読書する日々と備忘録

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幼馴染に存在感がある最近のライトノベル9選+1

幼馴染というと、どうしても長い時間を共に過ごしながら物語のスタート時点で 関係を進められておらず、状況を劇的に変化させる後から出てきたヒロインのインパクトにどうしても苦しい戦いを強いられる存在というイメージが強いです。実際ライトノベルでも幼馴染が勝利した物語はそんなに多くないですが、そんな中で幼馴染に存在感がある最近のライトノベルを選んでみました。

 

スクールライブ・オンライン 5 (このライトノベルがすごい!文庫)

スクールライブ・オンライン 5 (このライトノベルがすごい!文庫)

 

 テスト成績もステータスに反映されるゲームを授業に取り入れている高校を舞台としたMMORPGもの。成績的には落ちこぼれだけど実戦スキルは高めな主人公が、大型アップデートを機に幼馴染たちとともにギルドを新たに立て変革していく物語。

 

鈍感な主人公と、彼を慕うがゆえにあえて自分のレベルを上げに熱心でなかった寡黙で可愛い幼馴染の二人を中心とした1巻目の序盤は、ややストーリー展開のテンポも停滞気味ですが、その辺は成績優秀でレベルは高いものの実戦経験に乏しい留学生や、個性的な先輩たちといった新キャラが周囲に加わっていくことで尻上がりに改善されていきます。

 

特に徐々に主人公たちが戦うべき敵が明確になっていく中で、隣にいるのが当たり前だった幼馴染が失われた喪失感、彼女を取り戻すために逡巡していた主人公が前を向いて戦いに赴く熱い展開が描かれる5巻は必見。7月に6巻目が刊行予定。

 

 

未来/珈琲 彼女の恋。2 (GA文庫)

未来/珈琲 彼女の恋。2 (GA文庫)

 

 高校生・湊遼太郎のもとに、とある理由からお母さんとなる幼馴染・阿梨亜の結婚を阻止するために自称遼太郎の娘・雪音とその双子の妹・鈴音が未来からやってくることになる物語。

 

二人がやってきていろいろ事態はややこしくなるものの、遼太郎をがっしりと捕まえて離さない阿梨亜の想いは微塵も揺るぎなくて、何かあるたびにそんな二人の強固な関係性を再確認させられます(苦笑)

 

タイムスリップというSF要素を絡めたやや変則的な家族愛をテーマとする物語で7月に続巻が出ますが、そういう意味では幼馴染ものとして安心して読めそうです。

 

 

  主人公が高校で流行っていたネトゲを通じて勇者役のクラスメイトの美少女といい感じになるきっかけを掴んだ頃に、親の転勤でずっと離れ離れになっていたゲームの中で魔王な幼馴染が転校生として登場する物語。

 

ゲームにそれなりの思い入れがあるヒロイン二人。そのどちらのことも大切に思う主人公も、どっちつかずな優柔不断というよりは、ゲームの中でお互いの陣営にいる四天王のひとりとして2つのアカウントを併用し、何とかどちらも助けたいと奔走する感じが好印象。

 

違った魅力を持つヒロイン二人を擁し、ボケとツッコミが独特なテンポの良い会話で進むストーリー展開。強烈なインパクトはありませんが、最後にきちんと自覚してきちんと選ぶことでスッキリと完結としたあたりも読後感のよさを感じる作品です。

 

 

軋む楽園の葬花少女 (3) (電撃文庫)

軋む楽園の葬花少女 (3) (電撃文庫)

 

 謎の生命体レギオンと対抗する葬花少女が戦う世界、戦いに巻き込まれた高校生の主人公とその幼馴染。あらすじはわりとありきたりではあるんですが、途中で設定が覆されるような状況転換があり、これまでの世界が全く違って見える異色作。

 

そんな事情もあってストーリーはやや複雑ですが、植え付けられた虚構のものと一度は否定されたかに見えた幼馴染との関係には過去があり、厳しい戦いの中でその絆を確かめ合って敵に立ち向かう展開はとても自分好み。現在3巻まで刊行されていて第一部完結となっていますが、是非続編を期待したい作品です。

 

 

 VRMMOで知り合った女の子とイベントで結婚してみたら子どもができて、現実世界でもその女の子や具現化した子どもと同居することになる、母親を亡くし大きな家でぼっち生活の遊と、家出してきたネット弁慶で内気な美遥、幼馴染の気になる存在である冬風との三角関係。

 

具現化した春羽の存在をかすがいとした本来は他人同士なはずの遊と美遥の同居生活が抱える微妙に危ういバランス、そしていったんはそんな彼らの蚊帳の外に置かれてしまった冬風が見事な逆襲に転じるストーリー展開で、7月刊行になる3巻目もどうなるのか目が離せません。

 

 

俺の教室にハルヒはいない (角川スニーカー文庫)

俺の教室にハルヒはいない (角川スニーカー文庫)

 

 学園モノアレルギーな高校生の主人公ユウが、最近は疎遠だった声優を真剣に目指す幼馴染のカスガと再び話すようになったり、ふとしたきっかけで知り合ったアニメ脚本家マコトさんに、アイドル声優アスカやオタクな知り合いを紹介してもらったり、そんな日常からのちょっとした変化を描いていく物語。

 

登場する女の子たちはちょっと変わっていて、彼女たちと自覚することなくみんなの力になろうとしてしまうユウ。その何気ないひとつひとつの行動の積み重ねが関係を変えていく描写はとても繊細です。痛い目を見てもあまり学習しているように見えないユウがわりとあれですが、そんな彼と天然だったり簡単に諦めない彼女たちのことを思えば必然の結末でした(苦笑)全4巻

 

 

 正義のヒーローとして悪に立ち向かう使命を背負わされた幼馴染の少女ミアのために、あえて宿敵として立ちはだかることを選んでしまう少年・武尊の物語。

 

久しぶりに再会してからは疎遠になっていた二人が、それでも再び歩み寄りの兆しや問題解決の道も見えかけていたのに、些細なきっかけからそれが狂い始めて、幼馴染を巻き込まないよう、暴走しないようお互いを遠ざける結果になってしまう展開、お互いの真意に気づかぬまま袂を分かつ二人がどうなってしまうのか、とても熱いのに、どうしようもなく悲劇的で切ないです。

 

 

昨日は彼女も恋してた (メディアワークス文庫)

昨日は彼女も恋してた (メディアワークス文庫)

 

 

明日も彼女は恋をする (メディアワークス文庫)

明日も彼女は恋をする (メディアワークス文庫)

 

小さな離島に住む僕。車いすに乗る少女・マチ。いつのまにか不仲になってしまった幼馴染の二人がなぜか時空を超えて過去に舞い戻って小さかった頃の自分たちに出会い、やり直すべく動き出す「昨日は彼女も恋してた」と、過去の改変後の世界が描かれる「明日も彼女は恋をする」と対になる作品。

 

視点を変えながら語られる、過去をやり直していく過程で少しずつ修復されていく過程とか、巧みな構成で描かれていく作品ですが、自分の大切なものを守ろうとしたことで徐々に積み重ねられていく違和感と、最終的に直面する驚愕な事実は秀逸です。

 


あとこれは二人が出会ったのが15歳なので幼馴染の定義としては微妙なんですが、そんな頃から相棒として一緒にやってきた二人の物語ということで特別にセレクト。

不戦無敵の影殺師 (ガガガ文庫)

不戦無敵の影殺師 (ガガガ文庫)

 

 「異能力制限法」で異能力の無断使用が厳禁される世界に暮らす「暗殺異能」に特化した冬川朱雀と、一度は死んでしまい朱雀に使役されることを選んだ少女・小手毬の物語。

 

事務所に所属しているもののテレビに出演して映えるような能力でもなく、密かに引き受けた裏仕事も失敗し、むしろビジュアル的に映える小手毬がピンで稼ぎまくったりと、二人が向き合わないといけない関係はわりとシビア。

 

そんな葛藤を山ほど抱えながらも何とか前を向こうとする朱雀と、そんな彼を健気に支える小手毬の微妙な距離感の変化だったり、お互いを思いやる心遣いだったり、不器用な二人が時間を掛けて育んでいくもどかしいその関係は一見の価値ありです。7月に5巻目が刊行予定。

 

 

ではまた。