読書する日々と備忘録

主に読んだ本の紹介や出版関係のことなどについて書いています

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1月に読んだ本 #読書メーターより

年末に右手骨折とかいう、しなくてもいいアクシデントに遭遇したことで大幅に予定が狂いましたが、1月は何となくコミックのまとめ読みしたりもして、結局数字上はいつもよりちょっと多めになりました。ラノベはわりとこれだというものをピンポイントで買ったのでやや少なめですが、積読をちょっと減らせて気になっていた本も少し消化できたかなという状況です。

 

 2017年1月の読書メーター
読んだ本の数:85冊
読んだページ数:21568ページ
ナイス数:5558ナイス

まるで人だな、ルーシー (角川スニーカー文庫)まるで人だな、ルーシー (角川スニーカー文庫)感想
エキセントリックボックスに宿る少女・スクランブルの人身御供となった御剣乃音が願いを叶える代償は人の感情。人間らしさを失いつつも力を行使し人を救う乃音が、正反対の人身御供・氷室に出会う物語。壊れてゆく自覚から抱える矛盾に悩む乃音と、代償に感情を得てどんどん人間に近づいてゆくスクランブル。大切だったものを次々と切り捨ててしまう乃音の選択には絶望的な気分になりましたが、だからこそ彼が育んできたものをきっかけに、どうにか悪くないとも思えるところに落ち着いた結末には救われる思いでした。これは次回作にも期待ですね。
読了日:1月31日 著者:零真似
終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?#EX (角川スニーカー文庫)終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?#EX (角川スニーカー文庫)感想
聖剣セニオリスを抱えたラキシュの夢という形でかつての所有者である500年前の正規勇者リーリァと準勇者ヴィレムの日常と、クトリとヴィレムの想い慕われる日常が描かれる第一部外伝。これまで断片的にしか登場しなかったヴィレムの妹弟子で正規勇者・リーファの生い立ちとそのありよう。過酷な過去を乗り越えてきたその強さと、一言では言い表せない確かな絆を育んできたヴィレムとの関係がリーファを魅力的な存在にしていて、クトリのヴィレムのやりとりもまた甘酸っぱいエピソードでした。充足感が高くこういう外伝ならまた読んでみたいです。
読了日:1月31日 著者:枯野瑛
魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい? 1 (HJ文庫)魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい? 1 (HJ文庫)感想
不器用で口が悪く魔術師として人々に恐れられるザガン。そんなサガンが亡き魔王の闇オークションで白い奴隷エルフの少女ネフィに一目惚れして全財産をつぎ込み購入。不器用な二人の共同生活が始まる物語。コミュ障でどう接していいか分からずたびたび言葉選びを間違えるサガンと、最初は怯えながらも彼の不器用な優しさを知り徐々に心を開いて行くネフィ。これまで孤独な境遇を過ごしてきた二人が、戸惑いながらも危機的状況を乗り越えて絆を育んでいく物語は、わりとシンプルな構図でベタな展開ではありましたがなかなか良かったです。続巻も期待。
読了日:1月30日 著者:手島史詞
美術鑑定士・安斎洋人 「鳥獣戯画」空白の絵巻 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)美術鑑定士・安斎洋人 「鳥獣戯画」空白の絵巻 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
京都・松老寺で発見された国宝「鳥獣戯画」絵巻の断簡を専門家が本物と判定。オークションにて10億円で落札されるも関係者が次々と不審死を遂げ、天才的な審美眼をもつ安斎洋人も陰謀に巻き込まれてゆくミステリ。断簡を見た洋人が感じた違和感。断簡を巡る関係者たちの思惑、洋人の旧知で関係者でもある玲子との再会とその因縁。洋人が自分のありように迷いながらも事件を通じて過去とも向き合い事件の謎と自らの想いに答えを見い出してゆく展開は、2つのテーマをうまく絡められなかった感はあったもののなかなか面白かったです。次回作も期待。
読了日:1月30日 著者:中村啓
これは愛じゃないので、よろしく 2 (マーガレットコミックス)これは愛じゃないので、よろしく 2 (マーガレットコミックス)感想
惚れそうになったのがくやしくて九条を惚れさせてやると誓ったさら。しかし他校の文化祭に出かけた際に知り合った大家がその後も学校に現れたりで、さらは戸惑い九条もやきもきする第二弾。大家という分かりやすいライバルの登場で、本気じゃなかったはずの九条が勘違いしたりどんどんのめり込んでゆく展開がとても良かったですね。番外編では幼年期の因縁も描かれていて、これはどうなるのか気になりますねえ。
読了日:1月29日 著者:湯木のじん
メンズファッションの解剖図鑑メンズファッションの解剖図鑑感想
メンズファッションの大原則からアイテムの選び方や習慣作りまで、日本人に適したおしゃれの理論がやさしく分かるということで期待して手に取った本。イラストも多くポイントを押さえたシンプルな構成で、これさえあれば大丈夫というレベルの内容ではなかったですが、取り上げている参考アイテムも手頃感のあるものが多く、これまでファッションに特に興味を持ってこなかったり苦手意識を持っていた、あるいは自信が持てなかった層がまずは基本を押さえたい時の入門書として読むと参考になる部分も多いのかなと感じたとても読みやすい一冊でした。
読了日:1月29日 著者:MB
おにんぎょうさまがた (集英社オレンジ文庫)おにんぎょうさまがた (集英社オレンジ文庫)感想
金色の巻き毛に、青いガラス目。丸みを帯びた桜色の頬に、控えめな微笑み。そんな人形たちとの出会いがその運命を変えてゆく、五体の人形にまつわる美しくも哀しいノスタルジック・ホラー。淡々と綴られてゆく特異な力を持っている不気味な人形たちとの出会いと、それによって次々と発生する凄惨な事件。各エピソードを読んでゆくともちろん人形を持つことが悪いことばかりでもなかったことがわかりますが、昏い感情を抱える所有者のちょっとした転機が悲劇の引き金に繋がってしまう展開には、著者さんらしい雰囲気が感じられました。次回作も期待。
読了日:1月29日 著者:長谷川夕
リンドウにさよならを (ファミ通文庫)リンドウにさよならを (ファミ通文庫)感想
想いを寄せていた少女・襟仁遥人と共に屋上から落下し死んでしまったらしい神田幸久。二年後地縛霊として目覚めた彼はクラスでいじめに遭う穂積美咲に存在を気づかれ彼女と友達になる青春小説。自分の存在に気づいてくれた少女・美咲の優しい一面を知って現状を変えようとアドバイスをし、美咲が勇気を持って踏み出した一歩から少しずつつ変わってゆくその境遇。繊細な描写を積み重ねて作り上げられた伏線を回収してゆくことで意外な事実も明らかになっていって、爽やかで納得感のある結末まで組み上げたその構成力は今後に期待の作家さんですね。
読了日:1月29日 著者:三田千恵
これは愛じゃないので、よろしく 1 (マーガレットコミックス)これは愛じゃないので、よろしく 1 (マーガレットコミックス)感想
物語みたいなほんとの愛に憧れる泉さら(高1)。イケメン・九条翼が彼女と別れる場面に遭遇し、その思いやりに感動するもその九条の黒王子っぷりを知ってしまう物語。夢見がちでちょっとズレてるけどピュアなさらと、過去の苦い思い出から女嫌いでやや捻くれ気味の九条。二人の複雑な思いをベースとするテンポの良い展開はなかなか楽しくて、九条の友人がまたいいアクセントになってますね。どうなってゆくのか期待の作品。
読了日:1月28日 著者:湯木のじん
屋上で縁結び (集英社文庫)屋上で縁結び (集英社文庫)感想
勤め先が倒産し再就職活動も連敗中の苑子。面接会場から遠くのビルの屋上に建つ神社を見つけ神頼みをした彼女が、その神社があるビルの受付に採用が決まるお仕事ミステリ。人の顔を覚えるのが得意なことからビルの受付として採用された苑子。文化教室が入っていたり屋上に神社があるビルで起こる事件の謎解きだったり、神社のアラサーバツイチ子持ちイケメン神主・幹人と出会う展開は意外な人間関係の繋がりも明らかになっていってなかなか興味深かったです。恋模様はなかなかビターな状況でしたけど、続刊出るならまた読みたい期待感がありました。
読了日:1月28日 著者:岡篠名桜
クズの本懐(7) (ビッグガンガンコミックス)クズの本懐(7) (ビッグガンガンコミックス)感想
本性を隠さなくなった皆川先生をそれでもいいという鐘井。花火はえっちゃんときちんと向き合いその気持ちに区切りをつける第七弾。花火とえっちゃんの本音で向き合った展開にはちょっとうるって来ちゃいましたが、クズ過ぎてもいいとか言ってしまう鐘井と、彼女を何とかしたい麦にアプローチされる皆川先生とかいう展開は予想してなかった。最後はみんな幸せになって欲しいんだけどどういう結末になるのか気になります。
読了日:1月28日 著者:横槍メンゴ
クズの本懐(6) (ビッグガンガンコミックス)クズの本懐(6) (ビッグガンガンコミックス)感想
ついに告白を決意した花火と、モカの気持ちと向き合う麦、花火を想い続けるえっちゃん。諦めきれない想いに決着をつける第六弾。今回はふんぎりをつけるいいきっかけになるだろうし、これはこれでいい流れに繋がってくれればと思いながら読んでたらまさかの展開。花火を傷心旅行に誘ったえっちゃんでしたけど、彼女のそばに支えてくれる人がいてどこかホッとしました。
読了日:1月28日 著者:横槍メンゴ
クズの本懐(5) (ビッグガンガンコミックス)クズの本懐(5) (ビッグガンガンコミックス)感想
正式に付き合うことになった花火と麦だったが、歪んだ愛情で花火を惑わせるえっちゃん。一方麦を一途に想い続けるモカが麦とデートする第五弾。ここで素直に二人が向き合えれば良かったんですけど、諦めきれない二人のアプローチと、自分とタイプが違うのに皆川先生を意識し過ぎていることが花火を危うい感じにしててハラハラします...。
読了日:1月28日 著者:横槍メンゴ
クズの本懐(4) (ビッグガンガンコミックス)クズの本懐(4) (ビッグガンガンコミックス)感想
麦は皆川先生のあの本性知ってたのねと遠い目しつつ、麦は先輩、花火はえっちゃんとそれぞれ急接近して、いつの間にか二人の間に距離ができてしまうことに。えっちゃんの心境も気になるところですが、何より危うい状態の花火が痛々しいことになってて、自暴自棄になってしまわないか心配です。
読了日:1月28日 著者:横槍メンゴ
クズの本懐(3) (ビッグガンガンコミックス)クズの本懐(3) (ビッグガンガンコミックス)感想
見た目は一見まともそうな皆川先生が想像以上にどうしようもなくクズ過ぎてドン引きしました。こういう相手の気持ちに気づいていながら、自分のことしか考えていない周囲を振り回すタイプが一番質が悪い(苦笑)しかし花火がそっちに行っちゃったか感があって、それがさらなる迷走に繋がりそうな危うさが出てきましたねえ。
読了日:1月28日 著者:横槍メンゴ
クズの本懐 (2) (ビッグガンガンコミックス)クズの本懐 (2) (ビッグガンガンコミックス)感想
契約的恋人な二人は何だかんだ言いつつもだんだん距離が縮まってきているのかなあと感じつつも、えっちゃんがうっかり想いを告げて花火を動揺させたり、モカも真摯な想いをぶつけたりといろいろ展開が動き出してきてる状況。いろいろ思うところの多い二人がどうなるのか気になるところですねえ。
読了日:1月28日 著者:横槍メンゴ
ゆきうさぎのお品書き 熱々おでんと雪見酒 (集英社オレンジ文庫)ゆきうさぎのお品書き 熱々おでんと雪見酒 (集英社オレンジ文庫)感想
「ゆきうさぎ」に大樹の弟・瑞樹の奥さんが訳ありで訪ねてきたり、商店街の盛り上げ企画だったり、仲がこじれていた星花の親とその友人の仲直りだったりする第三弾。大樹の弟さんの奥さんの話や過去にゆきうさぎの縁があった人の話から明らかになってゆく大樹の実家や先代の事情。過去のわだかまりを解きほぐしてゆくゆきうさぎの料理はとても暖かくて良かったですが、ゆきうさぎの周囲の人々にもいろいろ変化の兆しがあったりで、そんなところから少しずつつ意識しつつある大樹とタマの関係も、いい感じになってくれたらいいなあと期待しています。
読了日:1月27日 著者:小湊悠貴
夜伽の国の月光姫5夜伽の国の月光姫5感想
月光姫の暗殺事件から早2年。竜峰でイケメン王子との再戦に備えて、自分磨きに勤しむ美幼女セレネ(中身おっさん)の元に亡き呪詛吐きの弟子で復讐を誓う美少女・シンニが現れる第五弾。今回はギィとザナの街歩きや薬によって皮肉にもまともになったセレネとミラン王子のデート短編などのエピソードも交えた構成で、呪詛吐きの復讐を誓う美少女シンニが、都合のいい解釈でなぜか改心してしまう展開は最後までブレなかったですね。傍から見たら出来過ぎなそろそろ年貢の納め時かなあという結末には苦笑いでしたけど、時には諦めも肝心ですかね。
読了日:1月27日 著者:青野海鳥
改訂新版 一番わかりやすい小学算数の教え方改訂新版 一番わかりやすい小学算数の教え方感想
5歳の娘が足し算引き算にチャレンジするようになったので、解き方や教えるコツ、気にかけるべきポイントがあるのかなと思い手に取った1冊。学年別にまとめられているのではなく「数」「図形」「単位」「早さ、道のり、時間」「割合」「比」と6つの章立て構成。項目ごとに細分化しわかりやすく解説されていて、とりあえず今回はメインの足し算引き算のポイントだけ押さえてあとはざっと全体を通してパラパラ読んだ程度でしたが、順序立てて理解してゆくことを意識していてとても分かりやすいと感じました。もう少し進んだらまた読んでみたいです。
読了日:1月27日 著者:大嶋秀樹
悪辣執事のなげやり人生 2 (レジーナブックス)悪辣執事のなげやり人生 2 (レジーナブックス)感想
これまでの積み重ねもあって、頑なだった主人一家の面々にも変化の兆しが生まれ、紆余曲折の末にヴィクターとの結婚話が持ち上がりあれこれ悩むアルベルタ。さらには思わぬ事件にも巻き込まれる第二弾。いつの間にかアルベルタに大きな信頼を寄せるようになっていたコーデリアの悔恨とイザドラの懇願。アルベルタの悩みもようやく解消されるのかと思っていたら、そこからさらに予想外の展開が待っていてビックリしましたw 思わぬ出会いもあったりで、きちんと筋を通して皆に祝福される幸せな結末はとても良かったですね。次回作も期待しています。
読了日:1月26日 著者:江本マシメサ
クズの本懐(1) (ビッグガンガンコミックス)クズの本懐(1) (ビッグガンガンコミックス)感想
品行方正なカップルとして周囲から羨望の眼差しを浴びている花火と麦。一見理想的な男女交際に見えるけれどそれぞれ報われない想いを抱えていて、お互いを慰め合うためのどこか危うさを孕む歪んだ関係。周囲の人間関係にも火種を抱えていて今後の波乱を感じさせるスタートですね。続刊以降の展開に期待。
読了日:1月26日 著者:横槍メンゴ
命の後で咲いた花 (メディアワークス文庫)命の後で咲いた花 (メディアワークス文庫)感想
教師にならなければならない理由を胸に、晴れて第一志望の教育学部に入学した貧乏学生の榛名なずな。そんな彼女が寡黙で突き放すような年上の同級生・羽宮の優しさに触れ惹かれてゆく物語。不器用なアプローチしかできないなずなと、何かを抱えていそうでなずなを容易に近づかせない羽宮。国語教師になった彼女とたまにしか会えない羽宮の、とても一途で絶望的なのにそこに幸せを見出す切ない恋。読み終わってみるとなるほどなあと唸らされる絶妙な構成で、繊細に積み重ねられてゆく羽宮と彼女の距離感がとても好みでした。後日談も良かったです。
読了日:1月26日 著者:綾崎隼
逆転召喚 3 ~裏設定まで知り尽くした異世界に学校ごと召喚されて~ (ダッシュエックス文庫)逆転召喚 3 ~裏設定まで知り尽くした異世界に学校ごと召喚されて~ (ダッシュエックス文庫)感想
栞里の兄・彩東伊織が会長を務める生徒会が悪魔の国セメタリーを攻め、劣勢のセメタリーが栞里を交渉材料とすべくその守護神たる黒死龍が訪れ、生徒会のメンバーもまた栞里の確保に動き出す第三弾。今回は栞里の実家である彩東家の過酷な環境とそこで厳しい状況に置かれていた栞里の立場が明かされましたが、栞里に対して様々な思いを抱く生徒会との戦いを通じて、メンバーも大きく成長しそうなきっかけを得たり、その関係も思っていた以上に大きく変わりそうですね。いろいろありましたけど、自らの立ち位置も見えてきた湊たちの今後が楽しみです。
読了日:1月25日 著者:三河ごーすと
八月の終わりは、きっと世界の終わりに似ている。 (メディアワークス文庫)八月の終わりは、きっと世界の終わりに似ている。 (メディアワークス文庫)感想
高二の夏に心臓の病が原因で亡くなった彼女・透子のことを未だ引きずっていた成吾。四年ぶりに地元に帰った成吾が再び手にした交換日記の空白に新たな返事が綴られてゆく物語。彼女が亡くなって以来、初めて訪れた彼女の実家で手にした交換日記に起こった不思議な出来事。語られる彼らの出会いと、交換日記を通じて交わされる時を超えた透子とのやりとり。未来を知っているからこそ何とか変えたい成吾と、その時を後悔しないように精一杯生きたい透子の交流はもどかしく切なかったですが、精一杯真摯に向き合った二人のやりとりは心に響きました。
読了日:1月25日 著者:天沢夏月
わが家は祇園の拝み屋さん4 椿の花が落ちるころ (角川文庫)わが家は祇園の拝み屋さん4 椿の花が落ちるころ (角川文庫)感想
京都でお正月を迎えた小春は吉乃や宗次朗とともに、澪人の実家である賀茂家の新年会に行くことに。そこで小春は今まで見てきた不思議な夢の意味を知る第四弾。様々な巡り合わせを踏まえた上で、現在の状況があることに気づく小春。謎の「祓い屋」が手当たり次第に京の妖を祓う嫌な状況。そんな中で迎えたバレンタインはあまり予想していなかった形でのひとつの転機となりましたけど、それぞれが思惑を持って動きそうな予感がある中、不安を抱える小春がどうなってしまうのか、澪人が今後どうするのかも気になるところで、次巻が早く読みたいですね。
読了日:1月25日 著者:望月麻衣
逃げるは恥だが役に立つ(8) (KC KISS)逃げるは恥だが役に立つ(8) (KC KISS)感想
百合と風見に動きがあったと思ったら何とも切ない展開。彼女の大人な判断は分かるんだけど、これで良かったなのかなあと何とも複雑な心境に。一方みくりが手伝った青空市をきっかけに仕事の方も何か道が見えてきましたか。二人はいい感じになりつつあるのかなあとも感じるだけに、百合&風見コンビがこのままなのかが気になりますね。
読了日:1月24日 著者:海野つなみ
世界の終わりの世界録<アンコール>9 絶望の始祖 (MF文庫J)世界の終わりの世界録<アンコール>9 絶望の始祖 (MF文庫J)感想
ついに神性都市の入り口にたどり着いたものの秘境の砂漠地帯に飛ばされ、天使や悪魔を捕らえた水晶の監獄の存在を知るレンたち。行方不明のフィアもそこにいると推測した一行は手がかりを求め探査に乗り出す第九弾。再会するまで大変だったのね...と思わせておいてやっぱりフィア先輩はフィア先輩だった展開には苦笑いしましたが、シオンやエリエス、ゼルブライトや沈黙機関らも集う神性都市で遭遇した圧倒的な強敵を相手に、苦しみながらもレンがまた新たな進化を見せてくれましたね。三人の英勇が集う展開で何が起こるのか、次巻も楽しみです。
読了日:1月24日 著者:細音啓
フレイム王国興亡記 6 (オーバーラップ文庫)フレイム王国興亡記 6 (オーバーラップ文庫)感想
周囲の期待に応えられず逃げ出すようにフレイム王国からの召集に応じたコータ。気分転換にシオンに連れられて「ホテル・ラルキア」を訪れ、シオンの旧友らとともにその改革に挑む第六弾。経営危機に瀕するホテルの実情を知り協力を約束する浩太。老舗ホテルグループの金看板を背負う会長と幹部たち相手に提案する改革案。今回の奮闘は自らの力不足を痛感して自信を無くしかけていた浩太、彼の不在でいかに依存していたかを知ったテラの人々にとっても大きな転機になりそうですね。最後に登場した召喚者がどう絡んでいくのか次巻がとても楽しみです。
読了日:1月24日 著者:疎陀陽
逃げるは恥だが役に立つ(7) (KC KISS)逃げるは恥だが役に立つ(7) (KC KISS)感想
契約恋人の期間を経てホンモノと恋人となったみくりと平匡さん。けれど結婚の契約部分はどうなるのか新たな問題が持ち上がり、平匡さんの勤務先に統合の話が持ち上がる第七弾。平匡さんの転機もあってトントン拍子に話が進みかけるも、ちょっと考えたいみくりの逡巡は大丈夫かなあと思ったんですがどうにか方向性見えそうですかね。風見と百合の関係も気になるところですが…。
読了日:1月24日 著者:海野つなみ
魔弾の王と戦姫<ヴァナディース>16 (MF文庫J)魔弾の王と戦姫<ヴァナディース>16 (MF文庫J)感想
ルスラン王子復活と国王ヴィクトールの死により不安定なジスタート。そんな状況でヴァレンティナは自らの野望を果たすため動き出し、戦姫同士の対立が決定的になる第十六弾。謹慎を装いつつ着々と手を打つヴァレンティナと手を組んだフィグネリアを軸として国内が混乱の度合いを深めてゆく状況に、個別の対応を迫られる戦姫とティグルたち。思わぬ動きもあった一方でこれを乗り越えれば...的な何かも垣間見えただけに、このギリギリの状況をティグルや戦姫たちがいかに乗り越えるのか、見せ場を期待できそうなリム含めて次の最終巻が楽しみです。
読了日:1月23日 著者:川口士,よし☆ヲ
櫻子さんの足下には死体が埋まっている 八月のまぼろし (角川文庫)櫻子さんの足下には死体が埋まっている 八月のまぼろし (角川文庫)感想
正太郎の家の前に置かれたカラスの死体。薔子の親友が犯した世間を揺るがした殺人の真相。そして正太郎と櫻子に転機が訪れる第十弾。カラス事件を通じて見えてきた母親の想いやノロレにはなるほどと思いましたが、早く一人前になりたいと思う正太郎の焦りもあったりで、櫻子さんに対する高過ぎる期待から思わぬ形で彼女と衝突してしまう事態にはちょっと危ういなあと心配になりましたが、まさかそこからこういう展開になってしまうとは…。最後の淡々とした磯崎先生のコメントも気になりましたけど、ここからどういう展開になるのか気になりますね。
読了日:1月23日 著者:太田紫織
櫻子さんの足下には死体が埋まっている 狼の時間 (角川文庫)櫻子さんの足下には死体が埋まっている 狼の時間 (角川文庫)感想
正太郎のもとに届いた愛犬ウルフの衝撃的な写真。花房の仕業かと正太郎は怒りを感じるものの、Phantomから意外な依頼が届く第九弾。取引の交換条件として集団自殺を目論むグループの中から救い出すべき「彼女」を探し出す依頼を受けてしまう正太郎。早く大人になりたいと焦燥を募らせる正太郎だからこその展開でしたけど、結果的に問題なかったとはいえ二人の関係にどこか暗雲の兆しも感じたりで今後が心配ですね。磯崎先生の価値観もまた独特だなあと思うエピソードもありましたが、内海の部屋探しエピソードは彼の人柄がよく出ていました。
読了日:1月22日 著者:太田紫織
櫻子さんの足下には死体が埋まっている はじまりの音 (角川文庫)櫻子さんの足下には死体が埋まっている はじまりの音 (角川文庫)感想
高校二年生になった正太郎。今居や鴻上と同じクラスになったものの、転校生のゴスロリ少女・蘭香が突如鴻上に急接近、そんな彼女に振り回される第八弾。新キャラ阿世智蘭香は一見正太郎たちを振り回しているようにも見えましたけど、やり方が不器用なだけでとても心優しい少女でしたね。これまでのエピソードから鴻上と周囲の交友関係の難しさは感じていましたが女の子の人間関係は難しい。抑圧された環境から関係をこじらせてゆく2つの事件に、正太郎に贈り物が届くインパクトのある幕引きでしたが最後にあった三賢人の話はなかなか良かったです。
読了日:1月22日 著者:太田紫織
逃げるは恥だが役に立つ(6) (KC KISS)逃げるは恥だが役に立つ(6) (KC KISS)感想
両想いになって結ばれたのに、依然としてお互い考えていてそれでハッピーエンドにはならない二人。結婚したらこれまで対価をもらっていたお仕事は?とか、言いたいことは分からなくもないんですけど、契約結婚で始まった関係だからこそいろいろ課題は山積でというか。。。風見さんと百合さんの関係もなにげに気になりますね。
読了日:1月21日 著者:海野つなみ
櫻子さんの足下には死体が埋まっている 謡う指先 (角川文庫)櫻子さんの足下には死体が埋まっている 謡う指先 (角川文庫)感想
厳寒の二月。正太郎は櫻子と親しい薔子に頼まれてとある別荘の掃除に行く事に。櫻子も合流した別荘で意外なものを発見してしまう第七弾。学校で陰湿な嫌がらせを受けて疑心暗鬼になってゆく正太郎でしたけど、こういう状況だと仕方ないんですかね。百合子視点のエピソードはなかなか新鮮で、彼女自身もまだ自分の中にある複雑な想いがどういうものか明確には認識できていないのかもと。正太郎がずっと抱いていた懸念も思わぬ形で判明しましたが、杞憂というか櫻子さんがあまりにも突き抜けていて苦笑いでした。ウルフはまた再登場あるんでしょうか。
読了日:1月21日 著者:太田紫織
櫻子さんの足下には死体が埋まっている 白から始まる秘密 (角川文庫)櫻子さんの足下には死体が埋まっている 白から始まる秘密 (角川文庫)感想
函館で正太郎が捜査中に怪我を負い、これ以上危険にさらすまいと距離を置くことにする櫻子と、再び彼女と事件を追いかけたいと思う正太郎。櫻子と正太郎の出会いや都市伝説流布の話も描かれる第六弾。平凡な高校生だった正太郎と櫻子との出会いはやっぱり強烈だったんだなあと苦笑いしましたけど、お互いもやもやするものを抱えたままの再会はどこか二人の距離感がぎこちなかったですね。幼馴染を陥れたのに他人事な感覚にはさすがに唖然としましたが、心の隙間に巧みに入り込む花房の暗躍には、不安定な二人の距離感を思うと少し不安になりました。
読了日:1月21日 著者:太田紫織
逃げるは恥だが役に立つ(5) (KC KISS)逃げるは恥だが役に立つ(5) (KC KISS)感想
母親のケガで急遽実家に帰っていたみくりが久しぶりに帰宅。内心大喜びの素直に嬉しさを表せない平匡。「ハグの日」もやっぱり自分からは言い出せない平匡が迷走するようになって、壁を感じるみくりが悩みだす第五弾。いい関係が見えてきてお互い好意を持っているのにこじらせてしまうとか(遠い目 みくりもうっかり失言で空回りするしほんと大変だなあ。。。
読了日:1月20日 著者:海野つなみ
鍵屋甘味処改 5 野良猫少女の卒業 (集英社オレンジ文庫)鍵屋甘味処改 5 野良猫少女の卒業 (集英社オレンジ文庫)感想
修学旅行やテストなどが続いて久しぶりに鍵屋へ顔を出したこずえ。祐雨子と淀川の関係も気になる状況で淀川の元カノが現れ、たびたび淀川を呼び出し始める第五弾。想いを自覚して距離感が分からなくなり、祐雨子と淀川の近過ぎる距離感に不安を抱きながらも淀川のためにあれこれ奮闘するこずえ。淀川も戸惑い気味だったり振り回されたりでしたけど、それでも自分の大切なものに対する想いはブレなくて最後はちょっと頑張ってくれましたかね。エピローグはややあっさりめでしたが、今後の期待感に満ちた悪くない結末でした。次回作も期待しています。
読了日:1月20日 著者:梨沙
追伸 ソラゴトに微笑んだ君へ (ファンタジア文庫)追伸 ソラゴトに微笑んだ君へ (ファンタジア文庫)感想
二学期初日。野球部を辞めた篠山マサキが教室で遭遇したのは、自分の記憶にだけ存在しない少女・風間ハルカ。手紙の送り間違いを知らせてくれた女の子との文通をきっかけにその世界が変わってゆくSF系青春小説。うっかり優等生と評判のハルカの意外な一面を知ってしまうマサキ。怪しい文通をやりとりするたびになぜか突如変わってゆくハルカとの関係性。不器用な二人の距離感が微笑ましくて突然の急展開には呆然としましたが、真相を知って彼女のために奔走したマサキの決意と顛末は、荒削りながらも次回作に期待したくなる爽やかな読後感でした。
読了日:1月20日 著者:田辺屋敷
逃げるは恥だが役に立つ(4) (KC KISS)逃げるは恥だが役に立つ(4) (KC KISS)感想
風見さんでのお仕事(家事代行)が百合にバレて仕事現場に乗り込まれたみくり。百合ちゃんの家庭訪問をきっかけに新婚旅行として二人で温泉に行くことになる第四弾。社員旅行という発想がアレですがw 二人で旅行に行ってスキンシップや距離感もいい感じになっているとは思うんですけど、お互いいろいろ考え過ぎてて進みそうで進まないのがもどかしいですね。
読了日:1月19日 著者:海野つなみ
本バスめぐりん。本バスめぐりん。感想
定年を迎えて移動図書館、愛称「本バスめぐりん」の新人運転手になったテルさん。図書館司書ウメちゃんの年の差四十のでこぼこコンビで身近に起こる謎や出来事を解決してゆくハートフルミステリ。様々な場所のいろいろな事情を抱える利用者たちとの交流や、利用者のことを考えて載せる3000冊の本の一部を入れ替えたり、移動図書館に対する利用者や地域の人の想いなど、試行錯誤しながらテルさんの奥さんや利用者も一緒に解決の方法を考えてゆく展開はとても良かったですね。コミュニティの中心にあった移動図書館の可能性を改めて実感しました。
読了日:1月19日 著者:大崎梢
逃げるは恥だが役に立つ(3) (KC KISS)逃げるは恥だが役に立つ(3) (KC KISS)感想
シェアして三角関係?契約結婚の危機?と思いながら読みましたが意外とビジネスライクな感じだったりでちょっとホッとしました。けど平匡がわりとこじらせてる消極男子で、みくりが歩み寄りを見せているのに進展しない状況がもどかしい。恋人という役割もできて、きちんと二人で向き合えばうまくいきそうな気もするんですが、そうさせてくれない周囲にいろいろ振り回される状況は続きそうですね(苦笑)
読了日:1月18日 著者:海野つなみ
やがて恋するヴィヴィ・レイン 2 (ガガガ文庫)やがて恋するヴィヴィ・レイン 2 (ガガガ文庫)感想
アステルと共にヴィヴィ・レインを探す旅をするルカが旧友ジェミニと再会。そこで悲劇の英雄として領主に対する暴動の首謀者として祭り上げられてしまい、王女のファニアと対立することになってしまう第二弾。昔の借りがあるためにジェミニの思惑に協力するルカ。思わぬ形で対峙することになった恩人のルカを何とか助けられないか深く葛藤するファニア。ギリギリの状況で密かに交わされる二人の想いが何とも切なくて、交わされた約束と提示された目標によって物語の方向性も見えてきて、ここからどういう展開になるのかとても楽しみになりました。
読了日:1月18日 著者:犬村小六
弱キャラ友崎くん Lv.3 (ガガガ文庫)弱キャラ友崎くん Lv.3 (ガガガ文庫)感想
夏休みに入っても日南から特訓漬けにされていた友崎が、リア充グループとともにBBQ(男女お泊り付き)に参加したり、菊池さんと付き合うことを目標に花火大会デートへと誘う第三弾。相変わらずダメ出しされたり試行錯誤する中で参加した合宿もなかなか面白かったですが、何より悩める中村や対する日南のありようが友崎にとって転機になりましたかね。菊池さんはとてもいい子だなという思いを新たにしつつも、自分なりのやり方で前に進むことを選んだ友崎と、再構築される日南との関係性がどのようなものになってゆくのか次巻が今から楽しみです。
読了日:1月18日 著者:屋久ユウキ
逃げるは恥だが役に立つ(2) (KC KISS)逃げるは恥だが役に立つ(2) (KC KISS)感想
万事うまく運んでいた平匡とみくりの生活。津崎さんの会社の後輩・風見涼太から「仮面夫婦」の疑いをかけられてしまう第二弾。契約結婚ではあったけれど、少しずつ意識するようになってゆく二人の距離感を楽しんでいたんですが、まさかこういう介入のされ方するとは。。。その衝撃的な提案がどういうものなのか、特に平匡さんがいろこじらせたりしないか心配です。
読了日:1月18日 著者:海野つなみ
女王陛下の補給線(3)<完> (講談社コミックス)女王陛下の補給線(3)<完> (講談社コミックス)感想
王国中からその命を狙われる俘虜・殺塵鬼アーベルト・マイヤーの護送中、彼の言葉に煽られ翻弄される二○二試験補給中隊の面々。分裂の危機に陥る中、友軍の急襲を受けかる第三弾。殺塵鬼にいいように振り回される補給中隊を襲った黒幕の意外な正体。伍長の超人ぶりがまた突き抜けてましたが、各人のエピソードを交えつつ決着付くところまでは読めると思っていたので、ここでの完結は残念。次回作も期待しています。
読了日:1月17日 著者:カワグチタケシ
後宮に星は宿る 金椛国春秋 (角川文庫)後宮に星は宿る 金椛国春秋 (角川文庫)感想
金椛帝国の皇帝崩御に伴い、「皇帝に外戚なし」の法のもとに皇后に選ばれた星皇后の一族は全て殉死を命じられ、胡娘の助けにより御曹司の遊圭がひとり生き延びる中華ファンタジー。追われる身だった遊圭が、以前助けた縁で匿ってくれた町娘の明々と一緒に密かに男の身で後宮に出仕するまさかの展開。病弱で世間知らずゆえか義憤に駆られて自らの身を危うくするような状況にはハラハラしましたが、宦官・玄月に正体を疑われながらも知恵を駆使して何とか乗り切った展開はなかなか面白かったです。後宮からの脱出を目指す遊圭たちの今後に期待ですね。
読了日:1月17日 著者:篠原悠希
あやかし恋古書店~僕はきみに何度でもめぐり逢う~ (TO文庫)あやかし恋古書店~僕はきみに何度でもめぐり逢う~ (TO文庫)感想
恋破れ故郷の新潟に帰った紗月。元書店員の彼女が無愛想な店主・影野小さな古書店に出会い、そこで働き始めた彼女があやかし絡みの悩みを本で解決する物語。事故により失われてしまっている紗月の以前の記憶。不器用な影野の優しさに惹かれてゆく紗月の揺れる想いと、店を訪れる悩めるあやかしたちのことが気になって仕方がない若干おせっかい気味な彼女が、その悩みを一緒に解決する展開。それはなかなか思い出せなかった過去の約束に繋がっていって切ない気持ちにもなりましたが、新たな可能性を感じさせてくれたその結末は悪くない読後感でした。
読了日:1月17日 著者:蒼井紬希
僕は君を殺せない (集英社オレンジ文庫)僕は君を殺せない (集英社オレンジ文庫)感想
クラスメイトの代わりにミステリーツアーに参加して、山中にある屋敷での惨劇から必死に逃げ出した『おれ』。クラスメートのレイちゃんと半同棲する『僕』。二人の視点から語られ明らかになってゆく復讐劇。視点が切り替わってゆくストーリーは時系列も前後しやや分かりづらかったですが、淡々と関係者が死んでゆく一方で微笑ましい二人に見えたレイちゃんとの関係には別の側面もあって、復讐を完遂するためにこれまで動いてきた僕が自分の大切なものを守ろうとしたその悩める決断にはどこか救われる思いでした。短編2作品も印象的で次回作に期待。
読了日:1月16日 著者:長谷川夕
夜葬師と霧の侯爵 かりそめ夫婦と迷宮の王 (コバルト文庫)夜葬師と霧の侯爵 かりそめ夫婦と迷宮の王 (コバルト文庫)感想
闇の魔物“夜葬師”に育てられた人間の少女オフェリア。十七歳になり森でひとり暮らしていたオフェリアの元にやってきたルドヴィーク侯爵によって城へと連れ去られ、呪いを解くよう迫られる物語。訳も分からないまま連れ去られて城内では妻と扱われ困惑するオフェリア。明らかになってゆく育ての親であった夜葬師による侯爵の呪いと、オフェリアの出自にまつわる秘密。因縁ある二人の不器用な距離感がもどかしかったですが、夜葬師たちの想いもきちんと伝わって、二人が自らの中で大きくなっていた想いにきちんと向き合えた結末にはほっとしました。
読了日:1月15日 著者:白川紺子
ランチ探偵 容疑者のレシピ (実業之日本社文庫)ランチ探偵 容疑者のレシピ (実業之日本社文庫)感想
社宅の闖入者、密室の盗難等々、OL麗子が「トラブルが起こっている」の一言で、ランチの外食を渋りがちな謎が大好きの同僚ゆいかを連れ出し、ランチ合コンで日常の謎に挑むシリーズ第二弾。時間有休を使ってのランチ合コンとか優雅だなあと思わなくもないですが(苦笑)、出て来るご飯の美味しそうな描写はグレードアップして、謎解きも相変わらずの冴えで今回も楽しめました。ゆいかがまさかの異動でどうなるかと思ったら、見事な安楽椅子探偵ぶりで大活躍でしたね(実は大変だったみたいですが)。また続編も期待できそうで楽しみにしています。
読了日:1月15日 著者:水生大海
化学探偵Mr.キュリー5 (中公文庫)化学探偵Mr.キュリー5 (中公文庫)感想
化学サークルによる甘い物質合成対決。サ行の発音がおかしくなった同級生の秘密。四宮大生を狙う奇妙な仮面の男の正体。ひょんなことから沖野と舞衣が理学部の冷蔵室に閉じ込められてしまう第五弾。二人が出会って一緒に事件解決するようになってから一年が経過して、相変わらず巻き込まれる感じになってる沖野先生と舞衣の距離感も、変わっていないようで少しずつ変わってきてるんですかね。二人で協力して解決する事件もなかなか興味深かったですけれど、最後に出てきた変化の兆しが今後どう関係に変化をもたらすのか次巻はその辺りも楽しみです。
読了日:1月14日 著者:喜多喜久
女王陛下の補給線(2) (講談社コミックス)女王陛下の補給線(2) (講談社コミックス)感想
運ぶべき物資を強奪された二○二試験補給中隊。わずかな痕跡から辿り着いたのは哀しき真実に、あえて最も険しい決断を下す第二弾。余裕のない状況だとこういうことも起こりうるのかなという顛末でしたけど、乗り越えてしまう補給中隊の心意気。金策に赴く中尉の奔走はなかなかギャップもあって良かったですけど、またいわくありげな人物が出てきて気になる引きですね。
読了日:1月13日 著者:カワグチタケシ
僕が恋したカフカな彼女 (富士見L文庫)僕が恋したカフカな彼女 (富士見L文庫)感想
気になる架能風香から誤字脱字だらけの恋文に散々なダメ出しを食らった深海楓が、彼女にふさわしい男になるべく小説家を志すボーイ・ミーツ・ガールミステリ。普段からヘルメットを着用し敬愛するカフカになれと告げる風香と、女好きだった過去を封印する偽装天然な楓。カフカの作品になぞらえた身近な謎を二人で解決するうちに少しずつ変化する距離感と、彼女を本当に好きになっていく楓の想い、彼に対して秘密を抱える風香の逡巡といった心情描写がなかなか良かったです。このレーベルらしい一風変わった、けれどとても自分好みな青春小説でした。
読了日:1月13日 著者:森晶麿
落第騎士の英雄譚(キャバルリィ)11 (GA文庫)落第騎士の英雄譚(キャバルリィ)11 (GA文庫)感想
クレーデルラント側からの招待で一輝はステラやその姉ルナとともに隣国へと向かうことになり、そこでステラに異常な執着を示す《傀儡王》オル・ゴールの想像を絶する悪意を目の当たりにする第十一弾。歪んだ欲望に巻き込まれてクレーデルラントから宣戦布告を受けたヴァーミリオン皇国。そしてステラたちを強襲するオル・ゴールとその仲間たち。今回は奮闘こそするもののステラや一輝も現時点での力不足を痛感し後手に回る苦しい我慢が続く状況でしたけど、それでもこの狡猾で強大相手でも諦めずにここからの大逆転を次巻に期待したいところですね。
読了日:1月12日 著者:海空りく
ゴブリンスレイヤー4 (GA文庫)ゴブリンスレイヤー4 (GA文庫)感想
国王の依頼で悪魔の塔討伐に重戦士、槍使い、ゴブリンスレイヤーが挑んだり、飯を食わない彼に食わせようとする獣耳娘、牛飼娘・女神官・妖精弓手・受付嬢たちの休日などが描かれる短編集の第四弾。いずれも2巻~3巻頃の時期を舞台とした短編とのことですが、いつも飯を食わずに帰るゴブリンスレイヤーの真意や、そんな不器用な彼の周囲が気になる牛飼娘の関係が微笑ましいですね。牛飼娘はパーティーの女性陣や受付嬢辺りとも仲良くなっていたり、彼もそうですけど周囲と徐々に絆みたいなものが育まれてきていていいなと思えました。続刊も期待。
読了日:1月12日 著者:蝸牛くも
ウォルテニア戦記V (HJ NOVELS)ウォルテニア戦記V (HJ NOVELS)感想
ローゼリアの内乱を終わらせた功績で男爵に任じられ、ウォルテニア半島を与えられた御子柴亮真。未開拓の土地であるウォルテニアに入るための準備を始める第五弾。まずは領地を治めるの人手もなく情報収集するところから始まった今回でしたけど、半島の状況を探ったり一癖ありそうな隣接する領主のこと、手を組むに足る有能な商人を見出したり手駒の育成を始めたりと、地盤を固めるための下地作りと言ったところからですかね。過酷な異世界に召喚されてしまった飛鳥たちもなかなか大変ですが、何とか亮真と合流できるといいんですけど。続巻に期待。
読了日:1月12日 著者:保利亮太
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女II」本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女II」感想
領主の養女として神殿長に就任したローゼマイン。収穫祭へ向けた準備、新しい孤児たちの面倒、近隣の町の不満への対応、年に一度訪れる「シュツェーリアの夜」と大忙しの第八弾。貴族としての立場でハッセの街への対応を迫られたローゼマイン。素養も十分に身につかないままどんどん立場が変わる難しさが改めて顕在化しましたが、周囲といい関係を築いてその助けを得ながら奮闘する様子には苦笑い混じりですけど応援したくなりますね。甘やかされていたヴィルフリート兄様も変わる兆しが垣間見えて大忙しな展開でしたけど楽しめました。続巻に期待。
読了日:1月12日 著者:香月美夜
おとなりコンプレックス (1) (クロフネコミックス)おとなりコンプレックス (1) (クロフネコミックス)感想
家が隣同士で兄弟のように育ってきた天然無自覚なかっこいいあきらちゃん(女)と女装もバッチリなかわいい真琴くん(男)。いつも一緒にいた幼馴染二人に少しずつ変化が生まれる物語。男女逆のカップルに間違えられることもある二人の関係が、関わる人達の影響もあったりで変化の兆しを見せてゆく展開は登場人物たちの描写が繊細で二人の今後が気になりますね。最後に投じられた一石がどんな変化をもたらすかとても楽しみです。
読了日:1月11日 著者:野々村朔
ウォルテニア戦記IV (HJ NOVELS)ウォルテニア戦記IV (HJ NOVELS)感想
亮真の奮闘で勢いを増したルピス王女の陣営が、決着をつけるべく宿敵の一人アーレベルク将軍が立て篭もるイラクリオンへと駒を進める第四弾。冒頭から衝撃的な展開で始まった今回、とりあえず逃げ出そうとする相手を逃さずにきちんと始末こそしたものの、国として再生する格好の機会を私情で捻じ曲げてしまった挙句、禍根を残す決着にしてしまった王女の為政者失格ぶりがいろいろ台無しにしてしまいましたね(ため息)王国の未来は希望が見えませんが、功労者のはずなのに辺境に追いやられることになった亮真がここからどう巻き返すか楽しみです。
読了日:1月11日 著者:保利亮太
ウォルテニア戦記III (HJ NOVELS)ウォルテニア戦記III (HJ NOVELS)感想
貴族派・騎士派入り乱れて激化するローゼリア王国の内紛に、御子柴亮真はローゼリア王家継承権を持つルピス王女に手を貸して兵を集めはじめる第三弾。救国の英雄・エレナを担ぎ上げたことで騎士派の切り崩しは進んだものの、王女の失態でアーレベルク将軍の貴族合流を引き起こしてしまう皮肉な展開。二転三転する状況こそやるべきことを間違えない的確な判断が必要なのに、そのたびに味方に足を引っ張られて次善の策を考える状況に陥るのはあれな話ですね。しかし暗殺者だった咲夜たち忍者一族は村ごと異世界召喚とか凄い話だと思いました(苦笑)
読了日:1月11日 著者:保利亮太
ウォルテニア戦記II (HJ NOVELS)ウォルテニア戦記II (HJ NOVELS)感想
オルトメア帝国から脱出し、双子の姉妹ローラ・サーラとともに元の世界へ還る方法を探していた御子柴亮真が女傭兵リオネの傭兵団と共にローゼリア王国の内紛に巻き込まれてしまう第二弾。たまたまギルドマスターに目をつけられたことで巻き込まれてしまった時期王位を巡る王国内の騎士派と貴族派の主導権争い。理想論を掲げる典型的な融通の効かない頭の固い騎士に対して、現実的な利害を説いて切り崩しに効果的な手を打ってゆく亮真に存在感がありましたが、派閥内も一枚岩ではなくてなかなか複雑そうですね。組織内で頭角を現してきた今後に期待。
読了日:1月10日 著者:保利亮太
下鴨アンティーク 雪花の約束 (集英社オレンジ文庫)下鴨アンティーク 雪花の約束 (集英社オレンジ文庫)感想
鹿乃の祖母に預けられていた着物から紡がれてゆくいくつかの物語と、鹿乃を抱き締めてしまったことで距離の取り方が分からなくなってしまった慧の戸惑いが描かれる第五弾。今回それぞれのエピソードもなかなか興味深かったですが、何より小学校の頃から一緒にいるのが当たり前だった鹿乃の成長を実感してしまい、春野の出現もあったりで不安定になりかけていた二人の距離感にもようやく転機が訪れそうで、これまでいろいろあったけれど上手くいくといいなあと思いました。幼い頃の良鷹と鹿乃のエピソードも印象的で、今後の展開がとても楽しみです。
読了日:1月10日 著者:白川紺子
悪辣執事のなげやり人生 (レジーナブックス)悪辣執事のなげやり人生 (レジーナブックス)感想
不運もありいったん工場勤務まで落ちぶれた田舎の貴族令嬢・アルベルタ。そんな彼女が過去の縁から家人も使用人も訳ありだらけで問題も多い伯爵家の女執事に採用される物語。いろいろ素直に向き合えない事情を抱えていた伯爵家の人びとでしたけど、良くも悪くも率直で真っ直ぐに切り込んでくるアルベルタの行動に感化されて少しずつ変わってゆく展開がいいですね。その中で明らかになってゆく過去の縁がまたとてもいい感じに繋がっていって、彼女の鈍感ぶりには苦笑いでしたけどもっと早く読めば良かったと思える面白さでした。続巻も楽しみですね。
読了日:1月10日 著者:江本マシメサ
天球駆けるスプートニク 未到の空往く運送屋、ネジの外れた銀髪衛精 (Novel 0)天球駆けるスプートニク 未到の空往く運送屋、ネジの外れた銀髪衛精 (Novel 0)感想
西暦二〇三〇年、突如上空に現れた正体不明の飛行物体「衛精」の無差別攻撃で人類が空を奪われた世界。低空飛行に特化させた飛行艇ULFを駆る運び屋タクロウと銀髪犬耳少女チェルシーの物語。チームを組まない訳ありげな青年タクロウと駄犬扱いの相棒チェルシー。彼らに託した想いのため危険と最速の限界を乗り越えようとする二人の物語は、明らかになってゆく彼らの過去や事情によってガラリと印象も変わりますが、メリハリの効いた展開やギリギリを攻め続ける飛行描写、二人を中心とする人間模様がとても良くてぜひ続刊を期待したい作品ですね。
読了日:1月9日 著者:ツカサ
女王陛下の補給線(1) (講談社コミックス)女王陛下の補給線(1) (講談社コミックス)感想
王国と共和国の戦争がはじまって2年。補給兵が安全な後方で肥え太る豚と侮られ馬鹿にされる中、鋼鉄の汽車ラーヴィックを駆って前線に物資を届けようとする二〇二試験補給中隊の熱い物語。前線に必要な物資が届かない腐敗と怠惰が横行する状況下で、大尉と部下たちの真っ直ぐな想いは清々しいですね。今後どのような方向に向かってゆくのか続巻に期待。
読了日:1月8日 著者:カワグチタケシ
ウォルテニア戦記 (HJ NOVELS)ウォルテニア戦記 (HJ NOVELS)感想
武道ひとすじに生きてきた高校生・御子柴亮真が強制的に異世界召喚され、自分を召喚したオルトメア帝国の重要人物を殺害して脱出、逃避行の中で双子の姉妹と出会ったことで運命の歯車が回り始めるファンタジー戦記。かなり特異な生き方をしていたように見える主人公が劣悪な異世界召喚の現実を突きつけられ、そこから逃げ出すところから始まる物語ですが、したたかに逃亡する中で転機となりそうな運命の出会い、そして宿命のライバルとの邂逅と一巻目として今後に十分期待できそうなスタートですね。ここからどう展開していくのか続巻が楽しみです。
読了日:1月8日 著者:保利亮太
勇者のセガレ (電撃文庫)勇者のセガレ (電撃文庫)感想
謎の金髪美少女ディアナが異世界から若い頃異世界を救った父秀雄を召喚すべく剣崎家に現れ、高校生の長男の康雄や妹がそれに巻き込まれてゆく日常ファンタジー。なかなか信じられない康雄たちの反応はある意味とてもリアルで、平和な日常生活にあるものと危機に脅かされる異世界人間というギャップもうまく描かれていると思いました。転機に至るまでがやや冗長な印象もありましたが、父とともに異世界で戦った母のまさかの変身には爆笑しました。様々な経験を経た上での康雄の決意と再会した帯刀さんも気になりますし、今後が楽しみなシリーズです。
読了日:1月7日 著者:和ヶ原聡司
なれる!SE15 疾風怒濤?社内競合 (電撃文庫)なれる!SE15 疾風怒濤?社内競合 (電撃文庫)感想
スルガシステムが株式公開準備に入り、体制作りのため総務部への誘いを受けた工兵。総合商社二社のシステム統合という大きな案件でかつてのライバル次郎丸と組むことになるも、別ルートから立華&藤崎コンビも受注を狙う社内競合案件になってしまう第十五弾。人生の分岐点を提示されて思い悩む工兵が、かつてのライバルと組んで先輩たちと対決と予想外の展開でしたが、いくつも修羅場を乗り越えて急成長したかに思えた工兵が、スペシャリストである先輩コンビの凄みを思い知らされる展開はとても面白かったです。どう決着するのか次巻が楽しみです。
読了日:1月7日 著者:夏海公司
エロマンガ先生(8) 和泉マサムネの休日 (電撃文庫)エロマンガ先生(8) 和泉マサムネの休日 (電撃文庫)感想
『世界で一番可愛い妹』のアニメ化によって兄の無茶を心配した紗霧は、『開かずの間』での同棲を要求。心配するヒロインたちも同棲し、修羅場をなんとか乗り切ったマサムネが様々な思い出を回想していく短編集。いやヒロインたちみんなマサムネのこと好き過ぎだろと苦笑いしたくなるような各編でしたけど、ヒロインの魅力が十分に感じられるそれぞれのエピソードで物語の奥行きを作りつつ、これまで分からなかったことが明らかになり最終的に一つの流れへと収束させてゆく構成は印象的でした。ひとつの決断がどう繋がってゆくのか続巻に期待ですね。
読了日:1月6日 著者:伏見つかさ
俺を好きなのはお前だけかよ(4) (電撃文庫)俺を好きなのはお前だけかよ(4) (電撃文庫)感想
パンジーの天敵にしてジョーロの上位互換的存在ホースが現れ、パンジーを取り戻すため、彼女の『呪い』を解くために動き出すも空回りし、さらなる混迷に陥ってゆく第四弾。初っ端からジョーロを振り回す後輩が現れてその話がメインなのかと思ったら、みんなが集う図書室崩壊の危機に、パンジーが苦手とする天敵・ホースとの再会。一見関係なさそうな流れが見事に繋がり、各人の思わぬ行動によって状況が二転三転して見事に空回った挙句絶体絶命のピンチに陥るジョーロという構成は見事でした。ここからどう挽回してゆくのか続巻がとても楽しみです。
読了日:1月6日 著者:駱駝
金物屋夜見坂少年の怪しい休日 (集英社オレンジ文庫)金物屋夜見坂少年の怪しい休日 (集英社オレンジ文庫)感想
金物屋のついでに副業でまじない屋も営む夜見坂少年が、刑事・静から人身売買の噂を聞き付け興味を惹かれ、男爵家の令息で医学生の千尋を誘い旅行気分で怪しい屋敷に乗り込む第三弾。子どもの人身売買話と死期間近の富裕層のお金の一部がいつの間にか紛失してしまう事件。訳も分からないまま振り回され踏んだり蹴ったりな千尋もあれでしたけど、夜見坂少年も不用意にあっさりと懐に飛び込むなあと思ったら一応保険掛けてたんですね(苦笑)意外な顛末の読後感は悪くなかったですけど、年相応な一面も見せた夜見坂少年も謎が多いですね。続巻に期待。
読了日:1月6日 著者:紙上ユキ
甘々と稲妻(8) (アフタヌーンKC)甘々と稲妻(8) (アフタヌーンKC)感想
ついに小学生になったつむぎ。楽しさいっぱいの小学校生活で、つむぎがひとつだけ気になっていることはクラスメイト・なぎさ。小鳥も自分の進路に思い悩む第八弾。つむぎのつまづいたり戸惑いながらも、周囲の助けも借りて乗り越えてゆこうとする姿や、進路について自分なりに考えてみようと決意する小鳥など、これからもいろいろあるけど彼女たちの成長する姿を見守ってゆきたいですね。
読了日:1月6日 著者:雨隠ギド
活字中毒者の魔本探索、あるいは裏図書館のこと ―マホタン― (KCx)活字中毒者の魔本探索、あるいは裏図書館のこと ―マホタン― (KCx)感想
魂を持つ魔本が封じられた学園の裏図書館。偶然見つけた扉を開けて多くの魔本を逃がしてしまった本好きの花圃が、本嫌いの葉山先輩が魔本を捕まえる手伝いをすることになる物語。逃げ出した実在の物語の登場人物たちをとりあえず封じようとする葉山先輩と、きちんと向き合おうとする花圃が対照的でしたが、なかなか悪くない組み合わせになりそうですね。アクセント役に収まったアリスも加えてどういう物語を紡いでゆくのか続巻に期待。
読了日:1月5日 著者:伊咲ウタ
こひすてふ (メディアワークス文庫)こひすてふ (メディアワークス文庫)感想
絵の分野で神童ともてはやされたのも今は昔、ただのひねくれ女子高生になり果てていた御厨紀伊。そんな紀伊平安時代へタイムスリップ、そこで三十六歌仙の一人壬生忠見と出会う物語。ひとつの絵によって繋がった現代と平安時代へのタイムスリップ、友人にそっくりな先祖の時姫とぶっきらぼうだけれど優しい忠見との出会い。絵を描くことに素直に向き合えなくなっていた紀伊が忠見の存在をきっかけに変わり、その未来も変えてゆく展開はいろいろあっさりというかやや荒削りな部分もありましたが、描かれたそのひたむきな想いは悪くなかったです。
読了日:1月5日 著者:土屋浩
メシマズ狂想曲メシマズ狂想曲感想
かなり出世は早いけど、彼氏も料理の作り方もさっぱりわからないまま34歳になってしまった滝田和紗、独身。健康診断でメタボ予備軍とされ一念発起で自炊生活に挑戦?利害が一致した同期の村越と一緒に料理研究を始める物語。仕事では有能な雰囲気が伺えるのになぜかふたりともびっくりな料理音痴ぶりでしたが、事あるごとに対抗心を燃やす同期の腐れ縁な二人の料理に対する切実な戸惑いと、周囲の人間模様を絡めてゆく展開は、ようやく向き合うようになった二人の関係が変化してゆく物語でもあって、随分遠回りしましたけど悪くない読後感でした。
読了日:1月4日 著者:秋川滝美
ゆうべはお楽しみでしたね(3) (ヤングガンガンコミックス)ゆうべはお楽しみでしたね(3) (ヤングガンガンコミックス)感想
オンラインゲームで知り合ったパウさん(オタクなアルバイト店員)とゴローさん(リア充女子)とのお互い意外としっくり来てるシェアハウス生活。そこにパウさんの契約社員の話が持ち上がる第三弾。わりとゴローさんを意識して妄想爆発していたりもするパウさんと、居心地のいい関係であることを自覚しつつあるゴローさん。可能性は感じるのに、でもその踏み込めない・配慮してしまう微妙な距離感が変化に際してどういう結末に繋がるのか気になりますねー。意外とお似合いな二人だと思うんですが。
読了日:1月4日 著者:金田一蓮十郎
お世話になっております。陰陽課です3 (メディアワークス文庫)お世話になっております。陰陽課です3 (メディアワークス文庫)感想
病院を訪れた帰りにすれ違った車椅子の老女・高邑八重は春明の若い頃の知り合い?八重と出会った後、詮索されたくなさそうな春明の態度や行動に変化が現れる第三弾。今回は春明の終戦直後当時のエピソードが明らかになって、相変わらずメモ魔だったり幼女姿なために気付かず善女竜王相手にうっかり説教かましてしまう祈理には苦笑いでしたけど、出された課題を単独で見事に解決してみせたり、いい着眼点で事件解決に導いたりと確実に成長していますね。八重のエピソードも印象的でしたが、少しずつ春明を意識するようになってきた祈理の今後に期待。
読了日:1月3日 著者:峰守ひろかず
町田くんの世界 4 (マーガレットコミックス)町田くんの世界 4 (マーガレットコミックス)感想
猪原さんの涙の理由が判明して町田くんのお父さんもついに登場。お父さんかなり変わってるけどなかなかいい人じゃないですか(お母さんの過去にはビックリしましたがw)猪原さんの過去も明らかになって、氷室くんとの絡みも出てきたけど、少しずつ町田くんは猪原さんのことを意識してきてるんでしょうかね。このままいい感じになっていってくれるといいんですが。
読了日:1月3日 著者:安藤ゆき
内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力感想
内向型が直面する数々の問題を浮き彫りにし、内向型の強みと魅力を明らかにしつつ個性を伸ばして生かす方法を模索する一冊。翻訳書ということもあってアメリカにおける外向型と内向型の立ち位置の変遷から始まる本書は、内向型の問題点を浮き彫りにする一方で、これまで引っ張ってきた外向型の欠点や問題点も取り上げ、どちらの性質も多かれ少なかれ誰しも持っていることを踏まえつつ、時代の変遷とともに内向型の力が静かな力となって変えてゆく可能性を感じさせてくれる一冊でした。読み込むのにはやや時間が必要でしたがいい指針となる本ですね。
読了日:1月2日 著者:スーザン・ケイン
町田くんの世界 3 (マーガレットコミックス)町田くんの世界 3 (マーガレットコミックス)感想
ものもらいができて片目になり、距離感が狂った町田くんの行動はなかなか面白かったですけど、それでも世界を優しい眼差しで見つめる町田くんだからこそ、通りすがりの人達にもいい影響を与えてゆくんですよね。同時収録の読切もなかなか良かったです。
読了日:1月2日 著者:安藤ゆき
Bの戦場 さいたま新都心ブライダル課の攻防 (集英社オレンジ文庫)Bの戦場 さいたま新都心ブライダル課の攻防 (集英社オレンジ文庫)感想
物心ついた頃からブスで、結婚式に憧れ自分は無理でもそれを演出する人になろうと、ウェディングプランナーになった北條香澄。そんな彼女が絶世のブスと絶賛されやり手で絶世の美男子・久世課長に求婚される物語。これでもかと香澄のブスっぷりを真正面から突きつけられる展開は少なからずグサグサ突き刺さりましたが、さらに突き抜けている久世課長の存在感(苦笑)そういう決断しちゃうのかーとは少し思いましたが、お仕事小説としても面白かったですし、仕事に真摯に向き合う香澄の姿勢やその人柄が愛されているのが伺えて悪くない読後感でした。
読了日:1月2日 著者:ゆきた志旗
花を追え――仕立屋・琥珀と着物の迷宮 (ハヤカワ文庫JA)花を追え――仕立屋・琥珀と着物の迷宮 (ハヤカワ文庫JA)感想
仙台の夏の夕暮れ。篠笛教室に通う着物が苦手な女子高生・八重はふとしたことから着流し姿の仕立屋・宝紀琥珀と出会い、着物にやたらと詳しい琥珀とともに着物にまつわる様々な謎に挑む着物ミステリ。着物を愛する有能な仕立屋・琥珀と女子高生・八重を結んだ5円の縁。モテモテな美青年なのに10歳も違う女子高生相手にその琥珀のプレゼントやアプローチはどうなの?と苦笑いもしましたが、事件を共に解決してゆく中で浮かんでくる琥珀と八重の過去は複雑に絡まっていて、二転三転するドキドキな展開を粋な感じにまとめてくれた素敵な物語でした。
読了日:1月1日 著者:春坂咲月
終わりのセラフ 13 (ジャンプコミックス)終わりのセラフ 13 (ジャンプコミックス)感想
「グレンが世界を滅亡させた」と語る吸血鬼の言葉に動揺する優一郎たち。フェリドと共に大阪湾に向かうが、そこでは捕われのクルルの前に謎の人物が出現。海外からも上位始祖が到着する第十三弾。掴みどころのない行動が多いフェリドには焦らされますけど、上位始祖たちの関係や因縁なども明らかになっていって、また動きも出てきそうですね。小説版とも繋がってきていて続巻が楽しみです。
読了日:1月1日 著者:山本ヤマト
夜伽の国の月光姫4夜伽の国の月光姫4感想
アルエ姉様に隠れて自ら断髪したり、王様の背中を足で踏みつけたり、突然ヒグマやサンタクロースになりきってみたり、クマハチの故郷で新鮮なお刺身&ウニ食べ放題のグルメツアーを満喫しようとする月光姫・セレネの短編集な第四弾。ほんと毎回何も考えずに思うまま行き当たりばったりに行動してるだけなんですけどね。結果的にその行為が巡り巡って周囲に評価されたり、悩める人を救ってみせたりもするけれど、自身はあまり満たされないまま終わる苦笑いな顛末がこの物語の真骨頂なのかなと思いました(中身はおっさんですしねw)。次巻にも期待。
読了日:1月1日 著者:青野海鳥

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