読書する日々と備忘録

主に読んだ本の紹介や出版関係のことなどについて書いています

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オススメしたい一話完結のライトノベル

 フォロワーさんが、なかなか面白い企画をブログ上で展開されていて、とてもいい趣旨だと思ったので、自分もまたちょっと自分なりの視点でセレクトしてみようと思い作ってみました(最近真似っ子が多いですね。。。w)

単巻ものだと、まず野村美月さんの「下読み男子と投稿女子」(ファミ通文庫)「親友の彼女を好きになった向井弘凪の、罪と罰。」(ダッシュエック文庫)あたりを思い出しますが、野村美月さん以外で15点をセレクト。自分の場合は好みが如実に反映されているというか、多くがボーイ・ミーツ・ガールものという構成になっています(苦笑)

 

さびしがりやのロリフェラトゥ (ガガガ文庫)

さびしがりやのロリフェラトゥ (ガガガ文庫)

 

 ぼくらの学校には吸血姫がいる。書くことを止めた高校生作家・常盤桃香、学校に住む風変わりな吸血鬼、正義のために戦う風吹、いじめっ子を装いつつ風吹を気にかける真光寺。それぞれの視点から紡がれていく、とても暖かいはずなのになぜか噛み合わずすれ違ってしまう、不器用でやるせない物語。

引きこもって音楽ばかり聞いていた不登校児のハルが、ゴミ捨場に捨てられていたギターと運命的な出会いを果たし、孤独だったハルが理解してくれる人たちと知り合い、それまで誰も気づかなかったミウもまた転機を迎えることになる、作者らしい音楽が好きで書いていることを感じる心が暖かくなる作品。

知らない映画のサントラを聴く (新潮文庫nex)
 

 大学を卒業し就職活動するわけでもなく、毎晩以前泥棒に奪われた大切なものを取り戻すべく、自転車で徘徊する無為な日々を送っていた枇杷。家族に家を追い出されてしまった枇杷が、大切なものを奪った親友の元カレとともにリハビリのような奇妙な共同生活を送りながら徐々に立ち直っていく、著者さんらしい一気に読ませる物語。

青春離婚 (星海社FICTIONS)

青春離婚 (星海社FICTIONS)

 

 同じ名字から夫婦と囃し立てられた二人の佐古野の物語「青春離婚」、botとアプリを引き継いだ二人の交流を描いた「非公式恋愛」、両親の再婚を機に義兄妹になる二人がレシピを一緒にアップロードしていく「恋愛レシピ」。同じ高校を舞台に、緩く繋がりのある連作短編集。ふとしたきっかけから繋がった交流がいつの間にか大切なものになって、転機にどう決断するか。心地よい距離感の描写が絶妙で、切なくて甘い物語。

恋の話を、しようか (ガガガ文庫)

恋の話を、しようか (ガガガ文庫)

 

 高校生の桧山ミツルが予備校で顔も知らない同級生三人と停電トラブルをきっかけに出会い、惹かれ合ってゆく物語。来年に受験を控えて、敷かれたレール通りの人生に疑問を感じたり、進路に迷ったり、最後の親善試合に賭けていたりと各々が悩む状況で、特筆すべきことを持たないミツルが悩める仲間たちを変えるきっかけとなって、それぞれが誰かのために奔走する物語。

ボンクラーズ、ドントクライ (ガガガ文庫)

ボンクラーズ、ドントクライ (ガガガ文庫)

 

 何となくヒーローごっこにかまけていた映研二人の元に男装美少女桐香が現れ、三人で一本の映画を撮るお話。正論の桐香と口だけの部長のカントクが衝突、肇が桐香のよき理解者という構図から、とあることをきっかけに唐突に起きてしまった変化。自分は動かず傍観者でしかなかった肇が自らの想いを自覚し、そんな三角関係から生じる葛藤描写が注目の青春小説。

 人と吸血鬼が昼と夜を分け合う世界。ヨリマサと吸血鬼の少女冴原は不器用で、でもまっすぐで、容易には越えられない壁を感じながら、それでも惹かれ合わずにいられない二人。ファンタジーな設定が日常に溶け込んでいる世界観で、奇作の多い著者の意欲が感じられる純愛作品。

二度めの夏、二度と会えない君 (ガガガ文庫)

二度めの夏、二度と会えない君 (ガガガ文庫)

 

 意気投合したと思っていた燐が亡くなる間際に告白した結果、すれ違ったまま失うことになった智。そんな後悔から引きこもってしまった彼が、タイムループによって精一杯生きる彼女と出会いからやり直す機会を得て悩みながらも奮闘する物語。

夏の終わりとリセット彼女 (ガガガ文庫)

夏の終わりとリセット彼女 (ガガガ文庫)

 

 事故で記憶を失ってしまった杓子定規な風紀委員桜間さんと、ちょっと臆病で嫌なことがあるとサボる癖のある峰康。かつて付き合っていたはずなのに、いつの間にか距離ができてしまった不器用な二人が関係を再構築してゆく物語。

 生きたまま学校の七不思議に登録されてしまった中崎君と学校の七不思議の仲間たち、そして中崎君が気にかけている朝倉さんとその過去を巡る物語。心配症の中崎くんと朝倉さんの関係性が徐々に変わっていく中で迎える終盤の急展開は必見。

 閉塞感の大きい幼馴染二人の特殊な関係に、真っ直ぐな恋心を持った一人の少女が飛び込んでいくことでもたらされた大きな変化とその顛末。誰もが何とかしようとした結果、表面上は変わらないように見えて決定的にすれ違ってしまった三人の関係が、ほろ苦いだけの結末に終わらないあたりに、著者さんらしさを感じる作品。

冤罪で逮捕された少年兵ムオルが、労役先として送られた共同霊園で、墓守と名乗る少女メアリと出会うダークファンタジー。冤罪であるがゆえに脱走を図ろうとするムオルは、外の世界を知らないメアリとの拙い交流の末に彼が下した決断は、これはこれで彼らが一緒にいられる幸せのひとつの形なんでしょうね。

サクラコ・アトミカ (星海社文庫)
 

 兵器としてその美しさを利用するために囚われている姫君サクラコと、その護衛役となった少年ナギ。ともに過ごす日々を過ごすうちに育まれていくお互いへの想い、揺るぎない信頼から生まれた奇跡を描いた純愛小説。

ひとしずくの星 (富士見L文庫)

ひとしずくの星 (富士見L文庫)

 

 神官を目指す少年・ラッカウスが、星の災禍のことを調べるうちに禁忌の森に忍び込み無垢なる少女・シースティと出会う。彼女を思い続ける困難を乗り越えて、不器用ながらも純粋な想いを貫いてみせた哀しくも美しい物語。

終わる世界のアルバム (メディアワークス文庫)

終わる世界のアルバム (メディアワークス文庫)

 

 どんどん消えていく周囲のひとたち、そして忽然と現れた奈月。カメラを通じて自分だけ覚えているマコとなかなか素直になれなかった奈月の出会いと別れの物語。

 

興味を持ってもらえたら、是非一度手にとって見てください。