読書する日々と備忘録

主に読んだ本の紹介や出版関係のことなどについて書いています

2016年3月に読んだおすすめ本

3月は気がついたら読了数94冊とかなっていてちょっとびっくりしましたが、単にスキマ時間にコミックをそれなりの数読んでただけで、それ除けばだいたいいつも通りですね(たぶん)。そんな3月に読んだ本の中からオススメとして8点を紹介します。

図書館ドラゴンは火を吹かない

図書館ドラゴンは火を吹かない

 

 森に住む骨の魔法使いに拾われて育てられた少年ユカが、魔法使いへの偏見を払拭するための旅に出て、火竜のリエッキと運命的な出会いを果たし共に旅を始める物語。ユカを育てた骨の魔法使いと、お互いをかけがえのない存在と思う二人の旅、ユカの師となった踊り子と彼女の想い人・色の魔法使いの物語。100年後を生きるリエッキが抱える寂しさが切ないですが、それだけ彼らと共に生きた時間がかけがえのないものだったんですよね。物語の雰囲気もなかなかで、ユカたちの旅の続きも気になりますし、リエッキとカルメたちの今後も期待したいですね。

エンデンブルクの花嫁 (ファミ通文庫)

エンデンブルクの花嫁 (ファミ通文庫)

 

 人魚の海の国、エルフの森の国、強大な帝国に挟まれた小国エンデンブルクの若き国王スレンが、人魚とエルフの姫を政略結婚で娶り、その持参金と商業同盟で状況打開を目指す物語。長年の確執とあからさまな政略結婚にツンツンして張り合う人魚の姫ヴィアとエルフの姫エユラン。しかし優しく働き者のスレンの人柄や、暖かく迎えてくれた国民たちの想いに触れ、姫たちを侮辱した帝国と対決せんとするスレンと共に国民一丸となって立ち向かうストーリーは、分かりやすい王道展開ながら心に響くものがあって、スッキリとした読後感もとても良かったです。

ネクラ勇者は仲間が欲しい (ファンタジア文庫)

ネクラ勇者は仲間が欲しい (ファンタジア文庫)

 

 ネクラゆえに上手く声も掛けられないぼっち勇者クラムが、同じくぼっちのロリエルフ・ミーチカたちの助力を得て仲間探しを始める物語。真面目に男臭い仲間を探していたはずなのに、集まるのはツンデレロリエルフ、セクシーな邪教腐女子僧侶、いたずら好きな訳ありビッチ盗賊といった面々で、いつの間にかパーティーができちゃった感(苦笑)オレ様キャラだった光の剣帝のまさかの豹変ぶりにはビックリしましたが、バトルで熱く戦うメリハリもあったりで、各人の思惑が入り乱れるドタバタぶりが面白かったです。残念だけど実力ある面々の今後に期待。

 黒狐と怖れられる帝国皇太子ウィルフレドは、亜人との一戦に勝利しながら凱旋後一転して偽嫡の嫌疑で罪人とされてしまい、自ら捕縛から解放した獣姫に救われ亜人たちの元へ向かうファンタジー戦記。冷静で必ずしも戦いを好まない探究心旺盛なウィルフレドと、帝国と敵対する亜人たちとの邂逅。内乱状態にある国内の政治的理由から侵攻してくる帝国軍と、自らが生きるために亜人に協力するウィルフレド。複雑な立ち位置にありながらも意外と迷わない彼よりも、周囲の方が色々と辛い選択を強いられそうですね。とても面白かったので次巻に期待大です。

リア充になれない俺は革命家の同志になりました1 (講談社ラノベ文庫)

リア充になれない俺は革命家の同志になりました1 (講談社ラノベ文庫)

 

 入学した高校でスクールカースト最下層に身を置く白根与一が、担任から廃部にハンストで抵抗する美少女・黒羽瑞穂の監視役として図書部に入るよう命じられる物語。序盤は既視感を感じる設定やキャラ造形ですが、そこから明らかになってゆく少し学べば何でも人並み以上にこなしてしまう天才少女・瑞穂の境遇や、幼馴染である中禅寺さくらとの複雑な関係。一見こじらせた言動ばかりに思える瑞穂のありようは、それでいて白根も目をそらせないほど真っ直ぐでとても印象的でした。わりとスッキリとした結末ですが、続巻あるなら是非読んでみたいですね。

雨の日も神様と相撲を (講談社タイガ)

雨の日も神様と相撲を (講談社タイガ)

 

 子供の頃から相撲漬けの生活を送ってきた文季が、両親の交通事故死で引き取られた先は相撲好きのカエルの神様が崇められている村で、知恵と知識を見込まれ外来種との相撲勝負を手助けすることになる物語。村を治める一族の娘・真夏と出会い、思いとは裏腹に相撲や村の事情にがっつり関わってゆく文季の洞察力や覚悟には年相応に思えないものもありましたけど、一方でそんな彼の自分に向けられる評価や想いには鈍感だったりするギャップや、相撲勝負にも意外な背景があったことに納得したりで、爽やかな読後感を堪能できる素晴らしい青春小説でした。

トオチカ (角川文庫)

トオチカ (角川文庫)

 

 親友と2人で鎌倉の小さなアクセサリー店「トオチカ」を営む里葎子。手痛い恋愛を乗り越えていたと思っていた彼女がバイヤーの千正と出会い、心揺さぶられてゆく不器用な大人の恋の物語。会えば行動の一つ一つが気になって苛立つ里葎子と、なぜかそんな彼女の地雷を踏みまくる千正。優しくされたり雑貨の趣味が似ていても素直になれず、距離感が分からなくなったり言葉の選択を間違えてしまう不器用な関係が、とあるきっかけから戸惑いながらもいい感じにまとまっていって安心しました。巻末の短編もいい感じに幸せ感を補足していて良かったですね。

ゆきうさぎのお品書き 6時20分の肉じゃが (集英社オレンジ文庫)

ゆきうさぎのお品書き 6時20分の肉じゃが (集英社オレンジ文庫)

 

 貧血で倒れた大学生の碧が、小料理屋「ゆきうさぎ」を営む青年大樹に助けられ、バイトとしてとして働くことになる物語。母を亡くして食が細くなっていた碧や大樹が女将から跡を継ぐ前は常連だった父、お向かいの洋菓子店の兄妹やお店の常連客など、周囲の身近な人たちとの相手を思いやるような交流だったり、美味しそうな料理とらしさを取り戻した大食漢・碧の食べっぷりとか、猫の武蔵も存在感があって、特に目新しさはなかったですけど、心温まるような雰囲気が読んでいてとてもいいなと思いました。もし続刊あるようならまた読んでみたいですね。

 

ではまた。