読書する日々と備忘録

主に読んだ本の紹介や出版関係のことなどについて書いています

※弊サイト上の商品紹介にはプロモーションが使用されています。

個人的にもっと読んでもらえたらいいなと思うオススメラノベ作品11選

これまで2本ほど最近のラノベ本紹介記事を書いてきましたが、カテゴライズが微妙が難しい、個人的にもっと読んでもらえたらいいなと思うオススメ作品がいくつかあるので、今回はそのうち単巻か、シリーズでも巻数が2巻くらいまでのものを紹介したいと思います。

 

まずは単巻もの3作品。

このラブリードールは俺の妹ですか? (電撃文庫)

このラブリードールは俺の妹ですか? (電撃文庫)

 

 実を言うとこの作品を紹介するために今回この記事を書いたと言っても過言ではない一冊。複雑な家庭環境もあって引きこもり気味になり、妹みさらへの恋心をひた隠しにしながら二人でゲーム三昧の生活を送っていた高校生杳一郎が、逃走した兄の代わりに映画製作に巻き込まれていく物語。

 

映画に使用する妹そっくりの人形や個性的なキャラは登場しますが、お話自体は映画製作にのめり込んでいく杳一郎の成長をメインとして描く、わりとまっすぐな青春ものですね。もやもやとする思いを抱えながら現実逃避気味だった杳一郎が、トラブル続きの映画製作やきちんと話し合えなかった妹への想いに逡巡しながらも、周囲の後押しも得てきちんと向き合っていく姿勢は応援したくなります。

 

魅力的なヒロインである妹・みさらの出番が中盤ではやや少なめなのが残念ですが、終盤には重要なキーマンとして登場します。タイトルとかあらすじの雰囲気でわりと損してるかなという印象のある本作ですが、読後感の爽やかなストーリーは一読の価値があります。青春小説が好みな方にはそれを乗り越えて是非読んでみて欲しい一冊です。

 

我がヒーローのための絶対悪 (ガガガ文庫)
 

 正義のヒーローとして悪に立ち向かう使命を背負わされた幼馴染の少女ミアのために、宿敵として立ちはだかることを選んだ少年・武尊の物語。久しぶりに再会してからは疎遠になっていた二人が、それでも再び歩み寄りの兆しや問題解決の道も見えかけていたのに、些細なきっかけからそれが狂い始めて、幼馴染を巻き込まないよう、暴走しないようお互いを遠ざける結果になってしまう展開がとても熱いのに、どうしようもなく悲劇的で切ないです。とてもガガガ文庫らしいというか、ガガガ文庫以外では刊行されなさそうな、そんなちょっと尖った作品です。

パンツではじまる世界革命 (一迅社文庫)

パンツではじまる世界革命 (一迅社文庫)

 

 電車に乗っていて女子高生と一緒に異世界に飛ばされた主人公が、この世界にパンツがないことを嘆き発明すべく動き出す物語。主人公は女の子たちのためにかわいいパンツを作ろうとひたすら突き進むだけなんですが、それを生み出すための熱意やアイデアに周囲も感化されて経済や産業の発展に繋がり、三つ巴だった異部族を超えた世界革命にまで繋がる奇想天外さが秀逸。そんな物語を単巻でうまくまとまめているあたり、今後も注目の作家さんですね。

 

今後シリーズとして期待したい4作品

 亡国の地トレントから大国に反旗を翻した失地王の下、魔剣の軍師ジュリオが集めた英雄たちと立ち上がるファンタジー戦記。英雄たちはなぜかことごとく残念な性格で、日常は突っ込まれることの多い展開になりがちでしたが、そんな彼ら彼女らも戦場では大活躍したり、戦闘パートもしっかり描かれていて、やや異色の存在ですが今後期待のシリーズ。

 4月に2巻目も刊行になりますね。

海波家のつくも神 (富士見L文庫)

海波家のつくも神 (富士見L文庫)

 

 両親を事故で失って、田舎の一軒家で独り暮らしをすることになった高校生・大地の、つくも神たちと過ごす日々。つくも神が見えるのは両親譲りの力で、そんな共同生活に戸惑いながらも、それを徐々に受け入れていくことで、両親の死によって失いかけていた人との関わりや、ものを大切に思う気持ちを取り戻していく、不思議で優しい世界観のお話ですね。現在2巻まで発売中。

無能力者のオービット・ゲーム 1 (オーバーラップ文庫)

無能力者のオービット・ゲーム 1 (オーバーラップ文庫)

 

 無重力下で「遺能」による「オービット・ゲーム」が人気を博している世界。幼馴染との約束を果たすべく宇宙に上がった無能力の日向ソラが宇宙学校に入学し、これまでの常識を覆していく物語。解散の危機に瀕したチームに加入した主人公が癖のある仲間たちと覆すべく戦うというのはよくありそうな設定ですが、設定や登場人物たち、物語の背景といった部分をわりと丁寧に描いていて、メリハリの効いた展開や分かりやすいストーリーには好感。2巻まで刊行中。

異世界管理人・久藤幸太郎 (電撃文庫)
 

 各部屋が異世界12の国々に繋がる謎のアパートあけぼの荘。叔父からその管理人役を受け継いだ高校生・久藤幸太郎が、調停人「オー・ヤサン」として国同士の問題を解決する物語。高校生ながら冷静な視点で駆け引きや交渉を行う幸太郎と、おバカだけど憎めない可愛い王女スフレのコンビがいい感じの組み合わせを軸に、登場する各国の構図をしっかりと描いて、メリハリの効いたテンポのあるストーリーにしているところは好感。2巻まで発売中。

 優れた聴覚を持つ田野音好が、入学式で「一耳惚れ」した美少女を追って朗読部に入部したことから始まる物語。聴覚以外は普通のうっかりキャラ音好が、朗読部員を始めとする個性的な人物に振り回されながら、なぜか次々と訪れるトラブルやお悩み相談に、特異な聴覚を活かして些細なイントネーションや言葉から違いを見出して問題解決に導く、ライトなミステリー&学園コメディ。今後はラブコメ的展開や朗読部の活動にも期待できそうなシリーズですね。


最後に続編が出るか分からないですが、刊行されるなら読んでみたい4作品。

 最初は一発もののネタっぽい感じかと思いましたが、40歳になるとどこも雇ってくれない、主婦とアイドル業しかできないと自覚するかーちゃんが主人公と引きこもりの妹を養うため、17歳教に入って17歳に戻り、アイドルに復帰することを決意する、家族愛をテーマとするわりと真面目でハートフルテイストなお話。師さんがいい仕事したのも大きいと思いますが、多少粗さがあっても、懸命に頑張るかーちゃんを応援したくなるお話です。2巻まで発売中。

封神裁判 (電撃文庫)

封神裁判 (電撃文庫)

 

 神々の世界で著名な神様たちを主要登場人物に据え、高天原の女神・菊理姫から依頼された被告神の弁護に万年資料整理の弁護神伏義が立ち上がるという法廷コメディ。経験不足の弁護神伏義を弁護神見習いでカワイイ菊理姫がうまくサポートしていくという構成で、テンポ良く進むストーリーと、被疑者の疑惑が深まっていく中でも諦めない伏義が、最後まで真実に辿り着くべく粘ってその本音を引き出す熱い展開はグッと来ます。まだわりと謎も残っていたりで続巻に期待したい作品。2巻まで発売中。

魔王殺しと偽りの勇者1 (ファミ通文庫)

魔王殺しと偽りの勇者1 (ファミ通文庫)

 

 復活した魔王を倒した勇者は誰か?王の依頼を受け、魔族に堕ちた王族のユーサーと共に、4人の勇者候補を調査する王宮騎士エレインのお話。堅物なエレインと冷静沈着なユーサーという組み合わせで王の側近や候補者たちに当たっていく、ファンタジー世界でのミステリーものですが、二人の掛け合いの妙やその徐々に変わっていく関係がハマる人にはハマりそうな、じっくり読むのが好きな人にオススメのシリーズです。2巻まで刊行中。

青雲を駆ける (ヒーロー文庫)

青雲を駆ける (ヒーロー文庫)

 

 父に師事して野鍛冶の修行を続けていたエイジが、記憶喪失となって青銅器が使われている時代の異世界に迷い込むファンタジー。若くて美しい未亡人タニアに拾われて、村の鍛冶師として生きていくために地道に試行錯誤を重ねながら成果を積み上げていく物語。異世界転生ものとして見るとバトル要素も特になく一見やや地味な印象もありますが、全体としては専門的になり過ぎない内容がほどよい感じで、もし続刊が出るなら読んでみたい一冊。

 

以上です。今回は巻数少なめのものを中心に紹介しましたが、今後シリーズ単位でもオススメの作品を紹介していけたらなと思います。

 

関連記事:

yocchi.hatenablog.com