読書する日々と備忘録

主に読んだ本の紹介や出版関係のことなどについて書いています

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好きなライトノベルを投票しよう!! - 2015年上期

今回、いい機会なので好きなライトノベルを投票しよう!! - 2015年上期に初参加してみました。10作品ということで、20作品くらいまで絞ってそこから先どれを残すのか悩みに悩みましたが、完結したものを除いて、単巻で完結したもの、続巻予定があるものを中心にセレクトしました。

 

 

これまでの描写の積み重ねにも予兆を感じていましたが、それでも実際に描かれてみると思っていた以上に衝撃が大きいエピソードでした。二人が共にある姿を見続けたかったという思いは今でも消えませんが、これは作者にとってこの作品を書く上で避けられないことで、乗り越えないといけないことだったのだと思うことにします。エピローグもまた今後の先行きを不安にさせますが、だからこそここからどういう物語にしていくのか期待している作品ですね。【15上期ラノベ投票/9784048693363】 

 

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 7 (GA文庫)

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 7 (GA文庫)

 

 アニメ化などいろいろ話題になって注目されていた中で刊行された今巻でしたが、ベルの決意と奮闘には凄まじいまでの疾走感と熱量があって、いつもより厚めな分量も気になりませんでしたね。物語としてもシリーズとしての勢いもここからどこまで一気に駆け上がっていくのか。そんな期待を抱かずにはいられない素晴らしい1冊でした。【15上期ラノベ投票/9784797383119】

 

スクールライブ・オンライン 5 (このライトノベルがすごい!文庫)

スクールライブ・オンライン 5 (このライトノベルがすごい!文庫)

 

 心の欠片、そして零央に関する記憶を封印された沙耶。彼女の失われた記憶を取り戻すためデュラハン討伐に挑む第五弾。零央の傍らにいるのが当たり前だった沙耶の変容ぶりが読んでいてとても辛かったですが、これまでありえないくらい鈍かったヘタレの零央も、さすがにこれには堪えたようで。著者推しだった忍足がここにきて面目躍如とも言える大活躍を見せて、それぞれが悩み苦しみながらも諦めずに絶望的な苦境を覆そうと挑んだ今巻は、自分の中でこの作品の評価が少し変わるくらい良かったです。沙耶の短編も良かったです。7月に刊行予定の6巻目も楽しみですね。【15上期ラノベ投票/9784800237972】

 

 どんな作品も面白いと感じるラノベ新人賞の下読み高校生アルバイト・青と、厳しい祖母との生活や投稿作への酷評から自信をなくしかけていた同級生の美少女・氷ノ宮氷雪。本来出会うはずのない二人が出会い、二人で協力しながら投稿作品を作り上げていく二ヶ月間。

 

周囲とうまく付き合うことのできなかった氷雪と、孤高の彼女に自分は釣り合わないと思う青。お互いに影響を受けて強く惹かれていきながらも、そこからあと一歩を踏み出す勇気を持てないもどかしい二人の迷いや、それを乗り越えようとする真摯な想いが心に響く素敵な青春創作物語。青みたいな下読みと投稿者が実際に出会うことなんて本来はないんでしょうけど、こういう下読みのヒトに出会えたら幸せなんでしょうね。【15上期ラノベ投票/9784047305151】 

 

さびしがりやのロリフェラトゥ (ガガガ文庫)

さびしがりやのロリフェラトゥ (ガガガ文庫)

 

 ぼくらの学校には吸血姫がいる。書くことを止めた高校生作家・常盤桃香、学校に住む風変わりな吸血鬼、正義のために戦う風吹、いじめっ子を装いつつ風吹を気にかける真光寺、それぞれの視点から紡がれる物語。

 

最初は切ない雰囲気のストーリーと感じていましたが、視点が切り替わるたびに登場人物たちの印象や行動の意味合いもどんどん変わっていってビックリしました(苦笑)著者さんらしいテイストで描かれる不器用な彼女たちの交流はとても暖かいのに、それらが噛み合わずすれ違う哀しい展開。どこかやるせなさを感じずにはいられない物語は、さすがさがら総と改めて思わずにはいられない一冊ですね。【15上期ラノベ投票/9784094515459】

 

いでおろーぐ! (電撃文庫)
 

 「反恋愛主義」という旗印を掲げ、一見リア充にしか見えない仲間たちととも活動する中、傍からみたら初々しいラブコメ展開が繰り広げられるパラドックス的作品。この作品の凄いところは、これだけフラグを立てているようにしか見えないエピソードを積み重ねて期待感を煽りながら、それでもキレイにまとめようとせず、安直な結末をよしとしなかった点ですか。いや普通にびっくりしたというか、デビュー作でこういうものを書くセンスには非凡なものを感じます。7月に2巻目が刊行されますが、今後に期待したい作家さんですね。【15上期ラノベ投票/9784048692700】

 

 花街の薬師だったのをさらわれて後宮で下働き中の娘・猫猫が、薬師としての能力を美形の宦官・壬氏に見込まれ、後宮の事件や噂を解決する物語。中華風の後宮にいるものの特に出世を目指すわけでもない猫猫はわりとさっぱりとした性格で、周囲が色めき立つ訳ありな美貌の宦官・壬氏にも醒めた視線を向けるわけですが、そんな猫猫を壬氏が何となく気にかけている構図が面白いですね。

 

正体が判明した壬氏もどうにも不確かな立ち位置で、これからいろいろ巻き込まれていきそうな予感が今後に期待を抱かせます。こういう女主人公のラノベは珍しいと思いますが、テイストとしては若干少女小説っぽい雰囲気もあります。ヒーロー文庫から出ていなければ読む機会もなかったと思いますし、こういう作品もまたライトノベルの幅を広げていく意味でも、今後注目されていって欲しいなと感じている次第です。【15上期ラノベ投票/9784074011766】 

 

黒崎麻由の瞳に映る美しい世界 (ファミ通文庫)

黒崎麻由の瞳に映る美しい世界 (ファミ通文庫)

 

誰もが気になる存在感がありながら、周囲から隔絶された存在だった黒崎麻由。そんな彼女の世界が些細な会話から一歩踏み出してくれた黒井をきっかけに変わっていく物語。これまで周囲と交流のなかった麻由の不器用さがとても可愛くて、緩やかでも確実に変わっていく彼女を支えてくれる仲間たちができたことは、彼女にとって幸運だったんだなあと。そうなってしまうだけの背景があった麻由も、一緒にいたいと翻意させた黒井や支えてくれる友人たちがいれば頑張っていけますね。こういう落ち着いた雰囲気の物語はわりと自分好みでした。【15上期ラノベ投票/9784047301726】

 

 「第2回なろうコン大賞」からの書籍決定作品。何となく書影が気になって買ってみたら面白かった一冊。店主スプートニクと宝石吐きの少女・クリューが二人で営む宝石店を舞台に、特異な体質を持つ彼女が誘拐されたり、魔法使いの予告犯罪に巻き込まれていく物語。

 

クリューは奴隷のような毎日から自分を助けだしてくれたスプートニクを慕うものの、子供扱いされたり意地悪だったり、不用意な言動も多くてぷりぷりする毎日。でもそんな彼女は持っている性質上トラブルに巻き込まれがちで、そんな彼女が危機になると、スプートニクは何を置いても最優先で奔走するんですよね。ちょっとしたやりとりに幸せを感じるクリューがとても可愛くて、恋人でも保護者でもないそんな二人のお互いを大切に思うほんわかした距離感や、物語の雰囲気がとてもいいと思いました。【15上期ラノベ投票/9784865291322】

 

 強面の元軍人ルートが始めた全然儲からないパン屋さん。そんな廃業寸前の危機に、軍人時代の相棒AIから生まれた美少女スヴェンが現れ看板娘として奮闘する物語。祖国に併合された難しい感情を抱えた地で、美味しいパン作りに真摯に取り組みながら苦戦するルートを助けようと、時には失敗を経験しながらも奮闘するスヴェンがとても可愛いですね。AIの頃からエラーとなっていたスヴェンの感情が、徐々にルートへの想いに変わっていく描写も素晴らしい。スヴェン自身が生まれた背景にもいろいろ秘密がありそうで、続編も刊行が決まり楽しみなシリーズの1つです。【15上期ラノベ投票/9784798610016】

 

以上です。よろしくお願いします。