読書する日々と備忘録

主に読んだ本の紹介や出版関係のことなどについて書いています

2月に読んだ本 #読書メーターより

2月は急性胃炎になったり、月末になってそういえば今月は29日までしかなかったかみたいなことも思ったりしましたが、まずまずの冊数が読めました。棚板買って書棚も拡張できましたし、とりあえずこのペースを維持していきたいところですね。

 

2016年2月の読書メーター
読んだ本の数:63冊
読んだページ数:18524ページ
ナイス数:6008ナイス

天空監獄の魔術画廊 (4) (角川スニーカー文庫)天空監獄の魔術画廊 (4) (角川スニーカー文庫)感想
リオンの下に昔の知り合いで吟遊詩人の少女・ユフィリアが加わって脱獄計画が実行に移されようとした時、彼らを阻む敵が現れる第四弾。リオンたちの脱獄が暴露され監獄挙げての追走劇が始まる中、新たな力を与えられて復讐者と化したハインに脱獄王まで加わるかなり厳しい状況でしたけど、そんな中で絆を強めていくリオンたち、駆け引きと知略の限りを尽くした逃走劇が熱かった割には、終わってみれば意外な展開を迎えそうですね。ヒロイン各人の立ち位置がハッキリしてきたことで、よりイキイキとしてきたリオンを巡る人間関係も今後が楽しみです。
読了日:2月29日 著者:永菜葉一
転生従者の悪政改革録 (2) (角川スニーカー文庫)転生従者の悪政改革録 (2) (角川スニーカー文庫)感想
学園改革の成果を見た王子に今度は魔力至上主義の貴族や軍改革のためバイトを要請される第二弾。物語は今回で早くも魔力至上主義の改革に動き出しますが、バラバラに配属されてなかなか会う機会がないナナミとユーリがお互いの不在を痛感したり、特にナナミが自覚ないまま嫉妬して独占欲を見せたり、ユーリ成分を求め思わぬ行動に出たりで、無防備なナナミに理性崩壊寸前のユーリにはニヤニヤしました。再び申し込まれた決闘の顛末も二人らしいですが、幕間で進行するもう一方の現世転生組も結構動いていて気になるところですね。次巻も楽しみです。
読了日:2月28日 著者:語部マサユキ
精霊幻想記 3.決別の鎮魂歌 (HJ文庫 き)精霊幻想記 3.決別の鎮魂歌 (HJ文庫 き)感想
精霊の里の民たちとの生活に別れを告げ、両親の故郷ヤグモに辿りついたリオ。父方の祖母であるユバと従姉ルリと邂逅を果たし、両親の過去を知ることになる第三弾。完璧超人なのに謙虚で村の生活水準向上まで図ったら、女の子には好かれるし、男どもの反応は難しくなりますね(苦笑)自分の生い立ちが明らかになっても女の子に告白されてもその目指すところがブレないあたり、朴念仁だなあと思いつつも物語がどこに向かうのか気になるところですが、最後に登場した人物と今後どうなってゆくのかがとても気になるので、早めの次巻に期待したいですね。
読了日:2月28日 著者:北山結莉
百錬の覇王と聖約の戦乙女10 (HJ文庫 た)百錬の覇王と聖約の戦乙女10 (HJ文庫 た)感想
《豹》征伐を終えて湧き起る食糧問題に立ち向かうリネーア、美月の体調不良の原因、《炎》と《雷》の宗主がついに激突する第十弾。強敵を下し勢力を拡大させていても、内情はそこまで余裕があるわけでもない《鋼》を取り巻く難しい状況を整理した今回。美月はついにという感じでしたけど、その美月がいろいろ奔走したお陰で、勇斗への複雑な想いを抱える幹部ヒロインたちが素直になりつつある描写がとてもいいですね。《雷》と《炎》が激突した結果と宗主の正体は意外な人物でしたが、ここに来て大きく動いた事態がどうなるのか、次巻が楽しみです。
読了日:2月27日 著者:鷹山誠一
カフェ・ド・ブラッド 魔夜中の眠らない血会 (ファミ通文庫)カフェ・ド・ブラッド 魔夜中の眠らない血会 (ファミ通文庫)感想
血を提供するカフェで傲岸不遜な吸血鬼の店主・アナスタシアや、訪れる客である吸血鬼たちに振り回される従業員の高校生・青井優夜が、過去の因縁に起因する事件に巻き込まれてゆくダーク・ファンタジー。年齢重ねていてもそれと精神年齢が一致しない吸血鬼たちの言動がわりと大人気なくて、けれどそんな登場人物たちにも譲れないものがあるところに魅力を感じたり、一方で吸血鬼を巡る過去や因縁、特殊体質であるがゆえに対抗する手段を持ち得た優夜の立ち位置もまた重要なポイントなのかなと思いました。続編出るようならまた読んでみたいです。
読了日:2月27日 著者:水城水城
ダンジョン・サーベイヤー 遺跡の街の“人間嫌い" (ファミ通文庫)ダンジョン・サーベイヤー 遺跡の街の“人間嫌い" (ファミ通文庫)感想
遺跡の街キーンホルツ。そこに向かう途上で山賊に襲われていたところを赤毛の少年・クローに救われたニコルが、彼が率いるチームに調査鑑定士の一員として預けられる物語。実力は確かながらも曲者揃いのメンバーで構成されるチームにあって、どうにも冴えない上に細かいことで大騒ぎするニコルは浮いた存在でしたけど、いかにも何かありそうな複雑な事情を抱える街を巡る陰謀に巻き込まれ、解決に向けメンバーたちも動き出す緊迫感のある展開の中、彼の言動がいいアクセントになっていました。ようやく仲間に認めてもらえた(?)今後の展開に期待。
読了日:2月26日 著者:嬉野秋彦
吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる ~Long Long Engage吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる ~Long Long Engage感想
交際する男性のプロポーズを「父を置いていけない」という理由で拒絶した詩也の娘ミナ。ずっとそばにはいられなかった母の代わりに決意する娘の視点から描かれる物語。母を愛し続ける父を想う娘の逡巡や、詩也が吸血鬼となるきっかけとなった雫の物語など、吸血鬼である以上は不老不死や周囲との時間の流れの違いにどう向き合うかという部分は避けられなくて、周囲の近況や意外な事実も交えながら紡がれた物語の中で示された結末は、これしかないと思える納得感のあるものでした。完結することなく終わった物語でしたが、これを読めて良かったです。
読了日:2月26日 著者:野村美月
ダンジョン飯 1巻 (ビームコミックス)ダンジョン飯 1巻 (ビームコミックス)感想
ダンジョンの奥深くでドラゴンに襲われ、金と食料を失ってしまった冒険者・ライオス一行。捕らわれた妹を救うために再びダンジョンに挑むライオスが「そうだ、モンスターを食べよう!」と決意する物語。話には聞いてましたが、ほんとにモンスター食しちゃうんですね(苦笑)レシピ付きで紹介されるモンスター料理もどこかシュールで、モンスターを食う抵抗感とか考え方の相違なんかもあったりで面白かったです。妹さんがちょっと心配ですけど、大丈夫なんでしょうかw
読了日:2月26日 著者:九井諒子
呪術法律家ミカヤ (ダッシュエックス文庫)呪術法律家ミカヤ (ダッシュエックス文庫)感想
十七歳で呪術法律家の資格を取った天才少女ミカヤ。そんな彼女が初仕事で大陸史上最悪の暗殺者、アイスフェルドの殺人容疑の弁護に挑む物語。飄々とした態度ながらも恩人でもある相手の殺人はキッパリと冤罪と否定したアイスフェルド。彼のために証拠集めに奔走してゆくうちに、ミカヤの父が投獄された事件にも絡む疑惑が浮上してくるストーリーは、魔術絡みの事件でどうしても推理が解説頼りにはなるものの、信念も価値観も異なる二人が、駆け引きしながら周囲の協力も得て大逆転を勝ち取る展開は盛り上がりました。心地よい読後感で次回作も期待。
読了日:2月26日 著者:大桑康博
夜明けのヴィラン 聖邪たちの行進 (ダッシュエックス文庫)夜明けのヴィラン 聖邪たちの行進 (ダッシュエックス文庫)感想
ヒーローと悪人であるヴィランの存在が科学的に証明された世界。最凶最悪のヴィランの息子として生まれた高校生のユウマが、Dr.デブリードマンが巻き起こしたヒーロとヴィランの境を超えた壮大な戦いに巻き込まれてゆく物語。分かりやすいヒーローとヴィランの構図がどこかアメコミっぽい雰囲気でしたが、ヒーローを次々と殺しテロを仕掛けるDr.デブリードマンと超人協会の因縁もあり、立ち位置の難しい主人公や正義とは何かというテーマをテンポの良い読みやすい文章で上手く描いていたと思いました。面白かったので続きが出るようなら期待。
読了日:2月26日 著者:地本草子
チョコレート・コンフュージョン (メディアワークス文庫)チョコレート・コンフュージョン (メディアワークス文庫)感想
凶悪な目つきから社内で「殺し屋」と恐れられる龍生。憧れの女性・千紗からお礼のつもりで渡された義理チョコに手違いがあり、舞い上がった龍生が交際を申し込んでしまう勘違いから始まる恋の物語。バレンタインすら残業で余裕のない千紗は、最初とんでもない噂ばかり飛び交う龍生にビビりまくりでしたけど、どこかズレていても素朴で優しい龍生のことを知ってゆくうちにいつのまにか大切な存在になり世界も変わってゆく、そんな不器用な二人の恋が甘くもどかしくて読んでいてニンマリしてしまいました。素敵なハッピーエンドで次回作も楽しみです。
読了日:2月25日 著者:星奏なつめ
不死王殺し 英雄はいかにして不死身の王を倒すのか (ダッシュエックス文庫)不死王殺し 英雄はいかにして不死身の王を倒すのか (ダッシュエックス文庫)感想
十歳にして不死王ザハリアーシュに祖国を滅ぼされたセレニア王国の王子ドーンが、七年後に七本の聖剣を自在に操る最強の剣士となり、相棒のシメオンとともに復讐に立ち上がる物語。通常の剣では傷つかず、人の心を読んでしまい、さらには記憶を共有する三人の誰が本物か分からない不死王。そんな不死王を打倒すためにシメオンと弱点を探ってゆくミステリ要素もあるストーリー展開は、読みやすくテンポの良さもありましたが、決着が着いたその後のエピローグがない完結は、巻末に掌編がある分余計にどこか結末が中途半端な印象を受けてしまいました。
読了日:2月25日 著者:三国陣
ノノノ・ワールドエンド (ハヤカワ文庫JA)ノノノ・ワールドエンド (ハヤカワ文庫JA)感想
暴力を振るう義父と受け入れるだけの母、いいことのない毎日が続き絶望する中学生ノノ。しかし突如白い霧に包まれた街から人々は消え、逃げ出した先で白衣の少女・加連と出会うガール・ミーツ・ガール。義父から逃げ出したノノと、現象に関わりながらとある目的のために組織から逃げ出してきた飛び級の天才少女・加連。偶然から出会った不器用な二人でしたけど、近づく終末を前にきちんと心残りを解決したい加連と行動を共にするうちに深まる絆と、お互いのためにという想いが感じられる切なく優しい物語でした。こういう作品もまた期待しています。
読了日:2月25日 著者:ツカサ
異世界魔法は遅れてる! 6 (オーバーラップ文庫)異世界魔法は遅れてる! 6 (オーバーラップ文庫)感想
勇者・初美をさらおおうとする龍人のインルーに襲われ苦戦する水明。一方黎二たちはかつての勇者が使ったという伝説の武具・サクラメントを求め、魔将・イルザールに襲われる第六弾。召喚された勇者の存在とそれをさらおうとする襲撃者たち。彼らの目的には向こうの世界との関わりが示唆されていましたけど、戦う相手としては魔族よりも強力な存在なだけに、今後どう絡んでくるか気になるところ。記憶を取り戻した初美含めた三つ巴と相変わらず鈍い水明には苦笑いでしたが、黎二の方も違う意味で大変なことになっていて、今後の展開が楽しみですね。
読了日:2月24日 著者:樋辻臥命
剣魔剣奏剣聖剣舞 (MF文庫J)剣魔剣奏剣聖剣舞 (MF文庫J)感想
神に与えられた神剣とそれを駆る剣聖が祖国の威信をかけて戦う戦乱の時代。一匹狼の剣聖・リューインがラドガヴィガ王国から神剣を強奪した際、絶華十剣のソーロッドらと遭遇したことで物語が動き出すボーイ・ミーツ・ガールなファンタジー。王国と大公国が要塞を巡って対峙する状況で、卓越した強さを見せつつぬけぬけと両陣営に顔を出すリューインはいろいろと謎の多い主人公でしたが、いかにも著者さんらしいヒロインのソーロッドも記憶を失っている過去が何か曰くありげで、神剣を巡る物語がどんな方向に向かうのか、今後の展開が楽しみですね。
読了日:2月24日 著者:嬉野秋彦
結局、ニンジャとドラゴンはどっちが強いの? (4) (MF文庫J)結局、ニンジャとドラゴンはどっちが強いの? (4) (MF文庫J)感想
クロムクラッハに敗北を喫し一方的に命を握られてしまった3人が、八方塞がりの状況のまま彼の命令で再びナトゥアを目指す第四弾。途上は亜人の襲撃続きでピンチになったりもしましたけど、これまでに自分たちが救ってきた多くの人たちと接するうちに、絶望的な状況に置かれていた3人が徐々にらしさを取り戻していく過程は、夫婦3人の直接対決もあり、意外な伏兵が大活躍したりでとても楽しかったです。3人で臨んだドラゴンとニンジャの最終対決では嫁たちも大活躍で、前巻の展開を見事吹き飛ばしてくれた結末には大満足。次回作も期待してます。
読了日:2月23日 著者:伊達康
世界の終わりの世界録(アンコール) (6) 終焉の精霊 (MF文庫J)世界の終わりの世界録(アンコール) (6) 終焉の精霊 (MF文庫J)感想
沈黙機関の手により悪魔法印を奪われてしまったレンたち「再来の騎士」が、ある秘策に望みを託し結界突破に挑む第六弾。レンたちだけでなく沈黙期間や王立七十二階位特務騎士団も終焉の島を目指し対峙する展開で、その過程で明らかになってゆく過去の因縁や英勇エルラインの世界録、そもそも終焉戦争が起こった理由。今回ようやく物語の真相に近づくのかと思いましたが、それは新たな展開への布石でしかなくて、いろいろなものが変わってしまったこの状況は予想できませんでした。ここからどういう展開や結末に繋がっていくのか、次巻が楽しみです。
読了日:2月23日 著者:細音啓
君と時計と嘘の塔 第一幕 (講談社タイガ)君と時計と嘘の塔 第一幕 (講談社タイガ)感想
幼いころに自分のつまらない意地で孤独に追いやった幼馴染・芹愛をいつまでも忘れられない綜士が、唯一の親友の消失した理由を探すうちに、自分が芹愛の死をきっかけにタイムリープしていたことに気づく物語。高校に留年し続ける千歳、自らも同様のタイムリープを繰り返していた雛美と共に芹愛を救うべく行動する展開は、改めて芹愛と自分の現在地を直視させるものでもあって、それぞれの思惑も絡む状況の中で遭遇したショッキングな結末と、突きつけられたもう取り戻せない現実が厳しいですね…。次巻でどんな展開を迎えるのか続きが気になります。
読了日:2月23日 著者:綾崎隼
アルバート家の令嬢は没落をご所望です (2) (角川ビーンズ文庫)アルバート家の令嬢は没落をご所望です (2) (角川ビーンズ文庫)感想
メアリが経営学を学ぶために隣国に留学することになり、そこでゲームの続編シチュエーションに遭遇する第二弾。まだこだわってたの?と思った留学でしたが、それよりも身分の差を考えるとなかなか難儀しそうだなあと思っていたアディの片想いが、思わぬ鶴の一声で進展したことにビックリ(苦笑)機を逃さずに一気に話を進めたパトリックがナイスでしたね。まあこれまでメアリもニブ過ぎましたけど、ずっとそばにいるのが当たり前になっていて、自分の気持ちに正直になったら納得の大円団。幸せそうな二人に良かったなと思えました。面白かったです。
読了日:2月22日 著者:さき
アルバート家の令嬢は没落をご所望です (角川ビーンズ文庫)アルバート家の令嬢は没落をご所望です (角川ビーンズ文庫)感想
大貴族の令嬢メアリが突然、ここが前世でプレイしていた乙女ゲームの世界で、転生した自分はヒロインの恋を邪魔する悪役令嬢だったということを思い出し、従者のアディと共に予定通り没落目指して邁進する物語。自覚して何で予定通り邁進しようとするのかが最初謎でしたけど、自分の中では悪役令嬢っぽくふるまっているつもりが、逆になぜかヒロインに懐かれて思わぬ方向に向かってゆく物語は、飾らない主従や周囲との人間関係も新鮮でとても楽しく読めました。思わぬ形で目論見がものの見事に潰えたメアリが次にどこに向かうのか、次巻に期待です。
読了日:2月22日 著者:さき
花魁さんと書道ガール (創元推理文庫)花魁さんと書道ガール (創元推理文庫)感想
祖母の部屋で古びた簪を見つけ、春風と名乗る花魁の幽霊に取り憑かれてしまった書道一筋の大学生・多摩子が、彼女を成仏させるため春風と恋愛相談に乗り出す物語。地味で自分に自信を持てなかった多摩子と、彼女に憑依して真っ直ぐな言葉で女の子たちの恋の悩みを解決していく春風。ミステリ要素はありませんでしたが、春風が解決してゆく恋の相談を目の当たりにした多摩子が、自らの恋にもきちんと向き合うようになる成長の物語としてなかなか楽しめました。春風さんも簡単には成仏しなさそうですし、新たな物語の予感を続編で読めるといいですね。
読了日:2月21日 著者:瀬那和章
Dear(ディア)Dear(ディア)感想
誰に対しても無関心にも見える大学生の浅井静と、彼が唯一気になる古書店兼雑貨屋の『時計泥棒』のアルバイト仲間・遠野詩織を巡る物語。人間関係が煩わしい静を惹きつけて止まないのに、周囲と壁を作り寄せ付けない雰囲気の詩織。ままならない想いを抱え煩悶する静の気持ちが痛いほど伝わってきますが、彼女の明かされた過去と手に光る指輪の理由は、彼女にとって何ものにも代えがたい大切な初恋の物語でした。過去を大切に思いながらもそれを乗り越えようとする詩織とそれを支える静。そんな二人がいつか向き合える未来に期待したいと思いました。
読了日:2月20日 著者:深沢仁
イグニッション・ブラッド 暁の英雄 (ファンタジア文庫)イグニッション・ブラッド 暁の英雄 (ファンタジア文庫)感想
人類がかつて吸血鬼と呼ばれた種族“至高の血族”と地上の覇権を争う世界で、対血族部隊に所属する「暁の英雄」十影が、彼らと人間のクォーターである異端の少女・ペスティと出会う物語。世界観や構図はわりとシンプルで分かりやすく、熱い主人公とポンコツ美少女ヒロインに噂と実際にギャップのある少女という三角関係や、無理のない王道展開は最後まで安心して読めました。普通の人であるがゆえに二人のために奔走する役割が回ってきてしまうクインの不遇ぶりや、ところどころで引っかかる地の文はやや気になりましたが、今後に期待ということで。
読了日:2月19日 著者:亜逸
鎌倉香房メモリーズ  3 (集英社オレンジ文庫)鎌倉香房メモリーズ 3 (集英社オレンジ文庫)感想
雪弥さんの態度に変化が出てきたり、文化祭で起こった事件だったり、『花月香房』に香乃の父親たちがやってくる第三弾。これまでわりとクールな反応が多かった雪弥さんでしたけど、自称・親友の高橋相手のために何とかしようとしたり、香乃のことになるとやけに反応したり、なかなか面白くなってきてますね。彼の変化だけでなく、香乃もまた自ら意思表示できるようになったからこそ、多くの人にいい傾向だと認められつつあるんですよね。ただ二人もいい雰囲気になってきたなあと感じていた分、最後の急展開にはビックリ。次巻が早く読みたいです。
読了日:2月19日 著者:阿部暁子
うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。3 (HJ NOVELS)うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。3 (HJ NOVELS)感想
ラティナを連れた長旅を終えクロイツへと戻ってきた凄腕冒険者のデイル。『踊る虎猫亭』で仕事や子育てを手伝うラティナの着実な成長が描かれる第三弾。あのラティナもついに14歳になったんだなあと感慨深いものがある一方で、相変わらずラティナに向ける目が小さい頃と変わっていないようにも見える親バカ全開のデイル。これまでのブレないラティナを見ていればいずれこうなるだろうとは思っていましたが、ついに一歩を踏み出しましたか。デイルが残念過ぎるけど勝負はこれからですよね。これからさらに面白くなりそうで楽しみになってきました。
読了日:2月19日 著者:CHIROLU
神神神は、罪に三度愛される (朝日エアロ文庫)神神神は、罪に三度愛される (朝日エアロ文庫)感想
廃校となった中学校での部の夏合宿で、超常現象研究部に所属する病弱な男子高校生・神神神(かがみしん)と幼馴染・天道日和が巻き込まれてゆく惨劇。プロローグから不穏な雰囲気を感じさせながら始まった合宿。お互いの存在を大切に思っているだけなのに、周囲の身勝手な思惑や悪意に振り回される構図がやりきれなくて、辛く苦しい状況の中でお互いへの想いを改めて自覚してゆく描写がとても切なかったです。そんな二人には厳しい結末とも感じましたが、意外な形で残された二人の絆と、支えてくれる暖かい家族の存在がせめてもの救いに思えました。
読了日:2月18日 著者:梨沙
現代魔女の就職事情 (1) (電撃コミックスNEXT)現代魔女の就職事情 (1) (電撃コミックスNEXT)感想
原作・相沢沙呼さんということで購入。修業のため仕事探しに見知らぬ田舎町へやってきた魔女・玉城禰子15歳の奮闘を描く物語。共存こそするものの、魔女という存在そのものが希少種となりつつある時代に生まれた禰子が直面する理想と現実のギャップ。特にやりたいことや夢もなく普通の高校生になりたかった彼女が知り合った同年代の友人たちとの繊細な距離感だったりやりとりだったり、不器用なりに奮闘する禰子の頑張りやそれを支えてくれる友人たちといった構図がとても良かったです。彼女たちの今後に期待。
読了日:2月18日 著者:はま
チョコレート・ダンディ 〜可愛い恋人にはご用心〜 (コバルト文庫)チョコレート・ダンディ 〜可愛い恋人にはご用心〜 (コバルト文庫)感想
金と身分が目当ての女たちに絶望していた公爵家嫡男オスカーが、友人のユーディに唆され、小説家志望の少女アデルを匿名で支援し堕落するかどうかという賭けに乗ってしまい、彼女に興味を持つようになってゆく物語。あしながおじさん風の物語でしたけど、贈り物攻撃にも流されない真っ直ぐなアデルに惹かれてゆくオスカーの変化が良かったですね。展開はややベタな感じもありましたけどイラストもよくマッチしていて、こういう関係がとても好みなので楽しく読めました。ユーディたちの結末も気になるので、続編あるならまた読んでみたいと思います。
読了日:2月18日 著者:我鳥彩子
レジまでの推理 本屋さんの名探偵レジまでの推理 本屋さんの名探偵感想
船橋にある書店を舞台にお店のお客さんが持ち込んだり書店で起こるミステリを店員たちが解いていく連作短編集。ポップ作りに精を出し、忙しい時期にはなぜかいなくなるのに謎はしっかり解いてみせる店長と、頼もしい個性的なアルバイトたちによって繰り広げられる物語は、書店あるあるを交えつつ現状の問題点にも触れた構成だったりでとても面白かったです。最終話は一瞬あれれ?と思う展開でしたが最後まで読むと納得。あの仕事量から推察するに普通の店長以上に相当忙しいんでしょうね。カリスマ書店員になると大変そうだなあと思いました(苦笑)
読了日:2月17日 著者:似鳥鶏
竜と正義 人魔調停局 捜査File.01 (NOVEL0)竜と正義 人魔調停局 捜査File.01 (NOVEL0)感想
人間と魔物が共存する現代。人魔社会の平和を維持する調停局の実働官ライルが、帰属するために魔物の里からやってきた竜族の姫を仲間とともに陰謀から守り抜こうと奔走する物語。MF文庫Jで刊行されていた作品の完全版で読むのは今回が初めてでしたけど、現実の世界にファンタジーをうまく同居させながら、護衛しながらも姫や仲間とも楽しみつつな日常パートの部分と、襲われての戦闘パートのメリハリは上手かったですね。説明が全体的に冗長で、文章のテンポがあまり良くないのは気になりましたけど、全体として見れば面白かったので次巻に期待。
読了日:2月17日 著者:扇友太
皿の上の聖騎士〈パラディン〉1 ‐ A Tale of Armour ‐ (NOVEL0)皿の上の聖騎士〈パラディン〉1 ‐ A Tale of Armour ‐ (NOVEL0)感想
大平原「大陸の皿」を統べる大国レーヴァテインにあるフィッシュバーン家の聖騎士伝説。聖騎士を継承した姉・アシュリーが巻き込まれた過去の因縁と、そんな姉を救うため弟・アイザックが旅立つ正統派ファンタジー。ブラコン気味な完璧超人のアシュリーと、それを疎ましく思いがちなそこそこ優秀なアイザック。旅立つ目的となった過去の因縁を巡る聖獣たちの執着にどう向き合うかがポイントになりそうですけど、今回の顛末を見る限りだとなかなか前途多難そうですね。途上で新たな出会いもあったこの物語がどこに向かうのか、次巻以降の展開に期待。
読了日:2月16日 著者:三浦勇雄
ブックマートの金狼 (NOVEL0)ブックマートの金狼 (NOVEL0)感想
新宿『くじら堂書店』店長・宮内の元にアイドルの桃坂琴美が現れ、元トラブルシューターだった彼にストーカー解決の依頼を持ちかける物語。バイトにも舐められ仕事に対して思うことはあっても、自らが書店人であることに生き甲斐を感じている宮内ですが、一方で困った人のために奔走する姿もまた彼らしさなんですよね。宮内も頭が上がらない店員吉村さんや意外な一面も見せた琴美、そしてかつての仲間たちも魅力的な存在で、レーベルの路線に沿いながらも著者さんらしさがよく出ていた作品でした。まだまだいろいろ書けそうですし続編にも期待です。
読了日:2月15日 著者:杉井光
世界が赫(あか)に染まる日に世界が赫(あか)に染まる日に感想
従兄妹の未来を奪った加害者へ密かに復讐を誓う中学生の櫂が、15歳の誕生日に自殺する計画を立てる同い年の文稀と出会い、文稀が死ぬまでは復讐に協力する契約を結ぶ物語。被害者の消えない傷の大きさに比して、加害者の意識の希薄さや未成年として保護されるがゆえの罪の軽さには理不尽さを感じてしまいますが、ではそれを私的に裁いていいのかと言われると…転機があれば櫂のように逡巡するようになるのは当然だし、一人になっても突き進まんでしまう文稀を取り巻く境遇の悲惨さには、どうにもやりきれないものを思わずにはいられませんでした。
読了日:2月15日 著者:櫛木理宇
水鏡推理2 インパクトファクター (講談社文庫)水鏡推理2 インパクトファクター (講談社文庫)感想
FOV人工血管という画期的な論文を世に出したのは瑞希の小学校時代の同級生で大学院生の如月智美だった。しかしその論文に不正疑惑が持ち上がり、ヒラ職員の瑞希が真相究明に挑む第二弾。タスクフォースも瑞希以外はメンバーが入れ替わり、職権を越えた行動で衝突したりと相変わらずな一面も見せましたが、同級生を信じて絶望的な状況にも最後まで諦めず、問題の真相に迫ろうとする推理力と行動力は流石でしたね。捏造が発生する背景も分かりやすく解説され、カギを握るポイントが拍子抜けするような仕掛けだったことにも驚きました。次巻も期待。
読了日:2月14日 著者:松岡圭祐
聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 15 (GA文庫)聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 15 (GA文庫)感想
石動が校長となって刷新された学園システムの目玉『学内総当たりリーグ戦』サツキ&春鹿のコンビが優勝とランクA昇格を賭けた石動校長への挑戦権を賭けて勝負する第十五弾。学園から黄金世代と言われた三年生が抜けて進級した諸葉たちの序列がどのように変化したのか、卒業して校長になった石動、大学生になった丈弦らの現在地が描かれた今回でしたが、しれっとランクが上がっている人もいれば、努力で昇格を勝ち取った人、強くあろうと苦悩する人もいて、強くなることの難しさが興味深く描かれていると思いました。次巻また動きがありそうで期待。
読了日:2月14日 著者:あわむら赤光
ゴブリンスレイヤー (GA文庫)ゴブリンスレイヤー (GA文庫)感想
ゴブリン討伐だけで銀等級まで上り詰めた稀有な存在・ゴブリンスレイヤー。そんな彼が冒険者として初めての依頼でピンチだった女神官を助けるところから始まる物語。冒頭から情け容赦のない展開が待っていて面食らいますが、視点を変えるとゴブリン相手の戦い方も奥が深く、えげつない方法も厭わずにゴブリンの習性や倒し方をひたすら極め、世界を救うことには興味がない変わり者のゴブリンスレイヤーが、直面した危機的状況で身近な人を失うことを繰り返さないために、仲間に助けを求めて立ち上がる展開はなかなか来るものがあって面白かったです。
読了日:2月13日 著者:蝸牛くも
ゆうべはお楽しみでしたね(2) (ヤング
ガンガン
コミックス)ゆうべはお楽しみでしたね(2) (ヤング ガンガン コミックス)感想
てっきり男同士だと信じてたゴローさんとシェアハウスすることになったたくみの淡い感情の変化が垣間見える第二弾。オフ会で会うことになった気になる人の正体には苦笑いでしたが、同じ家に住むようになって楽しいことも共有できるようになってきたからこそ、ふとした時に気づくゴローさんのいろいろなことが気になったり、どこまで踏み込んでいいのか踏み込むべきでないのか、距離感をいろいろ考えたりするたくみの気持ちが何かリアルですね。これから何がしか動きがあるのかな。面白かったので次巻も楽しみ。
読了日:2月12日 著者:金田一蓮十郎
セイクリッド・クロニクル 3 (GA文庫)セイクリッド・クロニクル 3 (GA文庫)感想
闇に目覚め瘴魔に堕ちたオディールがレキを求めて牙を剥く。あくまでオディールを救おうと奔走するレキに対し、瘴魔討伐に《剣帝》ジョセフが動き出す第三弾。今回で登場人物たちの繋がりや背景もいろいろ明らかになっていきますが、相変わらずレキに対してメロメロな戦乙女とそれに真摯に向き合うレキがどこまで行くのかと思えば、オーディルを巡ってジョセフと真っ向勝負もあっていい感じにメリハリが効いてました。みんなレキ大好きな六大凶殺たちとのフラグが次々に明らかになる一方で、勘違いして自ら外堀を埋めに行く二人の今後が楽しみです。
読了日:2月12日 著者:御子神零
即興ワルツ 青遼競技ダンス部の軌跡 (富士見L文庫)即興ワルツ 青遼競技ダンス部の軌跡 (富士見L文庫)感想
問題を抱える実家から抜け出し大学で一人暮らしを始めた成島拓海が、懇親会で出会った同級生橋本秋帆によって競技ダンス部に勧誘される物語。高身長の秋帆に釣り合う存在として190cmの大柄なポテンシャルを見込まれ、とりあえず夏までと嫌々ながら始めた拓海。物語はそんな彼が多くの人との出会いや秋帆のことを知ってゆくうちに競技ダンスの楽しさに目覚めてゆく王道展開で、パートナーと向き合う大切さだけでなく、チーム競技でもある競技ダンスの面白さがひしひしと伝わってくる爽やかな青春小説でした。是非続刊出ることを期待しています。
読了日:2月12日 著者:佐々原史緒
紅霞後宮物語 第三幕 (富士見L文庫)紅霞後宮物語 第三幕 (富士見L文庫)感想
小玉が「文林に新たな出会いをあげよう計画」を推進し、人員整理で見つけた謝充媛のもとへ文林が足繁く通うようになった結果、後宮内の空気が変わる第三弾。どうも小玉のやること考えることは理解できなくはないけど少しズレているというか、お互い相手のことは分かっていると思うからこそ、微妙なすれ違いが重いですね。二人の立場ではそうせざるをえないと分かっていても、それによって大切なものが失われる現実を突きつけられた今回、最後の麺屋の出来事が切なく、救われる気持ちにもなる場面でとても印象的でした。次巻も期待して待っています。
読了日:2月11日 著者:雪村花菜
かくりよの宿飯 三 あやかしお宿に好敵手きました。 (富士見L文庫)かくりよの宿飯 三 あやかしお宿に好敵手きました。 (富士見L文庫)感想
現世出張で大旦那様が不在の天神屋に、ライバル宿「折尾屋」の幹部たちがやって来た! 銀次の以前の同僚や暁の師匠など、因縁の多い面々が登場する第三弾。相変わらず楽しそうに料理を作り、ライバルでも別け隔てなく美味しそうな料理を振る舞う葵の姿が印象的で、困っている人を放っておけずに何とかしようと奮闘する葵に、天神屋の面々にも認められつつあるんだなあと思ったり、葵のことで何となく張り合う銀次と大旦那に苦笑いしてましたが、最後の最後でまさかの急展開。どうなってしまうのかとても気になる終わり方で次巻が早く読みたいです。
読了日:2月11日 著者:友麻碧
マグダラで眠れ (8) (電撃文庫)マグダラで眠れ (8) (電撃文庫)感想
騎士団の追っ手が迫る中、クースラたちはフェネシスの一族「白き者」たちが起こした大爆発により一夜で滅んだという旧アッバスに向かう第八弾。今回は街を滅ぼした強大な力の正体と空を飛ぶ方法の模索でしたが、時には真剣に時には一喜一憂しながら試行錯誤してゆく中でも、フェネシスの成長によってクースラと関係はすっかり変容していて、周囲にもそれが自明のものとなりつつあるのがとても興味深かったですね。かけがえのない彼女の存在で自らも丸くなったことを自覚するクースラたちの旅はひとまず終わりましたけど、第二部にも期待しています。
読了日:2月11日 著者:支倉凍砂
俺を好きなのはお前だけかよ (電撃文庫)俺を好きなのはお前だけかよ (電撃文庫)感想
気になるコスモス先輩と幼馴染ひまわりがジョーロをデートに誘った目的は親友への橋渡し。そんな彼を好きなのは地味女パンジーだけというドタバタラブコメ。物語が進むと構図がどんどんややこしくなりますが各々の行動には理由があり、最初打算的に見えていたジョーロが常に周囲の友人のために行動していて、登場人物たちが利己的な理由で変節していく中でも最後までブレず、またそれを知るヒロインがいることに物語の真骨頂があったのかなと思いました。特殊なストーカー気質ながらお約束な正体を見せたパンジーとの今後が気になるので次巻に期待。
読了日:2月10日 著者:駱駝
ただ、それだけでよかったんです (電撃文庫)ただ、それだけでよかったんです (電撃文庫)感想
遺書を残して自殺した中学生の昌也。自殺の背景には菅原拓による昌也を含めた4人の生徒への壮絶なイジメがあったと知り、昌也の姉が調査に動き出す物語。調査していく過程に出てくる彼女・母・友人たちの少し気になる証言。そして肝心の昌也に行き着いて衝撃的な真相が明かされていく展開には、読む人を引き込まずにはいられない文章力がありました。人間力テストによって歪められていく生徒たちと、誤算によって成立しなかった革命。カタルシスは感じませんでしたが、人としてのいやらしい部分に真正面から向き合った意欲作で次回作に期待ですね。
読了日:2月10日 著者:松村涼哉
はたらく魔王さま! (15) (電撃文庫)はたらく魔王さま! (15) (電撃文庫)感想
魔王がついに悲願の正社員登用に向けて研修を受け、一方千穂と鈴乃はアラス・ラムスのためクリスマスパーティーを企画する第十五弾。クリスマスに当たり前のようにシフトを入れてしまう真奥とエミリには苦笑いでしたが、ライラの話を聞いても今の状況だったり思うところを考えれば、今の二人にとってその優先順位は明らかなんですよね。だからこそ意外に思えた冒頭シーンも、いかにもこの作品らしい顛末が明らかになってみれば苦笑いとともに納得。研修を受けている真奥に対する、木崎さんの思うところもちょっと気になりますね。次巻も楽しみです。
読了日:2月10日 著者:和ヶ原聡司
θ 11番ホームの妖精 アクアリウムの人魚たち (ハヤカワ文庫JA)θ 11番ホームの妖精 アクアリウムの人魚たち (ハヤカワ文庫JA)感想
義経の入院中に駅を管理する第七世代コンピュータ・アリスをめぐる騒動が勃発する短編と、輸送中の冷凍睡眠装置から突然目覚めた少女を巡る謀略に巻き込まれる中編を収録した第二弾。杓子定規なことを言う一方で、同じ世代のコンピューター相手に意趣返しをしてみせたりするアリスの妙に人間っぽい反応や、脅迫に屈せず切ない想いを抱える依頼人たちを守りぬこうと奮闘するT・Bたちの心意気が、読んでいてとても心地よかったです。いろいろな事情が複雑に絡み合い、なかなか素直になれなかった2つの恋もまた興味深い顛末で、続編に期待してます。
読了日:2月9日 著者:籘真千歳
楽園追放2.0 楽園残響 ―Godspeed You― (ハヤカワ文庫JA)楽園追放2.0 楽園残響 ―Godspeed You― (ハヤカワ文庫JA)感想
捜査官アンジェラの助けで外宇宙に旅だったフロンティアセッターに対して、アンジェラ自身の複製体が下級市民の少年少女三人とともに追撃を命じられる公式続編小説。本人に成り代わることを目論みながら、徐々に保安局の判断に疑問を感じるようになっていくアンジェラの複製体。そしてジェネシスアーク号への移住を目論むユーリとライカ、ブラウンの三人の関係。持たざる彼女らが複雑な生々しい嫉妬や葛藤を抱えながらも助けるためにと奮闘し、それをアンジェラが助ける展開には盛り上がりましたね。スピンオフとしてなかなか楽しめた後日談でした。
読了日:2月9日 著者:ニトロプラス/東映アニメーション,大樹連司
スマッシュエース! (メディアワークス文庫)スマッシュエース! (メディアワークス文庫)感想
将来を嘱望されながら致命的な怪我を負い、それでも諦めずにバトミントン部に入部した高校生・翼が、ふとしたきっかけで凄まじいスマッシュを持つ不器用な少年・千波矢と出会い、ダブルスを組んで再び走りだす物語。ハンデを負いながらも再び這い上がってきた翼が出会った、何を考えているのかよく分からないスマッシュだけの千波矢。最初一方的な関係だった二人がそれぞれの葛藤を知って対等になり、熱かったライバルたちとの戦いの中で喜びを分かち合うようになってゆく姿にとても心を揺さぶられました。是非続編を期待したい注目の青春小説です。
読了日:2月8日 著者:朽葉屋周太郎
ゼロワン (文芸書)ゼロワン (文芸書)感想
今は亡き相方の弟・零と漫才コンビ「ゼロワン」を組む三十三歳の無名のお笑い芸人・王串が、覚悟を決めて年末のマンザイ・グランプリ優勝を目指して奮闘する物語。元相方の死を消化しきれないまま、漫才を辞めることもできなかった王串。分かりやすい笑いを取りにいくか、自分のこだわりを貫くか葛藤し、相方の零や自由奔放な恋人マドカらとぶつかりながらも、泥臭くギリギリを追及する姿勢が生々しくて、とても心に響きました。久しぶりに読んでこれまでとまた違った雰囲気の作品と感じましたが、これはこれで良かったので次回作も期待しています。
読了日:2月7日 著者:若木未生
異世界にカフェは必要ですか?  恋が生まれる秘蔵のレシピ (角川ビーンズ文庫)異世界にカフェは必要ですか? 恋が生まれる秘蔵のレシピ (角川ビーンズ文庫)感想
夢だった自分のカフェのオープン間近だったのに、建物ごと異世界王宮の庭ど真ん中にトリップしてしまった環が、異世界でカフェを開店する物語。異世界なのになぜかガス電気水道がそのまま使えてしまったりはしますが、料理に対して真剣で困った人を放っておけないがゆえに、トラブルに巻き込まれがちな環の奮闘とそれによって感化されてゆく人たち、その監視役に付けられてたびたびフォローするうちに変わっていくカタブツな近衛隊長ユリウスとの関係がとても良かったです。料理長との決着や恋の行方も気になるので、是非続編に期待したい作品です。
読了日:2月6日 著者:柏てん
キズナの姫と生徒会騎士団 (角川スニーカー文庫)キズナの姫と生徒会騎士団 (角川スニーカー文庫)感想
異世界で姫を守る近衛騎士だったユウリが現代日本に転生。他の仲間や姫と再会し生徒会長になった姫とともに生徒会を結成する物語。再会した仲間たちは姫を意識しながらもこちらでの生活に楽しみを見出し、姫も記憶がない状態。そんな中で姫と幼馴染ポジションのユウリが思った以上に近い位置にいる彼女に恋心を抱いていく初々しさがとてもいいですね。堅物で鈍感なのに中二病扱いの美少年ユウリは格好のいじられキャラでしたが、対する姫の反応がまたとても繊細で、お互いの不器用な心の揺らぎがとてもよく表現されていると思いました。続編に期待。
読了日:2月6日 著者:降橋いつき
忙しいパパのための子育てハッピーアドバイス忙しいパパのための子育てハッピーアドバイス感想
今、パパとして奮闘中の方、またこれからパパになろうとする人に、これだけは知っておいてほしいということを書いたというシリーズの一冊(シリーズの他の本は読了済)。あまり本を読み慣れてない人でも分かりやすいように、マンガで具体的な事例を挙げて良い対応、悪い対応を比較するように載せているのはとてもイメージしやすいですね。男と女では話の目的が少し違うことを理解するのはわりと難しいですけど、対応の仕方を間違わないことはとても大事です。人間関係は日々の細かい積み重ねが重要なので、大切にしていきたいなと改めて思いました。
読了日:2月6日 著者:明橋大二
忙しいビジネスマンのための3分間育児 (ディスカヴァー携書)忙しいビジネスマンのための3分間育児 (ディスカヴァー携書)感想
何かヒントになることあるかなあと思い読んだ1冊。仕事を効率化すれば家族時間が捻出できるというのは幻想で(仕事が増えるだけ)、量より質を重視すべきというのは確かにそうかもと納得。子どもの集中力は子供の年齢+1分というのも実感としてよく分かりますし、「3分間育児」実践例も豊富で、そういう細かい積み重ねで手応えを感じながら、できることを増やしていくのはとてもいいアイデアだと思いました。やれることはどんどん関わっていくにしても、そういう効果的で実践的な関わり方という部分はもっと意識してもいいのかもしれないですね。
読了日:2月6日 著者:おおたとしまさ
俺のペットは聖女さま2俺のペットは聖女さま2感想
辰巳はチーコにふさわしい男になるために毎日剣や魔法の修行に没頭し、ついには神官戦士として登用され、チーコとの同棲生活も順調なところに2人の結婚を阻止する貴族が現れる第二弾。ゼロからの積み上げで地道に神官戦士を目指す辰巳のために、お弁当作って一緒に食べたりするチーコが可愛い。順調に築き上げられていく関係は周囲にも認知されるようになり、どうしようもない貴族が二人の関係に横槍入れてきてもあまり関係なかったというか、一蹴されて二人はより盤石な関係になったというか。どこまで甘くなるんでしょうかね、この物語は(苦笑)
読了日:2月5日 著者:ムク文鳥
俺のペットは聖女さま俺のペットは聖女さま感想
ある日事故で家族を失い、さらに最愛のペット・オカメインコのチーコにも老衰で先立たれた高校生の辰巳が、異世界に転生したチーコによって異世界召喚される物語。ペットのオカメインコが異世界に美少女の聖女として転生していて、元飼い主を召喚するというのは新しいですね(苦笑)当然聖女は辰巳大好きで、婿に迎え入れようとする動きからいろいろ事件が発生していくわけですが、辰巳も状況を受け入れてるならまあいいのかなと思うくらい甘いです。チーコにおんぶに抱っこは嫌だという、今回でその持つ力の片鱗は見せた辰巳の今後の頑張りに期待。
読了日:2月5日 著者:ムク文鳥
スープ屋しずくの謎解き朝ごはん ~今日を迎えるためのポタージュ (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)スープ屋しずくの謎解き朝ごはん ~今日を迎えるためのポタージュ (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
早朝のわずかな時間にひっそりと営業しているスープ屋しずく。今回は周囲の人たちのエピソードが綴られる第二弾。新婚編集長の様子がおかしい理由や、理恵の初恋の人との再会、伊予と友人の狩猟体験、亡くなった麻野の妻・静句のことなど、周辺人物のことがエピソードを通じて掘り下げられていて、関わっている人たちもみんな少しずつ変わってゆく様子が伺えて興味深かったですね。理恵も立場が変わって心機一転でしたけど、麻野との関係の進展にも期待できたらいいな。とてもおいしそうなスープ描写は相変わらずでした。また続編を期待しています。
読了日:2月4日 著者:友井羊
鎌倉おやつ処の死に神 (富士見L文庫)鎌倉おやつ処の死に神 (富士見L文庫)感想
鎌倉の『おやつ処みなと』を舞台に、妹・和花の仕事を手伝う売れない小説家・柚琉が、死に神犀川さんと共に亡き祖父を訪ねてくる依頼人に対応する物語。絶品アイスの作り手で辛党なちょっと変わった犀川さんは見た目含めてとてもインパクトがありましたが、和花や腐れ縁の深町にも自らが抱える秘密を明かしていない柚琉は、一方で犀川さんですら気づくことにも鈍感な上にいろいろこじらせていたりで、いろいろ苦労していそうな深町につい同情してしまいました(苦笑)まだ謎がありそうな物語の行く末も気になりますし、次巻にも期待しています。
読了日:2月4日 著者:谷崎泉
アルカナ・ナラティブ (ファミ通文庫)アルカナ・ナラティブ (ファミ通文庫)感想
天才詐欺師だった過去を悔いる少年・翔馬は高校入学初日に「Ⅰ」の痣が浮かび、同じように痣を持つ少女・周防と出会う物語。『アルカナ使い』と呼ばれる能力者達がいる高校で、過去のトラウマから男性恐怖症の美少女・周防はたびたび危険に晒され、そんな彼女を放っておけなくて自らが傷つくことも厭わずに身体を張って守り通そうとする翔馬。自分が辛くて苦しい時に、不器用だけれど真っ直ぐな大切に想ってくれる気持ちを感じて、癒やされ育まれてゆく二人の関係の緩やかな変化が強く心に響きました。二人の行く末がとても気になるので次巻に期待。
読了日:2月3日 著者:射当ユウキ
僕の文芸部にビッチがいるなんてありえない。6 (講談社ラノベ文庫)僕の文芸部にビッチがいるなんてありえない。6 (講談社ラノベ文庫)感想
夏休み明けの新学期。年一度の音楽祭が近づく中、夜の学校に幽霊が出るという噂や生徒たちの口にのぼる音楽祭を襲う「ファントムの怪」の解決に動く第六弾。天虎の先輩のために何とかしたいという想いを汲んで動き出した今回。女の子たちからのアクションでそれぞれに耕助と絡みがありましたが、思うところがありそうな彼女たちに対して、どこか確信を持てない耕助は煮え切らないリアクションが多くちょっとモヤモヤ(苦笑)今回ようやくひとつの答えを出した耕助でしたけど、それで終わりというわけでもなさそうで、次巻の展開がどうなるのか期待。
読了日:2月3日 著者:赤福大和
現代魔法のいらない魔術師 下僕と生きる第二の伝説2 (講談社ラノベ文庫)現代魔法のいらない魔術師 下僕と生きる第二の伝説2 (講談社ラノベ文庫)感想
圧倒的な魔術の力で吸血鬼を撃退した古代魔術師ロウエン。その力を怪しんだジョーカー博士により学園に少女イオが送り込まれる第二弾。真剣に監視を続ける過程で知った自由なロウエンの行動や、普通に古代魔術を学ぶ生徒たちの姿に驚くイオ。そんな学園と対比するように描かれていた吸血鬼殲滅のために狂信的な魔導機兵開発を進めるジョーカー博士の暴走が、本来あるべき形に戻った力の発露によって全否定されるなかなか皮肉が効いた結末が印象的でした。健気なマリアも良かったですけど、イオが今後どう物語に関わってくるのか次巻が楽しみです。
読了日:2月2日 著者:三河ごーすと
異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術4 (講談社ラノベ文庫)異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術4 (講談社ラノベ文庫)感想
聖騎士に追われていた聖女ルマキーナを偶然助けたディアヴロが、魔王領の都市ジルコンタワーまでの護衛を引き受ける第四弾。ビスケットがあれば幸せになれる幼女魔王のクルムがとても可愛い印象でしたけど、今回のキーマン・ルマキーナもまた天然なキャラ。ジルコンタワーを取り巻く複雑な状況や信頼しようとするルマキーナ、ディアヴロと近い力量を持つ黒幕も上手く戦って結構ギリギリの戦いになりましたけど、意外なキャラが救う展開もたまにはいいですね。続く次巻でどんな結末を迎えるのか、またディアブロの倉庫も何が出てくるのか楽しみです。
読了日:2月2日 著者:むらさきゆきや
宝石吐きのおんなのこ(3)  ~再会の街にひそむ影~ (ぽにきゃんBOOKSライトノベルシリーズ)宝石吐きのおんなのこ(3) ~再会の街にひそむ影~ (ぽにきゃんBOOKSライトノベルシリーズ)感想
宝石商会の管理担当ユキに会うため、スプートニクがクリューと共にフィーネチカ市を訪れる第三弾。二人きりの旅に意気込むクリューが微笑ましかったですが、気になったのはユキとのやりとりで垣間見えたその過去や、一筋縄ではいかない商会の人々との会話から明らかになった現在の状況。騒動の尻拭いに奔走するスプートニクを心配するクリューにも、意外な出会いや思わぬ心配事ができて、この出会いが今後どう繋がってくのか気になりますね。口ではいろいろ言ってもお互いを気にかける二人の関係にほんわかした気分になりました。次巻も楽しみです。
読了日:2月1日 著者:なみあと
書店男子と猫店主の平穏なる余暇 (集英社オレンジ文庫)書店男子と猫店主の平穏なる余暇 (集英社オレンジ文庫)感想
人の夢を食べて吐き出す猫・ミカンが白昼夢で見せる過去の記憶を、ママレード書店でバイトする絵本作家・賢人が絵本にして問題を解決していく第二弾。友人の婚約者に対する複雑な思い、ボランティア内の複雑な関係、馨が昔お世話になった人の心残りなど、過去に囚われていた人には関係の再構築や、過去を精算したり真実を知ることが必要で、そんな人たちのために賢人が奔走したからこそ、新たな一歩を踏み出せたんですよね。一見平凡な賢人は不思議な存在感があって、訳ありな篠宮家の人たちからも着実に認められつつありますね。次巻も楽しみです。
読了日:2月1日 著者:ひずき優

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