読書する日々と備忘録

主に読んだ本の紹介や出版関係のことなどについて書いています

5月に読んだ本 #読書メーターより

5月はわりと読めた方かもしれないですね。

5月のオススメは機会を改めてということで。

 

2015年5月の読書メーター
読んだ本の数:56冊
読んだページ数:17051ページ
ナイス数:7779ナイス


からたち童話専門店 ~えんどう豆と子ノ刻すぎの珍客たち~ (集英社オレンジ文庫)からたち童話専門店 ~えんどう豆と子ノ刻すぎの珍客たち~ (集英社オレンジ文庫)感想
離婚した亡き母が営んでいた岡山・倉敷のカフェを引き継いだ長兄・神と、一緒に引っ越してきた五人兄弟たちが、お向かいの『枳殻童話専門店』の謎めいた店主・九十九と常連客のあやかしたちに関わっていく物語。兄弟の真ん中・零次の視点から、九十九と神の因縁や亡き母、あやかしの実らない恋などあやかしを絡めたお話が綴られますが、最初は切ないと感じるお話を最後は良かったと思える展開に変化させていくところは上手かったですね。双子の弟妹たちはやや描き切れていなかった印象なので、続巻あるならその辺にも話を広げていくことを期待です。
読了日:5月31日 著者:希多美咲
子どもはみんな問題児。子どもはみんな問題児。感想
ぐりとぐら」などの生みの親で、多くの子供を預かり育てた保母でもあった中川李枝子さんが毎日頑張るお母さんへ今伝えたい、子供の本質、育児の基本。どうしても今は時間や気持ちに余裕のない育児になりがちな今の状況で、お母さんたちに生活リズムを作ること、子供の心を大切にして話を聞くことや、心を通わせる事の大切さを分かりやすく伝えてくれる一冊だったかと。実践的な何かをというより接し方や考え方を説く内容でしたが、大切なことがたくさん書いてあったと思います。特に本を子どもと一緒に読むことは大切なことだと改めて感じました。
読了日:5月30日 著者:中川李枝子
この素晴らしい世界に祝福を!スピンオフ この素晴らしい世界に爆焔を! (3) ふたりは最強!のターン (角川スニーカー文庫)この素晴らしい世界に祝福を!スピンオフ この素晴らしい世界に爆焔を! (3) ふたりは最強!のターン (角川スニーカー文庫)感想
駆け出し冒険者の街・アクセルにたどり着いためぐみんたちが、さっそく仲間を探すことになる外伝第三弾。パーティーに参加するものの爆裂魔法以外使えないことがすぐにバレて、あっさり戦力外になるめぐみんもあれですが、わりと実力派なはずなのに世間知らずでチョロいゆんゆんがぼっちだったり騙されそうになってて危険過ぎますね(苦笑)これで一人旅とかして大丈夫だったんだろうか。。。ニアミスしてたカズマたちの描写がなかなか面白かったですが、本人たちには見えないところで繋がってたんですね。ゆんゆんは本編でも出番増えていくのかな。
読了日:5月30日 著者:暁なつめ
黒崎麻由の瞳に映る美しい世界2 amorosamente (ファミ通文庫)黒崎麻由の瞳に映る美しい世界2 amorosamente (ファミ通文庫)感想
文化祭やノギハラとの件を経て、本格的にピアノを習いたいと思うようになった麻由がコンサートで運命的な再会を果たす第二弾。奏者の青島未華子は母・奏さんの教え子で、二十年前の事件にも深く関係していた存在。1巻目では分からなかった事件の背景が全て繋がって、一緒に暮らしたいという父のことなど、過去の様々なわだかまりに決着をつけた彼女たちの前向きな未来を予感させる結末には満足。落ち着いた世界観と、言葉は少ないけれど黒井や友人たちと距離を少しずつ縮めてゆく麻由が可愛らしくてとても自分好みでした。次回作も期待しています。
読了日:5月30日 著者:久遠侑
この恋と、その未来。 -一年目 冬- (ファミ通文庫)この恋と、その未来。 -一年目 冬- (ファミ通文庫)感想
冬休みに未来とともに東京に帰省することになった四郎が、実家を飛び出してきた未来と松永家で年越しを迎えたり、東雲侑子や三並と出会う第三弾。結果的に東京でも未来と過ごすことになったりで、四郎が未来への想いと三好さんの好意にずっと苦悩し続けていただけに、三並や広美のアドバイスが転機になるといいんですけどね。未来は三並にとっての義姉なのか侑子なのか。未来と二胡の出会いも何か先がありそうな予感。苦悩の末に決断した四郎と、彼に向けられる三好さんの真っ直ぐな想いがいつか報われるといいなと思いました。次巻も楽しみです。
読了日:5月29日 著者:森橋ビンゴ
怪談撲滅委員会 死人に口無し (角川ホラー文庫)怪談撲滅委員会 死人に口無し (角川ホラー文庫)感想
澪と雲英が加入した怪談撲滅委員会と、富田林さんや密かに生徒や先生たちを多数会員として擁する怪談推進委員会がついに真っ向から対決するシリーズ第二弾。今回澪の叔父としてカタリさんが上司役で登場。怪談を撲滅する手段が相変わらず斜め上だったりもしましたが、両組織に翻弄されて動けば動くほど空回りして面白いことになっていく澪は、文句を言いながらも撲滅委員会の一員として今回頑張っちゃった感じですね(苦笑)お母さんも心配してるのにアクションすればするほど澪にとって逆効果なのが切ないw 続きあるならまた読んでみたいですね。
読了日:5月29日 著者:黒史郎
恋衣神社で待ちあわせ (集英社オレンジ文庫)恋衣神社で待ちあわせ (集英社オレンジ文庫)感想
手違いで巫女カフェでバイトをする破目になったお嬢様女子高生すずが一見軽そうな神主・波留斗に助けられ、恋衣神社で本物の巫女さんのバイトをすることになる物語。トラブルに巻き込まれた世間知らずの女子高生を颯爽と救う神主さんみたいなところとか、少女漫画的展開?と思いながら読んでましたが、登場する女の子たちの繊細な心理描写が秀逸だったり、謎解き要素もあったりで、とても読みやすいお話だったと感じました。家がちょっと特殊そうなすずとか波留斗にもまだ何か伏線ありそうで、二人の今後も含めてシリーズ化を期待したい作品ですね。
読了日:5月28日 著者:櫻川さなぎ
天久鷹央の推理カルテIII: 密室のパラノイア (新潮文庫 ち 7-3 nex)天久鷹央の推理カルテIII: 密室のパラノイア (新潮文庫 ち 7-3 nex)感想
呪いの動画で自殺を図った女子高生、男性に触れられると肌に異常をきたす女性、密室で溺死した病院理事長の息子。出向元の医師が容疑者になったことで、小鳥が医局に呼び戻されそうになる第三弾。このままだと小鳥が呼び戻される状況に鷹央が想像以上に動揺したり、小鳥を病院に残すため焦燥を募らせながら懸命に死因を探る姿に改めてその存在の大きさを感じて、解明する謎はどんどん難しくなっていきますね(苦笑)小鳥と鷹央のナイスコンビぶりを見るとつい鴻ノ池と同じ目線になってしまいますが、そういう展開もあるのかな。次巻も楽しみですね。
読了日:5月28日 著者:知念実希人
その白さえ嘘だとしても (新潮文庫 こ 60-2 nex)その白さえ嘘だとしても (新潮文庫 こ 60-2 nex)感想
クリスマスを前に突然階段島に届かなくなった通販の荷物、広まりだしたクリスマス七不思議の真相を追うシリーズ第二弾。犯人とされるハッカーを追う真辺由宇、後輩女子のためにヴァイオリンの弦を探す佐々岡、島の七不思議に巻き込まれる水谷。そんな探し物に奔走する彼女たちをフォローする七草の真意。空振りに思えた行動が結果的に報われたり、まっすぐな姿勢が周囲に影響を与えずにいられない由宇にも変わる兆しがあったりで、そんな物語の雰囲気がとてもいいですね。変化の積み重ねが今後どういう流れに繋がっていくのか次巻が楽しみです。
読了日:5月27日 著者:河野裕
【TVアニメ化】響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部のヒミツの話 (宝島社文庫)【TVアニメ化】響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部のヒミツの話 (宝島社文庫)感想
北宇治高校吹奏楽部メンバーたちの日常のワンシーンの数々を切り取って、その心情が綴られていくシリーズ初の短編集。今回は久美子以外のメンバーたちも主人公になっていて、仲間たちへのコンプレックスや複雑な思いだったり、友情と恋の板挟みだったり、文化祭の一幕だったり、いつもの吹奏楽メインとは一味違ったより甘酸っぱい高校生らしい青春が描かれていた印象。とはいえ久美子と秀一のもどかしい恋の行方や、進級に伴う部長決定劇だったり、次に繋がりそうな部分も描かれていて、次に刊行になるであろう本編の続きがまた楽しみになりました。
読了日:5月27日 著者:武田綾乃
ハイカラ工房来客簿 神崎時宗の魔法の仕事 (メディアワークス文庫)ハイカラ工房来客簿 神崎時宗の魔法の仕事 (メディアワークス文庫)感想
店舗ごと大正時代にタイムスリップしてしまった浅草の革工房『ハイカラ工房』の若き革職人・神崎時宗が、依頼を持ち込んだ人たちの想いを汲んで、その高い技術を駆使して応えてみせる物語。いつか帰りたいと思いながらも、乗り気でない結婚を強制させられそうになっていた椛を颯爽と救ってみせたり、親が子の切なる想いを感じるようなプレゼントを作ってあげたり、主人公・時宗の男気ある職人気質がとても格好良くて、椛が惚れるのも納得。周囲の人達との交流を交えた人情味あふれる物語の雰囲気もとても好みで、是非シリーズ化を期待したいですね。
読了日:5月26日 著者:つるみ犬丸
想い出の色、あなたに残します (メディアワークス文庫)想い出の色、あなたに残します (メディアワークス文庫)感想
亡くなって空に還るたましいをガラス瓶に保存してくれる高瀬命髄学研究所に、自らもガンに冒されている和葉が訪れる物語。生きていく意味を見いだせない、大切な人を失って宙ぶらりんな気持ちに整理をつけることは簡単ではないですが、研究所を訪れる人たちと出会い、その想いに触れることで気づけることもあって、何より自分自身が死と向き合って前を向くことが大事なんですよね。話の展開として最後に明らかになった真実をそこに持って来るべきだったのか疑問は感じましたが、亡くなった人とどう向き合うべきかいろいろ考えさせられるお話でした。
読了日:5月26日 著者:渡来ななみ
放送中です! にしおぎ街角ラジオ (メディアワークス文庫)放送中です! にしおぎ街角ラジオ (メディアワークス文庫)感想
ナレーター志望の香奈、作曲家志望の奈須野、ディレクター志望の松任谷と夢に足踏みしている三人が、行きつけのカフェの店長の薦めでFM街角ラジオにチャレンジする物語。初っ端から大失敗をやらかした三人が、リスナーと体当たりで向き合っていくストーリーは試行錯誤感がわりとよく出ていた印象。真摯に取り組んで作り上げていったことで生まれた一体感が転機を迎えた時、逡巡するその背中を押す仲間たち、そしてリスナーたちの応援する声もまた暖かくて、こういう関係はとてもいいなと思えました。次回は新作か続編かいずれにせよ楽しみですね。
読了日:5月25日 著者:岬鷺宮
0.000000001%デレない白い猫2 (ダッシュエックス文庫)0.000000001%デレない白い猫2 (ダッシュエックス文庫)感想
前回の危機を乗り越えた奇跡と子猫が、濃いキャラ揃いの結婚相談部で文化祭の出し物をすることになった第二弾。今回は子猫のライバルとして同位体の幼女タマが登場。彼女の存在や出し物を決める過程で二人の関係がこじれてすれ違ってしまう展開でしたが、出し物ができなくなる危機を迎えて部員それぞれが頑張ったり伏線を回収していく流れは、カオスだった1巻目と比べるとだいぶスッキリとしましたね。素直になれない二人が劇を通して気持ちを確認できたのは良かったですけど、タマも救うとなるとまたややこしいことになりそう?次巻も楽しみです。
読了日:5月25日 著者:延野正行
神話伝説の英雄の異世界譚 1 (オーバーラップ文庫)神話伝説の英雄の異世界譚 1 (オーバーラップ文庫)感想
かつて異世界で仲間とともに一大帝国を築き上げて現代に帰還した比呂が、1000年後の異世界に再召喚され、皇女リズの皇位継承争いに巻き込まれていく物語。凄惨な場面やや多めなわりに心理描写がわりとあっさりめなのは気になりましたが、その分ストーリー展開はとてもテンポが良くて、特に記憶喪失状態で足手まといだった比呂が、一転過去の記憶を取り戻してからの逆襲は圧巻。キーマンになりそうな主要人物はわりと出てきた印象で、次巻以降で比呂の立ち位置がどう変わっていくのか、最初から好感度MAXだったリズの関係も含めて楽しみです。
読了日:5月24日 著者:
魔剣戦記 3 ~忘却の嶺花に捧ぐ名は~ (オーバーラップ文庫)魔剣戦記 3 ~忘却の嶺花に捧ぐ名は~ (オーバーラップ文庫)感想
ついに北アッシア城へ居を移したリューキたちが、西方地域を探索したり、王都軍侵攻を迎え撃つシリーズ第三弾。人材が揃って役割分担ができるようになった中で、足りない部分をフォローしていくイズミが地味に有能なんですが、どうにも自信を持てなくてリューキを気にしちゃうあたりは彼の副官らしいですね(苦笑)策を上回られて陥った窮地を気に病むリューキでしたけど、それを救うのが以前助けた仲間だったりするのがまた良かったです。今巻で人間関係もいろいろ積み重ねていって、次巻からが本格的な新展開になりそうですね。次巻も楽しみです。
読了日:5月23日 著者:藍藤ユウ
文句の付けようがないラブコメ3 (ダッシュエックス文庫)文句の付けようがないラブコメ3 (ダッシュエックス文庫)感想
再構築された世界でも惹かれ合った優樹と世界のその後が描かれる第二弾。前半部で二人が学校にうまく溶け込んで世界の体調が大分良くなったり、このまま続けばいいと思うようなささやかな幸せや平穏な日々が描かれた分、後半の悲劇的な展開がよりどうにも救いがないものに思えてしまいますね…。今回は前回より長く逃亡したわけですけど、世界と逃げ続けるとどうなるかも提示されて、たぶん逃げ出すというアプローチじゃダメなんだろうなあと。再構築された新展開でまた立場も変わったので、違ったアプローチが見てみたいですね。次巻も楽しみです。
読了日:5月23日 著者:鈴木大輔
ライフアライヴ!4 キミと続ける学園総選挙 (MF文庫J)ライフアライヴ!4 キミと続ける学園総選挙 (MF文庫J)感想
討論会でマニフェストが出揃い、文化祭三日目のミスコン、五日目生徒会総選挙の最終投票で千夏・愛梨二人の勝負が決まるシリーズ完結巻。恋の行方自体はこれまでで何となく見えつつあったと感じていて、それをどう着地させるのかは生徒会長選がポイントと思っていたので、そのあっけない幕切れはやや意外。ただ最終的に向かう方向性を考えると、これはこれでいい落とし所だったのかもしれないですね。劇場型青春ラブコメという試みは、ゆーげんさんの絵ともうまくマッチしていい感じに楽しめたんじゃないかと思いました。次回作にも期待しています。
読了日:5月22日 著者:あさのハジメ
たまらん! メチャクチャな青春ラブコメに巻き込まれたけど、生まれてきてよかった。 (MF文庫J)たまらん! メチャクチャな青春ラブコメに巻き込まれたけど、生まれてきてよかった。 (MF文庫J)感想
余命一週間と宣告された「たまらん」が、幼馴染三人の計らいで憧れの美少女月形と最期のキスをするも、なぜか誤診が判明してしまうドタバタ青春ラブコメディ。わりとテンポの良くストーリーが進む中、平凡ないい人たまらんが月形さんや幼馴染たちの秘めた恋心や事実に感化され協力を約束してゆくうちに、気がついたら巻き込まれてゆく片思いだらけの複雑な関係。章が変わると新事実が判明して登場人物の印象もまた変わったり、ここから誰がどう動いてどういう結末を迎えるのか、男女六人の恋と友情の行方がとても気になりますね。次巻が楽しみです。
読了日:5月22日 著者:比嘉智康
エイルン・ラストコード ~架空世界より戦場へ~ 2 (MF文庫J)エイルン・ラストコード ~架空世界より戦場へ~ 2 (MF文庫J)感想
ロボットアニメ世界から召喚されたエイルンが、自分の存在を認めてくれたセレンと世界を救うため立ち上がる第二弾。今回は過去の事件から窮地に陥っている騎兵部や氷室義塾の現状に気づいたエルインが、教官役として厳しく鍛え直し、戦術面の見直しやメンタル面までケアする八面六臂の大活躍。そんなエルインを密かに通い妻のように支えるセレンの姿は必見です。バトルでも熱い展開は健在で、ギリギリの局面で身体を張る仲間のために戻ってきた頼もしい戦友。メンツも揃ってきたいい雰囲気にさらに面白くなりそうな予感です。次巻が楽しみですね。
読了日:5月21日 著者:東龍乃助
貸し本喫茶イストワール 書けない作家と臆病な司書 (集英社オレンジ文庫)貸し本喫茶イストワール 書けない作家と臆病な司書 (集英社オレンジ文庫)感想
編集者とのトラブルから作品を書けなくなってしまった若き小説家・晃司が、祖父の紹介で図書館のように本を貸し出す風変わりな喫茶店・イストワールで住み込みバイトをすることになる物語。この作品は昨今流行りの本のうんちくが語られる作品ではありませんが、幼馴染の司書・文弥子やお店を訪れる常連客たちと関わっていく中で、過去のトラウマから人見知りになっていた文弥子の行動を支えたり、晃司が再び作品を書く決意をするきっかけを得たり、不器用だった二人が再会して試行錯誤しながら心を通わせていく、優しい雰囲気の心温まる物語でした。
読了日:5月21日 著者:川添枯美
バーガント反英雄譚 (8) 曝かれた伝説と最弱英雄 (上) (富士見ファンタジア文庫)バーガント反英雄譚 (8) 曝かれた伝説と最弱英雄 (上) (富士見ファンタジア文庫)感想
ジュヴレーヌ国王によって終末姉妹の正体がついに曝かれ、人も魔族をも超える力によってシュンや姉妹たちの滅神咒具の能力も次々と奪われてしまう第8弾。退位寸前と思われていた国王の野望の実現に向けた動きが周辺各国を巻き込む動乱となって、滅神咒具を持たない厳しい状況のシュンや姉妹たちがその阻止に動く展開は、簡単に倒せない難敵に見えた割にはあっさりと収束して拍子抜けしましたが、その代わりに最後の敵が満を持して登場し次巻でいよいよ最終決戦。シュンとお騒がせ姉妹たちの最後の戦い、ここまで追いかけたので最終巻が楽しみです。
読了日:5月20日 著者:八街歩
埼玉県神統系譜 (ガガガ文庫)埼玉県神統系譜 (ガガガ文庫)感想
実家の神社が倒産しかけていることを知らされた孝介が、突然現れた神社の神花狼とともに経営立て直しに立ち上がる物語。立て直しの方策として神社に寄せられた願いを叶えるお手伝いをするわけなんですが、ゆるい高校生主人公孝介の一人称で語られる地の文自体はわりと面白かったものの、それを読んでいるうちにいつの間にかお話が終わってしまったというか、肝心の結末がちょっとぼんやりとしていた印象。もう少し物語の骨子をしっかりとさせて展開にメリハリあると良かったですかね。キャラや物語の雰囲気は嫌いではなかったので次巻があれば期待。
読了日:5月20日 著者:中村智紀
魔法使いの召使い (ガガガ文庫)魔法使いの召使い (ガガガ文庫)感想
両親を亡くした天涯孤独の少女・ビアンカが、差出人不明の一通の手紙をきっかけに気難しい魔法使いエルヴィンの屋敷で召使いとして働くことになる物語。人並み外れて不器用なお嬢様育ちのビアンカが年齢よりやや幼い印象でしたが、小言は多いものの面倒見のよい家政婦メーネやお調子者の幻獣ポルスターに囲まれながら仕事を覚えていったり、覚えた魔法を使って人助けしたり、自らが犯した大失敗を挽回するため頑張るわかりやすい王道展開でした。予定調和を覆すような意外性はなかったですが、童話のような雰囲気が好きな人にオススメしたいですね。
読了日:5月19日 著者:陸凡鳥
あの夏、最後に見た打ち上げ花火は (ガガガ文庫)あの夏、最後に見た打ち上げ花火は (ガガガ文庫)感想
毎年変わらない夏休み。何もない地元の田舎町を舞台にした小説を読んだ中学生の寛樹が熱中症で倒れ、小説の登場人物とそっくりの美少女・伊藤ノアに助けられる物語。ストーリーとしてはノアに一目惚れした寛樹、そんな彼を気にかける妹なずなや幼馴染の桐子、桐子に片思いする親友の恒正という分かりやすい構図でしたが、最初はノアに気に入られようと必死だった寛樹が、出会った人たちの記憶から消えようとする彼女に気づき奔走する姿は、小説に描かれていたひと夏の出会いともリンクしていて、交わし合った想いの余韻がとても印象的な物語でした。
読了日:5月18日 著者:助供珠樹
化学探偵Mr.キュリー2 (中公文庫)化学探偵Mr.キュリー2 (中公文庫)感想
炎の魔法、密室の人魂、過酸化水素水の爆破予告、アーモンド臭の記憶、大学と企業のコンプライアンス違反など、Mr.キュリーこと沖野と舞衣の二人が大学内外の事件を解決する第二弾。舞衣が化学絡みの事件に首を突っ込んでそれを沖野が解決する構図や化学ミステリとしての読みやすさは変わらずでしたが、今回は化学的要素でスパっと解決するだけでなく、真相を解明した上で状況や関係者の思いを汲んで良い方に向かうように導いてあげたりとか、そんな沖野の優しさが感じられるようなお話が多かったですね。次巻も刊行予定があるようで楽しみです。
読了日:5月18日 著者:喜多喜久
化学探偵Mr.キュリー (中公文庫)化学探偵Mr.キュリー (中公文庫)感想
四宮大学庶務課の事務員になった七瀬舞衣が、Mr.キュリーと呼ばれる沖野春彦准教授と学内外の謎に挑む化学ミステリ連作短編。正義感があってあちこち首を突っ込みがちな舞衣と、そんな舞衣に振り回されがちな探偵役の沖野という二人の組み合わせがうまくハマって、テンポ良く話を動かしていた印象。化学知識を活かしたミステリであるんですが、あまり分からなくても読めるライトな感じに仕上っていたかなと思いました。最初はつっけんどんだった沖野の舞衣への態度も少しずつ変わってきていて、新展開も期待できそうな予感で次巻が楽しみですね。
読了日:5月17日 著者:喜多喜久
太宰治の辞書太宰治の辞書感想
単行本でいうと17年ぶりですか。。。文庫で読んでいた自分でも10年以上ぶりの円紫さんと私シリーズ最新作。とにかくもう出ないと思っていた続編が刊行されたことに驚いて、登場人物たちもその分確実に年齢を重ねていて、それによって変わったこと、喪われたこと、それでも変わらないことが綴られていて、その重ねた年月に戸惑いを感じたり、ミステリっぽさはあまりなかったですが、その醸し出す雰囲気にとても懐かしい気持ちになりました。こうしてまたこの作品に巡り会えて良かったです。巻末にある出版案内の参考文献っぽい作りは流石ですね。
読了日:5月16日 著者:北村薫
書店ガール 4 (PHP文芸文庫)書店ガール 4 (PHP文芸文庫)感想
周囲の同級生ほど就職活動に乗り気になれない新興堂書店アルバイトの高梨愛奈と、正社員登用とともに転機が訪れる駅ビル書店の契約社員宮崎彩加を主人公として描かれる第四弾。今回は若い二人の視点に変わりましたが、社員になる期待や責任、就職先としての書店といった悩みは理解できますし、働くことに悩みながらも乗り越えていこうとする二人を応援したいと思いました。二人の葛藤だけでなく、愛奈が企画した就職活動フェアに関連して、作中で働くことを考えるための興味深い本がたくさん紹介されているので、その点でもオススメの一冊ですね。
読了日:5月15日 著者:碧野圭
恋する創薬研究室 片思い、ウイルス、ときどき密室 (幻冬舎文庫)恋する創薬研究室 片思い、ウイルス、ときどき密室 (幻冬舎文庫)感想
大学の創薬科学科に在籍する花奈が、恋愛相談事務局に恋の相談をしたことをきっかけに、恋も研究もパッとしない理系女子を卒業しようと奮闘する物語。不気味な脅迫があったり、恋でも研究でもライバルな結崎さんと勝負することになったり、片想いする助教の智輝さんのためにも頑張る物語なのかと思いながら読んでいたんですが、よくよく考えてみると伏線こそあったものの、思い込みを見事に覆されての予想もしなかった結末には少しばかりビックリ。ただそれぞれが前を向いてリスタートすることを予感させる読後感はとても著者さんらしかったですね。
読了日:5月15日 著者:喜多喜久
薫子さんには奇なる解を (富士見L文庫)薫子さんには奇なる解を (富士見L文庫)感想
凛とした大学図書館司書・九条薫子さんが気になる大学生・桐生くんが、ふとしたきっかけから彼女の小説ネタを探す手伝いをすることになる青春ミステリ。身近で起こる事件に首を突っ込んで桐生くんに面白い回答を要求する薫子さんは実は心を許した相手を罵倒するちょっと困った人で、そんな彼女に関わろうとする物好きな桐生くんは、平凡どころかとてもよくできた人間だと思いました(苦笑)薫子さんの毒舌ぶりは好みが分かれそうですが、人が死なない事件は地に足付いた結末にどこか独特の味わい深さがありました。次巻出るようならたぶん読みます。
読了日:5月14日 著者:大槻一翔
【Amazon.co.jp限定】 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア4 書き下ろし4PリーフレットSS付き (GA文庫)【Amazon.co.jp限定】 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア4 書き下ろし4PリーフレットSS付き (GA文庫)感想
未到達領域59階層への遠征に向け準備を進めつつベルたちに稽古をつけるアイズと、ロキファミリアの59階層への挑戦を描く外伝第四弾。案外早とちりなレフィーアだったり、膝枕させるためにベルを叩きのめすアイズだったり、前半はわりとほのぼの展開でしたが、ベルの奮闘ぶりを目の当たりにしたロキファミリアの面々はやはり触発されてたんですね。後半強敵に圧倒されながら、諦めず立ち向かう精鋭たちのとても熱い戦いは本編に負けないなかなかのもの。徐々に明らかになっていく陰謀や謎がまた新たな展開に繋がりそうですね。次巻も楽しみです。
読了日:5月14日 著者:大森藤ノ
改貌屋 天才美容外科医・柊貴之の事件カルテ (幻冬舎文庫)改貌屋 天才美容外科医・柊貴之の事件カルテ (幻冬舎文庫)感想
バイト先として天才形成外科医・柊貴之のクリニックを紹介された麻酔科医・明日香が、次々と舞い込む奇妙な依頼や彼の過去の因縁に巻き込まれていく医療ミステリ。天才的な手腕以外はまるでダメ人間な柊は自分が納得した手術しか受けない主義で、そんな彼に明日香が振り回されながらもその生き様に感化されていく物語。。。かと思ったのですが、後半は柊と弟子・神楽を巡る因縁で状況が二転三転するスリリングな急展開でした。過去の因縁は今回で決着しましたが、読みやすくて依頼解決パートも話として面白かったので、是非続編に期待したいですね。
読了日:5月13日 著者:知念実希人
ドリームダスト・モンスターズ 眠り月は、ただ骨の冬 (幻冬舎文庫)ドリームダスト・モンスターズ 眠り月は、ただ骨の冬 (幻冬舎文庫)感想
何事か吹きこまれたことで急によそよそしくなった壱に戸惑う晶水。そんな状況で二人が通う高校において「老婆と蛇」の悪夢をみる生徒が続出する第三弾。事件そのものはいつものように人の恐ろしい怨念めいた思いを感じさせるものでしたが、晶水にとっていつもと勝手の違う壱との距離感が、いつの間にか当たり前になっていた壱や千代さんの存在を再認識するいいきっかけになったようですね。ようやく取り戻した二人の距離感と自覚しつつある思い。ゆっくりではあっても確実に育まれていく二人の関係からこれからも目が離せません。次巻も楽しみです。
読了日:5月12日 著者:櫛木理宇
魔剣戦記 2 ~きみの道照らす銀の月~ (オーバーラップ文庫)魔剣戦記 2 ~きみの道照らす銀の月~ (オーバーラップ文庫)感想
戦禍から村を守った竜基が、記憶が無いクサカの状況を確かめるため北アッシア城へ向かう第二弾。今回はイズミやファリンといった人材を得ながら、城内改革やら豪族対策をアリサに助言する展開でしたが、苦悩する竜基がようやく覚悟を決めて仕官したところまでが、物語としてのプロローグですか。人材の集まり具合や一気に問題が解決するご都合主義感は、そう思えば許容範囲かな。今後絡んできそうなアリサの謎めいた母親や、記憶喪失っぽい?竜基の父といった存在の登場も気になりますね。ここからどう物語を展開していくか次巻に期待ということで。
読了日:5月12日 著者:藍藤ユウ
魔剣戦記 1 ~異界の軍師乱世を行く~ (オーバーラップ文庫)魔剣戦記 1 ~異界の軍師乱世を行く~ (オーバーラップ文庫)感想
幹部自衛官の息子・南雲竜基が異世界軍事シミュレーションゲーム「魔剣戦記」の世界に転移して、軍師として苦悩を抱えながら自らの知謀を振るうことになる異世界ファンタジー戦記。主人公リューキは軍師としての才幹を見せる一方で、その優しさから戦いに望む際に非情に徹しきれずに葛藤を抱えてしまい、どこか煮え切らないようにも見えてしまいますが、全体としてはキャラもよく動いてテンポ良く進む展開が、とても読みやすくて面白かったです。乱世になりそうな今後と、別途転移した父の友人や両親たちとの邂逅がどうなるか。次巻が楽しみですね。
読了日:5月12日 著者:藍藤ユウ
校庭には誰もいない (角川文庫)校庭には誰もいない (角川文庫)感想
部長の宮本と自分の二人しか部員がしない合唱部で、部長の面倒を見る毎日を送っている女子高生・葉音梢の身の回りで起こった事件。それを二人が解決しようとする青春ミステリ。なんちゃって探偵宮本の謎解きはどこかアバウトだなあと思いながら読んでいましたが(苦笑)、自覚のないまま野球部のエースを気にかけるようになっていく梢たちの描写や、あまり関係ないように見えた事件が繋がって浮かび上がる意外で切ない顛末はまさに青春の1ページ。わりとあっさりしたテイストのストーリーでしたが、著者さんの他の作品も読んでみたいと思いました。
読了日:5月12日 著者:村崎友
結婚指輪は経費ですか? 東京芸能会計事務所 (角川文庫)結婚指輪は経費ですか? 東京芸能会計事務所 (角川文庫)感想
競馬好き俳優の秘密の出店、消費税アイドルたちの密かな企み、「結婚指輪は経費にならないのか?」ある女優と婚約をした青年実業家の質問と、お気軽に読める税金小説第二弾。元アイドルで会計事務所長・天王洲あいると雑用係・竜ヶ水隼人に加え、新キャラとしてネット情報収集を担当する新人・有明が登場。今回もまた図入りで分かりやすい解説や注釈付きで税金のあれこれについて楽しみながら読めました。鈍感な竜ヶ水と素直になれないあいるの関係も、意外な性格も明らかになった有明の存在でこれから変化が期待できそうですね。次巻も楽しみです。
読了日:5月11日 著者:山田真哉
白銀のソードブレイカー (4) ―剣の絆、血の絆― (電撃文庫)白銀のソードブレイカー (4) ―剣の絆、血の絆― (電撃文庫)感想
剣聖殺しエリザが仲間と共に最凶の剣聖・デュランダルと最後の戦いに臨む完結編。デュランダルは他の剣聖とは一線を画す存在で、いったんは圧倒的な差を見せつけられた上での再戦だったわけですが、相手は少しばかり反則級の強さでしたね(苦笑)絶望的な状況も諦めない王道展開で、不器用だったエリザがレベンスに素直になっていくところとか、そんな彼女を守ろうと奮闘するレベンスとか、ヴァー様・サンちゃん・サツキといった魅力的なキャラたちの掛け合いなど、この作品に期待していたものを最後まで十分に堪能できました。次回作にも期待です。
読了日:5月10日 著者:松山剛
青春ブタ野郎はシスコンアイドルの夢を見ない (電撃文庫)青春ブタ野郎はシスコンアイドルの夢を見ない (電撃文庫)感想
思春期症候群により、麻衣の中身が異母妹で母親と喧嘩をして家出してきた豊浜のどかと入れ替わってしまう第四弾。お互い思うところがあってすれ違ってしまう二人でしたが、そんなのどかのことを咲太に任せるあたり、麻衣さんの信頼の深さを感じますね。今回も自然体の咲太がのどかの心を大きく揺り動かしましたけど、麻衣さんは普段あんな態度だったり、仕事一筋でも咲太の存在はやっぱり大事なんだなあというのが伺えて、なんかこそばゆい気持ちになりました。デートできるようになって良かった。いろいろ動きもありそうですが、次巻も楽しみです。
読了日:5月9日 著者:鴨志田一
魔法科高校の劣等生 (16) 四葉継承編 (電撃文庫)魔法科高校の劣等生 (16) 四葉継承編 (電撃文庫)感想
四葉本家から一族有力者が顔を揃える新年「慶春会」の招待状が届けられ、真夜の口から衝撃的な「嘘」が達也に告げられる第十六弾。今回、四葉の有力分家がいくつも登場していろいろと内情も明らかになりましたが、達也の規格外の強さは今更ですけど、今回はさすがに展開が斜め上過ぎて思わず何度も読み返してしまいました(苦笑)でも話していた内容からすると真夜にとっては既定の路線なのかな。いろいろ明らかにされたことでこれから周囲も騒がしくなりそうですけど、学校関係はどうなるのかちょっと心配ですね。次巻はリーナも登場しそうで期待。
読了日:5月9日 著者:佐島勤
美都で恋めぐり (講談社文庫)美都で恋めぐり (講談社文庫)感想
彼氏と同じ大学を目指しながら受験に失敗し、母の従叔父・黒衣のいる大阪の大学に入ることとなった友恵が、大学教授の殿下、女装の大学生サカイらとの交流を通じて変化していく心境が綴られる物語。遠距離恋愛であっさり鞍替えする元カレがわりとあれな感じですが、最初印象が良くなかった女装のサカイは実は美男子な上に頭脳明晰だったりで、傷心の友恵がそんなサカイを含む周囲の人々と関わっていくうちに少しずつ立ち直り、新たな恋心を自覚していく感じがほんわかしていて、いい雰囲気の物語ですね。著者さんの他著作も読んでみたくなりました。
読了日:5月8日 著者:北夏輝
マージナル・オペレーション [F2] (星海社FICTIONS)マージナル・オペレーション [F2] (星海社FICTIONS)感想
日本の高校へ進学したサキ、難しい立場でアラタに接するホリー、学校へ行けというアラタに困惑するイブンなど、それぞれの視点を通して語られる「子供使い」アタラたちの現在地を描く第二弾。アラタの思いを何となく理解して前に進もうとする子供がいる一方で、変化に戸惑いを覚える子がいたりが興味深いですね。鈍感なアラタに焦燥を募らせる女性陣の構図は相変わらずですが、周囲から恐れられるジブリールが特別な存在になりきれなくて、少しばかり迷走気味な感も(苦笑)イブンとサキの今後にもちょっと期待ですが、しばらくは続きそうですかね?
読了日:5月7日 著者:芝村裕吏,しずまよしのり
本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第一部「兵士の娘II」本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第一部「兵士の娘II」感想
見習いになるための課題として紙を作ることになったマインとルッツの奮闘を描く第二弾。今回は紙作りのための材料だったり道具だったり、商会側と交渉しつつ協力を得られたりで、前巻に比べると大分動きやすくなった印象。何より独り抱えていた秘密を共有できたことは大きかったですね。受け入れたルッツの「オレのマインはお前でいいよ」がとてもカッコ良かったです。そんな不安を乗り越えて試行錯誤を重ねながら、わりといい感じに流れが出来てきただけに。。。今後の展開が気になります。オットーやギュンターのプロポーズ短編も良かったですね。
読了日:5月7日 著者:香月美夜
本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第一部「兵士の娘I」本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第一部「兵士の娘I」感想
本がないと生きていけない女子大生・麗乃が、書籍が高価でほとんど存在しない中世風の異世界に転生し「本が読みたい」という一念でどうにかしようと奮闘するビブリア・ファンタジー。6歳の虚弱少女・マインとしてのスタートで、今いる世界の事情も分からないなど相当なハンデがありながらも、母親仕込みのスキルを活かして生活環境改善を目指したり、目標に向けて幾多の失敗にもめげず周囲も巻き込みながら紙作りに向けて邁進していく姿がとても可愛らしく、楽しかったです。物語はまだまだ先が長そうですが、とりあえず次巻が楽しみということで。
読了日:5月6日 著者:香月美夜
書店ガール 3 (PHP文芸文庫)書店ガール 3 (PHP文芸文庫)感想
東日本のエリアマネージャー任命された理子が仙台にある書店のリニューアルオープンに携わったり、亜紀が子育てや不慣れな担当で苦闘する第三弾。震災の描写はわりとくるものがありましたが、メンバーやポジションが入れ替わったりで、いろいろ立ち位置の変化とか、前と同じやり方ではダメだとか、その場その時に応じたいい方法というのがきっとあるはずなんですよね。理子の縁というか出会いはいつも難しいのが多いなと感じつつも、理子も亜紀も苦悩しつつも仲間たちと協力して、前を向いて何とかしようと取り組む姿勢がとてもいいなと思いました。
読了日:5月5日 著者:碧野圭
書店ガール 2 最強のふたり (PHP文芸文庫)書店ガール 2 最強のふたり (PHP文芸文庫)感想
吉祥寺に出店する大手書店チェーンに転職を果たした理子と亜紀の二人。大型書店に移った戸惑いと亜紀の妊娠をきっかけとした夫との確執、吉祥寺での新たな挑戦を描く第二弾。同じ店長でも規模や慣習の違いからやることも変わってくるとか、子どもができた時にどうするのかとか、大手書店チェーンと元からあった地元書店との関係とか、どこの書店にいても多かれ少なかれ直面しそうななかなか難しい問題ですよね。でも好きだからやってる、好きだからやれるって気持ちには同感です。そういう気持ちによって書店は支えられている。自分はそう思います。
読了日:5月5日 著者:碧野圭
書店ガール (PHP文芸文庫)書店ガール (PHP文芸文庫)感想
部下の亜紀の結婚式でうっかり関係をこじらせてしまった書店のアラフォー副店長理子が、初の女性店長昇格後訪れた危機に残ったメンバー一丸で奮闘する物語。ちょっと不運な行き違いの積み重ねからどうしようもなくこじれていく関係とか、職場での変化に伴う複雑な感情だったりとか、感情のぶつかり合いがとても生々しく描写されていましたが、危機に瀕して前向きに頑張ろうと奮闘する姿勢は良かったですね。理子のこだわりと亜紀のチャレンジ精神、どちらも大事。奮闘した割にはどうにもやるせない結末も、これまた楽しみな新展開になりそうですね。
読了日:5月4日 著者:碧野圭
南都あやかし帖 ~君よ知るや、ファールスの地~ (メディアワークス文庫)南都あやかし帖 ~君よ知るや、ファールスの地~ (メディアワークス文庫)感想
室町時代、大和の興福寺にあった『天竺屋敷』に住む異国の地を引く青年妖術師・天竺ムスルと、彼のもとに奉公に出された葉月が、あやかしが絡んだ事件を解決する物語。物語の中で描かれる当時の情勢もなかなか興味深かったですが、金貸し業だったり謀反の噂だったり、あやかしへの対処だったり、いわくありげながら飄々としているムスルと、彼に接していくうちに心境が変化していく葉月の組み合わせがわりといい感じで、それにオウムのタラサがいいアクセントになって、味わい深い雰囲気になっていました。続きが出るようならまた読んでみたいです。
読了日:5月4日 著者:仲町六絵
忘却のレーテ (新潮文庫nex)忘却のレーテ (新潮文庫nex)感想
昨日のすべてを忘れさせる記憶消去薬「レーテ」。両親を事故で亡くした唯が、実用化に向け最後の実験に被験者として参加するお話。7日間の実験に集められた7人の被験者、繰り返される似たような、それでいて少しずつ異なっていく毎日。薬そのものの効果を試すことと、トラウマを抱えている唯がこの経験を重ねていくことが重要なポイントと思いましたが、なるほどなあとか、そこまでするのかとは思ったものの、重ねていった結果として迎えた結末はさほど驚くようなものではなかったですね。やはり読み直さないと分からない部分がありました(苦笑)
読了日:5月3日 著者:法条遙
かくりよの宿飯 あやかしお宿に嫁入りします。 (富士見L文庫)かくりよの宿飯 あやかしお宿に嫁入りします。 (富士見L文庫)感想
奔放だった亡き祖父の借金のかたとしてあやかしの棲まう「隠世」に攫われて、老舗宿「天神屋」の大旦那に嫁入りしなくてはならないと告げられた女子大生葵の奮闘を描く物語。隠世で良くも悪くも有名人だった祖父の影響もあって、周囲の第一印象は最悪。そんな状況で嫁入り回避のために働いて借金を返そうとする葵が、あやかし好みの飯で胃袋を掴んで関係を築いていく描写がとても美味しそうで(苦笑)、人情味溢れていてとてもいいなと思いました。あやかしたちとの交流から心境を変化させていった葵と大旦那との今後も気になるので次巻も期待です。
読了日:5月3日 著者:友麻碧
宝石吐きのおんなのこ ~ちいさな宝石店のすこし不思議な日常~ (ぽにきゃんBOOKSライトノベルシリーズ)宝石吐きのおんなのこ ~ちいさな宝石店のすこし不思議な日常~ (ぽにきゃんBOOKSライトノベルシリーズ)感想
宝石店を営む店主スプートニクと宝石吐きの少女・クリューが、彼女の体質もあっていろいろ不思議な出来事に巻き込まれていく物語。クリューは奴隷のような毎日から自分を助けだしてくれたスプートニクを慕うものの、子供扱いされたり意地悪だったり、不用意な言動も多くてぷりぷりする毎日。でもそんな彼も彼女の危機には何を置いても最優先で奔走するんですよね。ちょっとしたやりとりに幸せを感じるクリューがとても可愛くて、恋人でも保護者でもないそんな二人のお互いを大切に思うほんわかした距離感や、物語の雰囲気がとてもいいと思いました。
読了日:5月2日 著者:なみあと
一ナノ秒のリリス (講談社ラノベ文庫)一ナノ秒のリリス (講談社ラノベ文庫)感想
コンビニでたくさんの血まみれ死体と、その中心で泣く少女・リリスと出会った病弱な少年・赤羽一希が、転入してきた彼女と再会する一夏の物語。シーンごとの描写にはわりと光るものがあってポテンシャルを感じましたが、それらを繋げるストーリーや設定といった部分を、もう少し丁寧に積み上げられると良かったですかね。この手の物語にしては珍しい、ハッピーエンドでもなく悲劇でもない余韻の残るエピローグは印象的。しかしまさにそれを書くために組み込んだ様々な設定が、一方でいろいろと物語を難しいものにしてしまったようにも感じました。
読了日:5月2日 著者:瀬尾順
迷宮都市のアンティークショップ (ファミ通文庫)迷宮都市のアンティークショップ (ファミ通文庫)感想
とある街のアンティークショップを舞台に、付与道具のアイテム鑑定とそれにまつわるダンジョン探索者たちの物語を描く冒険譚。ストーリーとしては飄々とした店長フジワラと全身甲冑姿のアネモネさんで運営するお店に、アイテムを持った冒険者が訪れる短編構成。各話のんびりとしたお話が淡々と綴られているので、読んだ印象としてはもう少しメリハリあっても良かったかも。でもアネモネさんと店長の出会いはいい感じの雰囲気で結構好みでした。短編が最終的にひとつの物語に繋がっていきそうな構成なので、次巻でそれがどのような形になるかですね。
読了日:5月1日 著者:大場鳩太郎
結局、ニンジャとドラゴンはどっちが強いの? (MF文庫J)結局、ニンジャとドラゴンはどっちが強いの? (MF文庫J)感想
竜人によって人類が追い詰められている世界で、とある村を守る剣聖女・メルシオーネと出会い主従契約を結んだシノビ・サビトが二人でドラゴンと戦うバトルファンタジー。特殊な存在であることを隠しながらわりと天然で無防備なメルと、実力はあるけど朴念仁なサビトの二人が出会って、相性の良さを感じさせる会話を積み重ねて少しずつ距離感が変わったり、悲壮な決意を抱えがちなメルをサビトがしっかりと支える構図がとても良かったです。激闘を二人で乗り越えて共に歩むことを選択した二人がこれからどうなっていくのか、次巻がとても楽しみです。
読了日:5月1日 著者:伊達康
異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術2 (講談社ラノベ文庫)異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術2 (講談社ラノベ文庫)感想
異世界召喚した召喚主の少女二人を奴隷としてしまったコミュ障魔王の物語第二弾。今回はエルフの王女シェラを巡って、エルフの王国が返還を求めるお話で、コミュ障で交渉が絶望的だったり、殺さないための加減が難しかったり、搦手で目的を達成しようとする相手に騙されかけたり、この世界では圧倒的な力を持つはずの魔王が苦戦する構図がなかなか興味深かったです。シェラの複雑な想いが語られたり、三人の絆を再確認した悲喜交々な結末でしたが、エピローグの意外な展開からすると次回は秘密を抱えるレムの話になりそうですね。次巻も楽しみです。
読了日:5月1日 著者:むらさきゆきや

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