵な物語でした。
読了日:09月17日 著者:半田 畔
マツリカ・マトリョシカマツリカ・マトリョシカ感想
マツリカさんの命で学校の怪談を調査する柴山は、偶然出会った一年生・春日から第一美術室の怪談を耳にする。期せずして開くことになった開かずの扉の中で制服を着せられたトルソーが発見されるシリーズ第三弾。春日が真相を追う二年前の事件との繋がりと、犯人と決めつけられてしまう柴山。今回はこれまでできた友人たちに助けられながら推理を重ねてゆく柴山の姿に変化と成長を感じましたが、出番少なめながらも要所を締める妖艶なマツリカさんの存在感は相変わらず抜群で、からかわれひれ伏す二人の絆を堪能できました(苦笑)今後の展開も期待。
読了日:09月16日 著者:相沢 沙呼
今からあなたを脅迫します 透明な殺人者 (講談社タイガ)今からあなたを脅迫します 透明な殺人者 (講談社タイガ)感想
千川が姿を消して数カ月。怪しいナンパ師・スナオと出会った金坂澪が彼とともにいくつかの不可解な事件に遭遇するようになり、それが脅迫屋・千川の行方にも繋がってゆく第二弾。冒頭の不審死に公園の植え込みに突っ込まれた自転車、闇金業者との対決など、バラバラに思える事件が少しずつ繋がってゆくなかでようやく見つけた千川の過去と衝撃的な場面。明らかになってゆく巧妙に仕組まれていた事件の真相はどうにももやもやするというか後味が悪くて、そんな絶望的な状況にも諦めない千川の覚悟に澪がどう向き合うのか、10月の続巻が楽しみです。
読了日:09月15日 著者:藤石 波矢
紅霞後宮物語 第零幕 二、運命の胎動 (富士見L文庫)紅霞後宮物語 第零幕 二、運命の胎動 (富士見L文庫)感想
軍人として生きる覚悟を決めた小玉は男運に恵まれない一方、異例の速度で昇進。仲間や上官にも恵まれ、職務に邁進していた小玉のもとに新しい部下が配属される小玉と文林、出逢いの物語第二弾。着々と形成されてゆく軍人として邁進し始めた頃の小玉と部下となった文林の邂逅は、最初はいかにもそうなりそうだなあという距離感と、それが変わってゆくいくつかのきっかけがあって、つまるところ小玉は率直だし文林は意外と素直なんですよね。ここからさらにどんなことがあって二人の関係がどう変わっていくのか、続巻が楽しみになるエピソードでした。
読了日:09月15日 著者:雪村花菜
最弱無敗の神装機竜《バハムート》13 (GA文庫)最弱無敗の神装機竜《バハムート》13 (GA文庫)感想
大聖域攻略目前に世界連合を離反し宣戦布告した創造主。囚われた七竜騎聖を人質に各国代表たちを誘き寄せ、リーシャたちも救出のために廃都に駆けつける第十三弾。ルクスたち七竜騎聖に臣従を持ちかける一方、各国首脳陣を殲滅すべく何重も罠を張り巡らす創造主。大聖域攻略の協力者としてルクスを指名した第二皇女の真意。今回は騎士団の面々がそれぞれ成長したところを見せて苦しい局面を覆す大活躍で、序盤の緊張感からすると何とも締まらない結末だなとも思いましたけど、協定加入者はこれからまだまだ増えそうですね(苦笑)次巻も楽しみです。
読了日:09月14日 著者:明月 千里
29とJK3 ~社畜のいやしはJK~ (GA文庫)29とJK3 ~社畜のいやしはJK~ (GA文庫)感想
後輩の渡良瀬に交際中のJK・花恋と一緒にいるところを目撃された鋭二。妹とごまかしたことで始まる波乱の社内野球大会と、元カノで幼馴染の沙樹と昔の親友を巡るほろ苦い過去も明らかになってゆく第三弾。渡良瀬に妹を装う花恋、実妹に幼馴染まで大集合で、そのやり取りが気になって仕方ない社内野球大会での真剣勝負。そして沙樹と出席した同窓会で再び動き出す昔の親友との因縁。いろいろ交錯する展開でヒロインたちの心情も気になるところですが、過去に現在に会社の命運まで絡んできて真っ向勝負待ったなしですね。これは次巻が楽しみですよ。
読了日:09月14日 著者:裕時 悠示
ゴブリンスレイヤー6 (GA文庫)ゴブリンスレイヤー6 (GA文庫)感想
新たな冒険者希望者が集まる春。ゴブリン退治だけを希望する少年魔術師が受付嬢を困らせる一方、かつて住んでいた村があった場所に冒険者訓練場が建設される第六弾。昇級試験に合格できかった女神官に絡んだ、未熟な赤毛の少年魔術師が抱えている忸怩たる思い。ゴブスレたちと組んで臨んだ初めての冒険で容赦なく力不足を突きつけられる現実は過酷で、だからこそ再び陥る窮地に今の自分ができることをやりきった少年と女神官の成長にはグッと来るものがありました。いろいろ気になる彼を巡る人間関係もそろそろ変化というか進展があるといいですね。
読了日:09月13日 著者:蝸牛 くも
見習い鑑定士の奮闘-京都寺町三条のホームズ(8) (双葉文庫)見習い鑑定士の奮闘-京都寺町三条のホームズ(8) (双葉文庫)感想
無事合格し念願の京都府立大の大学生になった葵。一方大学院を卒業した清貴はオーナーに社会勉強のため京の街の外に修業に行くように命じられてしまう第八弾。美術館で働いたり秘書になったり、ニューヨークに行って視野を広げたり。秋人さんに絡まれたり清貴の過去エピソードも明かされつつならしさ満載の修行模様と、葵も呆れる清貴の彼女バカっぷり(苦笑)合間に葵に会いつつ探偵役もこなし、忙しいのに葵の家族相手にしっかり点数を稼いでゆくそのそつのなさにはビックリ。でも相変わらず円生とは仲悪いままで笑いましたw 続巻も期待です。 
読了日:09月13日 著者:望月 麻衣
宝石鳥宝石鳥感想
神の遣いである宝石鳥の子孫が治めるシリーシャ島。新たな女王即位の儀式カーシェ・ルフが近づく中、不思議な力を持つ仮面の次期後継者候補と、百年前の因縁が複雑に絡み合う死と再生のファンタジー。肖像画のモデルである謎の女性を生涯追い続けた天才画家、飛行機事故で舞踏家の妻を亡くした音楽家、学術調査に出かけた島で行方不明になった婚約者を追う美大生。いくつもの因縁が儀式の下に繋がってゆくことで、止まったままだった過去が再び動き出して再生に繋がってゆく壮大な展開はとても読み応えがありました。これはもう次回作も期待ですね。
読了日:09月13日 著者:鴇澤 亜妃子
R.E.D. 警察庁特殊防犯対策官室 (新潮文庫nex)R.E.D. 警察庁特殊防犯対策官室 (新潮文庫nex)感想
東京五輪後、災厄により中京に暫定首都が移転した世界。急速に治安が悪化する中、テロ計画を未然に鎮圧すべく総理直轄・女性 6 名の特殊捜査班R.E.D.が警察庁に設立される警察小説。いかにも著者さんが好きそうな世界観で、敵も多い傑物な女総理の下、ケチな神代を指揮官に個性豊かな異能を持つ少女たちを従え、副総理と警視総監が絡む難しい政官業巨大疑獄を追う展開。一風変わった彼女たちと上司たちの使い使われる関係も気になるところですが、破格な彼女たちの活躍は圧倒的でした。登場人物たちもいろいろありそうで続巻が楽しみです。
読了日:09月12日 著者:古野 まほろ
ウォルテニア戦記VII (HJ NOVELS)ウォルテニア戦記VII (HJ NOVELS)感想
御子柴亮真統治のもとで発展しつつあるウォルテニア半島。しかしエルネスグーラが新たな軍事行動を仕掛けたことにより、亮真はローゼリア王国のルピス女王から軍隊の派遣を命じられる第七弾。何ともグダグダ感が凄まじいローゼリアに巻き込まれる形で決まったザルーダへの援軍。内政の整備は道半ばでの派兵でしたけど、いろいろな思惑が渦巻く中でも冷静に現実的な対応をしてゆく亮真と、彼が率いる300名が今後台風の目になっていきそうな予感がする展開でしたね。ディルフィーナがこれからどういう立ち位置になってゆくのか気になるところです。
読了日:09月11日 著者:保利亮太
100億人のヨリコさん100億人のヨリコさん感想
カネがない苦学生の小磯が入居することになったオンボロの学生寮。先輩やシングルーマザー母娘とともに暮らすうちに、天井に貼り付いた血まみれのヨリコさんに遭遇するようになる物語。著者さんのあとがきにたびたび登場していたヨリコさんが登場。個性の濃い寮生たちに、得体の知れないモノに囲まれた自給自足生活。そんな中、寮内のあちこちで見かけるようになるヨリコさん。そんなヨリコさんを真面目に考察していたと思ったらまさかの超展開で、ヨリコさんを止めるために奔走する寮生たちの逞しさと楽しい掛け合いがとても熱くて楽しかったです。
読了日:09月11日 著者:似鳥 鶏
新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙III (電撃文庫)新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙III (電撃文庫)感想
海賊の島から出たコルとミューリは、嵐に巻き込まれウィンフィール王国の港町デザレフにたどり着く。教会が機能していないその町で、羊の化身でイレニアと名乗る商人の娘が現れる第三弾。町で救世主のような扱いを受けたりミューリとの関係も少しずつ変わる中、イレニアの計画や教会への徴税に巻き込まれていく二人。何事も誠実に対応しようとするコルですけど、一方で優れた洞察力から現実的な選択ができるのも良いところで、こういう緊迫感のある展開は面白いですね。いろいろ背景や重要なキーワードが出てきて、今後が楽しみになってきました。 
読了日:09月11日 著者:支倉 凍砂
わたしの魔術コンサルタント(2) 虹のはじまり (電撃文庫)わたしの魔術コンサルタント(2) 虹のはじまり (電撃文庫)感想
かつての師の娘・ヒナコとの衝撃的な出会いから四ヶ月。ヒナコは永聖魔術学院に入学を果たして新入生代表で学院を波紋を広げ、秀春は過去を知る逢夏と再会、そして再び秀春たちのもとに朝倉響示現れる第二弾。間が空いて前巻の記憶がやや怪しかったですが、魔術士名家の皇希遊とヒナコの邂逅と決闘から始まる彼女たちの成長と育まれゆく友情、明らかになってゆく秀春の過去の因縁と複雑な想いや事件の真相、様々なものを乗り超えた先にあった結末にはなかなかぐっと来るものがありました。いい感じにまとまってはいましたが続刊また読みたいですね。
読了日:09月09日 著者:羽場 楽人
ラノベ作家になりたくて震える。 (電撃文庫)ラノベ作家になりたくて震える。 (電撃文庫)感想
ラノベ作家志望の高校生・冬野藍介は自分の作品が何者かに盗作され新人賞を受賞したことを知る。ショックを受ける藍介がクラスメイトの睡蓮から衝撃的な告白を受け二人で続編を書き始める青春小説。元天才子役かつ幼馴染で苦手な存在の睡蓮。そんな彼女から告げられた受賞作の真実から始まった二人の続巻執筆作業。もやもやを抱えたままでは上手くいかないのは当然で、けれど失ってから初めて分かる想いもあって。すれ違う展開がどうにももどかしかったですが、乗り越えた二人がこれからどんな物語を紡いでいくのかまた続きを読みたいと思いました。
読了日:09月08日 著者:嵯峨 伊緒
リア充にもオタクにもなれない俺の青春 (電撃文庫)リア充にもオタクにもなれない俺の青春 (電撃文庫)感想
覇権にこだわるオタクたちについていけず、リア充のやりとりもまた面倒くさいと感じてしまう中途半端な荒川亮太が、公園である事件に遭遇しいろいろ巻き込まれてゆく青春小説。いかにもリア充っぽいメグと、自らがかつて決別したオタ仲間の一人だと思っていた奈々子がそれぞれ抱える密かな想い。一見対極に思えるオタクとリア充を突き詰めてゆくと、避けられないのはそのどうにも面倒な窮屈さで、それでも居場所を大切にしたい彼女たちの切実な想いに応えてみせた亮太の解決法には苦笑いでしたが、こういうのもありかなと思えた興味深い物語でした。
読了日:09月08日 著者:弘前 龍
嫌われエースの数奇な恋路 (電撃文庫)嫌われエースの数奇な恋路 (電撃文庫)感想
前年甲子園予選決勝まで残った結果、爆発的に増加した女子マネ志望者。決勝戦敗北のA級戦犯で今は男子マネとなった「嫌われエース」押井数奇と門前払いされる中で一人だけ残った強者・蓮尾凜が織りなす青春小説。難しい状況であえて男子マネとして部に残った数奇と、彼に因縁があるらしく何かと張り合う凜。少しずつ変わってゆく状況と諦めない不器用な数奇の頑張りがあるからこそ、ままならない現実にはもどかしい気持ちにもなりましたが、そこからの彼の頑張りと葛藤もまた青春の1ページで、これはこれで良かったのかなと思える青春物語でした。
読了日:09月08日 著者:田辺 ユウ
潮風エスケープ潮風エスケープ感想
実家との関係に悩む高校生の深冬が、思いを寄せる大学生の優弥とともに島の伝統「潮祭」が開かれる彼の故郷・潮見島へ向かい、様々な出会いや経験を経て成長してゆく青春小説。実家の農家を継ぐことに抵抗を覚え全寮制の高校に進学した深冬。想いを寄せる優弥の故郷で出会った祭の神女となる少女・柑奈。そして島に現れる優弥の想い人渚。廃れゆく伝統とどう向き合うのかという問題は形は違えどどこにでもあって、ぶつかり合って簡単に出ない答えに対して、きちんと自分で見出そうとするようになった彼女たちの成長がとても眩しい素敵な物語でした。
読了日:09月07日 著者:額賀 澪
青の聖騎士伝説II LAMENTATION OF THE EVIL SORCERER (電撃文庫)青の聖騎士伝説II LAMENTATION OF THE EVIL SORCERER (電撃文庫)感想
シドの剣が生まれた経緯とシドの魔道士グラシェラの対決、若き日の魔法使いサヴァランを巻き込んだ策謀や魔道士グラシェラの秘された過去に触れる第二弾。今読むとわりと淡々とした文章かなと思わなくもないですが一方で読みやすさもあって、元凶である魔道士グラシェラとの対決や暗躍を描いた後に、そこでグラシェラ自身が堕ちるまでのエピソードを挿入した上でその結末を描くあたりが上手いですね。フォーチュン・クエスト以前にあった時代の物語ですが、これを読んでるとフォーチュン・クエストが懐かしくなるというか、また読みたくなりますね。
読了日:09月06日 著者:深沢 美潮
お迎えに上がりました。 国土交通省国土政策局幽冥推進課 (集英社文庫)お迎えに上がりました。 国土交通省国土政策局幽冥推進課 (集英社文庫)感想
入社式当日に会社が倒産し路頭に迷った朝霧夕霞。失意の中で公園の掲示板にあった国交省臨時職員募集の貼紙を見つけ、特殊能力を買われて採用されるあやかしお仕事小説。夕霞が不可思議な採用試験を乗り越え採用された、国土開発の妨げになる地縛霊などを立ち退かせるのが仕事で実質的に「人」が夕霞しかいない謎の部署「幽冥推進課」。自殺したアイドルや事故死で家に帰れなくなった会社員、百五十年も橋を守り続けてきた少女など、真っ向から向き合い体当たりでその心残りを解消してゆく夕霞の奮闘ぶりはなかなか良かったです。シリーズ化も期待。
読了日:09月06日 著者:竹林 七草
家政婦ですがなにか? 蔵元・和泉家のお手伝い日誌 (集英社オレンジ文庫)家政婦ですがなにか? 蔵元・和泉家のお手伝い日誌 (集英社オレンジ文庫)感想
短大卒業後、母の遺言で彼女がかつて働いていた蔵元・和泉家で家政婦として働くことになったみやび。そこで泉家の四兄弟やその母と関わってゆく物語。クールで切実にお金を稼ぎたい事情を抱えるみやびが、和泉家で働きたいもう一つの目的。蔵元ネタ自体はほどほどでしたが、母君にコスプレじみたメイド姿にさせられたり、四兄弟に難癖をつけられたり、彼女役を依頼されたりと、忙しい日々の中でいろいろな出来事に遭遇しながら少しずつ和泉家に馴染んでいく展開はなかなか悪くなかったです。今後が気になる終わり方だったので、続刊期待しています。
読了日:09月05日 著者:高山 ちあき
セーラー服とシャーロキエンヌ 穴井戸栄子の華麗なる事件簿 (角川文庫)セーラー服とシャーロキエンヌ 穴井戸栄子の華麗なる事件簿 (角川文庫)感想
可憐でドSな女子高生の女流探偵・穴井戸栄子とその下僕で助手の古野まほろが不思議な4つの事件を解決する天帝とセーラー服と黙示録シリーズのクロスオーバーかつホームズパスティーシュな連作短編集。事件を操作するドSな探偵と下僕な助手たちのテンポの良い掛け合い、Zガンダムネタやエヴァネタ満載の思い切り趣味に走った世界観は本格ミステリを楽しむというより著者さんの世界を堪能するようなテイストで、そういうものだと思って読む分にはなかなか面白かったです。どんどん迷走していく栄子の推理を次々にぶった切るまほろには笑いました。
読了日:09月05日 著者:古野 まほろ
宝石商リチャード氏の謎鑑定 祝福のペリドット (オレンジ文庫)宝石商リチャード氏の謎鑑定 祝福のペリドット (オレンジ文庫)感想
リチャードが抱えていたトラブルも一段落し帰国した二人。大学三年生となりそろそろ就職活動が本格化し始める正義が、再びリチャードの過去を知ることになる第五弾。就活に向けて危機感をつのらせてゆく中で、スリランカ時代や子供時代など、期せずして恩師や家庭教師といった彼をよく知る人物から語られるリチャードの過去は実に重いですが、一方で良くも悪くもそれが今の彼に繋がってゆくものを形作っていったんだなと実感しました。谷本女史との今後ももちろんですが、少しずつ変わりつつあるリチャードとの関係も気になるところではありますね。
読了日:09月04日 著者:辻村 七子
巫女華伝 恋し君と永遠の契り (角川ビーンズ文庫)巫女華伝 恋し君と永遠の契り (角川ビーンズ文庫)感想
大倭の皇子・紫苑の突然の求婚に驚きながらも、その人柄に惹かれていく巫女・瑠璃。瑠璃の婚約者・翡翠と紫苑弓の一戦で神の誓約により結婚相手を決めようとする中、瑠璃が人質として攫われる第二弾。騒動での活躍で一定の評価は得たものの未だ前途多難な瑠璃と紫苑の結婚。攫われた瑠璃が目の当たりにする新たな可能性。中央との難しい駆け引きも依然として燻る中、瑠璃の無謀とも思える決断が流れを変えた面もあって、彼女を信じた紫苑と二人で生み出した流れが二人の関係だけでなく国のありようにも影響を及ぼしてゆく素敵な結末だと思いました。
読了日:09月03日 著者:岐川 新
魔法使いの願いごと (講談社タイガ)魔法使いの願いごと (講談社タイガ)感想
目が見えない幼いヒカリに出会った魔法使い・ヒトがくれたのは、「綺麗なものだけが見える」不思議な目。しかし再び目の光を失いつつあった彼女が一人の少年と出会う物語。「綺麗なもの」も慣れるうちにどんどん見えなくなっていくヒカリ。そんな彼女とお手伝いの息子・セカイとの出会いから始まる変化の兆し。童話のような雰囲気があって、幼き日に「綺麗なものだけが見える」不思議な目がヒカリに与えられたのには理由に何とも切ない気持ちになったりしましたが、大切なものをきちんと見誤らなかったヒカリの想いとその後には救われる思いでした。
読了日:09月03日 著者:友井 羊
ヤキトリ1 一銭五厘の軌道降下 (ハヤカワ文庫JA)ヤキトリ1 一銭五厘の軌道降下 (ハヤカワ文庫JA)感想
地球人類は国籍の区別なく商連と呼ばれる異星の民の隷属階級に落ちた未来世界。閉塞した日本から抜け出すため、アキラは募兵官の調理師パプキンの誘いで商連の惑星機動歩兵―通称ヤキトリに志願する近未来ファンタジー。国籍も違う癖の強いメンバー四人と実験ユニットK-321に配属され、火星に向かうアキラ。その過程で嫌というほど思い知らされるヤキトリの過酷な待遇。どれだけ屈辱的な扱いを受けたり凹まされても反骨心を失わないアキラたちには凄いなと感心しきりでしたが、だからこそ見出した活路が変革の兆しになるか続巻に期待ですね。 
読了日:09月02日 著者:カルロ・ゼン
霧ノ宮先輩は謎が解けない (講談社ラノベ文庫)霧ノ宮先輩は謎が解けない (講談社ラノベ文庫)感想
事件の匂いを嗅ぎつけて実家の財力もフル活用し現場に赴く霧ノ宮先輩。傍迷惑な彼女に助手とされた後輩の秀一が探偵として事件を解決する探偵小説。華麗に的外れな迷推理を披露してしまう残念な霧ノ宮先輩が持つ特異な能力。彼女に振り回されて殺人事件の捜査に関わるうちに起きる第二第三の事件。いわくありげな人間関係を設定をいくつも提示しながら物語へ上手く落とし込めず、消化不良気味なまま終わった感はありましたが、たびたび挿入される犯人の独白や伏線は事件解決へと繋がっていて、探偵役秀一はなかなかいい味を出していたと思いました。
読了日:09月01日 著者:御守 いちる
こんな僕が荒川さんに告白ろうなんて、おこがましくてできません。 (講談社ラノベ文庫)こんな僕が荒川さんに告白ろうなんて、おこがましくてできません。 (講談社ラノベ文庫)感想
成績優秀だがクズを自認する浅井悠馬が偶然クラス演劇主役を演じることになり、幼馴染の明日香とともにクラスの中心に君臨する荒川唯のグループに巻き込まれてゆく青春ラブコメディ。行動をともにする機会が増えてゆく唯の見た目とは全然違う純真さとひたむきさ。少しずつ惹かれてゆく悠馬が知ってしまった唯のらしくない秘密。何ともほろ苦い気持ちを抱えながら、それでも彼女のために奮闘する悠馬の姿は心に響きましたが、だからといって頑張れば報われるとは限らないのが現実で、そんな迷える彼らの行く末を続巻でまた読んでみたいと思いました。
読了日:09月01日 著者:清水 苺
緋色の玉座II (角川スニーカー文庫)緋色の玉座II (角川スニーカー文庫)感想
ペルシャとの国境・ダラスで司令官として軍を率いるベリスが対峙する女将軍のペーローズに苦戦、一方帝都でも変革を急ぎ過ぎて打倒ユスティンを掲げる反乱が発生して混乱に陥る第二弾。ペーローズ相手に一進一退の状況で起きた帝都の混乱と方針の違いによるプロックス離脱。難局を打開する様々なことまで見通した策には彼の存在感を改めて感じさせましたが、難しい立場にあるベリスの迷いのない決断が帝国の危機を救った意味もまた大きかったですね。ペーローズは再登場に期待ですが、ここから戦う相手も変わる新展開になりそうで続刊が楽しみです。
読了日:09月01日 著者:高橋 祐一

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