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読書する日々と備忘録

主に読んだ本の紹介や出版関係のことなどについて書いています

2015年6月のおすすめライトノベル

6月は待ち望んでいた続刊が多数刊行され、とても満ち足りた気分になれた一ヶ月でした。そういう意味では6月のオススメ作品というのは非情にセレクトが難しいのですが、その中から気になった5点を取り上げたいと思います。

 

 どんな作品も面白いと感じるラノベ新人賞の下読み高校生アルバイト・青と、厳しい祖母との生活や投稿作への酷評から自信をなくしかけていた同級生の美少女・氷ノ宮氷雪。本来出会うはずのない二人が出会い、二人で協力しながら投稿作品を作り上げていく二ヶ月間。

 

周囲とうまく付き合うことのできなかった氷雪と、孤高の彼女に自分は釣り合わないと思う青。お互いに影響を受けて強く惹かれていきながらも、そこからあと一歩を踏み出す勇気を持てないもどかしい二人の迷いや、それを乗り越えようとする真摯な想いが心に響く素敵な青春創作物語ですね。

 

青みたいな下読みと投稿者が実際に出会うことなんて本来はないんでしょうけど、こういう下読みのヒトに出会えたら幸せなんでしょうね。毎回あとがきで病状が伝えられて心配になる著者さんも下読みされてたと聞いて、どんな作品があったのかちょっとだけ気になりました。

 

乙女な王子と魔獣騎士 (電撃文庫)

乙女な王子と魔獣騎士 (電撃文庫)

 

 母を処刑した王に近づき復讐するため、騎士学校に通っている異端の種族スロカーヴの生き残りジュダが、転入してきた眉目秀麗な王子ラウディと出会う物語。

 

密かに王を仇と狙うはずが、近くで過ごすようになった王子が実は女の子だったとか、自分の正体を知らないままラウディの存在がだんだん大きくなっていって、その父王という存在の狭間でジュダが葛藤する展開はベタベタ。

 

でもこういう王道展開がいいんですよ!様々な運命の巡り合わせの結果、王子の剣として共に歩むことになったジュダとラウディの今後がどうなるのか、今後が楽しみにな新シリーズです。

 

成り上がり英雄譚 屑星皇子の戦詩 (HJ文庫)

成り上がり英雄譚 屑星皇子の戦詩 (HJ文庫)

 

 宝具を扱えない欠陥から帝国の屑星と見下される存在だった第五皇子ラウル。そんな彼が政略結婚の駒として小国の美しき姫君ルシアへ婿入りするのを機に始まる屑星の快進撃。亡き兄の志を受け継いで、愚鈍を装いつつ文武の才を磨いていたラウルが、政道を正そうと立ち上がるという王道展開。

 

実は夢見る乙女だったルシアのツンデレっぷりとか、立ちはだかった異母兄のテンプレな悪役ぶりとか、ベタといえばベタなんですが、脇を固めるキャラたちもしっかりと存在感があって、ここからどう物語を展開していくのか、スケール感を間違わなければ今後が楽しみになりそうな新シリーズです。

 

D9―聖櫃の悪魔操者― (3) (電撃文庫)
 

 ファムと訪れた「箱船の守り人」のアジトは教会に壊滅させられ、世界の滅亡を予見し箱船が人々を救うとする教皇ディアドラの闇を暴くため、ソーマたちが聖都に向かう第三弾。なかなか続巻が出ず打ち切りかなあと半ば諦めかけていましたが、一年ぶりの刊行で完結。

 

ロウたちも再登場して兄トーマとの再会、そして最終決戦とテンポの良いストーリー展開は健在で、ハイライトでの相棒メルヴィーユのヒロインぶりも絵になってました。きちんと最後まで読めて良かったと思えた作品。テンポの良いストーリー展開はとても楽しめるので、未読の方は是非是非。次回作にも期待している作家さんです。

 

青雲を駆ける 2 (ヒーロー文庫)

青雲を駆ける 2 (ヒーロー文庫)

 

 これも続刊出るのかなあとずっと待っていたシリーズの二冊目。ナツィオーニの下から帰って村の開発に力を注ぎ始め、初めて迎える冬の対策を行っていたエイジが、訪れた青銅鍛冶職人レオに勝負を挑まれるお話です。

 

現代から青銅器くらいの時代にやってきた鍛冶職人としての技術を持つエイジでも分かること分からないことがあって、創意工夫できることも、多少知っていてもどうにもならないこともある。こういう地に足ついた素朴さとか厳しさ、エイジとタニアたちの熱愛夫婦ぶりがこの作品の魅力ですね。

 

口絵はどういう状況かと思ったら、着せてみたかったで作るその熱意に苦笑い。最後にまた難題が降りかかってきましたが、まだ2巻目で始まったばかりのシリーズなので、興味を持った方は是非読んでもらいたいですね。

 

以上です。